未経験からインサイドセールスへのチャレンジでおさえるべきこと
とあるSaaSスタートアップで、インサイドセールスのリーダーを務めている坂瀬心と申します。
僕はこれまでに大手とスタートアップの2社でインサイドセールスを経験してきており、今の会社ではインサイドセールス組織の立ち上げ時から勤めています。
本記事では、
・インサイドセールスに興味を持っている方
・インサイドセールスを始めたばかりの方
に向けてインサイドセールスの仕事の概要と、必要なマインド面について解説していきます。
この記事を読むことで、インサイドセールスという仕事のイメージが湧き、これから挑戦してみよう!もっと頑張ってみよう!と思える方がお1人でも増えたら嬉しいです。
目次[非表示]
- 1.インサイドセールスとは
- 2.インサイドセールスとして必要なマインド
- 2.1.インサイドセールスは会社の顔
- 2.2.目的意識を持つ
- 2.3.アポイント数を目的化しない
- 3.時間をどれだけ効果的に使えるか
- 3.1.リストは事前に作成すべし
- 3.2.架電前準備も事前に終わらせるべし
- 3.3.振り返りができるよう案件はまとめるべし
- 4.初期段階では絶対的に質より量
- 4.1.最初は上手くいかないことの連続
- 4.2.自分でコントロールできるKPIを重視
- 4.3.やはりスケジュール管理が重要
- 5.「守・破・離」を意識する
- 5.1.トークスクリプトを完璧に話せるようにしよう
- 5.2.ヒアリング力を強化しよう
- 5.3.事例を活用しよう
- 6.顧客の声を他部門に届ける
インサイドセールスとは
インサイドセールスは、見込み顧客(リード)に対して、主に電話やメールなどを駆使し、非対面で行う営業活動のことを指します。
また、時にはマーケティング部門と連携しながらセミナーを実施したり、コンテンツなどを活用しながら見込み顧客に接触を試みます。
アポイント設定やフィールドセールスの見込み化までを主な業務としている場合もあれば、商談実施から受注金額までを目標としている場合もあり、インサイドセールスの業務範囲は企業によってもさまざまです。
※見込み顧客 = 商品・サービスを購入してくれる見込みがある企業や人
営業職の中でも、インサイドセールスは最も顧客接触回数が多くなるポジションと言われており、目標達成の手段も幅広く、多くの部署と関わることからビジネスサイドの中でも重要なポジションと言われています。
そのインサイドセールスは、大きくSDR(Sales Development Representative)と、BDR(Business Development Representative)の2つに分けられます。
SDRは、「インバウンド型のインサイドセールス」を指します。
マーケティング部門が獲得した見込み顧客(リード)にアプローチします。資料ダウンロードや問い合わせなど、顧客の能動的な行動をきっかけとして接触を試みる営業活動です。
BDRは、「アウトバウンド型のインサイドセールス」を指します。
自社が顧客にしたいターゲットに新規でアプローチしていきます。ターゲット企業側が、自社の製品やサービスを認知していない状態、かつそもそもニーズがあるかも全くわからない状態でアプローチすることになるため、アポイント設定のハードル、またその後の商談の難易度も SDR に比べて高くなります。
ターゲットを絞り込み過ぎず、架電などを多くするいわゆる”テレアポ”的なアプローチの場合もあれば、ターゲットを狭く絞り込み、ターゲット毎に最適な接触方法やコンテンツを用意するABM(Account Based Marketing)と呼ばれるアプローチの場合もあります。
インサイドセールスとして必要なマインド
インサイドセールスは会社の顔
インサイドセールスは顧客と最初に接する営業担当者であり、営業職の中でも顧客との接点が最も多い役割です。そのため自身に対する顧客からのイメージが、そのまま自社のイメージに直結します。
ですので、インサイドセールスは、自身がサービス責任者になったつもりで、お客様と接する必要があります。
例えばあなたが購買行動を起こす時、その会社のイメージが悪い場合には、どんなに優れた商品であっても購買意欲は落ちてしまうでしょう。
インサイドセールスは会社の顔であるという意識を持つことが非常に重要です。
目的意識を持つ
インサイドセールスは、最も顧客に接触する回数が多い営業職のため、最も断られる回数が多い営業職とも言えます。
断られることが続くと気持ちが疲弊してしまうこともありますが、そんな時は自社のミッションに立ち返り、何のために今ご提案を頑張っているのか自分に問い直しましょう。
自社のミッションを実現するため、顧客の課題を解決するためにご提案をしているという目的意識を常に持つことで、モチベーションが高く保てるものです。
また、製品やサービスには適切な導入タイミングがありますので、タイミングが合わず断られることももちろんあります。そんな時は自分のご提案の至らなさを反省することも大事ですが、タイミングが合わなかっただけと気持ちを切り替えることも大切です。
アポイント数を目的化しない
インサイドセールスは、MRR、つまり月の売上積み上げ金額を最大化するために生まれた役割です。こちらは意外と抜けてしまいがちなポイント。
インサイドセールスの目標をアポイント数に置いている企業は多くあり、アポイントの取得自体が目的化しているケースが多く見られます。
アポイントは受注するための手段でしかありませんので、インサイドセールスとしてどのようなアポイントを取得すれば売上に繋がるのかを常に考え続けることはとても大事です。
※MRR(Monthly Recurring Revenue)とは月次経常収益と訳され、月毎に積み上げた売上のことを指します。
時間をどれだけ効果的に使えるか
インサイドセールスは顧客が働いている時間にどれだけ多く活動できるかにより、成果が左右されます。なぜなら顧客は働いている時間でしか、我々インサイドセールスのアクションを確認しないためです。
具体的には以下のような点を意識して、時間の有効活用をすることが重要です。
リストは事前に作成すべし
コアタイムで成果を出すための第一歩として、リストは事前に作成しましょう。
毎日少しずつ作成したり、1週間分まとめて作成したりと、やり方は色々ありますので自社のスタイルに合わせて作成してみてください。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、大事なのは自社の顧客になりうる可能性の高いリストを作成することです。
なぜなら顧客になりうる可能性の低いリストにアクションをしても、商談後の受注確率が当然低くなるためです。
もちろん中長期的には可能性の低いリストをどのように攻略するかの視点も必要になってきますが、まずは短期的に顧客になりうるリストを作成してみてください。
架電前準備も事前に終わらせるべし
リストを作成したら簡単な事前準備もしましょう。
慣れてきたら架電前に5分時間を取って準備することもできるようになりますが、慣れていない時期はコアタイムは極力架電やメールに集中するべきです。
具体的な準備は会社名、担当者名、業態、従業員規模、事例、仮説提案内容など。
準備すべき内容は、サービスや製品によってことなりますので、最適になるようにカスタマイズしていきましょう。
振り返りができるよう案件はまとめるべし
インサイドセールスは業務特性上、PDCAサイクルが短いため、振り返りをこまめに行うことで成果に繋げることが重要です。
リスト数、接続数、アポ打診数、商談作成数などのKPIはもちろん大事ですが、それと同時にアポ打診したけれども断られた案件や、全く顧客の状況をヒアリングできなかった案件、あと一歩で商談獲得できそうだった案件などもリストアップしておきましょう。
1日の終わりなどに自身で振り返ったり、メンバーにフィードバックをもらうことで着実に成長に繋がります。
ここで大事なのは何を/いつまでに/どうするのか/まで落とし込むことです。振り返りをしても次どうするかまで決めなければ振り返りの効果が薄まってしまいます。
初期段階では絶対的に質より量
最初は上手くいかないことの連続
初めてすぐに上手くいく人は、ほとんどいません。まずは活動量を増やし、成功パターンや失敗パターンの両方を経験として蓄積していきましょう。パターンを蓄積していくことで成果を出すための糸口が見えてきます。
自分でコントロールできるKPIを重視
ビジネスでは自分ではどうしようもないこと、自分の影響が及ばない事象が多く存在します。そのため自分がコントロールできる範囲内でKPIを設定し、設定したKPIをもとに活動、評価をしていくことがとても大事です。
自分でコントロールできるものとして、架電数やメール送信数、アポ打診数などをKPIにおくと、自分が得意なことや改善点などが明確になっていきます。
やはりスケジュール管理が重要
インサイドセールスは日・週・月のスケジュールをいかに効率よく設計できるかが大事です。なぜならインサイドセールスでは、フィールドセールスのように1件の成果で大きく取り返すホームランのような成果がありえません。毎日1件1件アポイントを積み重ねるしかないのです。
目標を事前に立て、その目標がうまくいったのかいかなかったのかをしっかり言語化することが次の成長に繋がっていきます。
「守・破・離」を意識する
トークスクリプトを完璧に話せるようにしよう
インサイドセールスは、電話が中心の手段になることが多いですが、最初から製品やサービス、顧客の状況について、スムーズに話すことは難しいでしょう。
ですので最初は、成果を出している先輩の真似をすることから始めてください。トークスクリプトを一言一句完璧に話せるように仕上げましょう。
トークスクリプトが話せるようになってきたら、次は声のトーンや話速まで気にしてみてください。
さらにその後はトークスクリプトを分解し、自分なりに順番を変えてみるなど試行錯誤を繰り返すことで、大きな成果に繋がっていきます。
ヒアリング力を強化しよう
インサイドセールスが成果を上げるためには、”ヒアリング”が最も大事と言っても過言ではありません。自社が提供するソリューションが、顧客のどのような課題を解決するものなのか、顧客に理解・納得してもらう必要があり、そのためにはまず顧客の現状や課題を、顧客の口から語ってもらうことが必須です。
ヒアリングに関してはSPIN話法から学ぶことがオススメです。
SPIN話法とは、質問の構成を4つに分けて、
S:Situation Questions<状況質問>
P:problem Questions<問題質問>
I:Implication Questions<示唆質問>
N:Need-payoff Questions<解決質問>
これをS→P→I→Nの順に質問を進めていき、商談成立に繋げていく手法です。
以下ページも参考にしてください。
事例を活用しよう
自社のソリューションを実際に導入した顧客の事例を有効活用しましょう。
自社ソリューションを活用するとどのような未来が待っているのか、具体的にイメージさせるのに最も有効な手段の1つです。
様々な事例があるかと思いますが、主に次の3つの軸を意識して準備してみてください。
- 業態
- 地域
- 規模
上記3点が、これから紹介しようとしている企業と、近い事例かは非常に重要です。
事例が、自社とは全く異なる企業の場合、このソリューションは自分達が使うモノではないんだと逆効果を与えてしまう場合もあります。
また、導入事例は提示の仕方が命です。導入企業が、導入前にはどんなお困りごとを抱えていて、サービスのどの点を評価し、導入後どう変わったのかを、ストーリーとして伝えましょう。ストーリーに納得感があるほど、顧客は興味をもって話を聞いてくれるようになります。
顧客の声を他部門に届ける
冒頭に書いたとおり、インサイドセールスは顧客に最も接触する営業職です。
そのため、顧客のご要望や業界ごとのニーズなど、生の声を1番集めていると言っても過言ではありません。そして、そうした顧客の生の声は、他部門からすると一番欲しい情報です。
取得した情報を定期的にマーケティング部門や開発部門に共有することで、会社の発展に貢献をすることができます。
またその情報共有活動は、回り回ってインサイドセールス部門の成果としても返ってきます。
繰り返しになりますが顧客のニーズを一番取得できるインサイドセールスだからこそ、他部門と連携をすることはとても大切なことです。
本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本記事が、あなたの転職活動や今後のキャリアに少しでも役立てましたら幸いです。