パートナーセールスとは?仕事内容・必要なスキル・向いている人を解説

みなさん、こんにちは。
SQiLにて女性営業のキャリアやワーキングマザーの実態について記事執筆している佐々木です。
現在はパートナービジネス(代理店ビジネス)に関するコンサルティング業務に従事しています。今までのキャリアとしては超大手IT(国内、外資)のエンタープライズ営業や、ベンチャー企業の新規事業立ち上げなどにも関わってきており、インサイドセールスからカスタマーサクセスまで、営業に関する職種は一通り経験しました。
プライベートでは1児の母で、現在第二子妊娠中です。
今回の記事では、まだまだ世の中に情報の少ない「パートナーセールス(代理店営業)」に関してです。
今回は前回の記事に続いて、「パートナーセールスで活躍する人材のスキルセット」についてお話ししたいと思います。

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パートナーセールス(代理店営業)とは
まずは、パートナーセールスがどんな仕事なのかからお話ししたいと思います。
パートナーセールスとは、代理店やパートナー企業を通じて自社の商品・サービスを販売する営業活動のことです。営業の相手はエンドユーザーではなく、販売を担ってくださるパートナー企業になります。
パートナー営業・代理店営業・アライアンス営業など、呼び方はさまざまです。IT・SaaS業界のほか、不動産、保険、製造、旅行など幅広い業界で採用されています。自社の営業担当を増やさずに販路を広げられるため、限られた人員で全国・多業種にアプローチしたい企業ほど、この体制の重要度が高まります。
私自身、パートナービジネスのコンサルティングに携わるなかで、特にSaaS企業からのご相談が増えていると感じています。直販だけでは接点をつくりにくい中小企業や地方の企業に、どうやって届けるか。その手段としてパートナーセールスを選ぶ企業が増えているのではないでしょうか。
パートナーセールス・代理店営業・アライアンス営業の違い
よく混同されるこの3つですが、意味合いは少しずつ異なります。
とはいえ実務では明確に区別されないことも多く、求人票では同じ職種を指しているケースもあります。応募される際は、名称ではなく業務範囲がどこまで含まれるかを確認していただくとよいと思います。
パートナーセールスが扱う代理店の3つの形態
もうひとつ知っておいていただきたいのが、代理店の形態です。
どの形態を扱うかによって、求められる業務は大きく変わります。紹介代理店が中心であれば自社で商談する機会が多くなりますし、販売代理店が中心であれば教育とマーケティングの比重が高くなります。
パートナーセールスの具体的な仕事内容【4つのステップ】
ここからは、パートナーセールスが実際にどんな業務をしているのかをお話ししたいと思います。業務は、パートナーを「見つける」「売れるようにする」「売り続けていただく」という流れで整理できます。
①パートナー企業の開拓・契約
まずは、自社商品と親和性の高い企業をリストアップし、提携するメリットをお伝えして契約を結びます。
私が候補を絞るときに見ているのは、既存顧客が競合しないか、対象とする顧客層が重なっているか、そしてパートナー側の営業体制で扱いきれる商材かどうかの3点です。ここを外すと、契約はできても案件が生まれない提携になってしまいます。
②販売戦略・パートナープログラムの設計
提携できたら終わり、ではありません。パートナーが売りやすい状態をつくるところまでが仕事です。
販売資料やトークスクリプトの提供、共催セミナーの企画、手数料率やインセンティブ制度の設計などが該当します。営業というよりマーケティングに近い業務も多く、ここを面白いと感じられるかどうかは向き不向きが出るところだと思います。
③パートナー担当者への教育・同行支援
個人的に、ここが一番大事だと思っています。パートナー企業の営業担当の方は、自社商品以外にもたくさんの商材を扱っていらっしゃいます。勉強会の実施や商談への同行を通じて、数ある商材のなかから自社商品を優先してご提案いただける状態をつくれるかどうか。ここで成果が大きく変わります。
④売上の数値管理とフォロー
パートナーごとの案件数・受注率・売上を管理し、伸び悩んでいる先には要因を分析して打ち手をご提案します。成果が出ているパートナーの成功事例を、ほかのパートナーへ横展開していくことも大切な役割のひとつです。
直販営業(フィールドセールス)との違い
パートナーセールスと直販営業は、同じ営業職でも成果の出し方がまったく異なります。転職を検討するうえで一番大切なポイントだと思いますので、表で整理しました。
最大の違いは、「自分が売る」のではなく「相手に売っていただく」という点です。パートナー企業には指示命令ができません。だからこそ、相手のビジネスを理解したうえで、双方にメリットのある座組みを設計する力が求められます。
この違いを知らないまま転職してしまうと、「自分で顧客に提案したいのに、その機会が少ない」というギャップが生まれてしまいます。反対に、仕組みづくりや社外を巻き込む仕事に面白さを感じる方にとっては、直販営業では味わえない経験が積める職種ではないでしょうか。
本記事を読んでいただき、パートナーセールスに興味を持ってくださった方は、ぜひSQiL Career Agentへキャリア相談をしてみてください。営業職に特化したアドバイザーが、パートナーセールスの業務範囲や評価制度の実態を踏まえて求人をご紹介します。
「直販とパートナー、どちらが自分に合うのか」を整理するところからご相談いただけます。転職の意向が固まっていない段階でも問題ありません。
企業がパートナーセールスに取り組むメリット・デメリット
少し視点を変えて、企業がなぜパートナーセールスに取り組むのかもお話ししたいと思います。ここを理解しておくと、求人を比較するときに「この会社はパートナー戦略にどこまで本気なのか」が見えてきます。
メリット①販路を短期間で広げられる
自社で一から顧客基盤を築くには、どうしても時間がかかります。すでに顧客との関係をお持ちのパートナー企業と組めば、その販路をそのまま活用でき、自社単独では接点を持てなかった業界や地域にも展開できます。
メリット②営業人員を増やさずに売上を伸ばせる
全国をカバーする営業体制を自社で構築しようとすると、採用・育成・人件費の負担が大きくなります。パートナーセールスであれば実際の販売活動はパートナー企業が担ってくださるため、少人数の組織でも売上規模を拡大できます。
デメリット①手数料と支援コストが発生する
パートナーには販売手数料をお支払いするため、直販に比べて1件あたりの利益率は下がります。加えて、販売資料の作成や勉強会の実施など、支援のための工数も継続的に発生します。
デメリット②パートナーが増えるほど管理が難しくなる
提携先が増えると、説明内容の品質や販売方法にばらつきが出てきます。誤った説明のまま販売されると解約やクレームにつながってしまうため、契約時のルール設計と定期的なモニタリングが欠かせません。
つまりパートナーセールスは、売上を伸ばすだけでなく「品質を保ちながら伸ばす」ことが求められる仕事です。この視点は、面接で事業理解を示すうえでもきっと役に立つと思います。
パートナーセールスを成功させる4つのポイント
ご支援をするなかで感じるのは、パートナーセールスの成果は担当者個人の営業力よりも、「パートナーが売れる状態をつくれているか」で決まるということです。押さえておきたいポイントを4つに整理しました。
①パートナーのビジネスモデルを理解する
パートナー企業にとって、自社商品は数ある取扱商材のひとつにすぎません。相手の収益構造や主力事業を理解したうえで、「自社商品を扱うことで相手のビジネスがどう良くなるのか」をお伝えできるかどうか。ここが出発点になります。
②「売っていただく仕組み」まで設計する
「ニーズがあればご紹介ください」で終わる提携は、ほとんど成果につながりません。ターゲットの定義、顧客への声かけのタイミング、初回商談への同席可否まで決めて、はじめて動く仕組みになると思います。
③成功事例を横展開する
成果が出ているパートナーの提案方法や、刺さった訴求をほかのパートナーへ共有します。「同業のあの会社はこの切り口で受注できた」という具体例は、パートナー担当者の方が動いてくださる強い動機になります。
④手数料以外の動機づけを用意する
手数料率を上げれば売れる、というものでもありません。認定パートナー制度やランク制度、共催セミナーでの送客など、金銭以外のメリットを組み合わせることで、継続的に優先してご提案いただける関係を築けます。
パートナーセールスによくある3つの失敗パターン
反対に、うまくいっていないパートナー施策には共通する失敗の型があります。転職前に知っておいていただくと、求人企業の体制が機能しているかを見極めやすくなるはずです。
どれも「相手に売っていただく」という前提を見失ったときに起こります。面接の場でこうした構造を理解していることをお伝えできると、実務理解の深さとして評価されるのではないでしょうか。
パートナーセールスに必要なスキルは?
次にパートナーセールスで必要となるスキルについてです。
タイムリーにセレブリックスさんより職種別営業スキルの調査レポートがリリースされました!(すごいタイミング。驚)
参考:職種別営業スキルの 調査レポート Vol.1 / セレブリックス営業総合研究所
その中ではパートナーセールスとしてのスキルとして下記があげられています。
カテゴリとしては、「対人スキル」が大きなキースキルとなっており、具体的に下記5つのスキルが必要とされています。
判断力 共感力 説明力 傾聴力 観察力
その中でも「観察力」が必要なスキルとされています。
背景としては、パートナー企業の営業組織の状況や関心ごとに精通することでパートナー企業に対しての「自社商材を担ぐ意義」をより正確に伝えることができるからだと私は考えます。

セレブリックス営業総合研究所:職種別営業スキルの調査レポート Vol.1の調査より引用
上記に加え、私がパートナーセールスにとって重要だと考えるスキルは下記2つがあります。
「信頼構築力」と「交渉力」です。
パートナーセールスはパートナー企業の大切な顧客をご紹介いただく以上、まずはパートナー企業の営業パーソン、営業組織との「信頼構築」をしなければなりません。
直販に比べ成果創出までに要する時間も長く、すぐに最適な顧客紹介スキームがつくれるとは限らないので、パートナー企業から自身が「人」として信頼いただくのはもちろんのこと、「この人と一緒に仕事がしたい!」と思わせるまでのスキルレベルと人間性が必要となります。
そして、「交渉力」に関してですが、パートナービジネスにおいて「交渉」が発生するタイミングは多くあります。
例えば、パートナー企業とパートナー契約を締結する際のマージン比率の決め方やパートナー企業複数社から同じ顧客を紹介いただいた際の交通整理などです。
パートナー企業の営業パーソンへマイナスな印象を与えることなく期待値を調整し着地させるという能力が必要となります。
パートナーセールスに向いている人とは?
前回の記事では、パートナーセールスは
営業対象を顧客(エンドユーザー)ではなく、パートナー企業(代理店)としているのが「パートナーセールス」 自社サービスをパートナー企業経由で売ってもらうための営業
とお伝えさせていただきました。
そして、パートナーセールスのやりがいとしては
「自分ではない誰か(パートナー企業の営業パーソン)が営業活動を行い、成果を創出すること」であり、人・組織をハンドリングする難しさと奥深さがあると考えています。
パートナーセールスは直販での営業よりも、自身がカバレッジする対応範囲が広いのが特徴です。具体的にいうと、直販の場合は自社と顧客(見込み顧客含む)ですが、パートナーセールスでは「パートナー企業」が加わります。
よって、直販よりも多くの人・組織に対して調整や交渉が必要となる場面が多くなります。利害関係を意識し、互いに衝突を起こすことなくWin-Winの関係に持っていく。ここでパートナーセールスの力量が発揮されるのですが、これが非常に難しい。
自社、パートナー企業、エンド顧客(ターゲット顧客)の関係を俯瞰的にとらえ、適切にアクションを実行していく。長期戦です。
上記の仕事内容を踏まえ、私がパートナーセールスに向いていると考える方は下記です。
人が好き人が喜ぶことが好き
仕事をゲームのように捉え、楽しんで実行することができる
ゲームはRPGが好き
局所的に集中し成果を出すというよりも、中長期的に大きな成果を狙っていくような取り組みが好き
私が現在所属している企業であるパートナーサクセス社のメンバーにも聞いてみたところ、こんな意見をいただきました。
話し上手、聞き上手
人の懐に入るのがうまい
人に嫌われない
肝が座っている
社交的
流行に敏感で雑学豊富
難しい課題に対して臆することなく挑戦することができる
などなど、これ全部あったら最強じゃん...!と思いますが、私からみると、「人より多くのところに気がつき、人のことが好き。人の喜ぶことが嬉しい。人に嫌われない。複雑な課題に対しても諦めることなく楽しんで向き合い続けられる。」という方が、特にパートナーセールスに向いていると感じます。
パートナーセールスのやりがいと「きつい」と言われる理由
ここまで仕事内容を中心にお話ししてきましたので、実際に働くうえでのやりがいと難しさにも触れておきたいと思います。
やりがい①社外を巻き込んで大きな売上をつくれる
自分ひとりの稼働では届かない売上規模を、パートナーの営業力を通じて実現できます。仕組みが回り始めると、成果が自分の稼働時間に比例しなくなる。ここは直販営業では味わえない面白さだと思います。
やりがい②企画・マーケティングのスキルが身につく
販売資料の設計、共催セミナーの企画、インセンティブ設計など、業務範囲は営業にとどまりません。事業開発やマーケティングへとキャリアを広げていける経験が積めます。
きつい理由①成果が出るまでに時間がかかる
提携の交渉から実際に売上が立つまで、数ヶ月かかることも珍しくありません。短期の受注で評価されたい方にとっては、成果の実感を得にくい期間が続くかもしれません。
きつい理由②自分でコントロールできない要素が多い
最終的に売ってくださるのはパートナー企業です。相手の人事異動や優先度の変化ひとつで数字が動くため、自分の努力だけでは結果が決まりません。この不確実性を受け入れられるかどうかが、向き不向きの分かれ目になると思います。
パートナーセールスの年収相場とキャリアパス
転職を考えるうえで気になるのが、年収とその後のキャリアだと思います。
経験年数別の年収相場
※上記の年収相場は、SQiL Career Agentが実際に転職支援を行っている企業様の求人データおよび提示年収実績をもとに算出しています。
パートナーセールスは直販営業に比べてインセンティブの比率が低く、固定給の比率が高い傾向にあります。一方で事業全体の売上に関わる職種ですので、成果は職位や評価に反映されやすいのではないでしょうか。
パートナーセールスのキャリアパス
- パートナーアライアンスのマネージャー:提携戦略全体の設計と組織運営を担う
- 事業開発(BizDev):提携交渉の経験を活かし、新規事業や資本業務提携を担当する
- マーケティング:共催企画やパートナー向け施策の経験を、需要創出の領域へ広げる
- 直販営業のマネジメント:チャネル戦略を理解した営業組織の責任者として活躍する
社外の企業と組んで事業をつくった経験は、営業の枠を越えて評価されます。営業職のなかでも、事業側へキャリアを広げやすい職種だと感じています。
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パートナーセールスに関するよくある質問
最後に、ご相談をいただくなかでよく聞かれる質問にお答えしたいと思います。
パートナーセールスは未経験でも転職できますか?
できると思います。求められるのは商材の専門知識よりも、相手の立場を理解して巻き込む力です。法人営業のご経験があれば、提案先が「顧客」から「パートナー企業」に変わると捉えていただくとよいのではないでしょうか。
ただし、成果が出るまでの期間が長い点は事前に知っておいていただきたいところです。選考では「短期の受注ではなく、仕組みをつくって成果を出した経験」を軸にお伝えいただくと評価されやすくなります。
パートナーセールスと代理店営業は違う職種ですか?
実務上はほぼ同じ意味で使われています。厳密には、代理店営業が特定の代理店を担当する業務を指すのに対して、パートナーセールスは提携先の開拓から支援までを含む広い概念です。応募される際は、名称ではなく業務範囲がどこまで含まれるかをご確認ください。
パートナーセールスにノルマはありますか?
多くの企業で目標が設定されています。ただし個人の受注金額ではなく、パートナー経由の売上、稼働パートナー数、新規提携数といった単位で管理されるのが一般的です。売上が立つまでの期間が長いため、商談数や勉強会の実施回数などの先行指標を評価に組み込んでいる企業もあります。
どのような企業でパートナーセールスの求人が多いですか?
SaaSをはじめとするIT業界のほか、不動産、保険、製造、旅行など、販売網を外部にお持ちのビジネスモデルの業界で募集があります。同じ職種名でも、開拓が中心か既存パートナーの支援が中心かで業務内容は大きく変わりますので、求人ごとの見極めが必要だと思います。
まとめ
パートナーセールスは業務領域としてもカバーする範囲が非常に多いです。パートナー企業の開拓のフェーズだと通常の新規開拓営業に加え「事業開発」の能力が必要となり、パートナー企業の深耕のフェーズだと「フィールドセールス」の能力が必要となります。
また、通常のフィールドセールスに加え、関わる組織・人数が体感2倍くらい多くなるので、エンタープライズセールスに近いといった方がよりイメージしやすいでしょう。
複数の組織、関係者と合意形成をしながら、営業活動を進めていきます。
パートナー企業と共同展示会などのイベントを実施する際はマーケティング知識も重要ですし、パートナー企業への自社のサービスの浸透にあたっても1:Nのコミュニケーションが求められることが多いためマーケターとしての能力も必要となります。
そのためパートナーセールスは、営業職を軸に幅広い経験を積むことができるという点がメリットだと感じています。
本記事を読んでいただき、パートナーセールスに興味を持ってくださった方はぜひSQiL Career Agentへキャリア相談をしてみてください。
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