受かるための企業研究 -営業職には営業職の企業研究がある-

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「転職活動をする際は、企業研究をしましょう」

こんな言葉を耳にしたことが、誰しもあると思います。
しかし、この企業研究とは実際何をどこまで調査すべきなのか。その調査した情報をどのように活用すべきか。そもそも何のためにやるのか。

これらの点が不明瞭であり、お困りになる求職者の方が多いのが転職市場の実情です。

また企業研究は、実は受ける職種によっても、取り組み方に差があります。
例えば、営業職とITエンジニアでは、調査すべき企業情報は別モノなのです。

そこで本記事では”営業職”の転職に特化し、営業職ポジションで転職活動をされる方々にオススメの企業研究手法について、なるべく具体的に解説していきます。



目次[非表示]

  1. 1.企業研究の目的は2パターン
  2. 2.受かるための企業研究
    1. 2.1.その企業が目指す世界
    2. 2.2.事業について
    3. 2.3.組織について
    4. 2.4.募集ポジションについて
  3. 3.人材ニーズの仮説立てとアピールポイントの決定
  4. 4.おわりに



企業研究の目的は2パターン


まずは、企業研究の目的から整理していきます。
企業研究の目的は、ザックリ2つです。

①受かるための企業研究
志望する企業に自身をどのようにアピールするかを考えるための材料を集める活動。


②入社するか否か判断するための企業研究
その企業に入社することを自身が納得できるか覚悟を持てるか、その判断のための材料を集める活動。

①と②で調査すべき情報は全て異なるわけではなく、被る部分も多くあります。

 本記事では、①受かるための企業研究にフォーカスして解説していきます。
理由としては、受かる前に入社するか否かについて考えても、選考で落ちてしまっては意味がなく、また受かるための企業研究をすることで入社するか否かの判断材料の大部分は揃えることができるためです。

それではここから具体的に解説していきます。

受かるための企業研究


そもそもなぜ、採用選考に受かるためには企業研究が必要なのか。
この点に少し触れておきます。

営業職には欠かせないスキルの1つに「事前準備力」というものがあります。
これは顧客にアプローチをする前に、顧客や市場について調査をし、企業ニーズを仮説立て、提案内容を考えたり資料の準備をしたりするスキルです。

営業職として企業の採用選考に受かるためには、まさにこの「事前準備力」が問われます。
つまり、事前に企業情報を調査し、企業の人材ニーズを仮説立て、”自分”という商材どのように提案(アピール)するかの準備が必要ということです。

この選考のための事前準備が不足していると、営業職として欠かせない「事前準備力」そのものが不足していると判断され、スキル不足として面接でお見送りになるケースが多いのです。
言い換えると「選考のための事前準備ができない人は、どーせ営業活動の事前準備も大してできないよね」と考えられてしまうということです。

では、人材ニーズを仮説立て、自分を上手くアピールするためには、何を具体的に調査すると良いのか。
それは以下の4点です。

①その企業が目指す世界
②事業について
③組織について
④募集ポジションについて

1つずつ解説していきます。

その企業が目指す世界

世の中の多くの企業は、何かしらを実現するために存在し、社員たちはその実現のために雇用されています。
ですので、まずはその企業が実現しようとしている世界はどんなものかから把握しましょう。


●調査項目

・パーパスやビジョン・ミッション

​​​​​​会社HP上に”パーパス”が掲げられていることもあれば、”ビジョン・ミッション”として記載されていたり、日本語で”我々の実現したい世界”と書かれていることもあります。

・経営者の言葉

会社HP上の経営者のメッセージや、WEBメディアに掲載されているインタビュー、経営者のブログ、SNSなどでも、どんな世界を目指しているか、またなぜ会社を創ったのかを言及されていることが多いです。
パーパスやビジョン・ミッションよりも、具体的でわかりやすく話されているものが多いため、是非チェックしてください。

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事業について

具体的にどんな事業をやっているのか把握しましょう。
どれだけ事業を深く理解できているかで、選考時の企業に対するアピールや逆質問のクオリティに大きく差が出ます。


●調査項目

・何を提供しているのか

何を顧客に提供し、そしてそれはどんな機能や価値があるのか。

・誰に提供しているのか

顧客は企業か個人か官公庁かなど。企業なら大企業か中小企業か、個人なら富裕層か大衆層かまで把握できるとなお良いです。また、その方々にはどんなニーズがあって、なぜそれを買うのかまでサービスの導入事例や成功事例の記事などから理解しましょう。

・お金の支払われ方

事業においてお金の支払われ方は重要なポイントです。お金を支払うのは実際誰なのか。どのタイミングでお金をいただくのか。(前払い、成果報酬、定額制など)単価はどのくらいか。このあたりを正確に把握しましょう。

・その事業が属する市場について

事業単体のことだけでは、事業を把握したとは言い切れません。その事業が属する市場の市場規模や今後の動向、また今後の動向の根拠となる理由も合わせて調査しましょう。
また、あわせて競合他社の有無や、市場のシェア率、競合他社に対してのその企業の強みも知っておきたいところです。 
市場や競合他社についてはWEB上だけではなく、場合によっては業界地図や専門書籍なども活用することをオススメします。

・IR(上場企業の場合)

上場企業の場合はIRが公開されているため、こちらも事業理解のためには必読です。
売上高や営業利益の推移、その数字の要因、今後の経営方針や事業戦略、このあたりを決算説明資料から読み取りましょう。

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組織について

その会社は、どんな組織でどんな人が集まっているのかを把握しましょう。
あなたという人間が、その会社にマッチするかを見極めるために大事なポイントです。


●調査項目

・カルチャー

その会社が大事にしている価値観や、そこに紐づくルールを把握しましょう。
企業HP上に、バリュー(行動指針)やクレド(信条)と記載されている場合もあれば、社訓と書かれている場合もあります。
また、社員インタビューや社員ブログ、社員のSNSアカウントなどからも、その会社のカルチャーを感じ取ることができますので、チェックすることをオススメします。


・組織規模

会社全体の人数だけではなく、自身が選考に進むポジションが属する部署の人数も把握しましょう。
一般的に、組織の人数が少ないほど業務範囲は多岐に渡りゼネラリストが重宝される傾向にあります。例えば、少人数のベンチャー企業で営業として働く場合、ただ商談をするだけではなく、提案書のフォーマットを1からつくることを求められたり、採用まで業務範囲になったりすることもあります。また、人数が少ないほど業務が振られるのを待つのではなく、自分から業務を取りに行く人材が求められます。
一方、組織の人数が多いほど業務は縦割りとなり、与えられた業務の中で成果を出すことのできるスペシャリストが活躍する傾向にあります。


・平均年齢

開示がされていれば、平均年齢も参考として把握しておきたいところです。
というのも平均年齢次第で、あなたという存在の捉えられ方は大きく変わります。

例えば、あなたの年齢が30歳だったとして
平均年齢が27歳の会社の場合、その会社の30歳は、課長や部長クラスであることが予想され、あなたのスキルや経験値に対してそれくらいの期待値が寄せられる可能性が高いでしょう。
また、平均年齢が40歳の会社の場合なら、その会社の30歳は管理職になっている方が少なく、現場のメンバークラスとして育成していく前提で採用される可能性が高いと言えそうです。

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募集ポジションについて

あなたが応募するポジションについて正確に把握をしましょう。
ここの理解がズレていると、アピール全てがズレてしまう可能性があります。

・業務内容

営業職としてあなたは具体的に何をするのか。また、最終的にどんな成果を期待されているのかを把握しましょう。
例えば、新規営業か既存営業か。新規営業ならアウトバウンドかインバウンドか。追う目標は売上なのかアポイント数なのかなど。
求人票を読み込むだけでなく、社員インタビューや社員紹介などで業務内容の情報を集めましょう。

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人材ニーズの仮説立てとアピールポイントの決定


情報を集めただけで、満足して終わってはいけません。
企業研究は、集めた情報からその企業の人材ニーズを仮説立て、その企業に自分の何をアピールするのか決定するまでがセットです。

参考として、調査で得た情報をもとに以下の問いに答えてみましょう。
人材ニーズの仮説立てとアピールポイントの決定に役立つ問いです。

【スキル面】

  • この企業で成果を出すためには、どんなスキルや経験が必要そうか。
  • そのスキルや経験に近いものを自分は持っていると言えそうか。
  • もし持っていないのなら、どのようにすればいち早くそのスキルを習得できそうか。


【人間性面】

  • この企業には、どんな価値観の方が多そうか。
  • この企業で評価をされるのは、どのような行動を取る方だろうか。
  • 自分はこれまでにそのような行動を取ってきたか。


おわりに


以上が、営業職の転職に特化した企業研究手法の解説となります。

実際にやってみるとわかるかと思いますが、これらを1人で調べ上げ、人材ニーズを仮説立てし、アピールポイントの決定までおこなうのは、とても時間が掛かりますし、難易度が高いです。

特に同じ営業職でも異業界に挑戦しようとしている方などは、なかなか他の業界の営業のイメージが湧かず、人材ニーズの仮説立てに苦労する傾向にあります。

そんな企業研究をご支援するのも SQiL Career Agent の役目です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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