「不動産営業はやめとけ!」って本当?やめとけといわれる6つの理由と不動産業界の将来性を解説
営業職は、業界によっては年功序列という価値観にとらわれない実力主義の世界であることも多く、実績に応じて収入をあげることもできる職種です。特に、不動産営業は契約が決まれば動くお金が大きいことからも、若くして平均以上の年収を稼げる可能性もあります。
一方、不動産営業を志望する人に対してやめとけという意見が少なくないのも現実です。高い年収を目指せる不動産営業ならではの大変さもあります。
本記事では、不動産営業はやめとけと言われる理由や不動産業界で働くメリット、この業界の将来性などを解説します。
目次[非表示]
- 1.不動産営業はやめとけといわれる理由
- 1.1.労働時間が長い
- 1.1.1.土日に仕事が入ることが多い
- 1.1.2.サービス残業が多い
- 1.2.顧客のクレーム対応が大変
- 1.3.企業体質が古い会社もある
- 1.4.厳しいノルマを課されるケースもある
- 1.5.基本給が低い
- 1.6.売りたくない物件でも売らないといけない
- 2.不動産業界で働くメリット
- 2.1.高い年収を目指せる
- 2.2.若いうちにキャリアを積める
- 2.3.学歴不問で活躍できる
- 2.4.専門知識が身につく
- 2.5.平日休みのことが多い
- 2.6.顧客の人生の節目に立ち会える
- 3.不動産業界の将来性は?
- 3.1.少子高齢化・人口減少による影響
- 3.2.事業所は増加している
- 3.3.オフィスの空室率が上がっている
- 3.4. IT化が進んでいる
- 3.5.住まいの需要はなくならない
- 4.不動産業界で働きやすい会社を選ぶ方法
- 4.1.離職率の低い企業を選ぶ
- 4.2.平均勤続年数を調べる
- 4.3.企業のホームページを調べる
- 4.4.面接で実際に質問をする
- 4.5.エージェントに相談する
- 5.まとめ
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不動産営業はやめとけといわれる理由
不動産営業に転身したいと知人や業界経験者に話した際に、やめとけといわれたことがある人は少なくないようです。
不動産営業はやめとけといわれる理由として主に以下の6つの理由が考えられます。
それぞれ確認していきましょう。
労働時間が長い
不動産営業は労働時間が長いといわれています。
労働時間が長くなる理由として、以下の2つの要因が主に考えられます。
土日に仕事が入ることが多い
不動産業界には、個人のお客様を主な対象として営業活動を行っている企業も多くあります。日本では多くの人が平日働き、土日に休んでいるので、お客様の中には平日は仕事で時間が取れず、土日にしか話を聞けない人も一定数存在します。営業はお客様のスケジュールに合わせる必要があるため、土日に仕事が入ることも多いです。
一方、法人にのみ不動産営業を行っている企業であれば、営業も土日は休めることが多いです。
サービス残業が多い
不動産業界は労働時間が長い傾向にあります。
労働時間が長い理由の1つとして、サービス残業時間の長さが挙げられます。パーソル総合研究所による調査「業種・職種別残業実態マップ──どの業種が、どのくらい働いているのか」(対象者:正社員6,000人)によると、「不動産業・物品賃貸業」におけるサービス残業時間の月平均は11.54時間でした。数ある業種の中でも残業時間が長く、「教育・学習支援業」の12.26時間に続く、残業時間となっています。
さらに、同調査では「不動産業・物品賃貸業」における「30時間以上の残業割合」が31.8%であることも明らかになっており、この割合は「運送業、郵便業」「情報通信業」「電気、ガス、熱供給、水道業」に続く結果です。
労働時間が長時間におよぶと、プライベートな時間を確保しにくく人によっては過度なストレスになることもあります。また、心身に不調をきたす可能性も高いです。
顧客のクレーム対応が大変
不動産の営業が扱う商品は戸建て住宅やマンションなど高額な商品がほとんどです。さらに、多くの人にとってこれらは人生を左右する買い物のため、不備や問題点が発覚すればお客様は機嫌を大きく損ねるのも当然でしょう。
また、管理会社の場合、入居者からのクレームに悩まされることも多いです。例えば、マンションやアパートなどの集合住宅では騒音問題が発生することも珍しくありません。音をたてている側にも騒音に悩まされている側にも言い分があるケースも多く、関係者すべてが納得できる解決策を導き出せるまでに時間を要するケースも多いといわれています。
企業体質が古い会社もある
不動産業界には企業体質が古い会社、つまり体育会系の雰囲気がある会社も少なくありません。
先輩の指示は絶対といったような運動部のような雰囲気がある企業もあります。場合によってはパワハラに発展したり、人によっては相手にそのつもりはなくてもパワハラを受けているような気になったりすることもあります。
体育会系の企業がすべて悪いわけではなく、こうした環境に身を置くことで大きく成長できる人もいます。しかし、上下関係が厳しいコミュニティで活動した経験がない人や気が弱い人であれば、体調を崩しかねないので注意してください。
厳しいノルマを課されるケースもある
不動産業界におけるノルマとは営業目標や売上目標のことです。これらを達成できないと厳しく叱責されたり、残業につながったりすることもあります。
また、ノルマを達成できない場合、昇給や昇進だけでなく、ボーナスの金額にも影響することがあります。
不動産業界には高給というイメージもありますが、高い給与を得ている人の多くがノルマを達成していることはもちろん、ノルマ以上に利益を出しています。
基本給が低い
キャリコネによる「年収の高い業界ランキング」では、不動産業界は27位で平均年収は403万円となっています。生活するのに問題ない給与ですが、人によってはもの足りなく感じるかもしれません。
ちなみに、国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」によると、日本人の平均給与は458万円です。不動産業界の平均年収は平均よりもやや低めといえるでしょう。
売りたくない物件でも売らないといけない
不動産の営業に厳しいノルマを課している企業も多いです。ノルマをクリアできなければ昇給や昇進が見込みにくくなるだけでなく、社内で肩身の狭さを感じることもあるかもしれません。そうなると、自分がよいと思わない物件もお客様に勧めてしまうこともあるでしょう。
また、上司から売るように言われた物件や自社で扱う物件はお客様に基本的に勧める必要があるため、優良物件とは個人的に言いがたいような物件も売らなければなりません。お客様にあまりよいとは思えない物件を勧めることに申し訳なさを感じる営業もいます。
不動産業界で働くメリット
前述のように厳しいことも少なくない不動産の営業ですが、この職業ならではのメリットもあります。
不動産業界で働くメリットとして主に以下の6つが挙げられます。
それぞれ確認していきましょう。
高い年収を目指せる
数ある業界の中でも不動産の営業は高い年収を目指しやすい傾向にあります。1つの契約につき動くお金が大きいため、営業に還元される利益も多くなるためです。30歳になる前に家を購入した営業や1,000万円以上の年収を得ている営業が在籍する企業もあります。
大手企業や世界的に有名な外資系企業であっても20代、30代でこれだけの年収を稼ぐのは容易ではありません。実力次第では若くして資産形成ができるのも、不動産営業の特長です。
若いうちにキャリアを積める
不動産業界は実力主義を採用している企業が多いため、勤続年数や年齢に関係なくキャリアを積めます。
営業成績がよい人であれば昇給だけでなく、昇進の道も拓けます。マネジメント的な立場を任されたり、従業員を教育する役割を任せられたりすることもあります。
また、不動産営業で結果を出した人は、別の業界における営業としての転職にも有利です。不動産営業で結果を出すことは難しく、コミュニケーション力や営業スキルなどさまざまな力が求められるため、不動産営業での高い成績はこうした能力の証明にもなります。
学歴不問で活躍できる
大手企業の中にも不動産の営業職の募集において学歴不問としている企業も珍しくありません。
不動産の営業は契約を1件でも多く獲得することが大切です。このため、大学を卒業したものの契約はあまりとれない人よりも、高卒で営業成績がよい人の方が社内における評価が高くなります。後者の方が昇進昇級も見込めるでしょう。
ただし、企業によっては営業職の募集を大卒に限定しています。応募する際は、求人の内容をよく確認してから応募をするようにしましょう。
専門知識が身につく
不動産営業では商品をただ勧めるだけでなく、建築、法律、金融などさまざまな知識に基づいて説明を行うシーンもあります。また、お客様との会話の中で不動産に関する質問を受けることもあるため、不動産に関係したあらゆる知識を取得しておく必要があります。
これらの知識は業務の中でおのずと身につくものだけでなく、自分で勉強して身につけるものでもあります。不動産業界の営業の多くがFP(ファイナンシャルプランナー)や宅建(宅地建物取引士)などの資格を保有しています。
また、営業として働く中で営業スキルや対人力もアップします。これらのスキルはいずれの職業においても求められるものなので、転職活動時に有利になることもあるでしょう。
平日休みのことが多い
不動産業界の営業はお客様の休みに合わせて土日に仕事が入ることも多いです。その分、平日に休めます。
病院や銀行など平日にしかできない用事を済ませやすいので便利です。また、土日よりも平日の方が観光地やショッピングセンターは基本的に空いていますので、休日をゆったりと楽しむこともできます。
顧客の人生の節目に立ち会える
不動産の営業が扱う商品は戸建て住宅やマンションなど、お客様にとって人生の大きな買い物になるものです。
結婚や定年退職などを機に不動産を購入する人も多いので、お客様の人生の節目に立ち会い、一緒に祝福できます。人の幸せな姿を見ることが好きな人にとっては、やりがいを感じられる機会が多くあるはずです。
また、お客様の中には対応してくれた営業を長く記憶にとどめ、感謝し続けてくれる人もいます。
不動産業界の将来性は?
不動産業界への参入を検討している人の中には、この業界の将来性について気になる人も多いはずです。AIや少子化によりさまざまな業界が縮小している中で、不動産業界に将来性はあるのでしょうか。
不動産業界の将来性について以下の5つの項目から考えていきます。
少子高齢化・人口減少による影響
少子高齢化が進んでいる昨今、さまざまな少子化対策が施されています。しかし、日本人の人口は今後ますます減少するという見込みは変わりません。そうなると、新築であっても中古であっても物件の買い手は少なくなるため、不動産業界にも影響は少なからずあるでしょう。
しかし、人間が住む場所を必要とすることはいつの時代も変わりはなく、現在の社会では不動産業界が不可欠です。
不動産業界において各社には、人口減少と少子高齢化に対応するような新しいビジネスを展開し、時代に適応していくことも求められるでしょう。
事業所は増加している
近年、個人事業主や個人でビジネスを営む人も増えているため、事業所は増加傾向にあります。小規模なオフィスや共有オフィス、フリーランスを対象にした共有スペースなど、今後も需要が継続すると考えられます。
時代に応じたビジネスを展開することが企業の存続のためには不可欠でしょう。
オフィスの空室率が上がっている
大手不動産業界はオフィスビルを都心部に多く構えていることから、オフィスの賃料で安定的な収益を得ていました。
しかし、新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに、従業員の働き方をリモートワークに切り替えた企業が増え、オフィスの空室率が上がりました。現在は、多くの企業が従業員に出社してもらっていますが、それでも空室率が高いのが現状です。
不動産業界にとってオフィス賃貸料は重要な収益の部分のため、時代とともに変わりゆく働き方の中で、どのようにして収益を継続して得続けるか考える必要があります。
IT化が進んでいる
不動産業界には古い体質の企業や古くから事業を営んでいる中小規模の企業も多く、業界全体としてはIT化が進んでいません。
オンラインで契約手続きを完了できるようにするなど、不動産業界でもIT化を進めていくことが求められています。
また、前述したとおり不動産業界の営業は残業時間が多い傾向にあります。しかし、社内におけるIT化を推進することで日々の業務や契約手続きの一部を自動化することも可能です。従業員の負担が軽減され、残業時間削減につながると見込めます。
住まいの需要はなくならない
住まいの需要がなくなることは基本的にないため、不動産業界が完全になくなることはありません。業界の規模が縮小する可能性は懸念されるものの、この業界がなくなることは考えがたいでしょう。
不動産業界において各企業の存続をめぐる競争が激化する可能性も考えられます。自社の強みをつくると同時に、時代に適応した事業への切り替えも必要になってくるでしょう。
不動産業界で働きやすい会社を選ぶ方法
不動産業界の営業はやめとけといわれがちですが、在籍する会社によっても働きやすさは異なります。1つの会社に長く在籍するためにも、働きやすい会社に入社することをおすすめします。
不動産業界で働きやすい会社を選ぶ方法として、以下の5つが挙げられます。
離職率の低い企業を選ぶ
企業によっては離職率をハローワークや『四季報』などで調べることも可能です。
また、離職率は自身で算出することもできます。例えば、年度ごと1年間の離職率を知りたい場合は以下の計算式を使って算出できます。
(期初~期末の離職者数÷期初~期末の全従業員数)×100 |
離職率が低い企業はそれだけ多くの従業員が自社で働き続けたいと思えているということです。社内環境が悪かったり、給与がいちじるしく安かったりすると、多くの従業員が転職を検討するため離職率は高くなります。
平均勤続年数を調べる
平均勤続年数は各企業のホームページにおける求人ページや自社紹介ページなどで確認できることもあります。
また、企業によってはハローワークや『四季報』で平均勤続年数を確認することも可能です。
平均勤続年数が長い企業は多くの従業員が働きやすい企業、長く働ける環境を従業員に提供している企業としてもみなせます。
企業のホームページを調べる
企業のホームページにはその企業に関するさまざまな情報が記載されています。給与や勤続年数といった基本情報だけでなく、社員インタビューを掲載している企業もあります。
また、きちんとした企業であれば、自社の所在地や連絡先も記載しています。
面接で実際に質問をする
企業のホームページやネットの口コミ、ウワサだけでは分からないことも多いです。面接の段階で不明点や知りたいことがある場合は、面接で質問してみることをおすすめします。
多くの企業が面接時に逆質問の時間を設けています。こうした時間を有効活用してみてもよいでしょう。
💡面接での逆質問について詳しく知りたい方はこちら
面接で差をつけるための効果的な逆質問
エージェントに相談する
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エージェントは相談者の経歴や職歴を踏まえて適切なアドバイスをくれたり、採用の見込みがある企業を紹介したりしてくれます。
また、企業のホームページに記載されていない情報や、ネットなどで調べても分からない情報も保有していることが多いです。
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まとめ
不動産業界の営業の多くが実力主義の世界に身を置き、業務に従事しています。扱う商品は高額で、お客様が購入をすぐに決断できるものではないため、契約に結び付くまでに時間がかかることも多いです。
しかし、お客様の人生における大きな買い物に力添えできたり、お客様の人生の節目に立ち会えたりするのもこの職業ならではの魅力です。
また、不動産業界の営業の平均年収は平均よりも低い傾向にあるものの、実力次第では年齢や勤続年数という枠組みにとらわれずアップできます。若くして1000万円以上の年収を得ている営業マンも少なからず存在します。
SQiL Career Agentでは、不動産営業だけではなく、 さまざまな業界の営業職に関する知見を持っています。
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