転職で志望動機がない場合はどうする?志望動機の重要性や考え方などを解説

転職で志望動機がない場合はどうする?志望動機の重要性や考え方などを解説

近年では、働き方やキャリアの多様化により、転職する人が増えています。希望する企業に転職するには、志望動機が重要です。 

しかし、「面接で話せる志望動機がない」などと悩んでいる人は少なくないでしょう。本記事では、転職時に志望動機が重要である理由や、志望動機がない場合の対処法を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.転職で志望動機がないとどうなる?
    1. 1.1.志望動機がないことのデメリット
    2. 1.2.企業が志望動機から知りたいこと
  2. 2.転職で志望動機が思いつかない理由
    1. 2.1.転職理由がネガティブなものである
    2. 2.2.自己分析が不足している
    3. 2.3.企業研究・業界研究が不足している
    4. 2.4.転職先に対する志望度が低い
  3. 3.志望動機欄がない履歴書を使ってもよい?
    1. 3.1.ケース1:自分で直接応募する場合
    2. 3.2.ケース2:転職エージェント経由で応募する場合
  4. 4.転職で志望動機が重要な理由
    1. 4.1.転職先に応募した理由を伝えるため
    2. 4.2.入社後の姿をイメージしてもらうため
  5. 5.転職で志望動機がない場合の対処法
    1. 5.1.Step 1: 自己分析で「仕事へのこだわり」を掘り下げる
    2. 5.2.Step 2: 企業研究で「方向性の一致」を確認する
    3. 5.3.Step 3: 「貢献できること」から、未来の活躍イメージを考える
  6. 6.転職で志望動機を考えるポイント
    1. 6.1.転職理由・自己PRを一貫させる
    2. 6.2.企業研究・業界研究をアピールする
    3. 6.3.企業理念・社風への共感を示す
    4. 6.4.生かせる経験・スキルは「成果とプロセス」とセットで具体的に説明する
  7. 7.転職においてNGな志望動機
    1. 7.1.具体性・エピソードがない
    2. 7.2.製品・サービスの感想しか盛り込まれていない
    3. 7.3.条件のみを志望動機としている
  8. 8.転職における志望動機の例
    1. 8.1.営業職における志望動機の例
    2. 8.2.事務職における志望動機の例
  9. 9.まとめ


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転職で志望動機がないとどうなる?

悩みを抱えるビジネスパーソン

転職活動で志望動機がないと、選考において不利になる可能性があります。ここでは、志望動機がないことのデメリットや企業が知りたいことを解説します。


志望動機がないことのデメリット

志望動機がないと応募者の印象が薄くなり、企業の印象に残りにくくなります。「熱意がない」とみなされることも多く、スキルや経験が十分であったとしても採用したいと思ってもらえないなど、転職で不利になるでしょう。

同程度のスキルや経験を持つ候補者が複数いる場合、志望動機の明確さや熱量が評価の分かれ目となる場合もあります。


企業が志望動機から知りたいこと

企業が志望者に志望動機を聞くのは、仕事に対する熱意や転職理由の納得感を把握したいからです。このような情報から、志望者が入社後に意欲的に働き、長く活躍してくれる人材かどうか見極めようとしています

自分が企業とマッチングする人材であることをアピールするためにも、明確かつ熱意が伝わる志望動機が重要です。


転職で志望動機が思いつかない理由

志望動機に悩んでいるビジネスパーソン

転職活動を進めるなかで、志望動機がない・思いつかない理由を解説します。


転職理由がネガティブなものである

現職に対する不満やストレスが原因で転職する場合、前向きな志望動機を考えるのが難しくなります

たとえば、人間関係の悪化や給与・労働条件への不満が転職理由である場合、企業にそのまま伝えるわけにはいきません。前向きな志望動機を考える必要がありますが、一番の転職理由ではないために思いつかなくなってしまいます。


自己分析が不足している

自分の強みや得意分野から志望動機を考える方法もありますが、自己分析が不足していると、転職先で生かせる特性や貢献するビジョンが見えず、志望動機が思いつかなくなります。転職によって何を実現したいのかも、見失ってしまうでしょう。

初心に戻って徹底的に自己分析し、転職後のイメージを固めることが重要です。


企業研究・業界研究が不足している

企業についての理解が浅いと入社後のイメージがつきません。また、業界全体についても理解していないと、働き方が具体的に想像できないでしょう。その企業に入社したい理由が曖昧になり、「志望動機がない」と悩んでしまいます。

企業研究や業界研究をじっくり行い、転職活動の突破だけでなく、転職後にどう働くか考えることが重要です。


転職先に対する志望度が低い

別の企業が第一志望であるケースや、条件だけで企業を選んでいるケースなど、応募先企業に対する関心が薄い場合、志望動機を考えるのが難しくなるでしょう。

仕事内容や社風に対する理解が浅いと、志望動機が薄くなりがちです。企業そのものへの興味を高める必要があります。


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志望動機欄がない履歴書を使ってもよい?

履歴書に記載しているビジネスパーソン

履歴書のフォーマットには、「志望動機」の欄があるものと、ないものが存在します。どちらを使うべきか、また何を書くべきかは、あなたの応募方法によって戦略が異なります。


ケース1:自分で直接応募する場合

求人サイトなどから自分で直接応募する場合は、必ず「志望動機」の欄がある履歴書を使用し、応募する企業ごとに内容を書き分けましょう

なぜなら、書類選考において、採用担当者があなたの入社意欲や企業との相性を判断できる唯一の材料が、この志望動機欄だからです。ここが空欄だったり、どの企業にも当てはまるような内容だったりすると、「志望度が低い」と判断され、面接にすら進めない可能性があります。


ケース2:転職エージェント経由で応募する場合

転職エージェントを利用している場合は、状況が少し異なります。エージェントは、あなたの履歴書・職務経歴書と合わせて、「推薦状」という形で、あなたを推薦するコメントを企業に提出してくれるからです。

履歴書を応募の都度すべて書き換えるのは、大変な作業になることもあります。

この場合、履歴書の志望動機欄の扱いは、応募先企業や状況によって戦略的に変わるため、担当のキャリアアドバイザーの指示に従うのが最も確実です。プロの視点から最適な方法をアドバイスしてくれます。


転職で志望動機が重要な理由

PCを操作するビジネスパーソン

転職活動における志望動機は、単なる形式ではありません。ここでは、志望動機が重要である理由を解説します。


転職先に応募した理由を伝えるため

企業は、志望者とのマッチングを重視しています。自社の企業文化や理念に合わない候補者を採用すると、短期離職の可能性が高まるためです。

具体的で納得感のある志望動機を伝えれば、自分が志望先企業の求める人材であるとアピールできます。「長く活躍してくれそうだ」と、好印象を持ってもらいやすくなるでしょう。


入社後の姿をイメージしてもらうため

企業は、自社で意欲的に働いて貢献してくれる人材を求めています。候補者が活躍するイメージがわかない場合、採用につながりにくくなるでしょう。

入社後の活躍をイメージできるよう志望動機で示せれば、企業に将来像を描いてもらいやすくなります。「一緒に働きたい」と思ってもらうためにも、志望動機が重要です。


転職で志望動機がない場合の対処法

志望動機を考えるビジネスパーソン

「志望動機が思いつかない」と感じるのは、多くの場合、思考が整理できていないだけです。そんな時は、闇雲に応募を続けるのではなく、一度立ち止まって、以下の3つのステップで考えを深めてみましょう。


Step 1: 自己分析で「仕事へのこだわり」を掘り下げる

前向きな志望動機が思いつかない時、効果的な出発点が2つあります。

一つは、「なぜ、今の会社を辞めたいのか」というネガティブな感情を直視することです。その不満を裏返すことで、あなたが本当に大切にしたい価値観、つまり「転職の軸」が見えてきます。

不満:「給料が低い、正当に評価されていない」
→価値観: 「成果を正当に評価・還元してくれる環境で働きたい」

もう一つは、逆のアプローチです。これまでの仕事の中で、やりがいを感じた瞬間や、楽しかった業務などを書き出してみましょう。それらのポジティブな経験の共通点を探ることで、「自分は、こういう状態であれば幸福(ハッピー)に働ける人間だ」という、あなたの仕事における価値観が見えてきます。

ネガティブな感情の裏返しと、ポジティブな経験の共通点。この両面からアプローチすることで、あなたの「仕事へのこだわり」は、より明確になります。

※参考記事:自己PRに悩む人に送る!自分の強みを見つける3つのポイント


Step 2: 企業研究で「方向性の一致」を確認する

Step 1で明確になったあなたの「価値観」や「ありたい姿」をコンパスとして、企業研究を行います。

企業の公式サイトや採用ページに書かれている事業内容や企業理念をただ眺めるのではなく、「自社の方向性と、企業の目指す方向性が合致しているか」という視点で確認するのです。

企業のビジョン、社員インタビュー、プレスリリースなどから、その企業が大切にしている文化や、今後どこへ向かおうとしているのかを読み解きましょう。この「方向性の一致」こそが、心から共感できる志望動機の土台となります。

※参考記事:受かるための企業研究 -営業職には営業職の企業研究がある-


Step 3: 「貢献できること」から、未来の活躍イメージを考える

最後のアプローチは、「今の自分」と「世の中の動き」を掛け合わせ、未来の貢献イメージを考えることです。

まずは、あなたの経験やスキル(Can)を客観的に言語化します。次に、業界のトレンドや市場の変化(世の中の動き)をリサーチします。そして、「この市場の変化に対応していくために、自分のスキルを活かして、自分はどのような状態であるべきか」という未来像を描き、その姿で貢献したい、とアピールするのです。

この方法は、単に目の前の求人に自分を合わせるのではなく、より高い視座から、あなた自身の未来のキャリアを切り拓いていくための、主体的な志望動機の見つけ方です。


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転職で志望動機を考えるポイント

チェックリスト

ここでは、一貫性や企業研究など、志望動機を考える上で重要となるポイントを解説します。


転職理由・自己PRを一貫させる

志望動機を考える際は、転職理由と自己PRとの一貫性を意識しましょう。

現職を離れる理由と志望動機、自己PRに矛盾があると、軸がぶれている印象になり、企業からの評価が低くなりやすくなります。志望動機だけでなく、その他の項目も含めて矛盾のないストーリーになっているか意識して見直してみましょう。


企業研究・業界研究をアピールする

志望動機に企業研究や業界研究の成果を反映させると、熱意が伝わりやすくなります。企業の事業内容や理念、業界の動向を深く理解した上で、「この企業でなければならない理由」を説明しましょう。具体例を盛り込むと、企業や業界について詳しく調べていることをよりアピールしやすくなります。


企業理念・社風への共感を示す

企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や、そこから生まれる社風への共感を志望動機に絡めるのも、有効な方法です。なぜなら、多くの企業はスキルフィットと同じくらい、こうした価値観のマッチング(カルチャーフィット)を重視しているためです。

例えば、「〇〇というミッション(企業の存在意義)に、自身の仕事観との共通点を感じた」「△△というビジョン(目指す未来)の実現に、自分も貢献したいと強く思った」「□□を重んじる文化(バリュー)の中でこそ、自分の強みが活かせると感じた」といった共感ポイントは、企業側にとっても大きな安心材料となります。


生かせる経験・スキルは「成果とプロセス」とセットで具体的に説明する

あなたの経験やスキルが、応募先企業で本当に通用するのか。採用担当者は、その「再現性」を見極めようとしています。

そのためには、営業職であれば「売上目標を120%達成した」といった数値(結果)を伝えるだけでなく、「なぜ、その成果を出すことができたのか」というプロセス(過程)をセットで語ることが不可欠です。

例えば、「〇〇という課題に対し、△△という工夫をした結果、□□という成果に繋がった」というように、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。

この「プロセス」を語ることは、営業職だけでなく、企画職や管理部門など、あらゆる職種で同様に重要です。どのような課題に対し、あなたがどのように考え、行動し、成果を出してきたのか。その一連のストーリーこそが、あなたのスキルの再現性を証明する何よりの証拠となります。

もちろん、やみくもにアピールするのではなく、応募先企業がどのようなスキルを求めているのかを事前にリサーチし、それに合致する経験を重点的に伝えることが、より効果的です。


転職においてNGな志望動機

NGな志望動機例

志望動機が不適切だと、どれだけ経験やスキルがあってもマイナスの印象を与えてしまいます。ここでは、避けるべきNG例を紹介します。


具体性・エピソードがない

漠然とした内容だけの志望動機では説得力がなく、採用担当者の心に響きません。「人の役に立ちたい」「やりがいを感じたい」といった、抽象的な志望理由を伝えるだけでは、企業からの評価がかえって低くなる可能性もあります。

過去の経験や実績をもとに、どのような価値観や成果を築いてきたのか、具体的なエピソードを交えて伝えるようにしましょう。


製品・サービスの感想しか盛り込まれていない

企業の製品やサービスへの好意的な感想だけでは、消費者目線になってしまい、志望動機としては弱くなります。内容によっては、マイナスの印象を持たれてしまう場合もあるでしょう。

重要なのは、製品やサービスを通じてなぜその企業で働きたいと思ったか、どのように企業に貢献できると考えたのかという視点です。製品・サービスの提供側として、どのように貢献できるかといった内容につなげましょう。


条件のみを志望動機としている

給与や勤務地などの条件・待遇面だけが志望動機だと、企業側にネガティブな印象を与えてしまいます。転職先を選ぶ上で条件は重要な要素ですが、志望動機としてはアピールポイントになりません。

自分が転職後にどのような仕事をしたいか、その企業において活躍できる人材かといった観点に重点を置きましょう。


転職における志望動機の例

志望動機を考えるビジネスパーソン

営業職・事務職の志望動機の例を紹介します。実際にどのような構成で組み立てればよいのか、ぜひ参考にしてください。


営業職における志望動機の例

ここでは、「個の力で成果を挙げてきた営業が、より複雑で大規模な課題解決のために、チームでの成果を求める」というストーリーの例文を紹介します。

【例文】

これまで、法人営業担当として個人の目標達成に邁進し、〇〇分野において年間〇〇円の売上を達成いたしました。個の力で成果を出すことにやりがいを感じる一方で、顧客の課題が複雑化する中で、より大規模で、より付加価値の高い提案をするためには、一人だけの知識や経験では限界があると痛感するようになりました。
これからのキャリアでは、各分野の専門家(例えば、技術部門やマーケティング部門)と連携し、組織としての総合力で顧客の経営課題そのものを解決に導くような、スケールの大きな仕事に挑戦したいと考えております。
貴社が、まさに部門間の連携を重視し、チーム一丸となって顧客の成功を支援する文化であると伺い、私が次に目指す理想の環境だと確信し、志望いたしました。私の強みである個の推進力に、貴社で得られるチームとしての戦略性を掛け合わせることで、これまで以上の成果に貢献できると確信しております。


事務職における志望動機の例

ここでは、「販売職のリーダー経験を通じて、人を支えることへのやりがいに目覚め、未経験から事務職へ挑戦する」というストーリーの例文を紹介します。

【例文】

現職では販売担当のリーダーを務めております。日々の業務の中で、店舗の売上管理が属人化し、非効率になっている点に課題を感じていました。そこで、自らExcelの関数やピボットテーブルを学び、売上や在庫のデータを自動で集計・分析できる仕組みを構築しました。

これにより、チーム全体の報告業務が大幅に効率化され、メンバーがより接客に集中できる環境を作れたことに、大きなやりがいを感じました。この経験を通じて、最前線で活躍する人を『支える』仕事の面白さに目覚め、より専門的に組織に貢献できる事務職を志したいと考えるようになりました。

貴社の求人を拝見し、未経験であっても主体的な改善提案を歓迎する文化であると伺い、私が培ってきた『現場起点の課題解決能力』と『人を支えたいという思い』の両方を活かせる理想的な環境だと感じ、志望いたしました。


まとめ

応募先企業への理解と自己分析をもとに志望動機を構築すると、説得力を出しやすくなります。「志望動機がない」と悩んでいるなら、まずは自己分析や企業・業界研究を深めてみましょう。志望動機に、企業が求める人物像を絡めると効果的です。

転職活動において自分だけで志望動機を考えるのが難しいなら、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

SQiL Career Agentは、営業パーソンに特化した転職・キャリア支援サービスです。企業側の希望や組織風土を理解したスタッフが、応募書類や面接対策のアドバイスを行います。データに基づいて応募者と企業をマッチングするので、ぜひお問い合わせください

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監修/武 拓矢
監修/武 拓矢
関西大学文学部総合人文学科 卒業。 大学卒業後、商社にて法人営業を経験し、大手人材紹介会社へ転職。 RA/CA業務、マネジメント、新規事業立上げを経験し、株式会社セレブリックスへ転職。 営業特化の転職エージェント「SQiL Career Agent」の事業立上げにマネージャーとして入社。

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