【証券のリテール営業からの転職を徹底解説】よくある辞めたい理由と活かせるスキル

営業職特化の転職エージェント 「SQiL Career Agent」 事業責任者の梅田翔五です。
私はこれまでに2,000名以上の営業パーソンと面談や面接をしてきましたが、その中には証券会社のリテール営業に従事している方も多くいらっしゃいました。
証券のリテール営業でキャリアを積んできた方は、日々の仕事の中で他の業界でも通用する社会人基礎力が備わっている方も多いと感じます。
例えば、高いノルマやプレッシャーを乗り越えて目標を達成してきたり、高額なお取引を牽引してきた経験は、他の業界や職種でも大いに役に立つでしょう。
一方で選ぶ業界や職種によっては、かなりチャレンジングな転職になることも事実です。
本記事では転職・キャリア支援の専門家として、証券会社のリテール営業からの転職についてまるっと解説いたします。



目次[非表示]

  1. 1.証券のリテール営業辞めたい・・・ よくある理由 5選
    1. 1.1.ノルマ追及が厳しく、精神的にきつい
    2. 1.2.顧客を損させてしまい、心苦しい
    3. 1.3.証券のリテール営業の先行きに不安を感じる
    4. 1.4.労働時間が長い
    5. 1.5.転勤が多い
  2. 2.証券のリテール営業 身に付くスキル 4選
    1. 2.1.営業パーソンとしてのタフネス
    2. 2.2.カネまわりのリテラシーの高さ
    3. 2.3.富裕層とのコミュニケーション力
    4. 2.4.数字を読み解く力
  3. 3.証券のリテール営業 転職先の候補は何がある?
  4. 4.証券のリテール営業から転職 具体的な4ステップ
    1. 4.1.自己分析
    2. 4.2.履歴書・職務経歴書の作成
    3. 4.3.業界・企業研究
    4. 4.4.書類選考・面接
  5. 5.おわりに



証券のリテール営業辞めたい・・・ よくある理由 5選

まずは証券のリテール営業を辞めたい、よくある理由を5つ紹介していきます。
本記事を読んでくださってる方の中には、同様の気持ちを抱えている方もいるのではないでしょうか?


ノルマ追及が厳しく、精神的にきつい

証券会社は金融商品の手数料収入から売上を上げるビジネスモデルであり、営業に対するノルマ追及が厳しい会社多いとよく言われます。
プロセスよりも成果が重要視される世界であるため、大きなプレッシャーやストレスから日々緊張感に満ちた状態で過ごすことも少なくありません。そのような心理的負荷が積み重なった結果、転職を考える方が一定数いらっしゃいます。
また業界によりますが、営業職は四半期や半期ごとでノルマを追っているところも多い中、証券会社の場合は月ごとにノルマを追っており、かつ売上高だけでなく商品ごとにもノルマが課されるため、より心理的負荷の掛かるタイミングが多いとも言えます。


顧客を損させてしまい、心苦しい

証券のリテール営業はノルマ達成のため、手数料収入が高い金融商品を顧客に提案することを会社に求められますが、これらの金融商品が全て顧客に利得をもたらすモノかと言うと、やはりそうではありません。
その金融商品の価格が下がってしまったり、相場全体が崩れたりすることで、顧客に多額の損失を出させてしまうこともあります
「営業として顧客と関係性を築き、顧客も自分を信頼してくれて商品を購入してくれたのに、結果として大損させてしまった」
こういった罪悪感に苛まれて、転職を考える証券営業の方も実際いらっしゃいます。


証券のリテール営業の先行きに不安を感じる

  • ネット証券会社の台頭
  • メイン顧客層の高齢化
  • 地方の人口減少に伴う資金流出

上記を背景として、対面型の総合証券会社は苦境を強いられており、今まさに変革が求められています。

総合証券会社がすぐに倒産することは考えづらいですが、証券のリテール営業という職業に関しては縮小していくと予想もされており、自身の将来的なキャリアに不安を感じる方も増えています。
また事実として、業界最大手の野村ホールディングスは、2025年3月末までに国内リテールを担う営業部門で200億円程度のコスト削減を実施し、そのために採用抑制による人員減もおこなうと発表しています。


労働時間が長い

証券会社の営業は、朝が早いとよく言われます。市場環境についての情報収集のために経済ニュースなどのチェックが日々必須であることが、その1つの要因です。
また会社や個人にもよりますが、業務量も多く、夜も決して早く帰れるわけではありません。
朝が早く、夜も残業が発生するため、必然的に労働時間は長くなります。
上記に加えて、若手のうちは資格試験の学習などが業務時間外にも求められます。
こういった過酷な労働環境を転職理由に挙げられる方もいらっしゃいます。


転勤が多い

証券のリテール営業は転勤が多いです。特に全国に支店や営業所を持つ大手証券会社では、転勤頻度が高い傾向にあります
また、昨今ではリモートワークを導入する企業も増えましたが、証券業界は「お客様のもとへ足を運ぶ」文化が根強く残っています。
時代的には、自分らしい働き方やライフスタイルに重きを置くビジネスパーソンが増えているため、この転勤の多さを理由に転職をする方も増えているのではないでしょうか。


証券のリテール営業 身に付くスキル 4選

次に、証券のリテール営業で身に付くスキルについて、いくつかご紹介いたします。
証券のリテール営業はハードな環境であるものの、身に付くスキルもちゃんとありますので、それらをご自身でしっかり認識し、次の転職先にアピールできるようにしておきましょう。


営業パーソンとしてのタフネス

上記の「証券会社の営業辞めたい・・ よくある理由5選」でも書きましたが、証券会社の営業は、一般的にはハードな労働環境と言われます。
その労働環境の中、営業としてパフォーマンスを発揮してきた、もしくは継続的な努力を重ねてきたというのは、あなたにタフさがあることの証明と言えます。
言い換えると「数字に対するコミット力が高い」「根性がある」「気合が入ってる」といった肉体的・精神的な強さを指します。
精神論のように聞こえてしまいますが、営業職には一定のタフネスが必要なのは事実であり、採用市場においてもこういったタフさ、1つ採用基準として多く企業見ているポイントです。


カネまわりのリテラシーの高さ

  • 企業の財務諸表が読める

  • 株式市場や為替市場などの経済動向を把握している

  • 金融商品や資産形成に関しての知識を有している

上記3点はいずれもビジネスパーソンとして重要なスキル・知識であり、転職先でも活かせるモノと考えて良いでしょう。

また証券会社に勤める方は資格を保有しているなど、インプット力が高い方も多く、他業界に行っても自己学習を怠らず、新たな知識をキャッチアップすることが期待できるのではないでしょうか。


富裕層とのコミュニケーション力

証券のリテール営業が対峙するメイン顧客は、高齢の富裕層です。
こういった富裕層の方々とリレーションを築くには、専門家としての知識や経験だけでなく、1人の人間として信頼を獲得する、好かれることが大切です。
言い換えると「相手の懐に入る」「かわいがられる」という能力と言えます。
こうした富裕層の方々とリレーションを築きつつ、専門家として金融商品を提案する営業経験は、他の業界や職種にも活かせる能力と言えるでしょう。


数字を読み解く力

金融商品や資産形成、市場動向についての説明をするには、数字で語れることが重要です。
価格変動やリターン率、リスク指標などの数字を理解し、効果的な投資判断につなげることが求められます。さらに顧客の資産状況を把握し、適切なアドバイスを提供する際にも数字の解釈が重要です。
これらの数字を読み解く力は、ビジネスパーソンとしての基礎スキルであり、他のどんな職場に行っても活かせるスキルです。



証券のリテール営業 転職先の候補は何がある?

証券会社のリテール営業の方が転職するなら、次はどんな選択肢があるのか?
ここではいくつか例を紹介します。
あくまで人によりますので、誰もがこの事例に当てはまるわけではない点、ご注意ください。

☝ 証券リテール営業からの転職先例:

  • 経営やITなどのコンサルタント
  • M&A仲介のコンサルタント
  • IT業界の法人営業
  • 人材業界の法人営業
  • 上記以外の無形商材の法人営業
  • 生命保険業界の個人営業
  • 不動産業界の個人営業
  • 同業他社


証券のリテール営業の要素を書き出してみると、以下になります。

  • toC(富裕層)
  • 無形商材
  • 高単価商材
  • 新規・既存どちらも対応

これらの要素が共通している業界や職種ほど受かりやすく、共通要素が少ないほど受かる難易度が高いと考えるとわかりやすいでしょう。

その際、業界や会社の平均年齢も考慮しましょう。IT業界などは比較的、平均年齢が若い会社が多く、そういった会社に転職する際には自身の年齢も若い方が断然有利です。

また、上記の転職先例には記載をしませんでしたが、営業以外の職種に挑戦をすることも不可能ではありません。
ただし誰でもできるわけではなく、選択肢が無限にあるわけでもない点にご留意ください。
例えば、年齢などの影響は大きく、若い方が職種を変える際は有利になる場合が多いです。
職種を変える転職については以下の記事を参考にしてください。

「営業辞めたい」そう思った時に読む記事


証券のリテール営業から転職 具体的な4ステップ

最後に転職活動を始めようとお考えの方々に向けて、具体的な転職活動のステップを記載しておきます。


自己分析

業界や職種を変えるなら、まずは自己分析がとても重要です。
自己分析のやり方はさまざまですが、ここではリクルート社発祥のWill・Can・Mustのフレームワークをご紹介します。

☝ 自己分析のフレームワーク Will・Can・Must

Will - 自分の未来のイメージを持つ

  • 仕事を通して実現したいこと
  • ありたい自分らしい姿
  • 2~3年後の具体的な目標


Can - 自分のできることを明確にする

  • 従事してきた業務
  • 創出してきた実績
  • 身に付けてきたスキル


Must - 自分がやらなければならないこと、大事にしたいことを明確にする

  • 克服しなければならない課題
  • 新しく身に付けなければならないスキル
  • 大事にしたい価値観
  • 譲れない労働条件


転職活動を始めるといきなり「やりたいこと」から考え始める方が多いですが、上記3点が明確になっていない中で「やりたいこと」を考えても、たいていは定まりません。
「やりたいこと」は、自分がどうなりたい、どうありたいの実現手段でしかないため、Will・Can・Mustを自身の言葉で語れるようになることが特に重要です

また現代社会は、インターネットなどを通し簡単に大量の情報に触れることができるため、自身のWill・Can・Mustが定まっていないと、それらの大量の情報から自分に適した情報を上手く見つけることができません。
つまり多くの情報を手に入れることではなく、むしろ多くの情報から不要なものをそぎ落とし、自分に必要な情報入れるため自己分析が必要なです

ただし、自己分析は思っている以上に難しいです。
自分を客観的に把握すること、自分の気持ちを言葉にすることは普段あまりする機会がないため、いきなりやれと言われても、困る方がほとんど。
SQiL Career Agentでは、この自己分析のお手伝いに力を入れていますので、お困りの方はぜひご相談ください。


また、以下の記事も参考にしてみてください。

自己PRに悩む人に贈る!自分の強みを見つける3つのポイント

 【キャリアプランってどう立てたらいいの?】キャリア形成を考えるポイントを徹底解説



履歴書・職務経歴書の作成

自己分析と同時進行的に履歴書・職務経歴書を作成しましょう。
特に職務経歴書は重要な書類で、あなたという商品の魅力を伝える提案書のようなものです。
証券会社で培った経験・スキル・実績を的確にアピールしましょう。

ここでは具体的な方法までは解説いたしませんので、以下の記事を参考にしてみてください。

間違いのない履歴書の書き方

【営業職の職務経歴書】提出前チェックリスト8選

▼SQiL Career Agentでは営業職に特化した職務経歴書のテンプレートもご用意しています。
キャリアアドバイザーとの30分のショート面談を実施した方に限定してお配りしていますので、希望される方はお気軽にお申込みください。

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業界・企業研究

自己分析でWill・Can・Mustがある程度明確になったら、それらが実現できそうな業界・企業を探すため、そして内定を獲得するためにしっかり研究を行いましょう。
私はこれまでに多くの求職者を支援してきましたが、この業界・企業研究を怠る方、苦手な方は特に多いです。逆に言えば、この点を頑張ることで他の求職者と大きく差別化できるとも言えます。

▼企業研究については以下をご覧ください。
受かるための企業研究 -営業職には営業職の企業研究がある-

また、この点についてお困りの場合も是非SQiL Career Agentにご相談ください。
あなたのWill・Can・Mustを把握した上で、適切な業界、職種、企業のご紹介に努めます。


書類選考・面接

企業によって選考の形式や回数は異なりますが、比較的多いのは[書類選考→面接2~3回→内定→オファー面談]というパターンです。

また今は時代的にオンライン面接が多いです。最終選考だけオフラインで企業に出向く場合もあれば、全ての面接がオンラインで完結する場合もあります。

あとは適性検査、書類選考の前にカジュアル面談、1日インターン、リファレンスチェックなどを必須としている企業もありますので、このあたりは企業に合わせて柔軟に対応してください。
また、面接突破のカギは想定問答に対してしっかり回答を準備しておくこと。
具体的には、面接の中で以下のような質問をされます。

☝ 転職活動における面接時の質問例

  • 冒頭に簡単な自己紹介
  • これまで所属してきた会社の入社理由
  • これまで所属してきた会社の転職理由
  • 志望動機
  • 営業としての実績
  • 実績を出すために工夫したこと
  • 自身の強み・弱み
  • 今後のキャリアプラン
  • 大きな挫折経験や失敗経験


上記の質問に対する回答は、自己分析と企業研究さえしっかりやってあれば、回答を考えることはさほど難しくありません
裏を返すと、自己分析と企業研究ができていないまま面接に臨むと、上辺の回答になってしまったり、面接中に何が言いたいかわからなくなってしまい、しどろもどろになってしまうこともありますのでご注意ください。


面接などについては、以下の記事も参考にしてみてください。

営業面接NG理由 よくある10パターンを徹底解説

面接に落ちてしまう!NG転職理由3選

面接で差をつけるための効果的な逆質問


おわりに

証券会社で培った経験やスキルは、異業界・異職種にも活かせるモノが多いです。
しかし、それらをどのように活かすのか、そもそもどこで活かすのかを考えることが難しいと感じる方も多いでしょう。
転職は新しい挑戦とチャンスの始まりですが、同時に不安や心配もあるかもしれません。

SQiL Career Agentでは、転職・キャリア支援の専門家として、あなたの転職を全力でサポートします。自己分析や企業研究から、面接対策まで一貫してご支援をしております。
少しでも転職を検討されている方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。

自信を持って新しい一歩を踏み出し、転職成功を実現しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



著者 株式会社セレブリックス/梅田 翔五
著者 株式会社セレブリックス/梅田 翔五
上智大学経済学部経営学科卒業。 大手製薬会社の営業、ダンススタジオ立ち上げ、 大手人材紹介会社のCAマネージャー、ITスタートアップの営業マネージャーを経たのち、営業の総合支援会社であるセレブリックスに入社。 現在は SQiL Career Agent の事業責任者を務めている。 Twitter:@job_and_life

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