【キャリアプランってどう立てたらいいの?】キャリア形成を考えるポイントを徹底解説

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「今の職場を離れたいけど、特にやりたいことが無い・・」

「同世代がどんなキャリアを描いているのかが気になる・・」

「面接でキャリアプランの質問をされても、うまく回答できない・・」


「キャリアプラン」は、転職活動や評価面談では避けては通れないものです。しかし、「キャリアプランってどうやって考えるんだろう」と悩む人も多いのではないでしょうか。
本記事では、キャリアアドバイザーの視点から、キャリアプランを立てるコツをお伝えします。



目次[非表示]

  1. 1.そもそもキャリアプランには正解が無い。
  2. 2.面接官がキャリアプランを聞く理由とは?
    1. 2.1.応募者と企業とのミスマッチを防ぐため
    2. 2.2.入社した後にモチベーション高く活躍できるかを確認するため
  3. 3.キャリアプランを考えるメリット
    1. 3.1.日々の仕事に前向きに打ち込めるようになる。
    2. 3.2.転職するタイミングが明確になる
  4. 4.キャリアプランを考える上での3つの誤解
    1. 4.1.誤解① 一生をかけてやりたいことを見つけなければいけない
    2. 4.2.誤解② 自分の持っているスキル・知識を起点に考える
    3. 4.3.誤解③ 不得意・嫌いなことにはチャレンジをしない
  5. 5.キャリア形成を考える3つのポイント
    1. 5.1.目標(ターゲット)ではなく、目的(パーパス)から考える
    2. 5.2.目的に紐づく目標を複数考える
    3. 5.3.情報収集を行い、計画に落とし込む




そもそもキャリアプランには正解が無い。

難しいのは、キャリアプランには「こうあるべき」という正解が存在しないことです。

日本経済が順調に発展した時代では、年功序列・終身雇用の制度がうまく機能していました。企業が敷いたレールを辿ることで、「正解」のキャリアを歩むことができる環境でした。

ところが現在は、ビジネスのスピードは加速化し、様々な業務が人間からコンピューターに置き換わっています。いわゆる「手に職をつけることが重要」「大企業に入れば一生安泰」という、これまでの常識は通用しにくくなっています。

また、「フリーランス」「起業」「在宅勤務」などの多様な働き方の認知も広まっています。

「正解がないこと」「選択肢が多いこと」の2点が、キャリアに悩む大きな要因だと考えられます。


面接官がキャリアプランを聞く理由とは?


応募者と企業とのミスマッチを防ぐため

応募者のキャリアプランを聞く目的の1つは、「企業が任せたい業務に合致しているか」を確認し、入社後のミスマッチを防ぐためです。企業は、採用した人材に長く活躍してもらうことを望んでいます。採用した社員が「やりたいことと違った」という理由で退職しては、双方に不利益が発生します。

そのような結果を引き起こさないためにも、企業側は応募者のキャリアプランを確認する必要があるのです。


入社した後にモチベーション高く活躍できるかを確認するため

面接官は応募者のキャリアプランを聞くことで、「入社後に意欲的に働いてくれそうか?」を判断しています。人は目的意識を持つことで、行動が継続し成果が出やすくなると言われています。

企業としては「やらされ仕事」として業務をこなす人材よりも、意欲的に取り組む人材を求めます。

逆に考えると、面接でキャリアプランを明確に語ることで、

  • 入社後に長く定着すること
  • 入社後に主体的活躍すること

という2点を企業にアピールできるのです。




キャリアプランを考えるメリット

キャリアプランを考えるメリットがあるのは、面接の場だけではありません。
毎日の通常業務においても、下記のようなメリットがあります。

日々の仕事に前向きに打ち込めるようになる。

キャリアプランを立てておくと、「今、自分は何をすべきか」「数年以内に達成すべき目標」が明確になります。
日々の業務と目標との繋がりを意識できるので、仕事へのモチベーションを感じやすくなります。立てた目標を定期的に振り返ることで、成長速度も上がるため、仕事の成果にも繋がります。

また、上司や人事に「こんな仕事をやってみたい」と相談することで、よりやりがいのある仕事を任せてもらえる可能性も広がります。


転職するタイミングが明確になる

キャリアプランを立て、「この会社にいる目的」を明確にしていると「会社出るタイミング」もわかるようになります。

例えばあなたが、「現職では法人営業として顧客への提案力を磨き、5年後には億単位の大口顧客の担当者を目指す!」というキャリアプランを描いていたとしたとしましょう。
数年後、提案力を磨き社内のトップセールスになったものの、会社規模や事業構造上、億単位の金額を動かす大口顧客の担当ができなかったとします。
その場合、より大きな事業を手がける会社への転職を検討するタイミングと考えられます。(もちろん、今いる会社を大きくし、大口顧客獲得を目指す選択肢もあります。)

このように「自分がこの会社で働く目的」を整理すると「今転職をするべきか?」という判断基準にも活用できるのです。


キャリアプランを考える上での3つの誤解

では、どんな点に注意してキャリアプランを考えていけばいいでしょうか。
キャリアを考える上でよくある誤解を3つ説明します。


誤解① 一生をかけてやりたいことを見つけなければいけない

よくある誤解の1つが、「一生をかけてやりたいことを見つけなければいけない」というものです。変化のスピードが大きい現代では、同じことを一生続けるはリスクにもなります。
また、目標を1つに絞り込んでしまうと、叶わなかったときに、精神的・時間的なダメージを受ける可能性が高まります。

現代では1つの専門性を磨いていくよりも、社会の変化に合わせて柔軟に生きる力が求められています。あくまでもキャリアプランは「暫定的に」決めるのがポイントです。


誤解② 自分の持っているスキル・知識を起点に考える

キャリアプランを考える時に、自身のスキルや知識を重視しすぎてしまう人がいます。

例えば、転職活動をする際に、「自分の持っている簿記資格1級を活かせる企業はどこだろう?」と考えてしまうと、転職先の選択肢はファイナンス系の求人に絞られます。

それが自分が望む職種なら問題ありません。しかし、経理の実務に全く興味が無い場合は、資格によってキャリアが縛られてしまいます。

このように、今持っているスキルのみでキャリアを考えると、選択肢が狭まり、望まない仕事を我慢して続けることにもなります。

本来、スキルや知識は、自分の望むキャリアを描くための「手段」に過ぎません。「スキルを活用すること」が目的になっては本末転倒です。


誤解③ 不得意・嫌いなことにはチャレンジをしない

若いうちに転職を繰り返す人の中には、「自分のやりたい仕事では無かったから転職した」という方も多くいます。

しかし、特にまだ経験が少ない20~30代が考える「今の自分がやりたいこと」は、どうしても狭い視野に留まってしまいがちです。

今、あなたの仕事が仮に100%やりたいことではないとしても、まずは「どうすればより高い成果が出るのか」に徹底的に向き合うことをおすすめします。

結果を出す過程で、スキルや視座が上がり、自己理解も進みます。そうすることで、いざやりたいことが見つかったときにそれを叶えられる人材になっているはずです。

自分の可能性を広げていくために、不得意なことにもあえてチャレンジする好奇心を大切にしましょう。




キャリア形成を考える3つのポイント

現代におけるキャリア形成の考え方として、3つのポイントを説明します。


目標(ターゲット)ではなく、目的(パーパス)から考える

キャリアプランを考えるときには、目標(ターゲット)ではなく、目的(パーパス)を起点に考えることをおすすめします。
目的と目標のそれぞれの意味や特徴は、以下のような点です。


目的(パーパス)

目標(ターゲット)

どんな存在意義を発揮したいか
(企業でいう経営理念)

目的に近づくための目印・指標
(企業でいうミッション)

定性的・抽象的

定量的・具体的

最終的に成し遂げたいゴール・方向性

あくまでも通過点の1つ


目的(パーパス)の例として、以下のようなものが挙げられます。

例:

  • 自分が直接関わる1人1人を幸せにしたい。
  • 魅力的なサービス・会社を世に広められる人間になりたい。
  • 負の感情で苦しむ人を少しでも減らしたい。
  • デジタルを通じて、非効率な仕事を無くしていきたい。
  • 働くことの面白み、価値に対する理解を広げていきたい。

目的は、具体的な職業ではありません。
「人生を通して、自分はこうありたい」という自分なりの価値観です。
規模や影響範囲、世間からの評価なども問いません。

目的なんてすぐには見つからないという人も多いと思います。そんなときは、実現可能性にとらわれず、「ゆくゆくはこうなれるといいな」という粒度で考えていくのがポイントです。

あとで軌道修正しても全く問題ありません。自分が少しでも前向きになれる「目的の芽」を見つけましょう。


目的に紐づく目標を複数考える

目的を暫定的に定めた後は、目的に紐づく目標(ターゲット)を複数考えます。
目標を洗い出すことで、キャリアプランがより具体的になります。

例えば、目的を「魅力的なサービス・会社を世に広められる人材になりたい」と定めたとします。
そんな人には、以下のような目標が考えられます。

例:

  • 関心の強い分野の事業会社のセールス
  • チームを安定達成に導く営業部門マネージャー
  • 多くの人に刺さるクリエイティブを作るディレクター
  • 事業会社の広報活動を支援するPRコンサルタント
  • 商品、サービスを紹介するポータルサイトの管理人
  • 事業承継問題を解決するM&Aアドバイザー

ここで重要なのが「今の自分ができそうなことで考えない」ことです。
達成できそうなことではなく、「心が躍ること」「面白そうと思えること」に目を向けましょう。

ここでは目標を1つに絞らず、ワクワクする目標をたくさん挙げるのがポイントです。

そうしてキャリアを重ねるうちに、いくつもの目標を達成するようになります。
複数の経験を掛け合わせると、人材としての希少性を高めることにも繋がるのです。


情報収集を行い、計画に落とし込む

目標の候補を洗い出した後は、より現実に落とし込むための情報収集を行います。手っ取り早いのは、目指す分野に詳しい人に話を聞くことです。インタビューにより、解像度高く業務内容をイメージすることができます。

現在ではSNSやプラットホームサービスを中心に、様々な人と気軽に話せる場があります。

仮にあなたが、SaaS企業のセールス職に興味があれば、実際にSaaSのセールスをやっている人と話してみればよいのです。SaaS業界に精通しているキャリアアドバイザーと話すのも1つの手です。

インタビューで特に話しておくべきポイントは下記3点。

  • これまでどんな意思決定のもと、どんなキャリアを歩んできたのか
  • 現在に至るまで、どんな行動をし、どんなスキルを身につけてきたのか
  • 仕事で成果を出すうえで重要なポイント

上記の情報収集を行うことで、

  • より自分のワクワクする目標はどこにありそうか?
  • 今の自分に足りないスキル、磨くべき能力はなんだろう?
  • そのためにはいつまでに何をしていくべきなのか?

といった段階まで、解像度を上げてキャリアプランを作ることができるようになります。
このキャリアプランが、目の前の仕事をする目的になり、転職先を選ぶ判断基準になるのです。

本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本記事が、あなたの転職活動や今後のキャリアに少しでも役立てましたら幸いです。




著者 K.Uruma
著者 K.Uruma
国立大学にてキャリア教育学を専攻。大手メーカーにて法人営業として従事。人材紹介会社に転職後、キャリアアドバイザーとして年間約200名の面談、転職支援を経験。複数回のMVP受賞を経て、チームリーダーとしてメンバー育成や数値管理を担当。副業でキャリア相談を受けるなど、キャリア支援者として幅広く活動中。 Twitter:@uruuru14

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