SaaS営業の平均年収は?仕事内容や身に着けるべきスキルを徹底解説
営業支援会社で、インサイドセールスを担当している原田です。
2026年には市場規模が1兆を超えると予想され、今後も規模拡大が期待されるSaaS業界。
しかし、「SaaSって最近たまに耳にするけど、何かよくわからない..」
という方も多いのではないでしょうか?
このページでは、そんな皆様のために下記のような疑問にお答えしていきます。
- そもそもSaaS業界ってなに?
- SaaS企業の営業の仕事内容や年収ってどんな感じ?
- 求められるスキルは?
- 市場価値や将来性はどうなの?
私はもともとSaaSとは全く関わりのない異業界・異職種でキャリアをスタートしました。
とあるSaaS企業の営業を経験するまでは、「SaaSってiPhoneのクラウドストレージとか、家計管理アプリのマネーフォワードとからしいけど.. とりあえずITのことだよね?」程度の知識しかありませんでした。
そんな私が当時の自分を思い浮かべながら、SaaSという言葉を初めて聞いた方にもわかりやすくSaaS業界の営業について解説していきます。
目次[非表示]
- 1.SaaSとは
- 2.SaaS業界の営業の仕事
- 3.SaaS営業の転職市場
- 3.1.SaaS営業に向いている人
- 3.1.1.新しい技術や知識を常に学び続ける意欲
- 3.1.2.全体最適を考慮したコミュニケーション能力
- 3.1.3.徹底的な顧客視点
- 3.2.SaaS営業に必要なスキル
- 3.2.1.顧客の問題・課題を整理するスキル
- 3.2.2.営業関連のシステムを使いこなすスキル
- 3.3.SaaS営業の将来性
- 3.4.SaaS営業の平均年収
- 4.まとめ
SaaSとは
SaaSとは「Software as a Service」の略で、直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」。
インターネットを通じて提供されるクラウドベースのサービスのことを指します。
わかりづらい!クラウドってなに?と思いますよね。
「これまでは、PCやデバイスにソフトウェアを直接差し込まないと使えなかったものを、インターネット上で利用できるようにした」
それがSaaSです。
ゲームのソフトで例えるとイメージしやすいです。
以前は自分のログインデータが保存されたソフトをゲーム機に差し込まないと、前回終了時点から再開することはできませんでした。
ですが最近は、ゲームのサイトやアプリを開いて、ログインするだけで済みます。
物理的なソフトは不要となりました。
それはネット上の「クラウド」というものに各ユーザー毎のデータが保存されているからです。
2023年に生きる私たちが何気なく当たり前に使っているものの多くにSaaSがあります。
NetflixやApple Musicなどの個人向けサービスはもちろんのこと、経費精算システムや勤怠管理システムなど、法人向けのSaaSも多く存在しています。
SaaS業界の営業の仕事
デジタル化の波が私たちの生活だけでなく、ビジネスの常識まで塗り替える中で、SaaS業界で働く営業職の需要は近年非常に高まっています。
ここでは、SaaS営業の特徴や仕事内容などを解説していきます。
SaaS営業の特徴
SaaS営業の特徴は大きく3つ。
- 商材が無形商材であり、目に見えない、手に取ることができないモノ。
- 分業体制(THE MODEL型)の営業組織の企業が多い。
- 顧客との継続的な関係を築くことが重要視されている。
です。
①については既に「SaaSとは」で説明したので、②③について詳しく解説していきます。
分業体制(THE MODEL型)の営業組織の企業が多い
SaaS営業では、営業組織が分業体制を取っていることが多いです。
(この分業体制は、通称「THE MODEL(ザ モデル)」と呼ばれています)
この分業体制では、これまで一般的な営業がやっていた業務を4分割し、それぞれ専任の役割が置かれます。
マーケターが見込み顧客を集め、
インサイドセールス(IS)が商談機会を獲得し、
フィールドセールスが直接顧客と商談をし受注まで担い、
カスタマーサクセスが受注後の顧客満足度向上や継続的なサポート、他機能の追加提案などを行います。
上記をご覧いただくと分かるように「SaaS営業」と言っても、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスで求められる役割やスキルが大きく異なる点はぜひ覚えておきましょう。
顧客との継続的な関係を築くことが重要視されている
SaaSは、月額利用料を毎月支払い続ける定額課金(サブスクリプション型)、もしくはサービスを利用した分だけ利用料金を支払う従量課金である場合が多いです。
ユーザーがソフトウェアを自身で所有するのではなく、サービスとして利用し、その利用料金を支払うビジネスモデルなので、SaaS(Software as a Service=サービスとしてのソフトウェア)と名付けられています。
ですのでSaaS企業は、なるべく解約率を下げ、継続的に自社SaaSを利用してもらうことが売上の最大化に繋がります。
ですのでSaaS営業においては、ただ売れば良いのではなく、「どうやったら長くつかってもらえるか」「長く使ってくれるお客様はそもそも誰なのか?」という視点を持ちながら、活動することがとても大切です。
導入決定後の顧客だけを担当する「カスタマーサクセス」という営業職が置かれている点もSaaSの特徴と言えます。
SaaS営業の転職市場
急成長するSaaS市場では、営業職の需要も高まっています。
ここではSaaS営業でどんなスキルが求められているかや、平均年収などをお伝えします。
SaaS営業に向いている人
SaaS営業と一言で言っても、実際その中身は会社によってさまざまです。
ですので、求められる人物像やスキルも本来会社ごとに異なりますが、どこの会社でも共通して重宝されるのは以下のようなもの。
新しい技術や知識を常に学び続ける意欲
SaaSは、IT業界に含まれますが、このIT業界はものすごい速さで進化し続けています。
ですので、その進化を追い続けられる学習意欲の高い方は、どこの会社においても重宝される、逆にいえば、その学習意欲や知的好奇心が一切ないとついていくのが難しい業界と言えるかもしれません。
最近ではChatGPTなどのAIに関連する話題が非常に多く、耳にしたこともあるかと思いますが、あのような最新技術に興味を持てるかは重要なポイントです。
全体最適を考慮したコミュニケーション能力
前述した通り、SaaS営業は分業体制を取っている場合が多いため、自身とは別の役割を担っている方々と連携をすることがとても大切な営業職です。
もし自分の業務にばかり目が向いてしまい、他の役割の方々のことをないがしろにしてしまうと、自分の成果は出るかもしれませんが、組織全体としてはマイナスということもありえます。
そのため分業体制の中での営業は自分の成果だけでなく、組織全体の成果の最大化を考えられる全体最適の視点が重要視されています。
徹底的な顧客視点
こちらも前述しましたが、SaaSは継続利用をしてもらうことで売上が最大化されるビジネスであるため、契約後の顧客満足度や顧客利用率が非常に重要視されます。
何とかして買ってもらうというスタンスではなく、「お客様は何に困っているのか?」「自社サービスはお客様にどう役立てるのか?」を常に考え続けられる営業が求められているのです。
SaaS営業に必要なスキル
SaaS営業は、基本的には法人向けの営業活動であることがほとんど。
そのため以下のようなスキルが求められます。
顧客の問題・課題を整理するスキル
SaaS営業は、基本的には法人向けの営業活動であることがほとんど。 ですのでさまざまな情報をヒアリングで引き出しながら、それらの因果関係や相関関係を整理し、顧客の問題・課題を整理して理解できる必要があります。
この整理ができないまま自社サービスの提案をしてしまうと、聞き手となる顧客には必要性が伝わらず、押し売りのような印象を与えてしまうことも。
営業関連のシステムを使いこなすスキル
SaaS営業はITサービスの営業であるため、自社の営業活動においてもさまざまなITツールを利用している場合が多いです。
特によく使われるものがCRM(顧客管理システム)/SFA(営業支援システム)。
これらは顧客情報の管理やその他営業活動をする上で便利な機能、データの可視化などができ、多くのSaaS企業が導入しています。(最も有名なのがSalesforce。聞いたことがある方も多いのでは?)
こういったシステム利用に関して抵抗がないことも重要となります。
SaaS営業の将来性
結論、SaaS営業の将来性は、明るいと言えます。
SaaS市場は過去数年間で急速に成長しており、今後もその勢いは衰えることなく拡大が予想されているためです。
またSaaSは法人向けのITサービスですが、この領域は顧客にとって複雑性が高く、自分達だけで情報収集をし、購買の意思決定をすることが困難です。
そのため、全ての顧客接点をデジタルマーケティングやAIに置き換えることは難しく、人間が介在する必要性が生まれます。
この人間の介在の必要性こそが、SaaS営業の存在意義を指しています。
つまりSaaS営業は、まだまだ市場が伸びていくし営業が必要な領域だから、生き残ると言えそうです。
SaaS営業の平均年収
SaaS営業の平均年収相場は以下のとおりです。会社にもよるのであくまで目安と捉えてください。
インサイドセールス:400万~700万円
フィールドセールス:400万〜1,000万円
カスタマーサクセス:400~800万円
管理職・マネージャー:600万〜1,000万円
実際の受注業務を担うフィールドセールスは売上にダイレクトに影響するので、実績豊富なプレイヤーの場合は高い年収を提示されることも。
またメンバーを管理し、組織の目標達成をマネジメントする管理職の場合も年収が高い傾向にあります。
IT業界や営業未経験の場合は、入社時はインサイドセールスからスタートする企業が多い点も知っておきましょう。
まとめ
本記事では、SaaS営業の将来性や、SaaSの基本的な概念、求められるスキルなどを解説しました。
私自身もSaaS営業に従事することで、大きな成長とやりがいを感じてきており、オススメできる営業職だと考えています。
市場が拡大しているからこそ、異業界・異職種からの転職も比較的しやすいので、興味をお持ちの方はぜひ、SQiL Career Agentに相談をしてみてください。