未経験から営業職への転職活動で、「アピールすべきポイント」はコレだ!
「営業未経験だけどこれからチャレンジしたい!けれども、正直何をアピールすべきかわからない。」
このコラムではそういった方々に向けて、アピールすべきポイントやそのコツについて解説します。
私自身も新卒採用・中途採用で「未経験でこれから営業パーソンになりたい」という方々の面接官をしているので、できるだけリアルな視点でお伝えいたします。
目次[非表示]
- 1.企業が未経験者に求めること
- 1.1.成果
- 1.2.成果が出ていなかった場合
- 1.3.スキル
- 1.4.スタンス・マインド
- 1.5.転職後を見据えたアクション
- 2.終わりに
企業が未経験者に求めること
企業目線でお伝えすると、営業職の採用については「未経験者可なポジション」と「経験者のみを前提にしたポジション」とで分かれていることが多いです。
そして、未経験者可の場合、「入社してすぐ活躍できるか?=即戦力」を期待することもありますが、どちらかというと「入社後に教育や実践を積んでいけば成長してもらえそうか?=伸びしろ」という観点で求職者を見ているケースの方が多いです。
そして、本コラムでは、企業が営業未経験者の採用面接で注目しているポイントを、『成果』、『スキル』、『マインド・スタンス』『転職後を見据えたアクション』の4つに分けて解説していきます。
成果
1つ目は『あなたが出した成果』です。つまり、何かしらの目標に対して達成したエピソードや社内での何かしらの表彰をされたエピソードです。営業職は、数字や結果によって成果や評価が明確にされる職種と言えます。なので、営業職でなくても、現在の仕事を通じて出した成果や目標達成に向けて取り組んだ行動は真っ先にアピールできる点です。
そして、その成果は具体的な数字で表せるものがベターです。なので、「上司に褒められた」、「お客様からたくさんの感謝の言葉をもらった」なども素晴らしい経験ではありますが、面接での場では「どれだけすごい成果だったのか」を伝えられるよう準備しましょう。
【成果として伝えるべき要素】
- 期間
いつからいつまでの目標や実績か
- 目標
どんな目標を持っていたのか
- 実績・達成率
その目標に対しての結果をどうだったか
- 比較基準
その成果がどのくらいすごかったのかを客観的に伝えるために重要な要素です。
【例】
- 〇名中〇位の成果だった
- 平均〇%のところ自分の実績は〇%だった
- 表彰であれば対象者〇名中の〇名に選ばれた
など比較基準や対象を引き合いにすることで「成果のすごさ」をアピールすることができます。
また、上記の成果とセットで用意しておきたいポイントがあります。
面接官から深掘り質問が入る可能性が高い内容です。
よくあるのは「なぜそのような成果を出せたのか?または成果を出すために工夫したことは?」という質問です。
どんなに成果を出していても、この質問に答えられないと「たまたまかな?」、「改善活動や創意工夫はしない人だろうか?」、「壁に当たった時に乗り越えられるかな?」というネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
なので、その成果を出すために行ったアクションをしっかりと言語化しておきましょう。
その際のポイントは以下の通りです。
- 成果が出る前の状態、苦しかった状態はどうだったか
beforeの状態があると、取り組みによって改善されたイメージがより鮮明に伝えられます。
- 実際にどんな取り組みをしたのか
この取り組みもできるだけ具体的かつ数字で表すことを心掛けましょう。
- BAD例)本を読みました
- GOOD例)〇月と〇月の合計で〇冊の本を読みました
- その取り組みをなぜ実行しようと思ったか、またはそのきっかけ
これは感情的な側面と実務的な側面と両方あってもいいと思います。
- 感情的な側面の例:同僚が表彰・昇進しているのを見て悔しい、自分もそうなりたいと思った。憧れの先輩に早く近付きたく、努力しようと思った。
- 実務的な側面の例:改善がいくつかある中で、この部分を改善することが一番の近道と判断した。
以上が成果をアピールする時のポイントです。
面接官もあらゆる仕事に対する理解があるという訳ではないので、具体的な業務イメージと客観的な根拠をもとに伝えることを大事にしましょう。
成果が出ていなかった場合
成果が出ていなかったという方はどのようにすればいいでしょうか。その場合は、もちろんアピールポイントとは言い難いですが、もし何か具体的な改善活動、つまりよりよくなるための努力をしていたのであれば、そこは聞かれた際に伝えると良いでしょう。
現職(前職)の成果はこちらから積極的に伝えなくとも、面接官から聞かれる可能性が非常に高い内容なので、成果が出ていなかった場合でもしっかりと準備しておきましょう。
例から先にお伝えします。
○○という目標に対して、○○という結果で達成はできていませんでした。一方で、目標達成に向けた改善活動はしており、具体的には~~です。ただ、目標達成には及んでいなかったのは事実でして、特に○○という点が自分にとっての今の課題だと認識しております。
必ずしもこのテンプレートがあらゆるシーンで正解だという訳ではないですが、ポイントが3つあるのでエッセンスとして取り入れていただけたらと思います。
- 達成できていなかったという事実ははっきりと伝える。
変に濁したり隠そうとすると、一気にマイナスな印象を与えてしまいます。達成できなかったという事実をはっきり伝えることで、逆に「素直」という印象にも繋がり。
- 改善をするために取った活動はできるだけ具体的に伝える。
特に『実際にどんなアクションをしているのか』については非常に細かく聞かれることもあるので5W3H※に基づいて整理するのがオススメです。
※5W3Hとは、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」「How much:いくら」「How many:どのくらい」の頭文字を取った思考整理のフレームワーク
- 今の自分にとっての課題や、足りないものをセットで伝える。
最後に、これらの結果を踏まえて自分の課題もあえて伝えることをオススメします。なぜならば、自分の課題はすなわち”伸びしろ”なので、「私はこういった部分で伸びしろがある人間です」と暗に伝えることができます。その他にも、「前向き」、「自分を客観視できている」、「高い改善意欲がある」という印象を面接官に与えることができるからです。
以上が、成果面でのアピールの仕方とそのコツです。とにかく数字で表すことを大事にしましょう。
スキル
営業職でそのまま活かせる『スキル』もアピールポイントになります。
例えば、思考スキル、コミュニケーションスキル、パワーポイント等での資料作成スキルなどに加えて、会計やビジネスリテラシー、転職先でも発揮できる業界や業務についてなどの専門知識も対象になります。
ただし、様々あるスキルですが、ものによっては非常に曖昧な言葉も多いため、細分化して伝えることが大事です。
例えば、コミュニケーションスキルと一言で言っても、「相手の発言の意図を汲み取る力=傾聴力」や「相手に分かりやすく伝える力=説明力・表現力」、「相手と条件や要望をすり合わせて合意する力=交渉力」など挙げればキリがないほど細分化されます。なので、自分が得意としているスキルは何か、を細かく定義することが効果的なアピールに繋がります。
ただ、営業職のスキルアピールが難しいというのも事実です。資格やスキル証明の方法が非常に少ないというのが大きな理由です。営業経験者が同じ営業職に転職する場合は、共通スキルも多いため経験がそのままアピールになったりと わかりやすい一方で、営業未経験者は「営業職ではどんなスキルが活かせるのだろうか」という視点から必要になります。
こういった背景から、ご自身が持っているスキルをアピールするためには、『どのように磨いてきたのか、身に付けてきたのか』、『どのいうシーンで発揮しているのか』、『それによりどんなポジティブな影響や成果を出すことができたか』、といった具体的なエピソードを通じてのアピールがとても大事になります。
ここからは少し余談になります。もう感じていらっしゃるかもしれませんが営業職に求められるスキルは、そもそも見えにくい・計りにくいという特徴があります。それ故に、無意識で発揮していたり、自分自身でスキルや強みを見つけるのが難しいこともあります。
そういう時は周囲の人や第三者からの意見やアドバイスを求めることで、新しい気付きになると思います。
スタンス・マインド
最後は『スタンス・マインド』です。”伸びしろ”を重視する企業であればこの部分がアピールの肝になります。あらゆる営業の仕事をかなり乱暴にひっくるめて言うと、「目標を達成すること」と言えます。つまり「目標達成に向けた行動や改善活動ができるか」この部分を面接官は重要視しています。そのために必要なスタンスは営業職でなくても今までの社会経験で何かしら発揮していることが求められるています。
それぞれ以下のように定義し、未経験営業職として求められる例を挙げてみます。
【定義】
仕事に向き合うや姿勢、取り組み方、心構え、大事にしていることなど
【具体例】
コミットメント(達成意欲):設定された目標やタスクに対して全力を尽くし、達成を目指す。
- 主体性
自ら積極的に行動し、仕事を進める。
- 顧客視点
自分都合ではなくお客様の立場に立ってメリットデメリットを提示し、満足度を高める
- 誠実さ・信用
偽ることなく正直かつ公正に行動し、信頼関係を築く
- ポジティブ思考
困難な状況でも前向きな姿勢を保ち、解決策を見つけ出す。
- 勤勉・成長意欲・向上心
仕事の成果を高めるために何かを能動的に学ぶ姿勢
ただ、これらも「私はこういう人間です」というのは簡単ですが、残念ながら面接官は鵜吞みにはしてくれません。なので、『発揮した具体的なエピソード』、『実際にどのようなアクションをしているのか』、『それによりどんなポジティブな影響や成果を出すことができたか』、といった質問に対してもキチンと答えられるようにしましょう。
5W3Hに基づいて整理するのがオススメです。
スタンスやマインドは面接の場で証明することがなかなか難しいです。だからこそ、「口だけ」ではないことを、「実際にこれまでやってきこと」に基づいてアピールすることが大事です。
ここからはやや上級のテクニックにはなりますが、このスタンスやマインドは上記で解説した”成果アピール”や“志望理由”に紐付けることで、あなたという人物の一貫性や説得力、信頼感が高まります。
例えば、『リーダーシップ』が強みであれば、リーダーシップを発揮してチームで何かを成し遂げた成果をアピールし、その上で チームで働く環境を希望している、と伝えることで一貫性を担保できます。
また、『負けず嫌い』をアピールしたい場合は、このような性格から「周囲と競える環境」や「個人の成果が見えやすい仕事」、「個人のインセンティブがある仕事」を志望しているというストーリーは非常に説得力があります。
このようにパーソナリティの部分をそれ単体で面接官に感じてもらうことは難しいですが、成果を出せたエピソードや志望理由と交えることで、より一層あなた自身がどういう人物かをクリアに伝える鍵となりますので、しっかりと準備したい項目です。
転職後を見据えたアクション
前職(現職)の努力ももちろん評価されますが、「転職後を見据えたアクション」も大きなアピールポイントになります。具体的には、営業職に関してや、志望する業界や商材についての情報収集や資格取得などです。
内容としては、実際の営業活動やそれに近しい活動をしていればベターではありますが、例えば、営業や商材に関する本、メディア、YouTubeといった情報収集も当てはまります。
というのも、前職(現職)がなんであれ、未経験で営業職にチャレンジするということはギャップがあるので、その差を埋めるためのアクションを”転職前から”取れているという点はとても評価されます。
こういったアクションがある方は、面接官から見ると「営業職(この業界)を本気で目指している」という本気度や、「営業や商材に対する理解が深まっている」という点からミスマッチや早期退職のリスクが少ない、というポジティブな印象を与える副次効果もあります。
アピールの仕方は繰り返しで恐縮ですが、5W3Hで具体的に整理することで効果的なアピールになります。
終わりに
以上、営業職をこれからチャレンジしたい方に向けて、アピールすべきポイントを解説しました。とは言っても、自分一人では行き詰まったり、自分では認識していなかった強みを周りの人に言われて初めて知ったということもよくあります。
SQiL Career Agentでは、ご自身のキャリアの棚卸や今後のビジョンを一緒に考えるところからお手伝いしています。自分の強みは何だろう?何をアピールすればいいんだろう?と立ち止まった時には、ぜひお気軽にご相談ください。