ジェンダーギャップ指数は146カ国中125位の日本の現状。女性のキャリア構築ってどのように実現してきたの?
みなさん、はじめまして。
6月よりSQiLにて記事執筆をスタートした佐々木です。
簡単に自己紹介すると、現在営業を軸にフリーランスとしてお仕事をしています。
得意な領域は、パートナーセールス(代理店営業)です。ただ、これまでに超大手IT(国内、外資)のエンタープライズ営業や、ベンチャー企業の新規事業立ち上げなどにも関わってきたので、インサイドセールスからカスタマーサクセスまで、営業に関する職種は一通り経験しました。
プライベートでは1児の母で、現在第二子妊娠中です。
今回は前回に引き続き、女性営業のキャリア、主に私の今までのキャリアについてお話しします。
▼前回の記事はこちら
「女性のキャリア」の構築は難易度が高いの?30代現役女性営業ママが語る現実
目次[非表示]
ジェンダーギャップ125位/146位の日本の現状
最近「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)の2023年版が発表されましたね。
実はその結果をみて、私は唖然としました。
調査項目内のPolitical Empowerment(政治的権限付与)については把握していましたが、給与格差、管理職比率、専門職や技術職の労働者数などが含まれる分野であるEconomic Participation and Opportunity(経済活動機会への参加)の項目も低い。
特にその中の項目としては、マネージャーなどの管理職に就く人数における男女格差(Legislators, senior officials and managers)が大きい。男性とのGAPはなんと74,19%。
私自身、男性の多いIT業界に長く身を置いてきており、女性の上司がほとんどいないと感じてはいましたが、世界との乖離がこれほど大きいのかと驚きました。
引用元:
https://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2023.pdf
これまで仕事をしてきた中で男女の壁を感じることがあったか?と自分に問うと「とてもあった。でも仕事って成果が全てだと思ってたから、突き進んできた」という言葉が正直なところ。
そのプロセスについては次の章でお話しします。
このレポートの結果はショックでしたが、自分の子供が働く頃には改善されているよう、自分が今できることを頑張りたいと考えています。
女性営業のキャリアを後押しし、自身のキャリアもアップデートしていきたいものですね。
自身はどのようにキャリアを築いてきたのか
さて、前章ではこれまでのキャリアの中で、男女の壁を感じることがよくあったと記載しました。
前回の記事と上記回答を踏まえると、女性にとってキャリアとライフプランの両立はとても難易度が高い。そう感じた方は多いと思います。
でも安心してください。大丈夫です。
ここからは皆様の参考になるよう、私のキャリアについてお話していきます。
キャリアのスタート
私は今、営業を軸にフリーランスとして活動していますが、キャリアのスタートは実は営業職ではありませんでした。加えて、キャリア戦略というものも当時は全くありませんでした。
ただ就活時から、
「30代になる頃には、自分の名前で仕事がしたい」
「出産、育児、介護の様なライフイベントが発生した際、仕事の内容やスタイル(場所)を選択できる状態でいたい」
と漠然と考えていました。
あの時の思いが、きっと今の働き方に影響を大きく及ぼしています。
まず就活時期まで話を遡ります。
当時、私は青森の国立大学で農業工学を学んでいました。就活時期に、ファーストキャリアが人生を大きく左右すると漠然と感じ、大学3年生の秋頃には就職活動をスタートしました。
就活の序盤はその当時、自分が特に興味のあったファッションや化粧品などの会社を受けていました。ただ何となく自身も違和感があり、そして腹落ちをしていない状態で選考を受けていたので「御祈りメール(※1)」ばかりが届きました。
※1:企業からの不合格通知メール
このままではいけないと思い立ち、そこから徹底的に自己分析を進め、「女性を理由にキャリアを諦めたくない。ずっと仕事を続けたい。手に職さえあれば、性別に関係なく評価される職につきたい。」と考えるようになりました。
この考えが、最初の就職先へと繋がります。
キャリアの基礎をつくった1社目
新卒で入社した会社は通信建設という非常にニッチな業界で、その中で私はインフラエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
しかし本当にエンジニアとしてのセンスがなかったようで、隔週で実施される資格試験に落ちまくりました。そんな私が、変わるきっかけになったのは部署への配属初日。
直属の上司から
「今すぐ転職サイトに登録し、自分の市場価値を確認しなさい。そして、市場価値が2倍になったら俺に相談しなさい。」
と言われたのです。
その会社は保守的な会社でしたが、直属の上司からは、
「社内と戦うな、社外(市場)と戦え」
と言ってもらえたことが、私のキャリアの大きな転機となりました。
加えて、当時満員電車で会社に通っている中、「なぜ毎日同じ時間に電車に乗って会社に通わなければいけないのだろう?自宅で仕事をしても生産性は担保できるはずなのに」と強く感じていました。
自分が行う仕事や実行できる環境づくりは、きっと自分の能力と相関性があり、自分が「選べる状態」をつくるためには、仕事における実績とスキルを上げていく必要があると、この頃に気づきました。
その後、仕事をしていく中で、その会社初のプリセールス(技術営業)を任せてもらえ、営業寄りの仕事が増えていきます。そこからもっと自分で案件コントロールができるようになりたいと思い、「営業への転身」を希望し、私の営業としての人生がスタートしました。
営業に転身してからは、とにかく目の前のお客様に喜んでいただき、継続もしくは拡大の案件を受注・デリバリーすることを目指しました。元々エンジニアスキルもあったので、エンジニア側の仕事が間に合わない時は実際に現場に行き、機器の設定作業を夜通し対応したこともありました。
当時の自分には「ガムシャラ」という言葉がしっくり来ます。とにかく成長と実績を欲していました。それは、「いつか」起こるであろうライフイベントの際に「働き方を選択できる状態」でありたかったからです。
その結果、億を超える受注を何件も生み出すことができ、営業としての実績を積み上げることもできました。
ただ、全てが順風満帆に仕事ができていたわけではありません。
当時、女性営業は今よりも珍しく、「女の癖に生意気だ」とか、女性を理由に心無い言葉を投げつけられたことが何度もありました。
とても悔しさと悲しさを感じていましたが、「男女において能力の差はない」と信じ、何を言われても成果を出すことに集中して仕事をしていました。
また、30代のライフイベントのことを考えると「自分には時間がない!」と焦っていたので、そんな言葉に悩む時間はないと、日々自分を焚き付けていました。(強い)
憧れの企業と転機
2016年、大きな転機が訪れます。
幼少期の頃から憧れていた、マイクロソフト社への転職です。当時聞いた話ではリファラル以外での直接応募の合格率は3%。その狭き門を潜り抜けての合格でした。
憧れの会社で仕事ができることに歓喜したのをよく覚えています。
しかし、この転職では挫折を味わい、自身のキャリアを大きく転換するきっかけとなる出来事が起こります。(その出来事については、ここでは割愛します)
その出来事をきっかけに、大手企業からスタートアップ企業への転職活動を始めます。その中で今年の4月まで所属していた企業であるRELATIONS株式会社への転職を決めました。
現在メガベンチャーとなっている企業群にも内定はいただきましたが、一番発展途上である企業に所属しようと考え、RELATIONSに転職を決めました。
RELATIONSでは新規事業の立ち上げやパートナービジネスのアクティブ化に携わらせてもらい、私のキャリアの軸となる仕事に従事することができ、今でも感謝しています。
ライフイベントをむかえ「働き方」に対する変化
30代のはじめに結婚、出産を経験します。
ずっと仕事ばかりしてきた私は、180度真逆の毎日に非常に戸惑いました。
超仕事人間が、いきなり出産育児に生活とマインドを切り替えるのは本当に大変です。
正直、育児をする中で「今までの働き方は無理だな」と強く感じました。特に私の妊娠前の業務スタイルは、全国出張、昼夜問わず仕事OKというスタイルでした。
その頃から
「どのように自分は仕事を続けていきたいのか?」
「自分が望むライフスタイルは?」
と少しずつ考え始めました。
そして、限られた時間の中で多くの経験を積むことができる働き方について模索するようになります。その結果、育児休暇から復帰後は副業OKということもあり、RELATIONS(正社員)に加え、複数社で業務委託としてお仕事をさせていただくことにしました。
この選択は大正解で、自分の中でも
「これからどのように働いていきたいか?」「それができるか?」
を明確にすることができた期間だったと感じています。
20代から実行してきたキャリア戦略
ここまで私のキャリアを読んでいただくと
「なんだ、このど根性で突き進んできたキャリアは...」
と感じた方もいるかもしれませんが、自分の思い描くキャリアの実現にあたって私が実行してきたを2つ書きます。
①理想の自分を実現するための手書きのノート
今も毎日相棒のように手元にあるのが、手書きのノートです。
「思っているだけでは夢は現実にならない。行動してこそ現実となる」と日々意識し、必ずノートに下記を書いて実行してきました。
- 今から3年後までになっていたい姿
- 年間やり遂げたいこと100個
→どんなに小さいことでもOK- 3ヶ月間の行動計画
→年間計画をより具体的にセグメント分けし、実行したいことを書く。セグメントは自由。私はWork(仕事)、Life(私生活)、Beauty(美容)、Money(お金)などに分けています。- 1ヶ月間の行動計画
→3ヶ月間の行動計画をより短いスパンの直近1ヶ月に落とし込み。この1ヶ月で何をやるべきか?を3ヶ月計画と同様、具体的に書いていく。
そして、このノートを日々読み返し、1週間、1日のタスクを整理していくのです。
漠然と「こうなりたいな」という夢より、具体的なプロセス、タスク、スケジュールに落として行った方が断然、現実感が出て実行する気になる(かつ焦る)というのが私の行動メソッドです。
本当に「何もない」という状態から、「何者か」になるためには毎日の努力が欠かせないと考えています。
私もまだ何者にもなれていませんが、こういった計画と行動を繰り返していくことで、叶えたいことの実現度が格段に上がっていくと信じています。
②実現したいキャリアの要素を徹底的に調べ言語化。自身のスキル・実績との対比を考える
実は私はマイクロソフトに2回応募しています。
ただ1回目の応募は、営業職として内定をいただけませんでした。というのも、私はまだ営業2年目で経験値がも足りず、顧客も限定的。よって、その時はエンジニアとして内定をもらいましたが、辞退をしました。
それから、外資IT営業になるためにはどうしたら良いか?を徹底的に調べ、実績を作りました。転職サイトやエージェントでも調べることはできますし、私はその当時、IT業界にいたので取引先の方に話を聞くことも繰り返しました。外資IT営業としてどのようなスキルや実績が必要か?を言語化し、自身に持っているもの、足りないものを明確にしました。
職務経歴書や履歴書も頻繁に更新していました。
まとめ
改めて自分自身のキャリアについて振り返ると、
「理想の生き方、働き方を模索し、実現に向けて猛進してきた歴史」と言えるなと。
私にとってはキャリアとライフは切り離すものではなく、両方実現するにはどうすれば良いか?を考え実行し続けてきた結果と言えます。
女性に「キャリアとライフ、両方実現って欲張りですか?」と聞かれることがよくありますが、私は絶対にそう思いません!
「キャリアもライフも両方楽しんだ!あー楽しかった!」と言って、人生を終えたいじゃないですか。
欲張りなんて思いは捨て、否定的な意見は聞き流し「自分がどうしたいか?」と正直になって生きるべきだと。それが、自分自身のキャリアや人生を振り返った時に自分の財産になると信じています。
女性だからと諦めることなく、実現したい未来を掴み取っていく姿はとても魅力的だとも思います。私もまだまだ夢半ばの身ですが、実現したい未来に向かって、共に邁進し続けましょう!
次回はフリーランスで独立を選択した経緯についてお話ししようと思います。お楽しみに!