これからのインサイドセールスの働き方
SQiL Career Agentにて、インサイドセールスのキャリアについて記事を書いている坂瀬心と申します。
私はこれまでSaaS大手企業にてフィールドセールスとインサイドセールス、SaaSスタートアップ企業にてインサイドセールスを経験してきました。
SDR、BDR、リサイクルやナーチャリングなど、インサイドセールスの役割として挙げられるようなものは、一通り経験してきたと自負しています。
今回の記事では「インサイドセールスのこれからの働き方」について、私自身の経験と知見をもとにご紹介していきます。
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インサイドセールスとは
まずはインサイドセールスとはなにか?を振り返っておきます。
インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、主に電話やメールを駆使し、非対面で行う営業活動のことを指します。
また、時にはマーケティング部門と連携しながらセミナーを実施したり、コンテンツなどを活用しながら見込み顧客に接触を試みます。
アポイント設定やアポイントの見込み化までを主な業務としている場合もあれば、商談実施から受注金額までを目標としている場合もあり、インサイドセールスの業務範囲は企業によってさまざまです。
※見込み顧客 = 商品・サービスを購入してくれる見込みがある企業や人
営業職の中でも、インサイドセールスは最も顧客接触回数が多くなるポジションと言われており、目標達成の手段も幅広く、多くの部署と関わることからビジネスサイドの中でも重要なポジションと言われています。
そのインサイドセールスは、大きくSDR(Sales Development Representative)と、BDR(Business Development Representative)の2つに分けられます。
SDRは、「インバウンド型のインサイドセールス」を指します。
マーケティング部門が獲得した見込み顧客(リード)にアプローチします。資料ダウンロードや問い合わせなど、顧客の能動的な行動をきっかけとして接触を試みる営業活動です。
BDRは、「アウトバウンド型のインサイドセールス」を指します。
自社が顧客にしたいターゲットに新規でアプローチしていきます。ターゲット企業側が、自社の製品やサービスを認知していない状態、かつそもそもニーズがあるかも全くわからない状態でアプローチすることになるため、アポイント設定のハードル、またその後の商談の難易度も SDR に比べて高くなります。
ターゲットを絞り込み過ぎず、架電などを多くするいわゆる”テレアポ”的なアプローチの場合もあれば、ターゲットを狭く絞り込み、ターゲット毎に最適な接触方法やコンテンツを用意する”ABM(Account Based Marketing)”と呼ばれるアプローチの場合もあります。
インサイドセールスが生まれた背景
■購買行動の変化
現代では、企業の見込み顧客の獲得手法はインターネット経由が多くなってきています。
また、インターネットでの情報収集が容易になったため、そもそも営業には頼らず、自社内で購買検討を進める見込み顧客も増えています。
そういった直接お会いすることができない見込み顧客に対し、電話やメールなどで示唆や役立つ情報を提供していくインサイドセールスの需要は近年高まっています。
■働き方の変化
労働人口の減少や新型コロナウイルスの流行などの影響もあり、近年働き方が大きく変化・多様化してきています。その変化と多様性に対応のしやすい営業職として注目が集まったのが、インサイドセールスです。
インサイドセールスはもともとオフィスからは出ず、電話やメールで見込み顧客にアプローチをするため在宅勤務との相性が良いのです。子育てや介護など様々な理由でオフィス勤務ができない方でも従事がしやすく、地方在住の方でも自社の営業組織に参画していただくことができます。
また、CRMやMA、CTI、Web会議システムなどの普及も、インサイドセールスの広がりを後押ししたと考えられます。
※CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略。
日本語では「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」と訳され、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客との良好な関係を構築・促進すること、またそのためのシステムを指します。
※MAとは、Marketing Automation(マーケティング オートメーション)の略。
マーケティング活動を可視化し自動化できるシステムを指します。 マーケティングに伴う作業は、見込み客の獲得から顧客情報の管理、リード客の育成・絞り込みなど多岐に渡ります。 マーケティング活動には人手と時間、手間が必要です。 MAツールはそのような複雑な作業を自動化し、効率的なマーケティング活動を実現します。
※CTIツールとは、Computer Telephony Integration(コンピューター テレフォニー インテグレーション)の略。
電話/FAXをパソコンと連携させるシステムの総称です。電話がきた際にPC画面上に着信先の顧客情報が表示されたり、過去の取引データを確認できたりするため、顧客対応部署で用いられることが多いシステムです。
とあるインサイドセールスの1日のスケジュール
まずは、私の1日のスケジュールをご紹介します。
毎日同じというわけではもちろんありませんが、このスケジュールをご覧いただくことで、概ねインサイドセールスのやることや時間配分などが理解できると思います。
インサイドセールスに興味はあるが、具体的にどんなことをやるのかイメージが湧かないという方は、是非参考にしてみてください。
08:30~ 流入リードの確認、架電前準備
09:00~ 顧客対応(電話/メール)
10:00~ MTG
13:00~ 社内MTG
14:00~ 顧客対応(電話/メール)
15:00~ 商談同席
16:00~ 顧客対応
17:30~ 対応履歴の入力、事務作業、翌日のリスト確認
18:00~ 終礼
まず大前提ですが、私はフルリモート勤務ですので、上記は全てオンラインでの実施です。
インサイドセールスの中でもSDRなのかBDRなのかで1日の流れは大きく変わりますが、共通しているのは顧客対応がメイン業務であること。これは胸に刻んでおきましょう。
インサイドセールスは顧客と効果的に接触し、商談の場を設定できるかが肝になりますので、いかに顧客対応に時間を割けるかがポイントです。
そのため対応履歴の入力やリスト作成、準備などは、顧客対応のコアタイムを外すか、効率よくできるようにやり方を定めておくことをお勧めします。
インサイドセールスは、フルリモートでの採用が増えている
株式会社ビズリーチが2022年6月に公表をしたアンケート調査の結果では、ビズリーチに掲載されている「勤務地を問わない新規求人数」は、コロナ禍前と比べると11.3倍に上昇したとされています。
その中でもインサイドセールスの求人は、特に増えているとも書かれています。
引用記事
企業が事業を拡大する上で、インサイドセールスの重要性・必要性は年々認知が広がっていることから、今後もフルリモートのインサイドセールス採用が増加することが予想されます。
インサイドセールスは比較的、フルリモートとの相性が良いとも言われているからです。
人手不足により自社に必要な人材を確保する難易度は今後ますます上がっていきますが、フルリモートで採用することで物理的距離という制約を受けず、全国もしくは海外在住の方でも採用できる点も企業にとっては魅力となっています。
この記事を読んでいる方の中には地方在住だが、大都市圏に出て多くの選択肢やチャンスを掴みたい、はたまた革新的なサービスに関わったり、優秀な人に囲まれて仕事がしたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、地方と大都市圏を比べると給与面での差も未だ大きいです。
そんな方々にもフルリモートでのインサイドセールスはオススメと言えます。
また、フルリモートは昨今話題としてよく上がる女性のキャリアにもメリットが大きいと言え、最近ではワーキングマザーとしてインサイドセールスに従事している方が増えているとも聞きます。
インサイドセールスに転職しやすい人
さいごにインサイドセールスに転職がしやすい方について、私なりの見解を述べます。
インサイドセールスは、現時点ではBtoBのビジネスを展開している企業で取り入れられていることが多いので、まず法人営業経験があると選考上、有利に働くことが多そうです。
また、商材は無形商材の営業経験の方が有利でしょう。これはインサイドセールスを導入しているのは、IT企業が今は特に多いからです。
また、電話での営業経験がある方もインサイドセールスの即戦力性が高いと考えます。不動産系や人材系、メディア系の営業の方は、電話営業経験者も多いのではないでしょうか。
経験面だけでなく、定性面のお話もすると
・マメで気遣いが上手な方
・ヒアリングが上手な方
・話し方や声に安心感がある方
・効率性や行動量に重きを置ける方
・社内調整が得意な方
・ITツールやデータ活用に積極的な方
なども向いていると思います。
販売サービス職やブライダル業界出身者、その他にもBtoCの保険営業や自動車ディーラーの営業などから、インサイドセールスに挑戦する方も増えています。
おわりに
自分自身のキャリアを思い返してみると、現在のフルリモートで働けるインサイドセールスに転職をしたことで、選択肢が大きく広がったと感じています。
フルリモートで働くことが自分の中で当たり前になったことで、仕事の生産性が上がりましたし、通勤や訪問などもないため可処分時間が増えプライベートも充実しました。
この記事が ”今後どのように働きたいか” を改めて考えるきっかけになれば嬉しいです。