営業職におすすめの資格まとめ22選|業界別・汎用資格も紹介
「営業職への転職に資格は必要?」
「営業職に有利な資格が知りたい」
「業界ごとに役立つ資格はあるの?」
上記のように営業職への転職を考えているものの、資格が必要になるか心配になっている人は多いでしょう。
本記事では、営業職へ転職するにあたっておすすめの資格を解説します。資格を取得することで、一部の企業では選考を有利に進めることが可能です。
効率良く転職したい人にとって、資格は欠かせない要素になるでしょう。幅広く使える資格から、各業界で有利に働く資格を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
さらに、営業職が資格を取得するメリットについても解説します。本記事を最後まで読み、納得のいく転職にしてください。
目次[非表示]
- 1.営業職に資格は必要なのか?
- 1.1.営業職に資格は必須ではない
- 1.2.資格があっても営業力の証明にはなりにくい
- 1.3.資格よりも営業実績が重視されることが多い
- 1.4.資格を取得する目的を明確にしておくことが重要
- 2.すべての営業職におすすめの汎用的な資格3選
- 2.1.MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)|業務効率アップに直結
- 2.2.TOEIC|英語対応が必要な企業・商材では強みになる
- 2.3.普通自動車免許|営業活動の移動に必須な場面も多い
- 3.営業職におすすめの業界別専門資格まとめ
- 3.1.金融業界で営業に役立つおすすめ資格
- 3.1.1.ファイナンシャル・プランナー(FP)2級・3級
- 3.1.2.証券外務員(一種・二種)
- 3.1.3.生命保険募集人資格
- 3.2.不動産業界で評価される営業資格
- 3.2.1.宅地建物取引士(宅建)
- 3.2.2.マンション管理士
- 3.3.経営コンサル業界で活かせる営業資格
- 3.3.1.中小企業診断士
- 3.3.2.MBA(経営学修士)
- 3.3.3.経営士
- 3.4.広告・マーケティング業界で有効な資格
- 3.4.1.Web解析士
- 3.4.2.Google広告認定資格(Google Ads認定)
- 3.5.エンジニア領域での営業におすすめの資格
- 3.5.1.ITパスポート
- 3.5.2.基本情報技術者試験(FE)
- 3.5.3.Google アナリティクス認定資格
- 3.6.人材業界で求められる営業資格
- 3.6.1.キャリアコンサルタント
- 3.6.2.職業紹介士
- 3.7.商品メーカー営業に役立つ資格
- 3.7.1.ISO関連資格
- 3.7.2.品質管理検定(QC検定)
- 3.8.医療業界で信頼される営業資格
- 4.営業職が資格を取得する5つのメリットとは?
- 4.1.営業に必要な基本知識を体系的に学べる
- 4.2.業界ごとの専門知識が提案力に直結する
- 4.3.資格が顧客とのアイスブレイクにも活用できる
- 4.4.収入アップにつながる可能性がある
- 4.5.資格によっては私生活でも役立つ場面がある
- 5.まとめ
営業職に資格は必要なのか?
営業職と資格の関係について、以下の項目を軸に解説します。
営業職への転職に資格が必要なのか心配な人は、ぜひ本章を参考にしてください。
営業職に資格は必須ではない
営業職に資格は必須ではないことが多いです。
営業職は、資格よりも実績や経験が優先されるケースが多いためです。そのため、営業職への転職=資格ではないことを理解しておきましょう。
たとえば「営業職に転職するためにまずは資格を取ろう」と考えなくて大丈夫です。もちろん、営業未経験の人やキャリアチェンジする際に、資格がアピール材料になることはあります。
しかし、転職前から資格が必須になる営業職は限られています。そのため、営業職への転職に資格を意識し過ぎる必要はありません。
資格があっても営業力の証明にはなりにくい
営業職への転職に資格が必要ない理由は、営業力そのものの証明になりにくいからです。
資格は知識やスキルを身につけた証明にはなりますが、営業職としての活躍を保証してくれるものではありません。
そのため、企業は資格以外の要素もチェックしています。
たとえば、コミュニケーション能力やビジネスマナーなどです。「資格を取得すれば大丈夫」と安易に考えず、ほかのスキルも磨くようにしましょう。
資格よりも営業実績が重視されることが多い
営業職は、資格よりもこれまでの成果や営業実績が重視されることが多い職種です。
特に中途採用の場合、企業は即戦力になる人材を求める傾向が強いためです。
たとえば、資格を10個持っている人よりも、資格がなくても月間100万円の売上を上げられる人の方が、企業にとっては魅力的です。
営業職は、顧客と最も近い距離にいるため、売上につながる重要なポジションです。そのため、「実際にどれだけ成果を出せるか」が重視されるのです。
もちろん、資格がまったく必要ないわけではありませんが、転職活動においては営業実績のアピールが優先されることを意識しましょう。
資格を取得する目的を明確にしておくことが重要
営業職に転職するにあたって資格を取得する場合、「なぜその資格が必要なのか」という目的を明確にしましょう。
目的が曖昧な状態では勉強に費やした時間や労力が無駄になってしまう可能性があります。
たとえば、「とりあえず何か資格を取っておこう」といった動機で勉強を始めても、応募先企業で評価されなければ、転職活動で活かしきれないこともあります。
資格を取得する前に、自分のキャリア設計に必要な資格なのか、志望する業界で求められているのかなど、事前に見極めておくことが大切です。
自己成長のためか、選考でのアピール材料としてか、目的をはっきりさせたうえで、必要な資格を選びましょう。
すべての営業職におすすめの汎用的な資格3選
すべての営業職におすすめの汎用性の高い資格は、以下の3つです。
これらは、業種や業界を問わず幅広い営業職で活かしやすい資格です。
特に、「どの業界で営業をしたいかまだ明確でない」という方や、「まずは営業職に挑戦したい」という段階の方にはおすすめです。
営業職は、業界が変われば求められる知識やスキルも変わります。そのため、転職活動の初期段階では、こうした汎用的な資格から着実に取得しておくと、今後の選択肢が広がるでしょう。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)|業務効率アップに直結
営業職におすすめの資格の1つ目は、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)です。
MOSとは、Microsoft社が実施しているWordやExcel、PowerPointなどのOffice製品の利用スキルを証明する資格です。資格を取得することで、営業に必要な事務作業や資料作成などに役立ちます。
たとえば、営業職は顧客に対して商品の魅力をアピールします。そこで、プレゼン資料を作るケースもあるでしょう。アニメーションやグラフを活用することで、効果的にプレゼンすることが可能です。
ほかにも、顧客リストの作成やメール管理などにもMOSの知識が役立ちます。どの営業職でも活用できるため、おすすめの資格です。
TOEIC|英語対応が必要な企業・商材では強みになる
営業職におすすめの資格の2つ目は、TOEICです。
TOEICとは、英語を用いたコミュニケーション能力を測る資格です。主にスコアによって、あなたの英語力を証明できます。
海外と取引がある企業や海外赴任がある企業の場合は、TOEICのスコアが評価されることが多いでしょう。
最近ではAIによる翻訳も進化していますが、実際の商談やメール対応、社内でのやりとりなど、即時かつ柔軟な対応が求められる場面では、やはり実際の英語力があると重宝されます。
今後グローバルな環境での営業活動にチャレンジしたいと考えている方にとって、TOEICは取得しておいて損のない資格です。
普通自動車免許|営業活動の移動に必須な場面も多い
営業職におすすめの資格の3つ目は、普通自動車免許です。
車の免許を持っておくことで、さまざまな場面で役立ちます。職種や業界によっては必須条件となることもあります。たとえば、以下の場合です。
- 顧客先への訪問や案内をする場面
- 郊外や地方の取引先への移動
- 展示会やイベント時の備品・商材の運搬
営業職はオフィスワークだけでなく、外回りの業務も多いため、移動手段として車を活用する機会が少なくありません。
もちろん、都市部では公共交通機関での移動も可能ですが、車での移動が前提となっている企業や商材もあります。
そうした場合、免許を保有していることが選考時の条件になることもあるため、取得しておくと安心です。
営業職におすすめの業界別専門資格まとめ
続いて、営業職におすすめの業界別専門資格を解説します。
上記の業界には、それぞれに適した資格が存在します。業界に合った資格を取得することで転職がしやすくなるでしょう。
また、業界像を把握するのにも役立ててください。
金融業界で営業に役立つおすすめ資格
金融業界で営業に役立つ資格は、以下の3つです。
金融業界では、顧客の資産を預かり、投資運用や保険商品の提案を行うため、専門的な知識と信頼性が求められます。
そのため、資格を保有していることで、顧客からの信頼獲得や業務の幅を広げるうえで大きなアドバンテージとなります。
金融業界の中でも、所属する企業や商材によって必要な資格が異なるため、適切な資格を取得しましょう。
ファイナンシャル・プランナー(FP)2級・3級
ファイナンシャル・プランナーは、顧客の人生設計に合わせた資金計画や保険設計、資産形成のアドバイスが提供できる専門家です。
生きていくうえで、お金の悩みは尽きません。そこでFPの資格を取得することで、専門家目線でのアドバイスが可能です。
たとえば、子供が生まれ、将来の教育費に不安を感じている夫婦から相談を受けた場合、適切な資金計画を立てるといったサポートが行えます。
2級は実務に活かしやすく、より高い専門性をアピールできるため、営業職としての信頼向上にもつながります。
証券外務員(一種・二種)
証券外務員とは、証券会社や銀行などの金融機関に所属し、顧客に対して株式や債券、投資信託などの金融商品を販売する仕事であり、証券会社や一部の銀行では必須の資格です。
ほかにも勧誘や投資に関するアドバイスもできます。
日本では金融商品取引法によって、上記の活動をするにあたって証券外務員の登録が必須です。
二種では現物商品の取扱い(例:株式や債券)に限られますが、一種を取得すればデリバティブなどリスクの高い商品も扱えるようになります。
証券外務員の受験にあたって年齢や学歴は関係ありません。未経験から金融業界を目指す人にもチャレンジしやすい資格です。
生命保険募集人資格
生命保険募集人資格は、日本で生命保険に関する勧誘や販売、契約手続きを実施するのに必要な資格です。
たとえば、生命保険や医療保険などが挙げられます。
保険は、顧客ごとに適した商品を提案する必要があるため、専門知識が欠かせません。ただし、生命保険募集人資格は保険業界で働く人向けの資格です。
そのため、取得には条件があります。個人での申し込みは受け付けておらず、まずは保険会社に就職し、その後所定の研修を受けてから取得する流れになります。
保険営業を志望する場合には、あらかじめこの取得の流れを把握しておくと安心です。
不動産業界で評価される営業資格
不動産業界で営業職として評価されやすい資格は、以下の2つです。
不動産業界は、土地や建物などの資産性の高い商品を扱う業界です。人々の生活や企業の活動に欠かせないため、社会的意義のある仕事です。
不動産は取り扱う商品や業務内容によって、必要になる資格も変わるので、本章を参考にしてください。
宅地建物取引士(宅建)
宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介を行う際、重要事項の説明や契約書への記名・押印を担当する仕事です。
資格保有者しか対応できない独占業務のため、不動産業界で働くのであれば、取得しておきたい資格の1つになります。
また、不動産の売買や賃貸借の仲介を行う企業では、従業員5名につき1名以上の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。そのため、転職するにあたって、資格があれば有利に働くでしょう。
不動産業界で長くキャリアを築いていきたい方にとって、宅建は取得しておいて損のない資格です。
宅地建物取引士は、日本に居住していれば年齢や学歴に関係なく受験できます。
マンション管理士
マンション管理士は、マンション管理に関する専門知識を持ち、管理者や区分所有者にアドバイスをする仕事です。場合によっては、助言や支援も行います。
たとえば、マンションの修繕計画の相談に乗ったり、管理費をチェックしたりします。住民の生活やお金を扱うため、非常に責任のある仕事です。
また、住民の騒音トラブルや規約違反などにも対応します。そのため、幅広い知識と柔軟な対応が求められるでしょう。
マンション管理士を受験するにあたって、資格や実務経験は必要ありません。管理業務に関心のある方や、より専門性を高めたい方におすすめです。
経営コンサル業界で活かせる営業資格
経営コンサル業界で活かせる営業資格は、以下の3つです。
経営コンサルは、企業や経営者が抱える課題を解決し、成長をサポートする仕事です。
そのため、経営に関する知識を網羅しておく必要があります。また、担当する企業の業界知識も欠かせません。
企業の方向性を左右する責任のあるポジションだからこそ、専門的な資格の保有が信頼の裏付けとなるのです。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、日本で活動する中小企業の課題を分析し、解決に導くためのアドバイスをする国家資格です。
中小企業のあらゆる情報を収集・分析し、課題解決に必要な要素をアドバイスします。
たとえば、企業の財務状況や社員数、売上など幅広い情報を読み解く力が必要です。さらに、集めた情報に加えて、企業文化や経営方針をもとに計画を立案します。
ほかにも、中小企業が申請できる補助金や助成金などの情報を提供し、申請までをサポートします。
中小企業診断士は、経営者と二人三脚で歩み、企業の成長に欠かせない存在です。
中小企業診断士は、誰でも試験が受けられる仕組みです。ただし、資格を取得するには1次試験と2次試験を突破し、その後実務補習・実務従事をクリアする必要があるため、計画的な学習が求められます。
MBA(経営学修士)
MBAは、経営に関する専門的な知識とスキルを身につけたことを証明するものです。大学院修了時に与えられる学位の1つです。
MBAを取得するにあたって、以下の知識が学べます。
- 統計学
- 経済学
- 財務管理
- 情報システム
- マーケティング
どの知識も経営コンサルとして働くのに役立つ知識ばかりです。ほかにも、人脈形成ができたり、企業によりますが昇進・昇格の条件をクリアできたりします。
ただし、MBAを取得するには、時間とお金がかかります。オンライン授業や夜間に受講するスタイルなどをうまく活用してください。
経営士
経営士は、企業の経営課題に対して、戦略立案・組織改革・企業文化の醸成などを支援する専門家です。
近い資格に中小企業診断士が存在しますが、経営士の方がより広範な領域に対応し、高度な実務経験が求められます。
自分のキャリア形成に合わせて、適切な方の資格を選択し、取得してください。
経営士になるには、大学卒業程度の知識と経営管理の経験の両方が必要です。とくに経営管理の経験は5年以上と定められています。
さらに、経営コンサルタントとして、企業経営に関わった経験も必要です。ハードルは高くなりますが、資格としての信頼性や専門性の証明になります。
広告・マーケティング業界で有効な資格
広告・マーケティング業界で有効な資格は、以下の2つです。
広告・マーケティングは、顧客の商品やサービスを広く認知してもらい、購買につなげることが求められます。
常に変化するトレンドや媒体に対応できる柔軟性と、裏付けとなる知識・スキルが不可欠です。
たとえば、10年前はテレビCMが一般的でしたが、現在はインターネット広告の市場規模がそれを上回っています。
こうした背景からも、デジタル広告やWeb解析の専門資格は、実務での信頼性を高める要素として重視されつつあります。
Web解析士
Web解析士は、ホームページやECサイトを訪れた顧客を分析し、商品の購買や事業の成功に導く仕事です。
ただ情報を解析するのではなく、課題を発見し、適切な解決策まで提案します。ほかにも営業の成約率や電話による問い合わせなども分析し、改善案を提案します。
Web解析士になるには、認定試験の合格が必要です。事前にテキストや講座で学習を行い、体系的な知識を身につけておきましょう。
受験資格はとくにありません。そのため、業界未経験でも目指すことが可能です。
また、Web解析士の上位資格として、上級Web解析士やWeb解析マスターが存在します。広告・マーケティングの業界でキャリアアップを図りたい人は挑戦してみましょう。
Google広告認定資格(Google Ads認定)
Google広告認定資格は、Googleに関するオンライン広告知識と運用スキルを証明するための資格です。
Googleが独自に実施している資格になります。国家資格と比較して、重要度が落ちるように見えますが、業界内では専門性の高い実務資格として広く認知されており、広告業界においては非常に重要です。
特に、Google広告を中心としたデジタルマーケティング施策を行う企業では、Google広告の仕組みを理解していることが必須条件となる場合もあります。
また、Google広告認定資格はGoogleのアカウントがあれば誰でも受験できます。ただし、有効期限が1年間になるため、毎年更新する必要があるので注意してください。
エンジニア領域での営業におすすめの資格
エンジニア領域に特化した営業職では、技術的な知識や理解力があることで、顧客との信頼関係を築きやすくなります。
営業職であっても、ITの基礎を押さえていることは大きな強みになります。
エンジニア領域での営業におすすめの資格は、以下の3つです。
現在、エンジニアの数は不足しており、業界全体の価値が高まっています。適切に資格を取得して、転職を有利に進めましょう。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を持っていることを証明する初級レベルの国家資格です。
ITを利用するすべての社会人に通用する内容となっており、エンジニア業界で働くのであれば取得して損はない資格の1つです。
ITパスポートを学ぶことで、パソコンの仕組みからネットワーク、セキュリティといった幅広い知識が身につきます。
また、ITパスポートは、IT知識を活かした経営戦略やマネジメントなど、派生するのが特徴です。
ITパスポートは、すべての人に身につけてほしい知識であるといった考えから受験資格はありません。転職活動の合間に勉強、受験が可能です。
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とされる国家資格で、より専門的な知識を問われます。
コンピュータのハードウェアやソフトウェア、ネットワークなど、ITに関する幅広い基礎知識を身につける必要があります。ほかにも、プログラミングの基礎やシステム設計などが学べます。
上記で紹介したITパスポートは、ITを使う人全員が対象でした。しかし、基本情報技術者試験はより実践的であり、「ITを創る側」の高度な知識が必要な人向けです。
とくにエンジニアとの技術的な会話が求められる営業職にとっても、強力な武器になります。
一方で、受験資格に指定はありません。どなたでも受験できます。
Google アナリティクス認定資格
Google アナリティクス認定資格は、Google アナリティクスの知識を証明するためにGoogle が提供している資格です。
Google広告認定資格のアナリティクス版となります。
アナリティクスとは、Webサイトの訪問者データをもとに、ユーザー行動や成果を分析するツールであり、サイト改善やマーケティング戦略に活用されます。
エンジニア領域の営業では、開発側とマーケティング側の橋渡しを担う場面も多いため、データ分析の知識があると業務理解が深まり、提案力も高まります。
Google アナリティクス認定資格は、Googleアカウントがあれば受験できるため、興味のある人は挑戦してください。ただし、Google広告認定資格と同様に有効期限が1年になるため注意が必要です。
人材業界で求められる営業資格
人材業界で求められる営業資格は、以下の2つです。
人材業界は、企業が求める人材と仕事を探している人をマッチングさせることが仕事です。
そのため、単に営業スキルだけでなく、労働市場に関する知識や、相手の立場に立ったコミュニケーション力が求められます。
資格を通じて、こうした専門性や倫理観を備えていることを証明できれば、キャリア支援の信頼性も高まり、提案の説得力も増すでしょう。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、求職者の職業やキャリアプランの相談に乗り、適切なアドバイスを行う国家資格です。
求職者が考えているキャリア設計を叶えるためにも、必要な行動や準備を第三者目線で伝えます。もし、スキルが足りていない場合は能力開発として資格取得や研修の参加を促します。
さらに、転職支援もキャリアコンサルタントの仕事です。履歴書・職務経歴書の添削や面接対策など、転職を有利に進めるためのサポートをする役割も担います。
キャリアコンサルタントとして登録するには、以下の3つのうちどれかを満たす必要があります。
- 厚生労働大臣が認定する講習を修了する
- 職業選択に関わる業務の経験が3年以上ある
- 技能検定「キャリアコンサルティング職種」の学科試験もしくは実技試験に合格する
自分にはどれが当てはまるのか、興味のある人は検討してみましょう。
職業紹介士
職業紹介士は、職業紹介事業に関する専門知識と高い倫理観を有し、労働市場を健全に発展させることを目的とした認定資格です。
この資格を保有することで、企業と求職者の両方に対して安心感を提供でき、マッチング精度の向上にもつながります。
たとえば、人権・メンタルヘルス・雇用契約に関する基礎知識など、より丁寧で信頼性のある支援を行うことが可能になります。
試験を受けるには、職業紹介責任者の経験が1年以上ある、もしくは職業紹介従事者としての職務経験が通算して3年以上必要です。
要件に該当する場合は、スキルアップと信頼性向上のために取得を検討するとよいでしょう。
商品メーカー営業に役立つ資格
商品メーカーの営業職では、製品の品質や安全性を正しく理解し、取引先にわかりやすく伝える力が求められます。
そのため、製造工程や品質管理に関する知識を持っておくことで、営業としての説得力や信頼性が高まります。
商品メーカー営業に役立つ資格は、以下の2つです。
商品メーカーは、自社で製造した商品を小売店などの企業に販売する仕事です。取引スタイルとしてはBtoBが多く、直接消費者と関わる機会が少ない傾向にあります。
商品メーカー営業は、自社商品の安全性を伝えるためにも品質に関する知識が重要です。そのため、商品を製造するにあたって全体像を理解するためにも資格の取得が効果的です。
ISO関連資格
ISOとは「国際標準化機構(International Organization for Standardization)」の略称です。
商品やサービスが国際規格を満たしている場合、品質を保証するものになります。
たとえば、「ISO 9001(品質マネジメントシステム)」は企業が製造やサービス提供にあたって、きちんとした計画・運用・管理が行われているか評価する基準として、世界中の企業に導入されています。
営業職でISOに関する資格を持っていると、自社製品の品質管理体制を正確に説明できるようになり、取引先からの信頼を得やすくなります。
主な資格には以下のようなものがあります。
- ISO内部監査員:自社の品質マネジメント体制を社内からチェックする役割
- 品質マネジメントシステム審査員:外部から企業を審査する立場として活動
資格を取得するには、実務経験と審査員研修コースを修了する必要があり、時間がかかるため自身のキャリアプランと相談しましょう。
品質管理検定(QC検定)
品質管理検定(QC検定)は、製品やサービスの品質を安定的に維持・改善するための知識を証明する資格です。
品質管理部門だけでなく、製造業の営業担当者にも役立つ資格として注目されています。
1級から4級まで存在し、幅広い人材が資格を取得できるように整備されています。
- 4級:品質管理の基本的な考え方を学ぶ入門レベル
- 3級:現場での品質管理業務を理解し実践できるレベル
- 2級・1級:組織的な品質マネジメントに関わる高度な知識と実務経験が求められるレベル
未経験者であれば、まずは4級からの受験が推奨されますが、製造や品質管理の経験がある場合は3級からの受験も可能です。
製品の品質に関する正確な知識を持っていることで、営業先への提案にも説得力が増し、信頼獲得につながるでしょう。
医療業界で信頼される営業資格
医療業界で信頼される営業資格は、以下の2つです。
医療業界と聞くと患者をサポートする医師や看護師を想像しがちです。しかし、医師や看護師をサポートする営業職も存在します。
医師や看護師資格がなくても、、製薬会社や医療機器メーカーで、医療現場に貢献できるキャリアが築けるのです。
営業職としての専門性や信頼性を高めるためにも、関連資格の取得は有効な手段となります。
MR認定資格
MR(Medical Representative)認定資格とは、医療従事者に対して自社医薬品の情報を提供する専門職であることを証明する資格です。
資格はなくても問題はありませんが、多くの製薬企業で信頼性向上と医師との関係構築のために取得を推進しています。
MR認定資格を取得するためには、MR導入教育実施機関で、基礎教育を受講する必要があります。その後、実務教育を受講した後に認定試験に合格することで、資格が取得できます。
製薬会社が社内で講習を実施する場合があるため、事前に募集要項や研修制度をチェックしておきましょう。
MDIC
MDIC(Medical Device Information Communicator)とは、医療機関と医療器具を製造するメーカーの間に立ち、適切な情報提供を担う認定資格です。
主に、医療器具の品質向上や安全性の向上を目的として存在します。ほかにも現場での使用に伴う課題や不具合の情報をメーカー側にフィードバックする役割もあります。
MDICを取得するには定められた4科目をeラーニングにて受講したのち、試験に合格しなければなりません。医療機器メーカーでの営業職を目指す方にとっては、業界理解を深めるうえでも有益な資格です。
営業職が資格を取得する5つのメリットとは?
営業職が資格を取得するメリットは、以下の5つです。
営業職は、資格を取得することでさまざまな恩恵が受けられます。本章では、資格取得を勧める理由として、メリットを解説します。
メリットを理解しておくことで、勉強のモチベーションになるでしょう。また、勉強が行き詰った時の道標にもなります。
営業に必要な基本知識を体系的に学べる
メリットの1つ目は、営業に必要な基本知識を体系的に学べることです。
営業に求められる知識は、業界知識だけでなく、顧客対応のスキルや提案手法、心理的アプローチ、マーケティングの理解など多岐にわたります。業界によってはより専門的な知識も求められるでしょう。
そこで、資格を取得することで基礎知識を学ぶことが可能です。
たとえば、「営業プロセスの設計」「顧客心理の理解」「効果的なプレゼン手法」などを学ぶことで、感覚に頼らない理論的な営業活動が可能になります。
その結果、自分の営業スタイルを客観的に分析・改善できるようになり、早期の成果につながりやすくなるでしょう。
業界ごとの専門知識が提案力に直結する
メリットの2つ目は、業界ごとの専門知識が提案力に直結することです。
営業職は自分の実績や専門性を客観的に示すことで、契約につながることがあります。
たとえば、不動産業界の宅建士、金融業界のFPなど、特定の業界に特化した資格を取得することで、その業界の専門知識や法規制などを深く理解することが可能です。
その結果、顧客に対してより専門性の高い提案ができ、信頼感を得やすくなります。
もちろん、コミュニケーション能力や傾聴力など、営業職にはほかの要素も重要です。しかし、資格を取得することで、自分をプレゼンする際のアピールポイントになるでしょう。
資格が顧客とのアイスブレイクにも活用できる
メリットの3つ目は、資格が顧客とのアイスブレイクにも活用できることです。
資格を取得していると、名刺や自己紹介、商談時の雑談などで自然に話題に上ることがあります。
たとえば、顧客から「〇〇の資格をお持ちなんですね。私も以前から興味があって…」といった会話が始まる場合があります。
また、顧客が同じ資格を持っていた場合などは、共通の話題として親近感を持ってもらえるでしょう。
営業職の難しいポイントに初対面での関係性構築が挙げられます。商品に魅力があっても、顧客との信頼関係が生まれなければ、契約につながりません。
そうした場面でも、資格が「共通点」や「関心の接点」として機能し、関係性をスムーズに築く助けになります。
収入アップにつながる可能性がある
メリットの4つ目は、収入アップにつながる可能性があることです。
企業によっては、資格を取得することで、資格手当が支給されたり、昇進の条件を満たしたりします。
たとえば、ある企業では「日商簿記1級の取得」が昇進要件に設定されており、役職が上がれば当然給与も上昇します。
また、業界ごとに評価されやすい資格を取得しておくことで、営業職としての市場価値も高まり、転職時の年収交渉や評価にも好影響を与えるでしょう。
たとえば、不動産業界で営業職に就く場合、宅地建物取引士(宅建士)の資格は非常に重要です。
資格がなくても業務自体は可能ですが、保有していることで業務の幅が広がり、評価や待遇にも大きな差がつく可能性があります。
このように、資格は知識やスキルの証明にとどまらず、キャリアアップや収入アップにも直結する重要な要素となります。
資格によっては私生活でも役立つ場面がある
メリットの5つ目は、資格によっては私生活でも役立つ場面があることです。
資格取得によって得た知識は、家計管理にも活かせます。たとえば、FPを取得した人は、家計に関する保険や不動産などの法律について適切に判断できます。
ほかにも簿記を取得すれば、お金に関する分野で幅広い知識を活かせるでしょう。
資格の取得は、ワークライフバランスやキャリア設計を考えるうえでも役立つことを覚えておきましょう。
まとめ
本記事は、営業職への転職に有効な資格について解説してきました。
営業職は、業界によって求められるスキルや能力が異なります。そのため、自分が志望する業界に合った資格を取得することが重要です。
もちろん、営業職であるため実績は必要になります。しかし、資格を取得することで自分の発言に説得力が生まれたり、昇進・昇格の手助けになったりします。
また、簿記やファイナンシャル・プランナー(FP)などの資格は、業務だけでなく自身の生活や家計管理にも役立つ汎用性の高いスキルです。
資格の取得は、あなたの強みを明確に伝える武器になります。志望企業の募集要項をよく読み、転職活動一助として、資格をうまく活用していきましょう。