【営業プロ直伝】営業職の志望動機の書き方は?例文とやってしまいがちなNG例を紹介

【営業プロ直伝】営業職の志望動機の書き方は?例文とやってしまいがちなNG例を紹介

転職活動を進めるなかで、志望動機の欄だけが埋まらないまま止まってしまったことはないでしょうか。営業として数字を積んできたのに、いざ書こうとすると当たり障りのない言葉しか浮かばない、という方は多くいらっしゃいます。

志望動機がうまく書けないのは、あなたの経験が足りないからではありません。営業職は、扱う商材や相手にする顧客、営業の進め方によって仕事の中身が大きく変わります。これまでの経験のうちどこを取り出して伝えるかは、応募先ごとに変わってきます。

しかし、一般的な志望動機の書き方の解説を見ても、自分の場合にどう当てはめればいいかまではつかみにくいでしょう。

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この記事では、営業職として10年以上の経験を持ち、2,000名を超える営業パーソンのキャリア相談や採用面接に携わってきた、SQiL Career Agent初代事業責任者の梅田翔五の知見を交え、営業職の志望動機の書き方を解説します。

「今の志望動機で本当によいのか」と不安な方に、選考で評価される伝え方もお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

著者/梅田 翔五
著者/梅田 翔五
『営業の転職』著者。大手製薬メーカーで営業としてキャリアをスタート。大手人材紹介会社でのCAマネージャー、SaaSスタートアップでのセールスマネージャーを経て、株式会社セレブリックスへ入社。「SQiL Career Agent」の立ち上げを担った、SQiL Career Agent 初代事業責任者。

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営業職の志望動機で採用担当者が見ている3つのポイント

志望動機を書き始める前に採用担当者がどこを見ているかを知っておくと、書くべき内容が絞り込めます。営業職の中途採用で確かめているのは、次の3つです。

  • 「なぜ営業職なのか」に一貫性があるか
  • 入社後も成果を再現できるか
  • 自社で長く活躍できる志向を持っているか

また、営業職の場合は、志望動機の中身そのものが、事前準備や話の組み立てができているかを測る材料にもなります。あなたが書こうとしている内容がこの3つに答えられているか、照らし合わせながら読み進めてみてください。

関連記事:転職で志望動機がない場合はどうする?志望動機の重要性や考え方などを解説

「なぜ営業職なのか」に一貫性があるか

採用担当者がまず確かめるのは、志望動機とこれまでの経歴、そして転職を考えた理由が同じ方向を向いているかどうかです。ここに食い違いがあると、ほかの回答がどれだけ良くても評価は下がります。

営業経験がある方は、これからも営業を続ける理由を自分の言葉で話せるようにしておきましょう。未経験の方であれば、今のタイミングで営業に移りたいと思った理由がそれにあたります。

面接では、志望動機で伝えた内容を起点に質問が広がっていきます。たとえば、次のような形で掘り下げられます。

志望動機で伝えたこと

面接で確かめられること

顧客と長く関わる仕事がしたい

今の職場で既存顧客をどう担当してきたか、なぜそれが続けられないのか

裁量を持って提案したい

今はどこまで自分で決められるのか、何が足りないと感じたのか

形のない商材を扱いたい

有形商材の営業で物足りなさを感じた場面はどこか

志望動機の一文一文が、そのまま次の質問の入り口になります。書いた内容について、なぜそう思ったのかを三段階まで掘り下げておくと、面接での受け答えが安定します。

入社後も成果を再現できるか

採用担当者が実績を聞くのは、数字そのものを確かめたいからではありません。同じ成果を自社でも出せそうかを見ています。

厚生労働省の令和2年転職者実態調査でも、転職者を採用した理由は「経験を活かし即戦力になるから」がもっとも高い結果でした。営業職に限らずですが、中途採用はこれまでの経験が次の職場で通用するかどうかを軸に見られています。

ところが、志望動機に「年間目標を120%達成しました」と書くだけでは、その成果をどう作ったのかまでは伝わりません。数字の前後にある場面と行動をセットで書きましょう。

関連記事:自己PRに悩む人に送る!自分の強みを見つける3つのポイント
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

【実績を再現性のある話にする3ステップ】
STEP 1:どんな状況から始まったかを書く
担当エリアの新規契約が伸び悩んでいた、既存顧客の解約が続いていたなど、その時点で抱えていた状況を書き出します。
STEP 2:自分が変えた行動を書く
訪問の順番を組み替えた、提案資料の見せ方を変えたなど、自分の意思で動かした部分まで書きましょう。
STEP 3:その結果を数字で示す
達成率や件数の変化を添えて、行動と結果を一本の線でつなげます。

採用担当者が知りたいのは、達成したかどうかではなく、どうやって達成したかです。この3ステップで書けば、商材や業界が変わっても通用する経験として読んでもらえます。

自社で長く活躍できる志向を持っているか

3つ目に見られているのは、その会社で長く活躍していきたいという志向があるかどうかです。中途採用には採用コストも教育の時間もかかるため、入社後すぐに辞めてしまわないかを企業は事前に確かめます。

ここで見られているのは、会社への忠誠心ではありません。あなたが望んでいる働き方と、その会社の実際の姿が噛み合っているかどうかです。

たとえば同じIT業界の営業でも、創業間もない会社と上場している会社では日々の動き方が違います。前者は仕組みを自分で作る場面が多く、後者は決まった型のなかで数字を伸ばす場面が増えるでしょう。どちらがよいかではなく、自分はどちらで力を出せるかを言葉にできると、長く働く姿が伝わりやすくなります。

志望動機に入れておきたいのは、次の3点です。

  • ほかの会社では言えない、その会社ならではの理由を挙げている
  • 入社後にやりたいことが、募集しているポジションの中身と重なっている
  • 3年後、5年後にどうなっていたいかを自分の言葉で話せる

企業研究が足りないまま書いた志望動機は、この3点のどこかが薄くなるでしょう。求人票と採用ページを読み込むところから始めてみてください。

ここでAIが生成した言葉をそのまま使ってしまうと、せっかくの志望動機からあなた自身の熱意やオリジナリティが消えてしまうため注意が必要です。

関連記事:AIで志望動機を作るとバレる?人事が違和感を抱く理由とバレない作成方法

「自分一人では応募先に合わせた志望動機がうまく作れない」「自分の強みが活きる企業の選び方に不安がある」という方は、SQiL Career Agentへご相談ください。平均10.6回の面談を通じて、あなたの経験や希望に寄り添いながら、選考で評価される志望動機づくりをプロのアドバイザーが伴走支援します。

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採用担当者に評価される志望動機の基本型

志望動機は、書く前の材料集めと、集めた材料の組み立てという2つの段階に分けると迷いにくくなります。ここでは、その両方を順に見ていきましょう。

材料は、業界・職種・企業という3つの方向から集めます。

集める方向

書き出しておきたいこと

業界

なぜこの業界なのか。今後の伸びしろや、これまでの経験と重なる点

職種

なぜこの職種なのか。求人票で仕事の中身を確かめたうえで、活かせる強みと身につけたいこと

企業

なぜこの会社なのか。同じ業界の他社では言えない、その会社ならではの理由

3つのうちどれかが抜けると、志望動機は途端に薄くなります。業界の話だけで終われば他社にも当てはまる内容になり、企業の話だけを並べると、なぜ営業として入りたいのかが伝わりません。

材料がそろったら、次の3点を意識して組み立てましょう。

結論から書き、過去・現在・未来を一本の線でつなぐ
まず入社後にどう貢献したいかという結論を置き、次にその理由、最後に入社後の動き方を書きます。ただし、この型に情報を当てはめるだけでは足りません。営業を選んだ経緯、この会社を選んだ理由、これから目指す姿が、一人の人物の話として続いているかを確かめてください。

実績は、そこに至る行動とセットで書く
数字だけを並べても、再現できる力かどうかまでは伝わりません。前の見出しで挙げた「実績を再現性のある話にする3ステップ」の内容を、志望動機のなかにも短く織り込みます。

貢献の中身を、仕事と会社の両面から書く
担当するポジションで何ができるかに加えて、その会社が目指していることに自分の力がどう重なるかまで書けると、長く働く姿まで見えてきます。

この3点がそろった志望動機は、面接で掘り下げられてもぶれません。材料集めに時間をかけたぶん、書く作業そのものは短く済むでしょう。

【経験別】営業職の志望動機の例文

ここからは、実際の例文を見ながら書き方を確かめていきましょう。まずは営業経験の有無で分けた2つのパターンです。

  • 営業未経験|「なぜ営業なのか」を伝える場合
  • 営業経験者|「なぜこの業界なのか」を伝える場合

未経験の方は職種を選ぶ理由、経験者は業界を選ぶ理由が、それぞれ掘り下げられやすいポイントです。ご自身に近いほうから読んでみてください。

営業未経験|「なぜ営業なのか」を伝える場合

営業が未経験の場合、採用担当者がもっとも知りたいのは、なぜ今このタイミングで営業に移りたいのかという点です。営業への憧れを語るよりも、前職のどの場面で営業という仕事に近づいたのかを具体的に書きましょう。

前職で顧客と接した経験があるなら、それはすでに営業の土台ともいえるでしょう。販売職での接客、事務職での顧客対応、エンジニアとしての要件のすり合わせなど、相手の要望を聞いて形にしてきた経験は、そのままアピールできる材料になります。

例文(販売職から法人向けIT営業へ)

家電量販店で3年間、パソコン売り場の販売を担当してまいりました。来店されたお客様の多くは、必要な性能を自分では言葉にできず、価格だけを見て迷っている状態です。私は購入後に何をしたいのかを先に伺い、用途から逆算して機種を絞り込む進め方を続けた結果、担当売り場の販売台数を前年比118%まで伸ばすことができました。

この経験を重ねるなかで、店頭に来られたお客様への対応だけでなく、まだ課題に気づいていない相手にこちらから提案しにいく営業の仕事がしたいと考えるようになりました。

貴社は中小企業に向けて業務システムを提供されており、IT担当者を置いていない企業への導入支援に強みをお持ちです。専門知識のない相手にわかる言葉で伝えることは、私が売り場で3年間続けてきたことと重なります。入社後は、まずインサイドセールスとして製品知識と業界理解を深めながら、お客様が言葉にできていない困りごとを引き出す提案を積み重ねてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 前職の行動を数字とセットで書いている
    →販売台数118%という結果に、用途から逆算するという行動が添えられています
  • 営業に移りたい理由を前職の延長で語っている
    →憧れではなく、店頭対応の限界という具体的な経験から動機が生まれています
  • 未経験であることを前提に入社後の道筋を書いている
    →最初から成果を約束せず、まず何を身につけるかを示しています

なお、あなたの職種が上の例と違っていても心配はいりません。相手の要望を聞き、何かを提案し、その結果が返ってきた経験があれば、それは営業の入り口に立っている証拠です。まずは前職で自分が動かした場面を書き出すところから始めてみてください。

営業経験者|「なぜこの業界なのか」を伝える場合

営業経験がある方の場合、営業を続ける理由はある程度伝わっています。掘り下げられるのは、なぜその業界を選ぶのかという点です。

ここで気をつけたいのは、業界の成長性だけを理由にすると、同じ業界の他社にもそのまま当てはまる内容になってしまうことです。市場が伸びていることに加えて、その業界・その会社では自分の何が活きるのかまで書きましょう。

例文(人材業界の法人営業からSaaS業界へ)

人材紹介会社で4年間、法人営業として企業の採用支援に携わってまいりました。採用がうまくいかない企業の多くは、募集要項そのものより、社内で求める人物像が固まっていないことに原因があります。私は求人をお預かりする前に採用の目的を伺う進め方に切り替え、担当企業の内定承諾率を32%から51%まで引き上げました。

この4年間で、お客様の困りごとの中身が採用から社内の仕組みそのものに広がっていくことを何度も経験しました。人を採るだけでは解決しない課題に対して、業務の進め方から一緒に変えていく提案がしたいと考え、SaaS業界を志望しております。

貴社の人事労務システムは、まさに私がお客様から相談を受けてきた領域を扱っています。人事の現場で何が起きているかを4年間見てきた経験は、導入を検討される企業の担当者と同じ目線で話すうえで活きると考えております。入社後は、業界知識の学び直しを進めながら、採用支援で培った課題の引き出し方を提案に活かしてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 業界を変える理由を、顧客から見えた変化として書いている
    →市場が伸びているからではなく、現場で起きたことが動機になっています
  • 前職の顧客と応募先の顧客が重なる点を示している
    →人事の現場を知っているという強みが、業界の接点として伝わります
  • 未経験領域があることを認めたうえで書いている
    →未経験領域の学習に触れることで、話の現実味が増しています

業界を変える転職では、前職の顧客と応募先の顧客がどこで重なるかが説得力を左右します。担当してきた業界、扱ってきた商材、接してきた役職の3つを書き出すと、重なる点が見えてくるでしょう。

【業界別】営業職の志望動機の例文

業界を変える転職では、なぜこの業界なのかという理由が必ず掘り下げられます。市場が伸びているという話だけでは、同じ業界のどの会社にも当てはまってしまうためです。前職で見てきたものと応募先の業界がどこで重なるのかまで書けると、話に厚みが出ます。

ここでは、営業職の転職先として選ばれることの多い5つの業界を取り上げます。

  • IT・SaaS業界の場合
  • メーカーの場合
  • 人材業界の場合
  • 不動産業界の場合
  • 保険・金融業界の場合

志望している業界の項目から目を通してみてください。

IT・SaaS業界の場合

SaaS業界は、契約したあとも顧客に使い続けてもらうことで収益が積み上がる仕組みです。売り切って終わる商材を扱ってきた方は、この違いに触れると志望理由がはっきりします。製品への興味だけを書くと、なぜ営業として関わりたいのかが抜け落ちるので気をつけましょう。

例文(自動車ディーラーの個人営業からSaaS企業へ)

自動車ディーラーで5年間、新車の個人営業を担当してまいりました。数百万円の買い物を前に迷われるお客様には、車両価格だけでなく購入後の維持費まで含めた総額をお示しする進め方に変え、年間の販売台数を48台まで伸ばしました。

一方で、納車を終えるとお客様とのお付き合いが途切れてしまうことに、次第に物足りなさを感じるようになりました。

貴社の在庫管理システムは、導入して終わりではなく、使われ方を見ながら運用の改善まで支援されています。売った時点をゴールにせず、お客様の成果まで見届ける営業がしたいという私の希望と重なりました。入社後はまずインサイドセールスとして製品と業界の理解を深め、現場で困っている点を引き出す提案を積み重ねてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 有形商材での実績を数字とセットで書いている
    →年間48台という結果に、総額を示す進め方が添えられています
  • 業界を変えたい理由を仕事の中身の違いから語っている
    →納車後に関係が途切れる経験が動機になっています
  • 入社後の入り口を具体的に示している
    →未経験領域があることを前提に道筋を書いています

IT・SaaS業界を志望する場合、製品への興味より、契約後まで関わる仕事の形に惹かれた理由を書くほうが伝わります。

実際にSQiL Career Agentへご相談いただいた方のなかには、応募した書類の9割が選考を通らない状態から、職務経歴書の書き方を見直したことで、2ヶ月ほどで上場SaaS企業の内定を得た方もいらっしゃいました。

書いてきた経験そのものが増えたわけではありません。同じ経歴でも、どの場面を取り出してどう並べるかで、受け取られ方は変わります。

関連記事:書類落ち90%から2ヶ月で上場SaaS内定!営業の転職成功事例

メーカーの場合

メーカーの営業は、自社の製品だけを扱う分、商材への理解の深さがそのまま提案の質になります。商社や代理店から移る方は、複数メーカーを比較する立場から一社の製品に絞る立場への変化を、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

例文(専門商社の法人営業からメーカー営業へ)

機械工具を扱う専門商社で6年間、製造業のお客様を担当してまいりました。複数メーカーの製品を比較してご提案する立場でしたが、加工精度についてご相談をいただいても、仕様の細かい部分は各メーカーに確認するしかない場面が続きました。

自分が扱う製品を深く理解したうえで提案したいという思いが強くなり、メーカーの営業を志望しております。

貴社の切削工具は加工現場での使い分けが難しく、提案の質がそのまま採用の決め手になる商材だと理解しております。商社時代に複数メーカーの製品を横並びで見てきた経験は、お客様が他社製品と比較検討される場面で活きるはずです。入社後は製品知識を身につけながら、既存のお取引先との関係を深めてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 商社とメーカーの違いを自分の経験から書いている
    →確認するしかなかった場面が転職の動機になっています
  • 前職の立場を強みとして置き直している
    →複数メーカーを見てきた視点が比較の場面で活きます
  • 応募先の商材の特徴に踏み込んでいる
    →提案の質が決め手になる商材だという理解を示しています

メーカーの選考では、なぜ商社ではなくメーカーなのかがほぼ確実に聞かれます。一社の製品に向き合いたい理由を、前職で感じた場面から書き起こしてみてください。

人材業界の場合

人材業界の営業は、無形商材のなかでも人の働き方に直接関わる仕事です。人の役に立ちたいという気持ちだけでは他業界にも当てはまるため、なぜ人材という手段なのかまで踏み込みましょう。

例文(通信インフラの法人営業から人材業界へ)

法人向けの通信回線を扱う会社で4年間、中小企業の新規開拓を担当してまいりました。回線のご提案でお伺いした先で実際に多くご相談いただいたのは、人が採れないという困りごとです。工事日程の話をしていたはずが、採用のご相談に変わることも一度や二度ではありませんでした。

私が扱っていた商材では応えられない部分にもっと踏み込みたいと考えるようになったことが、人材業界を志望した理由です。

貴社は製造業と物流業に絞って人材紹介を展開されており、私が4年間訪問してきた業界と重なります。現場の人手不足がどのような形で表れるのかを見てきた経験は、企業のご担当者と同じ目線でお話しするうえで活きると考えております。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 業界を選んだ理由を訪問先での出来事として書いている
    →社会貢献という言葉に頼らず実際の場面が根拠になっています
  • 前職の担当業界と応募先の対象が重なる点を示している
    →製造業と物流業という接点が明確です
  • 商材が変わることを正面から書いている
    →応えられなかったという言葉で転職の必然性が伝わります

人材業界では、人の人生に関わる重みと数字を追う姿勢の両方を持てるかが見られます。きれいごとだけでまとめず、前職で数字を追ってきた経験もあわせて書きましょう。

不動産業界の場合

不動産業界は、賃貸仲介・売買仲介・新築販売・土地仕入れなど、領域によって働き方が大きく変わります。どの領域を志望しているのかを書かないまま進めると、面接での話がかみ合わなくなるので注意しましょう。

例文(リフォーム営業から不動産の売買仲介へ)

リフォーム会社で3年間、戸建てにお住まいのお客様へのご提案を担当してまいりました。水回りの改修は100万円を超えることも多く、ご家族で何度も相談されたうえでご決断されます。私は初回訪問で予算だけを伺うのではなく、あと何年その家に住む予定かを先に確認する進め方に変え、成約率を22%から34%まで高めました。

ご相談をいただくなかで、改修よりも住み替えを検討されたほうがよいご家庭にも出会い、家そのものの選択から関わりたいと考えるようになりました。

貴社は売買仲介のなかでも既存住宅の流通に力を入れておられます。3年間、住宅の傷み具合を現場で見てきた経験は、購入を検討されるお客様に建物の状態をお伝えするうえで活きるはずです。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 志望する領域を明示している
    →売買仲介と書くことで、面接での話がぶれません
  • 高額な決断に寄り添った進め方を具体的に書いている
    →住む年数を先に確認するという行動が示されています
  • 前職で見てきたものが応募先で活きる形を示している
    →建物の状態を見てきた点が接点になっています

不動産業界を志望するなら、自分が新規開拓と既存フォローのどちらで成果を出してきたかもあわせて書きましょう。領域ごとに求められる動き方が違うためです。

保険・金融業界の場合

保険・金融業界の営業は、お客様の資産や健康に関わる情報を扱います。そのため選考では、話の上手さより正確さや誠実さが見られる傾向にあります。数字の実績に加えて、相手との関係をどう積み上げてきたかを書きましょう。

例文(求人広告の法人営業から法人向け保険営業へ)

求人広告の代理店で5年間、中小企業の採用ご担当者を訪問してまいりました。広告を出す前に採用の目的を伺い、募集条件から見直すご提案を続けた結果、担当企業の継続契約率を61%から78%まで高めました。

訪問を重ねるうちに、経営者の方から事業承継や従業員の退職金についてご相談をいただく機会が増え、採用以外の場面でも力になりたいと考えるようになりました。

貴社は中小企業に絞って法人保険を扱っておられ、経営者との関係づくりを何より重視されています。5年間、経営者と直接お話しする機会を積み重ねてきた経験は、保障のご提案でも土台になるはずです。入社後は募集人資格の取得を早期に進め、税務や財務の知識を計画的に身につけてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 経営者と直接話してきた経験を前面に出している
    →法人保険で必要な相手との接点が伝わります
  • 相談内容の変化から志望理由を組み立てている
    →業界を変える必然性が経験から説明されています
  • 資格取得と学習の計画に触れている
    →知識を積み上げる仕事だと理解していることが伝わります

保険・金融業界の選考では、書類の書き方そのものも見られていると考えておきましょう。誤字や数字の食い違いがないか、提出前にもう一度読み返してみてください。

ここで取り上げた5つ以外の業界については、業界ごとに志望動機の例文をまとめた記事があります。あわせて参考にしてください。

【関連記事一覧(業界別の志望動機例文)】

【顧客別】営業職の志望動機の例文

営業職の求人を見ていくと、同じ営業でも相手か法人か個人かで、仕事の進め方がまったく違うことに気づくはずです。

ここからは、誰を相手にする営業を選ぶのかという軸で例文を見ていきます。

  • 法人営業の場合
  • 個人営業の場合

選考でよく掘り下げられるのが、この軸をなぜ選んだのかという点です。フィールドセールスやインサイドセールスといった役割もあるなかで、なぜ法人なのか、なぜ個人なのかを説明できないままだと、話の筋が通っていないと受け取られてしまいます。

反対に、ここを自分の言葉で話せる方は、目先の求人だけでなく長い目でキャリアを考えていると伝わります。顧客・手法・役割という3つの軸のどれについても、選んだ理由を持っている状態が理想です。

法人営業の場合

法人営業は、担当者の一存では契約が決まりません。現場の担当者、その上司、決裁者と、社内で話が上がっていく過程に付き合う仕事です。志望動機では、社内を巻き込みながら話を進めた経験を書きましょう。

個人営業から法人営業へ移る場合は、相手が組織になることで何が変わるかを理解しているかどうかが見られます。検討期間が長くなること、担当者の意見だけでは決まらないことに触れておくと、仕事の中身をつかんだうえで応募していると伝わるはずです。

例文(携帯ショップの個人営業から法人営業へ)

携帯電話の販売代理店で4年間、来店されたお客様への提案を担当してまいりました。料金プランの見直しをきっかけに、通信環境全体のご相談まで受けることが増え、店舗の月間契約数で20名中1位を2年間維持しております。

店舗での接客を重ねるうちに、個人のお客様だけでなく、社内の複数の方が関わる法人のお取引に携わりたいと考えるようになりました。個人のお客様はその場でご決断されますが、法人のお取引では検討の過程そのものを支える必要があると理解しております。

貴社は中小企業向けに通信回線とクラウドサービスをあわせて提案されており、私が店頭で受けてきたご相談の延長線上にある領域です。入社後は、まず決裁までの流れを社内で学びながら、店頭で培ったヒアリングの進め方を法人のお客様との商談に活かしてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 個人営業での実績を店舗内の順位で示している
    →20名中1位を2年間という形で、継続性まで伝わります
  • 法人営業の進め方の違いを言葉にしている
    →検討の過程を支えるという理解が示されています
  • 前職の相談内容と応募先の商材が地続きになっている
    →通信という共通点が志望の必然性になっています

法人営業を志望する場合は、組織を相手にする仕事だと理解しているかどうかが、書類の段階から見られています。決裁の流れや検討期間の長さに触れておくと、印象が変わるでしょう。

個人営業の場合

個人営業は、目の前の相手が決裁者です。その分、判断の材料をどう渡すか、迷いにどう寄り添うかが成果を左右します。法人営業から移る方は、なぜ組織相手ではなく個人と向き合いたいのかを説明できるようにしておきましょう。

ここで気をつけたいのは、お客様の人生に寄り添いたいという書き方だけで終えてしまうことです。気持ちは伝わりますが、それだけでは他社にも当てはまります。前職のどの場面でそう感じたのかを添えましょう。

例文(人材派遣の法人営業から住宅営業へ)

人材派遣会社で5年間、法人営業として企業のご担当者を訪問してまいりました。求人票をお預かりするだけでなく、就業されるスタッフの方と直接お話しする機会も多く、配属後の定着率を78%から91%まで高めております。

法人のお客様を担当しながらも、実際にやりがいを感じていたのは、スタッフの方お一人おひとりと向き合う時間でした。相手の生活まで含めてご相談に乗り、その方の決断に立ち会える仕事がしたいと考え、住宅営業を志望しております。

貴社は注文住宅のなかでも、お客様との打ち合わせ回数を制限せず、納得いくまで設計を詰める進め方を大切にされています。5年間、人の働き方という決断に関わってきた経験は、住まいという大きな決断に寄り添ううえでも活きるはずです。入社後は住宅の知識と資格の取得を進めながら、お客様のご家族の状況まで伺う提案を積み重ねてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 法人営業の実績を定着率という数字で示している
    →78%から91%という変化に自分の関わりが表れています
  • 個人と向き合いたい理由を前職の場面から書いている
    →スタッフとの時間という具体的な経験が根拠です
  • 応募先の進め方の特徴に触れている
    →打ち合わせ回数という点で、その会社を選んだ理由が伝わります

個人営業では、決断の重さに立ち会ってきた経験が商材を越えて評価されます。前職で誰かの選択に関わった場面を、思い出せる限り書き出してみてください。

【手法別】営業職の志望動機の例文

次は、営業の進め方という軸です。ゼロから顧客を開拓するのか、すでに取引のある顧客と関係を深めるのかで、日々の動き方も評価のされ方も変わります。

  • 新規開拓営業の場合
  • 既存営業(ルート営業)の場合

採用担当者がここで見ているのは、あなたが得意な進め方と、会社の営業スタイルが噛み合っているかどうかです。新規開拓が中心の会社に「じっくり関係を築きたい」と伝えれば、入社後に苦しくなる姿が浮かびます。自分がどちらで成果を出してきたかを先に確かめておくと、応募先選びの段階から迷いが減ります。

新規開拓営業の場合

新規開拓の志望動機で伝えたいのは、断られ続けても動き続けられるという精神論ではありません。断られる状況をどう変えてきたかという工夫です。架電件数や訪問件数だけを並べても、行動量の多い人という印象で止まってしまいます。

既存営業から新規開拓へ移る場合は、なぜ今このタイミングで開拓側に回りたいのかを書きましょう。現状への不満ではなく、前職で新規の要素に触れた場面を起点にすると、話に無理がなくなります。

例文(食品メーカーのルート営業から人材紹介の新規開拓へ)

食品メーカーで4年間、スーパーマーケットのバイヤーを担当するルート営業に従事してまいりました。既存のお取引先を回るなかで、新規の売り場を任せていただくために、店舗ごとの客層データをもとにした棚割りの提案を続け、担当エリアで新規導入店を年間12店舗まで増やしております。

この経験を通じて、決まった商流のなかで数字を積むよりも、取引のないところに入り込んでいく仕事に手応えを感じるようになりました。

貴社は製造業に特化した人材紹介を展開されており、私が4年間向き合ってきた業界と重なります。工場の現場で何が起きているかを知っているからこそ、初めてお会いする採用ご担当者にも踏み込んだお話ができるはずです。入社後は、まず一日の架電と訪問の件数を積み上げながら、断られた理由を毎回記録して次の提案に反映してまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • ルート営業のなかにあった新規の要素を取り出している
    →新規導入店12店舗という実績が、開拓側への志望を裏づけています
  • 成果の出し方を工夫として書いている
    →客層データをもとにした棚割りという行動が示されています
  • 入社後の動き方を具体的に書いている
    →断られた理由を記録するという進め方まで踏み込んでいます

新規開拓の選考では、断られたあとに何を変えたかを話せる方が評価されます。うまくいかなかった時期の記録が残っていれば、そこから振り返ってみてください。

既存営業(ルート営業)の場合

既存営業の志望動機は、書き方を誤ると楽をしたいという印象で受け取られてしまいます。新規開拓がつらいから、という理由が透けて見える書き方は避けましょう。

伝えたいのは、関係を長く続けるなかで数字を伸ばしてきた実績です。担当を引き継いだ時点と現在で、取引額や取引品目がどう変わったかを書ければ、守っているだけではないことが伝わります。

例文(保険の個人営業から医療機器メーカーのルート営業へ)

生命保険会社で6年間、個人のお客様への提案と契約後のフォローを担当してまいりました。ご契約いただいた後もご家族の状況の変化に合わせて見直しをご提案し、担当していたお客様の継続率を業界平均を上回る水準で維持しております。

この6年間で手応えを感じていたのは、契約の瞬間よりも、何年も経ってからご相談をいただいたときでした。長く関わり続けることで信頼が積み上がる仕事を、今度は法人のお客様相手に続けたいと考えております。

貴社は病院やクリニックとの直接のお取引を重視され、担当者が長く同じ施設を受け持つ体制をとられています。生活の背景まで伺ったうえでご提案してきた進め方は、現場の看護師の方や事務長の方の困りごとを引き出すうえでも活きるはずです。入社後は製品と診療報酬の知識を身につけながら、施設ごとの事情を踏まえた提案を積み重ねてまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 既存フォローの成果を継続率で示している
    →契約後も継続して関わってきたことが、継続率という成果から伝わります
  • やりがいを感じた場面を具体的に書いている
    →何年も経ってからの相談という経験が動機になっています
  • 応募先の体制の特徴に触れている
    →担当者が長く同じ施設を受け持つ点に、選んだ理由が表れています

既存営業では、担当した期間の長さそのものが実績になります。何年、誰を担当し、その間に取引がどう変わったかを書き出すところから始めてみてください。

【役割別】営業職の志望動機の例文

最後は、営業組織のなかでどの役割を担うのかという軸です。IT・SaaS業界を中心に、見込み客への接触と商談を別々の担当者が受け持つ体制が広がり、求人でも職種が分かれて募集されるようになりました。

  • インサイドセールスの場合
  • フィールドセールスの場合

分業体制では、自分の担当範囲を越えて情報を渡し合う場面が日常的に起こります。相手の役割を理解したうえで自分の希望を語れると、組織の一員として働く姿が伝わるでしょう。

こうした分業体制を考えるうえで代表的なのが、「The Model(ザ・モデル)」です。面接での逆質問や、各職種のリアルなキャリアについてさらに深く知りたい方は、こちらの記事を確認しておくのがおすすめです。

関連記事:The Model(ザ・モデル)とは?職種別キャリアのリアルと面接官をハッとさせる逆質問

インサイドセールスの場合

インサイドセールスは、見込み客への電話やメールを通じて、商談につながる相手を見極める役割です。数をこなす仕事だと見られがちですが、実際に評価されるのは、どの相手にどの順番で連絡するかを考えて動けるかどうかです。

未経験からIT・SaaS業界を目指す方にとって、入り口になりやすい職種でもあります。志望動機では、非対面でのやりとりに抵抗がないことに加えて、記録を残しながら仕事を進めてきた経験を書きましょう。商談内容を次の担当者に引き継ぐ場面が多いためです。

例文(コールセンターのオペレーターからインサイドセールスへ)

通信会社のコールセンターで3年間、お問い合わせ対応を担当してまいりました。同じご質問が繰り返し寄せられることに気づき、応対履歴を分類して対応の手順書をまとめたところ、担当チームの一件あたりの通話時間を平均で2分短縮しております。

お問い合わせをいただいた方への対応にとどまらず、こちらから声をかけて課題を見つけにいく仕事がしたいと考えるようになりました。

貴社では、インサイドセールスが商談の前段階を担い、フィールドセールスへ引き継ぐ体制をとられています。3年間、応対の内容を記録して次の担当者が使える形に残してきた進め方は、商談情報の引き継ぎでも活きるはずです。入社後はまず架電の件数を積み上げながら、どの見込み客に優先して連絡すべきかを数字で振り返ってまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 非対面での実績を数字で示している
    →通話時間2分短縮という結果に、履歴を分類した行動が添えられています
  • 待ちの姿勢から動く姿勢への変化を書いている
    →こちらから声をかけたいという動機が具体的です
  • 引き継ぎを前提にした働き方に触れている
    →分業体制で求められる動き方を理解していると伝わります

インサイドセールスの選考では、記録を残しながら仕事を進めてきたかどうかが見られています。前職で自分が残してきた資料や履歴を思い出してみてください。

フィールドセールスの場合

フィールドセールスは、商談から契約までを担う役割です。インサイドセールスが引き継いだ見込み客に対して、課題を掘り下げて提案し、決裁までの流れをつくります。

一人で開拓から契約まで担ってきた方が応募する場合、見込み客を自分で探さない働き方をどう受け止めているかが確かめられます。開拓の手応えを大切にしてきた方ほど、ここで戸惑うためです。渡された見込み客に対して何をするのかまで書けると、体制を理解したうえで応募していると伝わります。

例文(広告代理店の法人営業からSaaS企業のフィールドセールスへ)

広告代理店で5年間、中小企業への提案を担当してまいりました。新規開拓から運用の報告までを一人で担う体制でしたが、提案前に必ず経営課題を伺う進め方に切り替えた結果、担当クライアントの年間継続率を64%から82%まで高めております。

一人で全工程を担うなかで、商談の準備に十分な時間を割けないもどかしさを感じてきました。提案そのものに集中できる環境で、一件ごとの質を高めていきたいと考えております。

貴社ではインサイドセールスが商談前の見極めを担い、フィールドセールスが提案に専念できる体制をとられています。開拓まで自分で担ってきたからこそ、引き継ぎを受ける立場としてどのような情報があると助かるかも想像がつきます。入社後は、商談後の振り返りをインサイドセールスの担当者と共有し、引き継ぎの精度を上げる動きにも関わってまいります。

この例文で効いているのは、次の3点です。

  • 全工程を担ってきた実績を継続率で示している
    →64%から82%という変化に、経営課題を伺う進め方が結びついています
  • 分業を選ぶ理由を前職の制約から書いている
    →準備に時間を割けなかった経験が動機になっています
  • 前職の経験を分業体制のなかで活かす形を示している
    →引き継ぐ側の視点を持てる点が強みになります

フィールドセールスを志望するなら、渡された見込み客にどう向き合うかまで書きましょう。開拓の経験は、引き継ぐ相手の立場を理解できるという形で活きてきます。

志望動機でやってしまいがちなNG例

ここまで例文を見てきましたが、書き上げたあとに確かめておきたいこともあります。志望動機は、書いた本人には問題なく読めても、採用担当者には別の意味で伝わることがあるためです。

  • 転職軸をそのまま志望動機にしてしまう
  • 待遇や条件だけを理由にしてしまう
  • 抽象的な言葉で終わり具体性がない
  • 誰にでも当てはまる内容になっている
  • 経験を誇張しすぎて実態と乖離する

書いた文章を横に置きながら、5つの項目を確かめてみてください。

転職軸をそのまま志望動機にしてしまう

転職軸は、自分が次の職場に何を求めるかという条件です。志望動機は、その会社で何をしたいかという話です。この2つは向いている方向が違うので、そのまま書き写すと噛み合わなくなります。

転職軸をそのまま書いたNG例

志望動機として書き直したOK例

裁量を持って働ける環境を求めています

→自分が何を得たいかで話が終わり、会社に何を返すのかが書かれていません

提案の内容を自分で決められる体制のもとで、担当エリアの開拓を任せていただきたいと考えております

→求める環境と、そこで自分が何をするかがつながっています

成長できる会社で働きたいと考えております

→成長は結果であり、何をして成長するのかが見えません

未経験の業界に挑戦し、3年で担当領域を任される水準まで引き上げたいと考えております

→期間と到達点が示され、動き方が想像できます

転職軸は志望動機の材料であって、そのまま提出する文章ではありません。自分が何を求めているかを書いたあとに、そのうえで何をするのかを必ず続けましょう。

待遇や条件だけを理由にしてしまう

給与や休日を理由に転職を考えるのは、まったく問題ありません。厚生労働省の令和2年転職者実態調査でも、自己都合で離職した理由として、賃金以外の労働条件がよくなかったからが28.2%、賃金が低かったからが23.8%と上位に挙がっています。条件面の不満は、多くの方が抱えているものです。

ただし、志望動機に条件だけを書くと、その条件を満たす会社ならどこでもよいと読まれてしまいます。ここで大切なのは、聞こえのいい言葉に置き換えることではありません。なぜその条件を求めているのかまで掘り下げると、条件の話が仕事の話に変わります。

  • 給与を上げたい
    →長時間働いて給与を上げる働き方ではなく、営業スキルを高めて顧客への提供価値で給与を上げたい
  • 土日休みがほしい
    →平日に取引先と向き合い、休日は家族と過ごす生活の形を保ちたい
  • 残業を減らしたい
    →業務時間内に成果を出す進め方を身につけ、それを評価する会社で働きたい

条件を隠す必要はありません。その条件を求めるに至った理由まで話せれば、働き方への考えを持っている方だと受け取られます。
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

抽象的な言葉で終わり具体性がない

面接官が志望動機を掘り下げるのは、あなたの考えがどこまで深いかを確かめるためです。次のような言葉で終わると、その先の質問に答えられません。

よくある抽象的な書き方

面接で必ず聞かれること

興味があったから

なぜ興味を持ったのか、いつ、どの場面で

挑戦したいと思ったから

何に挑戦したいのか、それで何が得られるのか

やりがいがありそうだから

前職ではどんなときにやりがいを感じたのか

貴社の理念に共感したから

理念のどの部分に、自分のどの経験が重なったのか

答えに詰まる箇所が残っているなら、その言葉はまだ自分のものになっていません。書いた一文ごとに、なぜそう思ったのかを三回繰り返して自問してみてください。三回目まで答えが出てくれば、面接での掘り下げにも耐えられます。

誰にでも当てはまる内容になっている

書き上げた志望動機から会社名を消して読み返してみてください。それでも意味が通ってしまうなら、同業他社にもそのまま出せる内容になっています。

成長産業だから、社会貢献性が高いから、インサイドセールスに挑戦したいから。どれも間違ってはいませんが、その業界のどの会社にも当てはまります。面接官の頭に「それはうちでなくてもよいのでは」という疑問が浮かんだ時点で、話は前に進みません。

ありきたりな内容になってしまうのは、書き方が悪いからではなく、その会社について書ける材料がまだ手元にないからです。次の3つのうち、どれか1つでも見つかれば内容は変わります。

  • 同じ業界の他社にはない事業やサービスの特徴を挙げている
  • 募集しているポジションの役割に、自分の経験を重ねている
  • 社員インタビューや代表の発信から、共感した具体的な言葉を引いている

求人票と採用ページ、公開されているインタビュー記事を読み込むところから始めてみましょう。

経験を誇張しすぎて実態と乖離する

よく見せたい気持ちから実績を大きく書いてしまうと、面接での深掘りに耐えられません。営業職の選考では、達成率や件数について「その内訳は」「同僚と比べてどうだったか」と踏み込まれます。

とくに気をつけたいのが、チームで出した成果を自分ひとりの成果のように書いてしまうことです。悪気がなくても、詳しく聞かれた時点で食い違いが出てきます。

実態から離れたNGな書き方

事実に沿ったOKな書き方

売上を1.5倍にしました

→誰が何をした結果なのかが書かれていません

チームの売上が1.5倍になる過程で、私は新規の初回訪問を担当し、月間の訪問件数を15件から28件まで増やしました

→自分の担当範囲と行動が明確です

お客様から絶大な信頼を得ていました

→確かめようのない表現で、根拠が示されていません

担当した20社のうち14社から、次年度も同じ担当者を希望するとお声がけいただきました

→信頼の中身が数字で表れています

自分の担当範囲を正直に書いた志望動機のほうが、面接では強くなります。チームの成果に触れるときは、そのなかで自分が何をしたかを添えましょう。

面接で志望動機を聞かれたときの伝え方

書き上げた志望動機は、そのまま面接で話す原稿にはなりません。読む文章と話す言葉では、伝わり方が変わるためです。

  • 書いた文章をそのまま暗記せず要点で話す
  • 深掘り質問を想定して準備しておく
  • 結論から話す型を意識する

面接まで日がない方は、3つ目の型から手をつけると当日に間に合うでしょう。

書いた文章をそのまま暗記せず要点で話す

書類に書いた志望動機を一字一句覚えて話すと、面接官にはすぐに伝わります。目線が上に泳ぐ、抑揚がなくなる、途中で詰まると最初から言い直してしまう。こうした様子から、暗記した文章を再生していると受け取られてしまうためです。

営業職の面接では、話し方そのものが評価の対象になります。商談で台本を読み上げる営業はいません。準備してきた内容を、相手の反応を見ながら伝えられるかどうかが見られています。

覚えておくのは、文章ではなく次の3つの要素だけで十分です。

  • なぜ営業を続けるのか、あるいは営業に移りたいのか
  • 前職のどの経験が応募先で活きるのか
  • 入社後にまず何をしたいのか

この3つを自分の言葉で説明できれば、その場の流れに合わせて順番を入れ替えても話が崩れません。書類を読み返すのではなく、誰かに口頭で説明する練習をしてみてください。

深掘り質問を想定して準備しておく

面接官が「なぜそう思ったのですか」と重ねて聞くのは、あなたの考えの深さと、話の中身が本当かどうかを確かめるためです。志望動機に書いた一文ごとに、質問が用意されていると考えておきましょう。

とくに掘り下げられやすいのは、次のような箇所です。

志望動機に書いた内容

想定される深掘り

前職では実現できなかった

社内での異動や上司への相談は試したのか

この業界に将来性を感じた

どの情報からそう考えたのか、他業界と比べた点は何か

御社の理念に共感した

理念のどの部分か、自分のどの経験と重なるのか

チームで成果を出してきた

そのなかで自分は何を担当したのか

1行目の異動や相談を試したかという質問は、多くの方が答えに詰まるところです。社内で何を試したうえで転職を選んだのかまで話せると、環境のせいにする方だという見方をされにくくなります。

自分ひとりで想定するのが難しいと感じたら、第三者に質問役をお願いする方法もあります。転職エージェントの模擬面接を利用すれば、応募先ごとに聞かれやすい質問を踏まえた練習ができます。

SQiL Career Agentでは、応募企業ごとの面接傾向や想定質問を踏まえた模擬面接を行い、回答内容が面接官にどう受け取られるかまでフィードバックしています。面接対策に不安がある方は、ぜひSQiL Career Agentへご相談ください。

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結論から話す型を意識する

面接での回答は、結論を先に置いて、そのあとに理由と具体例を続けます。営業の商談と同じ順番です。

前置きから話し始めると、面接官は結論が出てくるまで話を保留したまま聞くことになります。何を言いたいのかがつかめないまま時間が過ぎると、話を組み立てる力に不安を持たれかねません。

【志望動機を伝える4ステップ】
STEP 1:志望する理由をひとことで述べる
「前職で培った○○を、貴社の△△という領域で活かしたいと考えております」と、最初に着地点を示します。
STEP 2:そう考えるに至った経験を話す
前職のどの場面でそう感じたのかを、状況と自分の行動をあわせて伝えます。
STEP 3:応募先を選んだ理由を添える
同じ業界の他社ではなくその会社を選んだ理由を、事業やポジションの特徴から説明します。
STEP 4:入社後の動き方で締める
まず何を身につけ、どこから成果を出していくのかを短く伝えます。

全体で1分から1分半に収まる長さが目安です。面接官が関心を持った部分は、そのあとの質問で自然に広がっていきます。最初にすべてを話し切ろうとせず、掘り下げてもらう余地を残すほうが、対話として成立します。

志望動機が浮かばない・うまく伝えられるか不安な場合は?

ここまで読んでも、まだ何を書けばいいか浮かばない方もいらっしゃるでしょう。志望動機は、書こうとした時点できれいな形で頭のなかにある人のほうが少ないものです。

はじめから志望する理由を書き出そうとすると、手が止まります。順番を変えて、今の仕事について感じていることから始めてみてください。書き出す内容は次の5つです。

  • 今の仕事で何が嫌なのか
  • 次の職場でも絶対に繰り返したくないことは何か
  • 今の仕事で逆に面白かったことは何か
  • 顧客から評価された経験は何か
  • 仕事を変えることで何を増やしたいのか

きれいな言葉にしなくてかまいません。「もう限界」「あの案件は楽しかった」といった、思い浮かんだままの言葉で書き出してみましょう。

書き出したあとは、それぞれを次のように読み替えていきます。

書き出したこと

志望動機のどこに使えるか

嫌だったこと、繰り返したくないこと

会社選びの条件になります。志望動機には直接書かず、応募先を絞る材料に使います

面白かったこと、評価された経験

なぜ営業なのか、どんな営業をしたいのかの根拠になります

仕事を変えて増やしたいこと

入社後に何をしたいかという、志望動機の締めにつながります

このなかでも、面白かったことと顧客から評価された経験は、志望動機の中心になる材料です。厚生労働省の令和2年転職者実態調査でも、転職先を選んだ理由は仕事の内容・職種に満足がいくからが41.0%、自分の技能・能力が活かせるからが36.0%と上位を占めており、賃金が高いからの15.1%を大きく上回っています。実際に転職した方が最終的に決め手にしたのは、条件面よりも仕事の中身でした。

参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

材料がそろったら、「だから営業なのか」「だからこの会社なのか」の順に組み立てていきます。

  • だから営業なのか
    面白かったことと評価された経験に、共通して出てくる要素を探します。相手の話を聞いて提案した場面、数字を追いかけた場面、誰かの決断に立ち会った場面など、繰り返し出てくるものがあるはずです。
  • だからこの会社なのか
    繰り返したくないことを避けられて、面白かったことを続けられる会社かどうかを、求人票と採用ページで確かめます。その会社の何がその条件を満たすのかを書けば、志望動機になります。

ひとりで書き出しても言葉が出てこないときは、誰かに話しながら進める方法もあります。SQiL Career Agentでは、平均10.6回の面談を通じて、前職での経験を一緒に振り返りながら言葉にしていきます。

転職するかどうかを決めていない段階でも、今感じていることからお話しいただけます。何を書けばいいか分からないまま止まっている方も、お気軽にご相談ください。

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志望動機は、書き上げたあとに自分で良し悪しを見極めるのが難しい書類です。この会社でなくても言えてしまう内容になっていないか、実績の書き方が伝わるかどうかは、第三者の目が入ってはじめて分かります。

SQiL Career Agentは、株式会社セレブリックスが運営する営業職に特化した転職エージェントです。営業職の評価軸を熟知したアドバイザーが、あなたの経験のどこを取り出せば応募先に伝わるのかを一緒に考えます。

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何を書けばいいか分からない段階でも、今の仕事で感じていることを伺いながら、志望動機の材料を一緒に見つけていきます。転職するかどうかを決めていない方も、まずはご相談ください。

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まとめ

志望動機を書くうえで押さえたいのは、業界・職種・企業という3つの方向から材料を集め、実績はそこに至る行動とセットで書くことです。同じ経歴でも、どの場面を取り出してどう並べるかで、伝わり方は変わります。

志望動機が思い浮かばないときは、志望する理由から書き出そうとせず、今の仕事で嫌だったことや面白かったことから並べてみてください。そのなかに繰り返し出てくる要素が、なぜ営業なのかという問いへの答えになります。条件面の不満を持っていることは、隠す必要も、聞こえのいい言葉に置き換える必要もありません。

書き上げた志望動機がこれで伝わるのかどうかは、自分ひとりでは確かめにくいものです。営業職としてのキャリアを考えているなら、SQiL Career Agentへの相談がおすすめです。

株式会社セレブリックスの営業支援実績をもとに、平均10.6回の面談であなたの経験を言葉にしたうえで、応募先ごとの選考傾向を踏まえた書類の添削と面接対策までおこないます。まだ転職するかどうかを決めていない段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。

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