コロナ後に実現したフルリモートのリアル
とあるSaaSスタートアップで、インサイドセールスのリーダーを務めている坂瀬心と申します。
僕はこれまでにSaaS大手とSaaSスタートアップの2社でインサイドセールスを経験してきており、今の会社ではフルリモート×インサイドセールスで働いています。
本記事では、
- フルリモートの働き方に興味を持っている方
- フルリモートで働くイメージが持てない方
に向けてフルリモートの働き方と、フルリモートで働くメリット・大変なことを具体的に解説していきます。
この記事を読むことで、フルリモートで働くイメージが湧き、「リモートワークに挑戦してみよう!」「もっと頑張ってみよう!」と思える方が1人でもいたら嬉しいです。
目次[非表示]
- 1.フルリモートで働くことになった経緯
- 2.フルリモートで働くメリット
- 2.1.移動ストレスの軽減
- 2.2.ワークライフバランスの確保
- 2.3.ライフイベントや雇用形態に左右されづらい
- 3.フルリモートで働く上で大変なこと
- 3.1.コミュニケーション量が少ない
- 3.2.不健康になりがち
- 4.フルリモートで大事にしたい仕事の進め方
- 4.1.入社時にスタートダッシュを切ろう
- 4.2.報連相は「多いかな?」と思うくらいでいい
- 4.3.積極的にコミュニケーションを
- 4.4.阿吽の呼吸は通用しない、何事も期限と期待値コントロール
- 4.5.テキストで履歴を残す
- 4.6.なんだかんだオフラインも
- 5.リモートワークで必ず抑えるべきデスク周りの環境整備
- 6.終わりに
フルリモートで働くことになった経緯
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、日本でもフルリモートが広がりました。
内閣府が公表した調査でも、2019年12月には10.3%だったテレワーク実施率がピーク時で32.2%まで高まるなど、新しい働き方の一つとして普及してきています。
しかし、東京23区内と地方とではまだまだギャップがあるようです。
出典:新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result6_covid.pdf
私が初めてリモートワークを経験したのは、コロナが流行しだし緊急事態宣言が発令された時期でした。
リモートワークが始まるまで家で仕事をするなど考えたこともなかったですが、実際にリモートで働いてみると色々なストレスから解放され、家族との時間も増やすことができ、これは素晴らしいなと。そう強く感じたのを覚えています。
それをきっかけに「いずれはフルリモートで働きたい」と考えるようになりました。
そしてその後、インサイドセールスという職種に出会い、フルリモートでの勤務が可能な現職に転職を決めました。
インサイドセールスでは基本的に電話やメール、Web会議、ウェビナーなどオンライン上で顧客との接点を持ち続けることが重要になりますので、リモートワークとの相性がとても良いのです。
フルリモートで働くメリット
移動ストレスの軽減
通勤などの移動時間がなくなり、また満員電車などによるストレスが軽減されるのは大きなメリットです。
ワークライフバランスの確保
移動時間の話とも繋がりますが、家族や趣味の時間が増やすことができ、生活にゆとりがもてるようになりました。ワークライフバランスがうまく取れるようになり、プライベートも仕事も充実しているなと感じます。
ライフイベントや雇用形態に左右されづらい
営業職の中でもインサイドセールスは、妊娠・出産といったライフイベントや正社員や業務委託などの雇用形態に関係なく、フルリモートで同じように働きやすいのが大きなメリットだと感じます。
もちろん会社によって異なる部分があるので一概には言えませんが、訪問型営業などと違い、商談を設定するまでがインサイドセールスの役割になるので、フルリモートで完結できるケースがことが多いのです。それゆえに、さまざまな環境やバックボーンの方がチャレンジできる職種であると思います。
フルリモートで働く上で大変なこと
コミュニケーション量が少ない
フルリモート下では、当然ながら社員同士のコミュニケーションが減ります。
そのため、以下のような問題が起きることもあります。
- 人に相談しづらい
- 認識の齟齬が起きやすい
- 不信感が生まれやすい
- 組織への帰属意識が薄まる
不健康になりがち
リモートワークをしていると1日中家の中で過ごすことが多くなります。ダラダラと仕事をしてしまうことも多く、時間や気持のメリハリも失われてしまうことも。
運動量が減ると、肩こりや腰痛になったり、太ってしまう方もいますし、ずっと家の中にいて太陽の光も浴びず1人で仕事をしていると精神的に追い込まれてしまうこともあります。
フルリモートで大事にしたい仕事の進め方
入社時にスタートダッシュを切ろう
フルリモート下では、入社時がとても大事です。
どんな思想で仕事を進めるべきなのか、どういうルールがあるのか、どんなナレッジがあるのかなど、新人の方が入ってきた時にはそのあたりから積極的に伝えていきましょう。
逆にあなたが新人の立場なら、社内のデータベースを活用し積極的にインプットをしたり、1on1や雑談の機会を自ら設けていくなど、行動していくことが必要です。
お互いの姿が見えない状態で仕事が始まっていくため、最初から組織に馴染むことを心掛けていくことで、その後の仕事のしやすさに大きく影響が出ます。
報連相は「多いかな?」と思うくらいでいい
フルリモート下では働いている姿が見えないため、上司や同僚はあなたのアウトプット(成果)でしかあなたのことを評価できません。ですので、今自分が何をしていて、どんなアウトプットをしていて、何が足りていないのかなどを常に発信していくことが大切です。
自分の評価に繋がるのはもちろんですが、自分がどんなことをしているのかを周囲に伝えて続けておくと、いざというときに助けを求めやすかったり、巻き込みやすくなります。
積極的にコミュニケーションを
フルリモート下では、たまたま廊下で出くわしたから話すというような偶発的なコミュニケーションがほとんど起きません。そのため業務で直接的に関わる人としかコミュニケーションを取らなくなっていきます。
これは人間関係が必要最小限になるため短期的に見るとストレスが少ないように思えますが、気軽に相談できる人や新たな気づきを与えてくれる人ができづらく、中長期的に見るとデメリットも大きいと言えます。
住んでいる地域が近い同僚や、隣の部署のメンバーなどと定期的にご飯にいったり、オンライン上でざっくばらんに話すなど、工夫してコミュニケーションを増やすことが大切です。
阿吽の呼吸は通用しない、何事も期限と期待値コントロール
オフラインであれば、
「何をどのくらいのクオリティで実行すればいいのか」
「いつまでに依頼されたタスクを処理すればいいのか」
など感覚で掴めることも多いのですが、フルリモートだとそうはいきません。
何か依頼された際は
「どんな目的で進めるのか」
「どんなアウトプットのイメージなのか」
「期限はいつなのか」
「作業はどう進めれば良いのか」
など上司や同僚と細部まで認識をすり合わせながら、進めていくことが大切です。
テキストで履歴を残す
フルリモート下では、オンライン上で打ち合わせを実施し、他の人の動きがほとんど見えないため、情報流通も閉鎖的になります。
そのため打合せで話したことや決定事項は、テキストでドキュメントとして残すことがとても大事です。
また、情報を知ろうと思えばいつでも知れる状態にあるというのが重要ですので、残したドキュメントがどこに格納されているのかの周知も合わせておこないましょう。
なんだかんだオフラインも
フルリモート下では、人数が増えるほど発言しない人が増えたり、思っていることや感情が届きづらくなったりします。定期的にチームでオフラインで会う機会を設けることによって共通認識やチーム意識を醸成させることが必要不可欠だと感じます。
リモートワークで必ず抑えるべきデスク周りの環境整備
いざフルリモートで仕事をするとなると、環境面でも整えるべきポイントがいくつもあります。私が従事するインサイドセールスでは、オンライン上でのコミュニケーションが中心になるため下記は整えるべきだと考えています。
- ネット回線
- 作業デスク
- モニター
- ライト
- カメラ
- ヘッドホン
中でもネット回線は多少高価になっても「速いもの」をお勧めします。少しでも回線が遅いとコミュニケーションに支障が出るためです。
ライトとカメラ、ヘッドホンにもこだわりましょう。部屋の照明だけだと顔が暗い印象になってしまいます。
またPCについているカメラも画質が荒く、モニターと併用する場合は目線が合わなくなってしまい、打ち合わせをしている相手に違和感を与えてしまいますので、別途購入すると良いでしょう。
ヘッドホンはiPhoneを購入した際に付属しているEarPodsを使っている人が多い印象ですが、EarPodsは周辺音を拾いやすく、かつ装着した際にマイクが胸のあたりにきて衣擦れ音が入ってしまうので、個人的にはオススメしません。
終わりに
本記事では、私の実体験を踏まえてフルリモートでの働き方の実態や良かったことや意外と大変なことなどをご紹介させていただきました。
私自身も初めてのフルリモートでの仕事になり、不安なことも多くありましたが実際に働いてみると思っていたよりも良かったこと、意外と大変だったなと思うことなど両方あり、やってみないとわからないことも多いなと感じました。
もし、皆さんがフルリモート企業への転職に悩んでいましたら、ぜひ実情を知る方に相談してみてください。本記事が皆さんのフルリモートワーク転職にとって有益なヒントになっていれば幸いです。