周りと差をつける!営業職の転職活動における業界研究のメリットとその方法

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営業職の転職でスキルアップや年収アップを狙う際に、「異業種への転職」を選択肢として持たれる方も多いかと思います。
実際に異業種への転職で多くの方が成功されていらっしゃる一方で、同じ営業職でも「思っていたのと違った、、、」というケースも残念ながらお見受けします。
今回はこのようなミスマッチを減らすために、業界選びのポイントや業界研究の具体的な方法についてお伝えします。



目次[非表示]

  1. 1.営業転職での業界研究とは?
  2. 2.業界研究はなぜ必要?
  3. 3.業界研究の具体的な方法
    1. 3.1.業界全体を俯瞰しよう
    2. 3.2.サプライチェーンを把握しよう
    3. 3.3.”5フォース分析”で市場環境を理解しよう
    4. 3.4.”PEST分析”でトレンド把握をしよう
  4. 4.自分の志望理由との紐付け
  5. 5.終わりに




営業転職での業界研究とは?

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業界研究とは、業界全体の規模や将来性、業界トレンド、業界構造といった全体観の把握が当てはまります。

これらについて自分が転職したい先の業界のことはもちろんですが、加えて、自分営業先となる業界/営業先となる部署についても理解していく必要があります。

なぜならば、営業職の転職では何を」とセットで「誰に」という観点もマルっと変わってくるからです。例えば、成長率の高い企業に入ったとしても、その営業先の業界が縮小している場合、その企業の成績にも遅かれ早かれ影響が出てきてしまうというケースはよくあります。

そういった意味でも、異業種への転職は「転職したい業界」だけでなく「転職後の営業先」まで理解していることがより良い転職活動につながっていきます


業界研究はなぜ必要?

業界研究はなぜ必要かについて3点お伝えします。

転職先での営業活動の解像度をあげる
面接官不安を払拭できる
逆質問があがる


業界研究の具体的な方法


業界全体を俯瞰しよう

“業界地図”や”四季報”などがオススメです。あらゆる業界のトップ企業や市場規模、成長率、市場トレンドや今後の予想などが幅広く書かれています。
どの業界に行きたいかがまだ決まっていない方は、興味ある業界を全て調べた上で、気になる業界の”当たりを付ける”ということをオススメします。加えて、業界毎の平均年収も参考にしてみてもいいでしょう。


サプライチェーンを把握しよう

サプライチェーン(Supply Chain)とは、商品や製品が、原料調達に始まり、製造物流、販売などを通じて、消費者の手元に届くまでの一連の流れを指します。
企業単位で変わってくる場合も多いですが、『この業界は何を原材料にして、最終的に何の製品を誰が使うか』がわかります。そして『自分の顧客=営業先は誰なか』が明らかにできます。

検索エンジンで『〇〇 サプライチェーン』と検索してみると、だいたいの業界でヒットするので、業界の構造や仕入先、顧客について整理することができます。
また、有形サービスの場合は特に『原材料は何か』という部分への着目も重要です。なぜならば、多くの資源(例えば、原油や食料など)を海外からの輸入に頼っている日本では、それらの市場価格や需給バランスが企業業績に大きな影響があるからです。


▼オススメ情報ソース:世界経済のネタ帳

  世界経済のネタ帳 - 世界の経済・統計 情報サイト 世界の経済・統計 情報サイト。世界200ヶ国の統計データをはじめ、コモディティ、為替などグローバルな視点による多数のコンテンツを掲載。 https://ecodb.net/


『せっかくイケてる企業に転職できたのになんか大変そう、、』ということが起きないためにもしっかりと理解をしておきましょう。
一方で、ITサービスや人材サービスなどは無形商材と言われていますが、この場合は、『人』そのものが原材料(生産の源)となり、原料調達”採用活動”に置き換わることが多いです。




”5フォース分析”で市場環境を理解しよう

5フォース分析とは、

  • 業界内の競合
  • 代替品の脅威
  • 新規参入者の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

という、自社を取り巻く5つ”脅威”整理するためフレームワークです。



これは企業が自社の状況を整理する時に使いますが、転職活動では『入りたい業界』を中心
に据えるといいでしょう。
やり方としては5つの枠にそれぞれの関係性や該当事項などを書いていき、その関係性が優勢であれば〇、劣勢であれば×、どちらでもなければ△というように評価していきます。

このフレームワークも検索エンジンで『〇〇 フォース分析』と検索してみると、だいたいの業界でヒットするのでゼロから自分で調べなくても概要は簡単につかむことができます。

この5フォース分析では上記のサプライチェーン分析と同様に事業のリスクが整理できます。本当にこの業界は今後も伸びていくか』であったり、営業目線では『営業先との力関係』『直接的な競合、代替品、新規参入など、ライバルとなり得る存在』も洗い出せるのでこの分析を行うことで転職先の営業の解像度がグっと上がります。


また、このフレームワークは選考中の「逆質問」でも効果を発揮します。逆質問はいわゆる「何か質問はありますか?」のことで、企業に対してただ疑問を解消するためだけでなく、熱意を伝えるチャンスにもなります。つまり、質問を通じて『あなたのことこれだけ知っていますよ』というアピールもできるのです。

▼逆質問について詳しくはこちら

  面接で差をつけるための効果的な逆質問 逆質問は、転職活動の面接において避けては通れないものです。逆質問の受け答えの内容によっては合否に響くこともあるでしょう。 一方で、逆質問は面接官に自身の熱意や情報収集能力をアピールしたり、求める職場環境や成長機会について詳しく知ることができる場でもあります。 営業パーソン特化の、転職・キャリアサービス支援サービス「SQiL」



例えばの質問を挙げてみます。

「御社の〇〇業界では新規参入の障壁が低く、多くの企業が参入していると伺っているのですが、御社はそれに対してどのような対策をされていらっしゃいますか?」


「近年、御社のサービス/製品は〇〇という代替品が普及していかと思いますが、それに対してどのように捉えていらっしゃいますか?」


あくまでも一例にはなりますが、このような質問が異業種の転職希望者から来ると、面接官としては「うちの業界のこと分かっていそうだな」「よく調べてきているな」と安心感につながる可能性が高いです。


”PEST分析”でトレンド把握をしよう

最後に”PEST分析”をすることで、その業界が置かれているマクロ環境を抑えましょう。
Politics(政治)、E:Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字を取っており、自社にとって脅威となる要因や、追い風となる要因をいち早く予測するためのフレームワークです。

脅威を把握するという部分では5フォース分析と似ている部分がありますが、追い風の部分も含めて、法律や社会動向や経済状況などもう少し広いくくりでの事象を整理します。

転職活動を通じて『勝ち馬に乗りたい』と考える方も多いと思いますが、マクロ環境の追い風なしに『勝ち馬』は現れません。なので、この分析を行うことで、成長が著しい企業でもそれが一時的な事象なのか、しばらく続きそうな流れなのか、という中長期的スパンでの示唆を得ることができます。

『〇〇業界 PEST分析』と検索すると、事例が出てくることが多いです。ただ、情報が古かったりすると、最新の動向が考慮されておらず、誤った市場理解をしてしまう可能性が高いので、ここは自分の手を使っ情報集めいくことをオススメします。

▼オススメの情報ソース

業界動向サーチ

  業界の動向やランキング、シェアなどを分析-業界動向サーチ 210を超える業界の動向を独自に調査しています。各業界の業界規模の推移、現状の課題や業績、今後の見通しや影響を与える経済動向などあらゆる角度から業界を分析します。就職や転職、マーケティングなどにお役立て下さい。 https://gyokai-search.com/


e-Stat

  政府統計の総合窓口 政府統計の総合窓口(e−Stat)は各府省等が公表する統計データを一つにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示できるなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイトです。 政府統計の総合窓口


    この分析を通じて、『この業界の成長は今後も続きそうか』といった裏付けに繋がります。加えて、5フォース分析と同様に逆質問をする上で、そして企業理解を深める上で役に立て情報の整理ができます。


    自分の志望理由との紐付け

    さて、ここまで異業種に転職したい営業職向けの業界研究のメリットや方法を見てきました。自分の行きたい業界が見つかり、自分の営業シーンの解像度も上がった、業界のトレンドも悪くない。そんな手応えを感じることができたら、いよいよ自分自身との紐付けです。

    ここまではあくまでも『行きたい業界のことを知る』という目的で情報を整理してきたので、最後は自分自身のありたい姿や目指すビジョンにその業界が相応しいかを、自分自身と対話しましょう。

    『誰に』『何を』『どうやって』『誰がライバルで』『市場トレンドは』

    こんなことが見えてきました。その上で『今の業界を離れて、〇〇業界を志望している理由は〇〇です』と自信を持って言うことができれば、自己分析や業界研究がしっかりできたと言えるでしょう。


    終わりに

    実は、営業職の異業種への転職ハードルは他の職種に比べて高いと言われています。特に異業種となった場合、営業先が変わると、置かれている状況や関心事、抱えている課題といったものが全く別物になっしまいます

    それゆえに、これまでの営業経験や知見が活かせず、せっかく転職したのに中々成果が出ない…ということが起きてしまいます。

    だからこそ、このようなギャップを少なくするために、営業職ならではの業界研究をオススメします。




    著者 株式会社セレブリックス/木下 昌洋
    著者 株式会社セレブリックス/木下 昌洋
    静岡大学 人文学部(現 人文社会科学部)卒業。新卒で飲食店に就職し、店長/料理長を経て、営業の総合支援会社であるセレブリックスに入社。 営業代行でのプレイヤーやマネジメントを経験したのち、現在は営業企画として新規案件の戦略立案や社内のセールステック推進などを行っている。延べ100商材以上の支援を経験。

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