【転職経験者が徹底解説】人材業界からスタートアップに転職する際のポイント
はじめまして。
株式会社グローカルのシニアコンサルタント志村匠斗と申します。
本記事では、人材業界からスタートアップへの転職を考えている方に向けて、
- 転職を考えたときの心境
- スタートアップ転職の理想と現実
- 人材業界経験者が発揮できる価値と注意すべきこと
について実体験を踏まえて解説させていただきます。
私は新卒で大手人材会社に入社し、約 3 年、人材紹介サービスの法人営業(リクルーティングアドバイザー)業務に従事していました。主に製造業やサービス業を中心に大中小様々な企業の採用を支援し、MVPを受賞した経験もあります。その後、当時 60 名規模のWEBサービス系スタートアップ企業に事業企画担当として転職。新規事業の推進者として現場業務を行うかたわら、営業企画として CRM / SFA のデータベース構築や整理、インサイドセールスチームの立ち上げ、顧客向けセミナー/ウェビナーの企画運営など様々な業務を経験させていただきました。
そして今現在は、株式会社グローカルのシニアコンサルタントとして、地方経済を担う中小企業の採用・営業・マーケティング・新規事業の支援をさせていただいております。
本記事を読むことで、スタートアップでの働き方のイメージが湧き、転職後のギャップで後悔する方が 1 人でも減ったら嬉しいです。
目次[非表示]
- 1.人材業界からスタートアップに転職した理由
- 1.1.企業の課題解決の限界を感じた
- 1.2.ビジネスパーソンとしての成長を実感したかった
- 1.3.より事業全体を見る仕事をしてみたかった
- 2.スタートアップ転職の理想と現実
- 2.1.スタートアップは実力主義か?
- 2.2.スタートアップの裁量は大きいか?
- 2.3.スタートアップの給与や昇進は?
- 2.4.スタートアップの社員は優秀か?
- 3.人材業界出身者がスタートアップに転職して発揮できる価値
- 3.1.人材採用のノウハウ
- 3.2.広く浅い業界の知識
- 3.3.人を動かす文章力
- 3.4.泥臭いことをいとわないマインド
- 4.人材業界出身者がスタートアップに転職する際に注意すべきこと
- 4.1.スタートアップの採用の難しさ
- 4.2.知ったかぶりは失敗のもと
- 4.3.すぐ行動に移せるのは強みとは限らない
- 5.スタートアップ転職を考えている人材業界の方へメッセージ
人材業界からスタートアップに転職した理由
まずは、人材業界で仕事をしていた私が、スタートアップに転職をした理由について紹介させていただきます。
既に転職を考えている皆さまにとって、共感できる内容かは分かりかねますが、少しでも参考になれば幸いです。
企業の課題解決の限界を感じた
1 つ目の理由は、 企業の課題解決の限界を感じたためです。
「経営者の近くで仕事ができる」
「経営の三大要素であるヒトに携われる」
「自分の提案や行動がお客様の事業成長に繋がる」
人材会社に入社した方なら一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
確かに、人材業界の仕事は、お客様である企業に対して有望な人材を送り込むことであり、これらの言葉は嘘ではありません。
しかしながら、企業が抱える課題は様々であり、ヒトだけでは解決できないものも多くあります。
これは中小企業の採用を支援しているとき、特に強く感じたことです。
大手企業と比較して中小企業は、採用や人材育成にかける予算が限られており、即戦力となる人材を求めざるを得ないことが多くあります。
運よく優秀な人材に興味を持ってもらい、内定を出すことができたとしても、油断はできません。
優秀な人材であればあるほど、大手企業は破格の待遇で獲得に向けて動いてきます。
また、内定をもらった本人にとっても、給与や生活は転職の意思決定の重要な要素です。
中小企業の方が自分のやりたいことができると分かっていても、家庭のために大手企業を選んでいくケースに多く出くわしてきました。
中小企業の担当をしていた私の立場からすれば、ヒトの人生がかかっているからこそ、採用という手段だけでは企業の課題解決には不十分だと感じてしまいます。
採用以外の手段を駆使できなければ、企業の課題解決は困難ではないかと考えたことが、人材業界以外に目を向けるきっかけになっています。
ビジネスパーソンとしての成長を実感したかった
2 つ目の理由は、ビジネスパーソンとしての成長を実感したかったためです。
人材業界は良い意味でスピーディに成長をしている実感を得やすい業界だと思います。
若いうちから複数の企業を任され、自ら試行錯誤して成果に繋げていくプロセスを短期間で数多く経験できます。業界の入れ替わりが激しいこともあいまって、2 年目や 3 年目であってもある程度の経験を積んだ人材として評価をいただくことも少なくありません。
しかしながら、基本的に採用活動は同じことの繰り返しでもあります。
日々自身が担当している企業にマッチする人材を探し、求人を紹介して求職者の応募意欲を高め、お客様と協力して面接を進めていく。これが多くの人材紹介営業のルーティンになります。
MVP を受賞できたことはありがたいことではありましたが、同時に「あとはこの仕事を繰り返すだけなのか」「いつまでこの仕事をすればいいのだろうか」と思い悩むことも増えました。
社内異動した先輩社員というモデルケースもありましたが、業界を変えなければ得られないものもあるという想いから、業界を飛び出そうと考えるようになりました。
これを言ったら怒られるかもしれませんが、転職をしたことがない人間が転職を支援していること自体説得力に欠けるなとも思っていましたね。
より事業全体を見る仕事をしてみたかった
3 つ目の理由は、より事業全体を見る仕事をしてみたかったためです。
人材紹介サービスの営業をしていれば、様々な求職者にお会いすることになります。その中で、職種を変えた転職を希望する方は少なくありません。自分自身のキャリアを考えたうえで、新しいチャレンジがしたいという気持ちはよくわかります。
人材業界には「ポータブルスキル」という考え方があります。その名の通り「持ち出し可能な能力」という意味であり、ある職種で培ったスキルの中には、別の職種でも活かせるものがあるということです。
当時私は、営業経験が活かせる営業以外の仕事とは何かを真剣に考えていました。当時の私は、最終的に以下のようなマトリクスを作り、現状の立ち位置に近ければ近いほど転職できる確率が高いだろうと結論付けました。
今となってはかなり荒々しい整理でお恥ずかしいのですが、営業として事業全体に携わるなら、目いっぱい頑張って「事業企画」のポジションだろうと仮説を立てて、転職活動を進めました。
結果として、事業企画部門の配属で転職できたのは幸いであり、その後未経験ながらマーケティング系の仕事を多く経験することになったため、当時の整理はあながち間違ってなかったのかもしれません。
スタートアップ転職の理想と現実
私は、人材業界を飛び出し、WEB サービスを展開するスタートアップの事業企画担当として新たなキャリアを歩み始めました。
そこには人材業界にいたときにイメージしていたスタートアップとは異なる景色が広がっていました。細かなことを上げればキリがないため、ここでは数多くの記事で紹介されている「一般的なスタートアップのイメージ」を例に、私の実体験を踏まえた実情をご紹介させていただきます。
スタートアップは実力主義か?
スタートアップは実力主義とよく言われます。これは間違いではありません。
特に年功序列が根強い大手の重厚長大な企業から見れば、はるかに実力主義な報酬制度や評価制度になっていると思います。
年上の部下や年下の上司が生まれることは日常茶飯事で、極めてハイスペックなスペシャリストが高額な報酬をもらっていることも珍しくありません。
しかしながら、ビジネスパーソンとして本当に実力を持っているか、という観点で見ると、とらえ方が変わってきます。
スタートアップは良くも悪くもスピードや成果が求められます。だからこそ、偶然の産物であっても成果がでれば評価に繋がるケースがあります。経験の浅い私から見ても、仕事の進め方や考え方に疑問符が付くような経営陣や管理職の方もいます。また、輝かしい経歴を持ち、高額な報酬で入社した人材が、全く成果を出せずに失脚していくこともありますし、極めて優秀な能力やセンスを持つ人材が、活躍の機会を得られずに辞めていくこともあります。
つまり、実力主義といっても、全ての能力が高いわけではありません。特定の能力が秀でているだけであったり、たまたま活躍の機会があったから評価されている方もいる、ということです。
だからこそ、圧倒的な能力や経験を持っていなければスタートアップで活躍ができないとお考えであれば、その心配はいりません。チャンスを上手くモノにできるかが、スタートアップで評価を得るポイントだと思います。
そして、スタートアップは大手企業に比べて打席に立つ機会が多くあります。一度失敗してもめげずに挑戦しつづけることで、実力と評価が付いてくるのではないかと考えています。
スタートアップの裁量は大きいか?
スタートアップは個人に与えられる裁量が大きいと言われています。
これはスタートアップのフェーズによって異なるため、個人としてどの程度ギャップを感じるかに依存します。
アーリー期やシリーズ A のスタートアップであれば、個人の裁量は大きくなると考えられます。ルールが整備されていないことが大きな要因のひとつではありますが、社員個人の意思決定が尊重されるケースもあり、その思い切りの良さやスピード感に驚くこともあるでしょう。
一方、ミドル期やシリーズ B 以降となると、企業は組織として動きはじめます。
徐々に役割分担が進み、個人でできる範囲は狭くなっていきます。とはいえ、細かく細分化された大手企業と比較すれば裁量は大きいため、動きにくさを感じることは少ないかもしれません。
私が実体験として苦労したのは、徐々に裁量が狭くなっていくことに適応することです。
私が入社した当時は、各事業部が比較的自由に動いて柔軟に意思決定をしていました。
大手企業では考えられないことかもしれませんが、経営陣の承認を得ないままプロジェクトの話をすすめ、事後承認を得ることも珍しくはなかったほどです(これは本当に良くないことなので、皆さんは真似をしないでください)。しかし、上場が現実的になってくると、組織が確立し、監査が入るようになります。私が務めていたスタートアップは金融機関向けのサービスも展開していたため、かなり保守的な組織体制に変わっていきました。1 年前は許されていたことが、全く許されなくなります。この変化は非常に衝撃的でした。
つまり、スタートアップだから常に裁量が大きいわけではなく、組織やルールが未整備だからこそ許容される範囲が広い、と捉えるべきでしょう。
スタートアップの給与や昇進は?
スタートアップの給与や昇進については意見が割れるところです。
ここではあくまでも私の実体験をもとにご紹介します。
まず給与ですが、スタートアップの給与は決して高くありません。近年様々な人材会社が給与アップをして転職をした事例を宣伝していますが、これは資金力のある大手企業への転職の事例であって、スタートアップに当てはまることは極めて稀です。
実際、私が転職したスタートアップの同僚に聞いても、たいていは給与を下げて転職をしています。スタートアップには、高額な給与を支払えるだけの資金力がないのです。
ただ、実力や成果次第にはなりますが、昇給は期待できます。私自身、スタートアップに転職した時と退職した時を比較すると、給与は約 1.5 倍になっています。企業が急成長していることと、実力主義の環境もあいまって、昇給の爆発力は魅力的かもしれません。
そのため、スタートアップへの転職を希望するのであれば、目先の給与ではなく、数年後の昇給を見越して企業を選ぶべきだと考えます。
スタートアップの社員は優秀か?
様々なメディアで、輝かしい経歴や実績を持つスタートアップの社員が紹介されています。一定数優秀な方がいることを理解したうえで、私はスタートアップの社員は優秀かという問いに対して否定的な回答をさせていただきたいと思います。
私は、スタートアップで活躍している社員は大きく 2 つに分けられると考えています。
1 つは、非常にいびつな能力配分の人材、もう 1 つは、何でもできる器用貧乏な人材です。
非常にいびつな能力配分の人材は、特定の分野で信じられないほどの高いパフォーマンスを出します。エンジニアや研究開発、営業の方に多く見受けられます。得意分野における彼らのパフォーマンスは企業をけん引するだけの強い力を持っています。しかしながら、計画性がない、納期が守れない、コミュニケーションが取れない、など、大手企業であれば必ず求められるビジネスの基本的な部分ができていないという欠点を持ってたりします。スタートアップだからこそ強く輝くエース人材のような立ち位置です。
何でもできる器用貧乏な人材は、コーポレート部門や企画部門に多く見受けられます。
企業のフェーズに合わせて、攻めも守りも、時には専門外の領域の仕事まで手広く受け持ち、企業の潤滑油として活躍しています。何を任せてもそつなくこなせるため、非常に重宝されるのですが、強い専門性があるとは言い切れません。そのため、役割が細分化された組織では中途半端な人材に見られてしまうリスクがあります。
もちろん、上記に当てはまらないような怪物級の人材もいるため、スタートアップの人材は侮れないのですが、一般的なレベルで見ると、優秀さには条件や制限があるということに注意が必要です。
人材業界出身者がスタートアップに転職して発揮できる価値
人材業界出身者がスタートアップに転職して発揮できる価値とはなんでしょうか。
ここでは、スタートアップの社員と比較したとき、人材業界で培った経験が活きたと感じたものを紹介します。
人材採用のノウハウ
まず間違いないものは「人材採用のノウハウ」です。
皆さんが想像している以上に、採用について理解や知識を持つビジネスパーソンは少ないものです。ほぼ全てのスタートアップは人材不足に悩んでいるにもかかわらず、採用活動を体系的に理解しているスタートアップ経営者は極めて少ないです。スタートアップに転職したときや、もしかしたらスタートアップとの面接をしている時でさえ、採用活動の進め方に違和感や効率の悪さを感じることもあるのではないでしょうか。
もし、あなたがスタートアップに転職をして、早期に価値を発揮して存在感をアピールしたいのであれば、採用活動の改善に向けて動くことをおすすめします。
母集団形成の進め方、求職者の方とのコミュニケーション、面接の進め方、人材の口説き方など、人材業界では当たり前だったノウハウでさえ、スタートアップには貴重な情報になり得ます。
広く浅い業界の知識
これは私自身も意外に感じたのですが、人材業界出身者は一般的なビジネスパーソンよりも様々な業界や様々な仕事を知っていることが多いようです。
クライアントがどのようなビジネスモデルで、その担当者がどのような仕事をしているのかをすぐにイメージできるのは、スタートアップでも強力な武器になります。また、クライアントの事業内容や仕事内容に対して興味を持ち、これらを自然にヒアリングできるため、クライアントへの提案や交渉を有利に進めることができることも強みです。
人を動かす文章力
人材紹介の法人営業や求人広告のクリエイター限定の強みではありますが、文章力も人材業界出身者の強みです。
転職はヒトの人生を左右する重大な意思決定のひとつであり、その意思決定を左右する求人票や求人広告は、ヒトの心を動かし、行動を促すような内容である必要があります。このような文章を日常的に書いているのはビジネスパーソンとして珍しく、相対的に高い文章力を持つことになると言えます。
営業資料の作成、メールマーケティングのコンテンツ、コラムの執筆、プレスリリースの発行など、文章を書く機会が多くある中で、高い文章力を持つことは強力な武器になります。もちろん、何も勉強せずにこれらの文章を作ることはできませんが、土台となる経験を持っているだけでも、あなたのキャリアの幅は広がりやすくなるため、十分価値のある能力だと言えます。
泥臭いことをいとわないマインド
人材業界はテレアポや飛び込みの文化が色濃く、成果のためにひたむきに行動することが多い業界です。泥臭くても、とにかく行動量を担保して成果を出そうともがけることは、スタートアップにおいても大いに役立ちます。
大手企業からスタートアップに転職してきた方や、コンサルティングファームからスタートアップに転職してきた方と比較すると、人材業界出身者は、まずやってみる、まず行動してみる、というマインドになりやすく、質よりも量を担保する動き方に強い印象があります。
スタートアップでは、誰もやったことがない領域を切り拓くことが求められます。
慎重に行動するよりも、走りながら考えるスタンスの方が親和性が高いため、この観点では人材業界の方はスタートアップ向きと言えるでしょう。
人材業界出身者がスタートアップに転職する際に注意すべきこと
最後に、人材業界出身者がスタートアップに転職する際に注意すべきことについて、私の実体験を踏まえて紹介させていただきます。
スタートアップの採用の難しさ
1 つ目は、スタートアップの採用の難しさです。
人材業界出身者の転職後のキャリアとして多いのが、人事や採用担当です。少なくとも採用において豊富な経験を持ち、行動力も持ち合わせていることが、人材業界出身者を人事や採用担当として雇用したいという理由になります。また、人材業界出身者としても、営業職としてキャリアを積んでいくことに難しさを感じたり、ライフイベントを経ても続けられる仕事を検討している場合は、人事や採用担当が魅力的なキャリアに感じられると思います。
実際に、大手企業では人材業界出身者がリクルーターとして採用活動を推進しているケースは多く見受けられますし、スタートアップにおいても価値を発揮することは可能だと考えています。
しかしながら、スタートアップの採用は決して簡単ではありません。
知名度の低さ、採用予算の乏しさ、経営陣の採用に対するリテラシーの低さなど、課題を上げればキリがなく、求人広告や人材紹介サービスなど、一般的な採用手段を活用できないことも少なくありません。手技や手法に依存した採用ではなく、採用活動はどうあるべきか、入社したスタートアップにおいて最適な採用とは何かに立ち返り、採用活動をゼロベースで考えることが求められます。
また、人事担当として入社した場合、労務や教育研修、人事制度企画や総務としての仕事を求められます。これは人材業界出身者があまり経験することがない業務です。スタートアップに求められる価値を出し続けるためには、日々勉強や情報収集をしながら自己成長をしていかなければなりません。採用関連の成功体験ばかりを拠り所にしていると、必ず足元をすくわれます。
知ったかぶりは失敗のもと
2 つ目は、知ったかぶりです。
人材業界出身者は、幅広い業界の知識を持っているものの、個別の業界に対する深い理解を持ち合わせているわけではありません。この状態で、自分は業界の知識があると高をくくっていると、痛い目に会います。
スタートアップが持っているサービスには、特定の業界や特定の立場の人間に対して高い価値を提供するものがあります。また、その特定の業界や特定の立場の人間を取り巻く市場環境も日々変化していきます。常に情報収集をし、変化に適応していかなければ、人材業界で培った知識はすぐに陳腐化していきます。
今持っている知識は、これからスタートアップで戦うための基盤となるものと捉え、常に自分自身をアップデートしていくことをおすすめします。
すぐ行動に移せるのは強みとは限らない
3 つ目は、すぐ行動に移せるのは強みとは限らないということです。
人材や資金、時間が限られているスタートアップにおいては、すぐに行動し、走りながら検証して、改善しながら進んでいくことが重要になります。つまり、ただやみくもに行動に移すだけでは、不十分ということです。また、経営に対する影響が大きい意思決定をする場合、綿密な計画を立てる必要があります。全てにおいて「とにかく行動を起こそう」と考えるのは、少々慎重さに欠けると言わざるを得ません。
人員計画や資金繰りを考える、収益性を考える、タイミングを見極めるといった、戦略的な動きができるようになれば、すぐに行動に移せる姿勢は輝きを増します。
スタートアップに入社したのであれば、様々な戦い方にチャレンジしなければ損です。これまで自分がやったことのない種類の仕事を楽しみながら日々を過ごしてみてください。
スタートアップ転職を考えている人材業界の方へメッセージ
本記事では、私の実体験を踏まえてスタートアップの実情や、人材業界の方がスタートアップに転職する際の注意点をご紹介させていただきました。
就職や転職を扱う仕事をし、様々な転職を間近で見てきたからこそ、ご自身のキャリアに対して慎重になったり不安になっている方も多いのではないでしょうか。また、採用担当としてであれば、大手企業に入社するチャンスもあります。そのため、わざわざスタートアップを選ぶことに否定的な意見をもらうこともあるかもしれません。
これまでお伝えしたように、スタートアップに転職して成果を出すことは、決して簡単な道ではありません。私自身もここではお伝えできないような様々な苦労がありました。
ですが、今こうして振り返ってみると、人材業界に残り続けた未来や、大手企業の採用担当として働く未来よりも、様々な経験を積み、視野を広げることができたなと感じています。あの時の自分は、最も成長できる選択をしたんだと思えるようになりました。
もし、皆さんがスタートアップへの転職に悩んでいるなら、ぜひ実情を知る方に相談してみてください。その中で、本記事が皆さんのスタートアップ転職にとって有益なヒントになっていれば幸いです。