日系企業から大手外資系企業に転職して感じたギャップ

はじめまして。某外資系企業で法人向け営業をしているSと申します。
日系の人材会社で、約4年間法人営業に従事したのち、コロナ真っ只中で現職に転職をしました。

本記事では、外資系企業の営業職に興味のある方向けに、「外資系企業に転職するコツ」や「日系企業と外資系企業のギャップ」を私の経験に基づいてご紹介いたします。
外資系企業への転職を検討されている方にとって少しでもお役に立てると嬉しいです。



目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.大規模なレイオフの実態
  3. 3.私が入社前に抱いていた外資系企業へのイメージ
  4. 4.入社後に感じたギャップ
    1. 4.1.文化
    2. 4.2.給料
    3. 4.3.働き方
    4. 4.4.英語力
  5. 5.外資系企業に向いている人
    1. 5.1.強い”欲”を持っている
    2. 5.2.変化を楽しめる
    3. 5.3.意見発信力がある
  6. 6.外資系企業の求人を探す方法
  7. 7.外資系企業に転職したい方向けの面接対策
  8. 8.最後に



はじめに

まずは、なぜ今、転職を考える皆さんにこの記事を届けたいかについてお伝えさせてください。
それは、「なぜ今、外資系へ転職するのか?」という皆さんにとっての意義付けにおいても非常に重要だと考えているからです。
結論から申し上げると、現在の外資系企業を取り巻く環境は過去を振り返っても類を見ないほど大きな変化を遂げ、人員削減が相次いでいますが「必ずしも悲観的な状況ではない」と私は考えています。
ただ当然、雇用される従業員にはリスクは間違いなくありますし、最終的な判断は皆さんに委ねられますが、外資系で実際に働いている私の視点でなにか少しでも参考になることがあればと思いこの記事を届けたいと思っています。


大規模なレイオフの実態

2022年末から、外資系テクノロジー企業を中心に大規模な「レイオフ」と呼ばれる人員削減がニュースなどで話題になっています。
日本で暮らす我々からすると人員削減はいわゆる「リストラ」を連想させ、不安感を募らせる人も多くいるのではないでしょうか。
レイオフとリストラはいずれも整理解雇と呼ばれる経営上の施策ですが、前提に少し違いがあります。リストラは組織の再構築を目的に行われ、再雇用がないことが前提にあるのに対し、レイオフは「一時解雇」とも呼ばれ業績悪化時一時的解雇されるものの業績回復後再雇用可能という側面が前提にあります。

そのためレイオフにより解雇された従業員には再雇用される権利があり、近年注目されるブーメラン社員として数年後に成長した姿で帰ってくるケースもあります。実際に私が勤めている外資系企業でも複数名のブーメラン社員がいますし、私の知るそういったブーメラン社員のほとんどは以前よりも報酬を上げて戻ってきています。
※ブーメラン社員とは、「過去に一度退職した企業に再就職した従業員」を指す言葉


つまり外資系でのキャリアは解雇によって完全に断たれてしまうわけではなく、本人の意志とその後の成長次第で十分軌道を戻すことが可能なのです。

また、レイオフは本人の成績不振によってのみ解雇されるのではなく、「採算が悪い事業部ごと撤退」という判断で行われることもあるため、レイオフされた=優秀でないという見方転職市場でもスタンダードでないという点もポイントです。

外資の有名企業の人員整理は大きなニュース価値があり、大々的に報じられることで馴染みのない日本ではネガティブにばかり捉えられがちですが(かくいう私も報じられた当初は大きなショックを受けました・・・)そこでの挫折は必ずしもキャリアの致命傷になるわけではないのです。
他では得難い経験や報酬を手にすることもできる外資系へのチャレンジは、現在の状況を鑑みても魅力的な選択肢だと思います。


私が入社前に抱いていた外資系企業へのイメージ

私が入社した2021年は現在とは状況が異なる部分もあると思いますが、当時私は外資系にこんなイメージを持っていました。

  • 文化
    人に対してドライな文化で、立ち上がりが遅い人はすぐ組織から見放される・・・

  • 給料
    やればやるだけお金を稼げる!1,000万円プレイヤーになれる!

  • 働き方
    働き方は激務。柔軟そうなイメージはあるけど実態は怪しい・・・

  • 英語力
    働いていれば勝手に英語力が身につきそう

次のパートでも触れますが、上記のイメージは合っている部分もあれば、そうではない部分もありました。あくまで私個人の主観ではある点はご了承いただきながら、具体的にどういったギャップがあったかをご紹介いたします。



入社後に感じたギャップ


文化

「人に対してドライな文化で、立ち上がりが遅い人はすぐ組織から見放される・・・」

結論、個人的にはこのイメージにはギャップがありました。
軍隊的な厳しいプレッシャーによって統率されている組織もあるようなので会社や組織によってどうしても差はありますが、私は外資系企業こそ社員同士で協力し支え合うことを強く推奨している印象を持っています。
なぜなら結果的にそのほうが成果に繋がりやすいからです。苦労しているメンバーのために周りの同僚やマネージャーは協力を惜しまない文化がインプットされていますし、私は今の会社で誰かに相談するための1on1 MTGの申し入れを断られたことは一度もありません。
そのおかげで上手くいったこともあるので、成果を追う組織としては合理的な文化だと思っています。私が苦労している時期に、もし周囲に放置されていたらきっと成果も生産性も上がらなかったと思います。

ただし、周りが協力をしても行動が変わらなかったり、長期間パフォーマンスが出ない方には当然厳しい面もあります。外資系ではPIP(パフォーマンス・インプルーブメント・プラン)という、業績が振るわない社員に対して業務改善のために改善目標(行動KPI)を設定し徹底的に進捗を管理する取り組みがありますが、これがかなりきついことから自主的に辞めていく社員がいることは事実です。

文化というものは会社組織によって、また個人の主観によって印象が変わるものです。
是非選考に進まれた際にはその会社の文化と合うかを確かめる意味で、現場のメンバーやマネージャーとの面談の場を設け、雰囲気を掴むことをオススメします。


給料

「やればやるだけお金を稼げる!1,000万円プレイヤーになれる!」

このイメージには、入社後もギャップはありません。
外資系企業で採用される際、オファーレターの提示年収はOTE(On-Target Earning)という表現をされますが、これは採用職種毎に設定された目標を100%達成した場合の理論年収を指します。
OTEはベース給とインセンティブで構成されており、例えば年収が1000万円で提示され割合はベース給7:インセンティブ3だった場合、700万円はベース給、300万円は目標100%達成時の業績変動のインセンティブ、ということになります。
このインセンティブがいわゆる青天井なので、達成率が高ければそれに見合った高い報酬を得ることできるのです。

また会社によっては月次や四半期毎にインセンティブが数倍になるキャンペーン期間などを設けることもあるそうです。私の知り合いにはキャンペーン期間中に大きく達成し、ひと月で1,000万円を稼いだ人もいました。(本人曰く、「働ける時間は全て働いた」そうです。外資系企業のトッププレイヤーの凄さを肌で感じた瞬間でした。)

外資系企業ではスタートアップ・大企業問わず営業職でOTE1,000万円超は珍しくないため、1,000万円プレイヤーになれる限られた会社だけでないこともポイントです。


働き方

「働き方は激務。柔軟そうなイメージはあるけど実態は怪しい・・・」

前提として、「外資系=激務でなく、業界や働く職種などの要素の組み合わせによって大きく異なる」というのが私の考えです。これは日系企業でも同じことが言えるのではないでしょうか。

外資系企業に関わらず、成果主義の組織で働く上では仕事量が多いことは覚悟すべきですが、特に先述のような高い報酬を期待するのであれば尚の事ハードワークを厭わない姿勢が求められます。成果主義なので数字さえ出ていれば働く時間は問われませんが、与えられる目標は当然高いため多くの人は相応の時間を投下しなくてはいけなくなるでしょう。

私の周りで子育てをしている方は、夕方に一度業務を切り上げ、子供が寝てから再度夜中まで働いたり、土日の空いた時間を仕事に充てていたりします。

ただ私の勤務する会社では在宅勤務が可能で働き方は柔軟と言えますし、有給休暇は非常に取りやすく、女性・男性問わず育休を取得しているケースも多く見かけます。

働き方は個人の価値観を反映する重要な要素ですが、企業との面談では聞きづらい場合もあるかと思います。そんなときは内情を知る転職エージェントに聞くこともオススメです。


英語力

「働いていれば勝手に英語力が身につきそう」

このイメージは、基本的にギャップがあると思っています。
会社のフェーズ・職種や役割によりますが、私の働く会社では営業として英語を使うシーンはほとんどありません。(ちなみに私は業務で英語は使わないですし、全く話せません・・・)
逆に言えば会社を選べば外資系企業で働く上で英語は必須ではないとも言えます。
業務で日常的に英語を使う必要がある場合は、そもそも選考時に英語が話せないと入社できないケースがほとんどかと思います。

そのため、現時点で英語が堪能でない方が外資系企業で働けば勝手に英語力が身につくという期待は持つべきではないでしょう。


外資系企業に向いている人

ここまでの内容を踏まえ、以下のような方は外資系企業に向いていると考えています。


強い”欲”を持っている

外資系企業では、”欲”を強く持つ人ほど活躍する印象があり、わかりやすい例では「お金を稼ぎたい」「最短で昇進したい」「克服したいコンプレックスがある」など様々なタイプがいます。共通して自らの”欲”がなにか、それをどう満たすことができるのかをよく理解している方が成果を上げる傾向にあります。


変化を楽しめる

外資系企業で働いていると、経営における意思決定のスピード感を強く感じます。正解がわからない中で短期間でプランを作成・修正し、検証のためのアクションを繰り返していく必要があるため、変化楽しめる方や知的好奇心旺盛な方にとっては刺激的な一方、決まった業務淡々とこなしたい方にとってはストレスになってしまう可能性があります。


意見発信力がある

私が最も重要と考える要素が、意見発信力です。先述の通り意思決定が早く変化が目まぐるしい環境においては、「自分はどう考えるか」「組織としてこの状況でどうアクションすべきか」など前向きに意見を発信できる方が重宝されます。選考においても、これまでの仕事で変化や困難に対しどのように考え、発信し、乗り越えてきたかをアピールすると活躍できるイメージを持ってもらいやすいと思います。


外資系企業の求人を探す方法

では、具体的に外資系企業の求人はどのように探すのでしょうか。
転職エージェント、転職サイト、SNS(LinkedInなど)といった様々な手段がありますが、
外資系企業への転職活動の特徴として

  1. 知人紹介、いわゆるリファラル採用が多い
  2. 転職エージェントの中でも外資系企業に特化した転職エージェントのみが紹介可能な求人がある
  3. LinkedInの活用が有効

の3点が挙げられます。
私の場合、主にリファラル採用を活用していましたが、外資系企業で働いている知人がいない場合はまず転職エージェントとの面談がオススメです。エージェントは企業から定期的に情報共有を受けているため、提供してくれる情報も信頼性が高いこともポイントです。
次にオススメなのがLinkedInの活用です。外資系企業の求人掲載が多く、気になる求人があれば直接応募が可能です。またLinkedIn経由で外資系特化の転職エージェントからスカウトをもらうことも可能なので、プロフィール情報を充実させておくと良いでしょう。英語が出来る方は、プロフィールを英語でも記載することをオススメします。

上記の手段は、日系企業への転職活動で利用する転職エージェントや求人サイトでは出会えない求人を見つけることができることが大きなメリットです。「外資系企業ってこんなにあるんだ!」といった発見や新たな可能性に繋がるため、積極的に活用しましょう。

SQiL Career Agentは、1,200社以上の豊富な営業支援実績から、営業スキルに関するデータや知見を持っています。企業の営業組織や採用要件の理解度も高く、高い選考通過率を実現しています。


外資系企業へ転職したいとお考えの方、外資系企業に興味がある方、まずはこちらからSQiL Career Agentにご相談ください。


外資系企業に転職したい方向けの面接対策

実際に面接に進んだ場合、どのような対策が必要なのでしょうか。
一般的に、外資系企業も日系企業も面接で聞かれる質問は変わらないと言われています。
以下に実際に私が面接で聞かれた質問事項を記載します。参考になれば幸いです。

  • 現職の業務内容を実績含めて説明してください。
  • 他の社員と比べて自身の強み/弱みは何ですか。エピソードと共に説明してください。
  • 転職理由を説明してください。
  • 志望動機を説明してください。
  • 最終的に入社を決める要素を説明してください。
  • これまでの挫折経験を教えてください。
  • 入社後のキャリアプランを、期限を含めて説明してください。
  • そのキャリアプランを叶えるために身につけるべきスキルを3つ挙げてください。
  • そのスキルを身につけるために習慣化していることはありますか。
  • 当社の業界について、最近注目しているニュースはありますか。


最後に

本記事では、私の実体験を踏まえて、日系企業から大手外資系企業に転職して感じたギャップをお伝えしました。
外資系企業で働くことはリスクを伴う一方、自身の成長や報酬、キャリアアップにおいて大きなリターンを得ることが可能です。
本記事が皆さんの転職や就職活動にとって有益なヒントになっていれば幸いです。


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著者 S
著者 S
私立大学にて心理学を専攻。 一年の就職浪人を経て新卒で一部上場人材企業に入社。 中途人材紹介事業にて人材・教育・IT・WEBなどの様々な業界の企業を担当し、採用課題に対し提案をする法人営業に従事。 その後外資系企業に転職し、現在は国内大手企業を担当する法人営業を務める。

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