【前編】フリーランスから会社員へ。妊娠・出産・育児におけるフリーランス/経営者と会社員の違い

みなさん、こんにちは。
SQiLにて女性営業のキャリアやワーキングマザーの実態について記事執筆している佐々木です。

現在はパートナービジネス(代理店ビジネス)に関するコンサルティング業務に従事しています。今までのキャリアとしては超大手IT(国内、外資)のエンタープライズ営業や、ベンチャー企業の新規事業立ち上げなどに関わってきており、インサイドセールスからカスタマーサクセスまで、営業に関する職種は一通り経験しました。
プライベートでは1児の母で、現在第二子妊娠中です。

今年フリーランスとして独立した矢先、第二子妊娠が発覚しキャリアを大きく転換しました。
今回はその決断の背景と出産などのライフイベントが発生した際の決断における背景、育休からの復職・転職の際に気をつけるべき項目についてお伝えしたいと思います。



目次[非表示]

  1. 1.会社員に戻るという決断の背景
  2. 2.制度上でのフリーランス/経営者と会社員の違い
  3. 3.産前産後もフリーランスを続ける上で私が感じた不安点
  4. 4.会社員としてどのような組織に所属すべきか?
  5. 5.最後に



会社員に戻るという決断の背景

2023年5月に本格的にフリーランスとして独立をした矢先、第二子の妊娠が発覚。
そして、妊娠発覚と同時に数ヶ月におよぶ悪阻がスタートしました。

悪阻は第一子、第二子で同じパターンとは限らないとよく言いますが、今回は第一子の時よりもひどく、食事はもちろん、飲み物さえもとることができない状態。
ほぼ毎日吐き気止めと栄養剤の点滴に通うといった期間が3ヶ月ほど続きました。

フリーランスとして働きたい。しかし、この状態での仕事は不可能。
フリーランスで仕事ができないとなると収入は0。
仕事って自己成長の意味合いもあるけど、最低限生きていくためのお金を稼ぐことも大切だと改めて身に沁みました。


このまま出産するまで悪阻が続く場合もあるし、出産後の稼働も不安定な状態。
今後、自分のキャリアや働き方はどうなっていくのだろうと不安が頭をよぎりました。

悪阻期間は気分が悪く、活字は読めないのですが、思考はできます。
その状態で、自分のやりたいことや会社員とフリーランスという二足の草鞋を1年ほど続けてきた中で気づいた「もっと営業の現場経験がほしい」「パートナーセールスを極めたい」といった想いも湧き起こってきました。

自分の生活のこと。そして、今後のキャリア。
今のスキルと獲得したいスキルの差分を鑑みた上で、1年以上業務委託としてお世話になっていた「パートナーサクセス株式会社」に入社させてもらうことはできないかと考え、早速行動に出ました。


制度上でのフリーランス/経営者と会社員の違い

産休・育休は、企業に雇用されている労働者(正社員・派遣・パートなど雇用形態は問わない)が受けられる制度です。
そのため、フリーランス/経営者には適用されません。


▼フリーランスと会社員の違い


フリーランス/経営者

会社員

保険

国民保険

社会保険

年次有給休暇

なし
あり

産前産後休業

なし

取得可能

育児休業

なし

取得可能

出産手当金

なし

あり

育児休業給付金

なし
あり


妊娠期間の健診や読めない体調不良、出産後すぐに復帰することへの不安などを鑑み比較してみると、フリーランスと会社員では条件が断然違います。
会社員は、休業中の社会保険料が免除されたりもしますよね。
正直、女性フリーランスや経営者が「子供を産み育てるという観点で制度設計されていないのでは?」と思うくらい会社員との条件が違いすぎて、驚きました。

2017年に「雇用関係によらない働き方と子育て研究会」が、出産・育児を経験したフリーランスや自営業の女性に行なったアンケートでは、「産後1カ月以内に復帰した人は45%」「産後2カ月以内に復帰した人は59%」だったそうです。
自宅で仕事をしているが故に、保活で会社員よりも不利になる...といった実態もあるようです。

フリーランスは時間的にも自由な部分は多いです、稼働した分がダイレクトに自身の収入つながるというメリットです。ただ、妊娠・出産との相性はあまり良くないと感じます。



産前産後もフリーランスを続ける上で私が感じた不安点

フリーランスを続けていく上で不安を感じた2点目。
妊娠中はもちろん、出産後も子供や自分の体調不良によって急にお休みをいただかなければいけない事態も発生します。

その際に、フリーランスの場合は自分の代わりはいません。必然的に無理をしてでも自分で担当する。もしくは、お客様に調整をお願いするなどの状態となり、「顧客満足度が下がってしまうのではないか?」「本来自分が届けたい価値を満足に届けられるのか」という点に不安を感じました。

その点、会社員としてチームで仕事をしている場合は他のメンバーで補填ができる。これは大きな違いだなと思いました。

最後にスキル面です。
先ほど書いたように、第一子出産後は最前線の営業現場からは離れてしまったなと思っています。
現場感覚が鈍ったなと感じる場面も多くありました。
そして、自分の元々の得意領域であるパートナービジネスに関するスキルももっと伸ばしていきたいです。

でも、個人で受け取れる情報と組織で受け取れる情報ってどれくらいの差があるだろうかと考えた時に、後者の方が圧倒的に量多い感じました
よって、働き方に加えてスキル面でも組織に所属すべきメリットは非常に大きいと考えました。


会社員としてどのような組織に所属すべきか?

そうなってきたときに、「具体的にどこの組織に所属すべきか?」といった問いが発生します。

実は私、3社目の転職の際に大失敗をしているんです。
幼少期から憧れていた企業への入社。本当に楽しみにしていました。
しかし、入社後は思い描いていたものとは大きく異なり、その結果、早期退職を選んでいます。
そういったトラウマがあるので、新たな企業への入社に際しては、人よりも大きくストレスを感じる傾向にあります。

加えて、現在妊娠中の身。妊娠中で雇ってくれる企業ってあるのか?というのも課題でした。

一般的には身重な状態での就職、転職活動は自身にとっても不安は大きいですし、雇う側も正直不安ですよね。
妊娠期間中は急な体調不良によりお休みが必要になるケースもありますし、勤務内容も限られる。
それは人それぞれだと思いがちですが、気力は十分でも体力が追いつかない。それはお腹で生命を育てているので、そこに体力が持っていかれるというのも正直あります。

妊娠中は通常勤務モードの8割くらいのリソースで稼働内容を考えなければいけないなと第二子の妊娠にて感じました。


最後に

今回はフリーランスで独立し、すぐ会社員となった背景や制度上でのフリーランス/経営者と会社員との違いについてお話ししました。
この決断にあたっては、自分自身でも本当に悩みました。
でも、振り返ると、当時の決断は間違っていなかったなと思います。
というのも、私の場合は幸いにも「自分の伸ばしたい領域の仕事を担える会社に就職できたこと」に加え、「会社メンバーと関係性が非常良く、全くストレスなく働けているということ」です。

ではそういった状況をつくるためには、就職・転職活動時にはどのようなことに留意すれば良いか?
具体的なチェック項目については次回の記事にてお伝えしようと思います。

本記事を読んでくださったみなさんが、より良いキャリアを歩めるように祈っています!
そして、私自身も自分で選んだ選択を正解にできるように頑張ります!



著者 パートナーサクセス/佐々木 千穂
著者 パートナーサクセス/佐々木 千穂
インフラエンジニアとしてキャリアをスタートし営業職へ転身。その後、SI系の大手企業、外資系大手企業にてエンタープライズ営業を経験。2016年に都内ベンチャー企業に入社。新規事業立ち上げやパートナービジネス立ち上げ、アクティブ化に従事し、売上数億円を創出。 2020年に出産・育休を経て、2021年に仕事復帰し本職に加え、複数社で営業コンサルティング、営業代行業務に従事。 現在はパートナーサクセス株式会社にて大手企業のパートナービジネスのコンサルティング業務に従事しつつ、副業としてメディア執筆や営業支援業務に従事。 Twitter:@chiho_relations

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