未経験からフィールドセールスに転職は可能?成功のコツと有利な経験をプロが徹底解説

未経験からフィールドセールスに転職は可能?成功のコツと有利な経験をプロが徹底解説

「未経験からでも、本当にフィールドセールスになれる?」
「フィールドセールスって、具体的にどんな仕事をするの?」
「今の自分の経験で、アピールできることなんてあるのかな…」

企業の売上を左右する重要な役割を担うフィールドセールス。非常に魅力的な職種である一方、未経験からの挑戦に対して、このような不安や疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください。フィールドセールスへの転職は、未経験からでも十分に可能です。大切なのは、正しい知識を身につけ、あなたの経験と、求められるスキルを戦略的に結びつけることです。

この記事では、未経験からフィールドセールスへの転職を成功させるための「完全ロードマップ」を提示します。仕事内容の具体的な理解から、あなたがアピールすべきスキル、そして選考を突破するためのステップまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.そもそもフィールドセールスとは?未経験者が知るべき仕事の基本
    1. 1.1.フィールドセールスの主な仕事内容と役割(商談〜クロージング)
    2. 1.2.インサイドセールスとの違いと連携の重要性
      1. 1.2.1.インサイドセールスとは?「チャンスを作る」司令塔
      2. 1.2.2.フィールドセールスとは?「ゴールを決める」クローザー
      3. 1.2.3.連携が「成約率」を左右する
  2. 2.結論:未経験からフィールドセールスへの転職は十分に可能!
    1. 2.1.なぜ企業は未経験者を採用するのか?
      1. 2.1.1.理由1:スキル以上に「ポテンシャル」や「人柄」を重視しているから
      2. 2.1.2.理由2:「インサイドセールス」からの育成モデルを採用しているから
    2. 2.2.実際に未経験から転職した人の事例を紹介
      1. 2.2.1.転職のきっかけ
      2. 2.2.2.アピールしたスキルと経験
      3. 2.2.3.成功のポイント
  3. 3.【最重要】未経験者に求められるポータブルスキル3選
    1. 3.1.1. 課題発見・ヒアリング能力
    2. 3.2.2. 関係構築力(対人コミュニケーション能力)
    3. 3.3.3. 学習意欲と自己管理能力
      1. 3.3.1.学習意欲
      2. 3.3.2.自己管理能力
  4. 4.転職で有利になる!フィールドセールスに活かせる経験とは?
    1. 4.1.インサイドセールスの経験
    2. 4.2.異業種の営業経験(法人・個人問わず)
    3. 4.3.販売・接客業の経験
  5. 5.未経験からの転職を成功させるための具体的な4ステップ
    1. 5.1.Step 1: 自己分析で強みと経験を棚卸しする
    2. 5.2.Step 2: 応募書類でポータブルスキルをアピールする
    3. 5.3.Step 3: 面接対策|「なぜフィールドセールスか」を明確に語る
    4. 5.4.Step 4: 転職エージェントを有効活用する
  6. 6.未経験者が知っておくべきフィールドセールスの厳しさとやりがい
    1. 6.1.厳しさ:数字へのプレッシャーと継続的な学習
    2. 6.2.やりがい:顧客からの直接の感謝と大きな達成感
  7. 7.まとめ


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そもそもフィールドセールスとは?未経験者が知るべき仕事の基本

フィールドセールスのビジネスパーソン

フィールドセールスは、企業の売上を最終的に決定づける「クロージング(契約締結)」を担う、営業プロセスのアンカー役です。

その最大の特徴は、インサイドセールスなどが獲得した商談機会を引き継ぎ、対面またはオンラインで本格的な商談を行う点にあります。顧客の課題を深く掘り下げて提案するため、契約の最終判断を担うことが多い重要な職種です。

しかし、フィールドセールスが未経験の人にとって、仕事内容を完璧に想像するのは難しいでしょう。そこで、本章では、未経験者が知っておくべき基本情報を詳しく解説します。

仕事内容の理解は、志望動機や自己PRの作成に役立ちます。また、他職種と比較する際にも重要です。本章を読み、フィールドセールスの理解を深めてください。

フィールドセールスの詳しい仕事内容はこちらから「フィールドセールスとは? “THE MODEL型” 営業組織の役割分担や必要なスキルを解説!


フィールドセールスの主な仕事内容と役割(商談〜クロージング)

フィールドセールスの主な役割は、インサイドセールスなどから引き継いだ商談機会を、具体的な契約へと結びつける「クロージング」までの全工程を担うことです。

未経験の方にも分かりやすいよう、商談の流れに沿って説明します。

1. 課題のヒアリング
まず、顧客が抱えている課題やニーズを、対話を通じて深く、そして正確に理解することから始まります。インサイドセールスから共有された情報をもとに、さらに踏み込んだ質問を投げかけ、提案の的を絞っていきます。

2. 価値提案・デモンストレーション
次に、ヒアリングで明確になった課題に対し、自社の製品やサービスが「なぜ、どのように役立つのか」を具体的に提案します。製品のデモンストレーションなどを交えながら、顧客が導入後の成功イメージを描けるように導きます。

3. 懸念解消・条件交渉
提案の過程で顧客が抱くであろう疑問点や不安(価格、導入後のサポート体制など)を一つひとつ丁寧に解消し、導入へのハードルを下げていきます。

4. クロージング
最終的に、顧客に「この製品が必要だ」と確信してもらい、契約へと導く(クロージングする)のが、フィールドセールスの最大のミッションです。

このように、顧客の課題に寄り添い、信頼関係を築きながら最終的な意思決定を後押しする、非常にダイナミックでやりがいのある仕事です。


インサイドセールスとの違いと連携の重要性

フィールドセールスとインサイドセールスの違い

未経験からフィールドセールスを目指すなら、その最も重要なパートナーである「インサイドセールス」との違いを正しく理解しておくことが不可欠です。

現代の営業組織は、よくリレーに例えられます。それぞれの走者が自分の役割を全うして、スムーズにバトンを繋ぐことで、初めてチームとしてゴールできるのです。


インサイドセールスとは?「チャンスを作る」司令塔

インサイドセールスは、電話やメールなどを使い、オフィスの中から顧客にアプローチします。マーケティング部門などが集めた多くの見込み顧客の中から、成約の可能性が高い「ホットな顧客」を見つけ出し、関係を構築するのが主なミッションです。

顧客の課題をヒアリングして商談機会を創出し、フィールドセールスへとバトンを渡す「司令塔」や「チャンスメーカー」のような役割です。


フィールドセールスとは?「ゴールを決める」クローザー

フィールドセールスは、インサイドセールスが創出した商談機会を引き継ぎます。プロダクトに興味関心を持っている顧客に対し、対面やオンラインで本格的な提案を行い、契約を締結する(クロージングする)のが最大のミッションです。

リレーの最終走者として、ゴールテープを切る「クローザー」や「エースストライカー」と言えるでしょう。

項目

インサイドセールス
フィールドセールス

ミッション

  • 商談機会の創出
  • 見込み顧客の育成

商談のクロージング
(契約締結)

主な手法

  • 電話
  • メール
  • Web会議ツール
  • 対面
  • Web会議ツール

KPIの例

  • 有効商談化数
  • アポイント獲得数
  • 受注数
  • 受注額
  • 受注率


連携が「成約率」を左右する

この二つの職種のスムーズな連携は、組織の売上を左右する生命線です。インサイドセールスから渡される情報の質(顧客が抱える真の課題、キーパーソンの情報など)が高ければ高いほど、フィールドセールスの受注率は劇的に向上します。

お互いの役割を深く理解し、尊重し合うことが、フィールドセールスとして成功するための第一歩です。

インサイドセールスについて詳しく知りたい人は「インサイドセールスに向いている人の特徴とは?インサイドセールスへのキャリアチェンジを考える方必見!」をご覧ください。


結論:未経験からフィールドセールスへの転職は十分に可能!

未経験から挑戦するビジネスパーソン

フィールドセールスへの転職は、未経験からでも可能です。

「フィールドセールスは顧客と商談するポジションだから未経験には無理」と考える人がいるかもしれません。確かにフィールドセールスは、売上につながる重要な職種です。しかし、前職の経験やあなたの強みを活かすことで、転職のチャンスはあります

以降の章で、転職が可能な理由について詳しく解説します。未経験だがフィールドセールスに挑戦したい人は目を通しておきましょう。


なぜ企業は未経験者を採用するのか?

フィールドセールスには専門スキルが求められるにも関わらず、なぜ企業は未経験者を採用することがあるのでしょうか。それには、主に2つの理由があります。


理由1:スキル以上に「ポテンシャル」や「人柄」を重視しているから

多くの企業は、「営業スキルは、入社後の研修やOJTで教えることができる」と考えています。特に、自社独自の営業ノウハウが確立されている企業ほど、その傾向は強いです。

スキルは後からでも身につきますが、その人の根幹となる素直さ、学習意欲、誠実さといった「人柄」を変えるのは容易ではありません。そのため、現時点でのスキルよりも、将来大きく成長してくれる可能性(ポテンシャル)や、自社の文化に合う価値観を持っているかを重視する企業は少なくないのです。


理由2:「インサイドセールス」からの育成モデルを採用しているから

近年、特にIT・SaaS業界で増えているのが、研修の一環として、まずインサイドセールスからキャリアをスタートさせる採用パターンです。

いきなり難易度の高いフィールドセールスを任せるのではなく、まずはインサイドセールスとして、顧客との基本的なコミュニケーション、製品知識、課題のヒアリング能力などをじっくりと身につけてもらう。この育成モデルは、未経験者が着実に成長するための、非常に合理的な仕組みです。

もちろん、これは決して楽な道ではありません。しかし、こうした育成体制を持つ企業に応募することは、未経験からフィールドセールスを目指す上で、極めて有効な戦略と言えるでしょう。応募する際には、その企業がどのような育成方針を持っているのかを、事前に確認することが重要です。


実際に未経験から転職した人の事例を紹介


前職

現職

職種

高級オーダースーツの販売・店長

SaaS企業のフィールドセールス

年収

420万円

400万円


転職のきっかけ

前職では、富裕層向けに高額なオーダースーツを販売。店長として店舗の売上目標を達成し続けていました。しかし、個人顧客への提案に面白さを感じつつも、より専門性を高め、長期的なキャリアアップを考えた際に、BtoB(法人向け)営業の世界に挑戦したいという思いが強くなりました。

今回の転職では、目先の年収ダウンよりも、成長市場で営業としてキャリアを再構築することを優先し、未経験からの挑戦を決意しました。


アピールしたスキルと経験

Aさんは、未経験であることを率直に認めた上で、自身の経験を以下のように「ポータブルスキル」としてアピールしました。

  • 課題ヒアリング能力: 「お客様一人ひとりのライフスタイルや価値観までを深くヒアリングし、数ヶ月待ちの高額なオーダースーツを提案・販売してきた経験」を、「顧客の潜在的な課題を特定するヒアリング力」としてアピール。
  • 目標達成へのこだわり: 「店舗の売上目標に対し、客層や時期に合わせたキャンペーンを自ら企画・実行し、達成してきたプロセス」を、「目標達成へのコミットメントと、逆算して行動する計画性」としてアピール。
  • メンバー育成経験: 「アルバイトスタッフの個性に合わせて指導方法を変え、店舗全体の接客レベルを向上させた経験」を、「チームで成果を出すことへの貢献意欲」としてアピール。


成功のポイント

Aさんの転職が成功した最大のポイントは、「なぜ、フィールドセールスなのか」に対する答えが明確だった点です。

  • キャリアアップへの強い意欲
  • 提案の幅を個人(BtoC)から法人(BtoB)へ広げたいという目的意識

この2点を、「一時的に年収が下がってでも、成し遂げたい」という覚悟と共に語ったことで、その高いポテンシャルと本気度が採用担当者に伝わりました。

現在は、インサイドセールスで製品知識と基本的な営業スキルを学んだ後、フィールドセールスとして活躍。前職で培った顧客の懐に入る力を武器に、早くも頭角を現しています。


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【最重要】未経験者に求められるポータブルスキル3選

フィールドセールスに必要なスキル

未経験者の採用では、専門知識よりも、「どの業界・職種でも通用するポータブルスキル」が重視されます。これは、フィールドセールスとしてゼロから成長していくための「土台」となる能力だからです。

ここでは、特に重要な3つのスキルと、そのアピール方法を解説します。


1. 課題発見・ヒアリング能力

フィールドセールスにおけるヒアリングとは、単に顧客の話を聞くことではありません。対話を通じて、顧客自身も気づいていない「潜在ニーズ(まだ言葉になっていない、本質的な課題)」を掘り起こす、極めて戦略的なスキルです。

顧客が口にする「〇〇に困っている(=顕在ニーズ)」という言葉の裏側にある、「なぜ、そうなっているのか」という根本原因(=潜在ニーズ)を突き止め、そこに対する解決策を提示して初めて、顧客は「この人は、私たちのことを本当に理解してくれている」と心を開いてくれます。

【ヒアリングの具体例】

顧客:
「最近、営業チームの残業が増えて困っています。」(顕在ニーズ)

一般的なヒアリング:
「そうですか。では、残業時間を削減できる弊社のツールはいかがでしょうか?」

優れたヒアリング(潜在ニーズを探る):
「残業が増えているのですね。差し支えなければ、『なぜ』残業が増えているのか、もう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。例えば、報告書の作成に時間がかかっているのでしょうか?」

この能力を高めるには、日頃から「Why?(なぜ?)」を繰り返す癖をつけることが有効です。顧客の発言を表面的に受け取るのではなく、常にその背景にある根本原因を探る意識を持つことで、提案の質は劇的に向上します。


2. 関係構築力(対人コミュニケーション能力)

フィールドセールスにおける関係構築力とは、単に顧客と仲良くなることではありません。「この人は、私たちのビジネスのことを真剣に考えてくれる」という、ビジネスパートナーとしての「信頼(Trust)」を勝ち取る能力を指します。

特に、高額で、導入にリスクを伴う商材であればあるほど、顧客は製品のスペックだけでなく、「この人からなら安心して買える」という信頼感を重視します。あなたの提案に説得力を持たせる土台、それが関係構築力です。

信頼を勝ち取るための具体的なアクション

  • 徹底した事前準備と、相手への敬意を示す
    商談の前に、顧客の業界、事業内容、最近のニュースなどを徹底的に調べる。「あなたの会社について、これだけ真剣に勉強してきました」という姿勢そのものが、信頼関係の第一歩です。
  • Giveの精神で、有益な情報を提供する
    すぐに製品を売り込むのではなく、まずは顧客にとって有益な情報(業界の最新トレンド、他社の成功事例など)を提供しましょう。「この人と話すと、何か得られる」思ってもらうことが重要です。
  • どんな小さな約束でも、必ず守る
    「〇日までに資料をお送りします」といった、どんなに些細な約束でも、必ず、そして迅速に守る。この誠実な行動の積み重ねが、揺るぎない信頼の礎となります。


3. 学習意欲と自己管理能力

未経験からの挑戦において、企業があなたの「将来性(ポテンシャル)」を判断する上で、特に重要視するのがこの2つの能力です。


学習意欲

【なぜ重要?】
未経験である以上、入社後は製品知識、業界動向、営業手法など、膨大な情報を短期間で吸収する必要があります。あなたの学習意欲の高さは、成長スピードに直結するため、企業にとっては極めて重要な採用基準となります。

【アピール方法の例】
「意欲があります」と口で言うだけでなく、すでに行動している事実で示しましょう。

  • 応募先企業の製品やサービスについて、誰よりも詳しく調べて面接に臨む。
  • 業界の最新ニュースや専門用語を、自分なりに調べて理解しておく。
  • 営業手法に関する書籍を読み、自分なりの仮説を持って面接で語る。

こうした主体的な行動は、あなたの高い学習意欲と本気度を何よりも雄弁に物語ります。


自己管理能力

【なぜ重要?】
フィールドセールスは個人の裁量で活動する場面が多く、上司が常に隣で指示を出してくれるわけではありません。自身の目標達成に向けて、日々の行動を計画し、モチベーションを維持し、自らを律する自己管理能力は、継続的に成果を出すための必須スキルです。

【アピール方法の例】
これまでの経験から、目標達成のために自律的に行動したエピソードを伝えましょう。
「資格取得という目標に対し、月次・週次の学習計画を立て、実行した経験」
「複数のタスクの優先順位を自分で判断し、計画的に完遂してきた経験」

これらの経験は、あなたがフィールドセールスとしても自走できる人材であることの力強い証明になります。


転職で有利になる!フィールドセールスに活かせる経験とは?

フィールドセールスに挑戦する人

未経験からフィールドセールスを目指す際、「アピールできる経験がない」と不安に思う必要は全くありません。大切なのは、あなたの経験の中に眠る「ポータブルスキル」を見つけ出し、フィールドセールスの仕事でどう活かせるかを、採用担当者に伝わる言葉で「翻訳」してあげることです。

ここでは、代表的な3つの経験別に、アピールの勘所を解説します。


インサイドセールスの経験

インサイドセールスからフィールドセールスへのキャリアチェンジは、最も親和性が高いルートです。あなたは、企業にとって「最も採用したい未経験者」と言えるでしょう。

【なぜ有利か?】
たとえ扱う商材や企業が変わったとしても、以下の2つの強力なポータブルスキルが備わっています。

1. THE MODEL」型組織への深い理解
    SaaS業界などで主流の営業プロセスモデル「THE MODEL」における、各部門の役割と連携をすでに理解しています。あなたは、単なる「営業未経験者」ではなく、「営業プロセスを熟知した、ポテンシャルの高い候補者」として評価されます。

2.  課題の特定とニーズの顕在化スキル
    インサイドセールスの業務を通じて、顧客の課題を特定し、潜在的なニーズを顕在化させるヒアリング能力が、すでに高いレベルで身についています。これは、フィールドセールスが商談を組み立てる上での、最も重要な土台となるスキルです。

【アピールすべき点】

  • ただアポイントを取るだけでなく、顧客の課題をどこまで深くヒアリングし、どのような情報をフィールドセールスに連携してきたか。
  • 自身の行動が、チームの商談化率や受注率の向上に、どのように貢献したか。

といった点を具体的に語ることで、「すでにフィールドセールスとして活躍するための土台が、完全に出来上がっている人材だ」と評価されます。


異業種の営業経験(法人・個人問わず)

異業種での営業経験も、もちろん強力な武器になります。環境が変わっても安定して成果を出せることを証明するために、普遍的な営業の「型」を持っていることをアピールしましょう。

【アピールすべき点】

  • 目標達成への執着心: 高い目標に対して、どのような戦略を立て、粘り強く行動し、達成してきたか。
  • 課題解決プロセス:顧客の課題に対し、どのような仮説を立て、どう検証し、どんな解決策を提示してきたか。
  • 自己管理能力: 多数の案件を抱える中で、どのように優先順位をつけ、自身の行動を管理してきたか。

「前職では〇〇を売っていました」という事実だけでなく、その背景にあるあなた独自の成功法則を語ることで、即戦力としての期待値を高めることができます。


販売・接客業の経験

販売・接客業で培ったお客様との対話経験は、フィールドセールスの土台となりうる貴重なスキルです。しかし、個人顧客(BtoC)と法人顧客(B2B)では、求められる視点やアプローチが異なるため、転職のハードルはやや高いです。

このギャップを乗り越え、採用担当者に「この人なら、B2Bでも活躍できる」と確信させるためには、経験の「翻訳」が不可欠です。

【アピールすべき点】
NGなのは、「月間の最高売上は2,000万円です」といった、比較対象のない数字だけを伝えることです。採用担当者は、その数字がどれだけ凄いことなのか判断できません。

重要なのは、高額な商品を販売するために、どのような工夫をしたかというプロセスです。

  • 信頼関係の構築: お客様のどのような言葉に耳を傾け、どのような気遣いをすることで、心を開いてもらったか。
  • 潜在ニーズの引き出し: お客様自身も気づいていないニーズを、どのような会話や質問で引き出したか。
  • 価値の訴求:価格以上の価値を感じてもらうために、商品の背景にあるストーリーなどをどう伝えたか。

BtoCとBtoBの違いを正しく理解した上で、自身の経験をこのように普遍的なスキルへと昇華させて語ることができれば、販売・接客業の経験は、フィールドセールスへの転職において武器となり得ます。


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未経験からの転職を成功させるための具体的な4ステップ

転職活動のステップ

未経験からフィールドセールスへの転職を成功させるためには、以下の4ステップを順番に取り組んでください。

転職は必要な対策が明らかになっています。適切なステップを踏むことで、効率よく準備することが可能です。「転職したいが、何から始めればいいのかわからない」と感じている人は、本章で解説する通りに実践してください。


Step 1: 自己分析で強みと経験を棚卸しする

未経験からの転職を成功させる最初のステップは、自己分析を通じて「転職の軸」を明確にすることです。この軸が曖昧なままだと、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔するリスクが高まります。

自己分析にあたっては、以下の「Will-Can-Must」という3つの輪で考えると、考えが整理しやすくなります。

Will(やりたいこと・ありたい姿
「自分がどうありたいか」を考える、自己分析の核となる部分です。

  • どんな仕事にやりがいを感じるか?
  • 将来、どんなキャリアを築いていきたいか?
  • 仕事を通じて、どんな自分になりたいか?

Can(できること・活かせる経験)
「どのようなスキルを得てきたのか」を客観的に棚卸しするステップです。

  • これまでの経験で、どんなスキル(ポータブルスキル)が身についたか?
  • 具体的なエピソードで証明できる実績は何か?
  • 周りの人から「得意だね」と言われることは何か?

Must(譲れない条件)
転職する上で、どうしても譲れない条件を具体的にします。

  • 希望する年収・勤務地・働き方(残業時間、リモートワークなど)は?
  • どのような企業文化や価値観を持つ環境で働きたいか?

これら3つの輪が重なる領域こそが、あなたの「転職の軸」となります。まずは時間をかけて、この3つの視点からご自身の経験と価値観を丁寧に掘り下げてみましょう。


Step 2: 応募書類でポータブルスキルをアピールする

自己分析で明らかになったあなたの強みを、次に応募書類(特に職務経歴書)の上で言語化していきましょう。未経験者にとって、職務経歴書は過去の実績を並べるリストではなく、自身のポテンシャルを証明するための「提案書」です。

ここで最も重要なのが、ご指摘の通り、単なる成果だけでなく、そこに至るまでのプロセス(行動や工夫)を具体的に記述することです。

なぜなら、採用担当者が知りたいのは、「環境が変わっても、同じように考えて成果を出せる人材か」というスキルの再現性だからです。

あなたのスキルの再現性を効果的に証明するために、実績は以下のフレームワークで記述することをお勧めします。

【課題 → 行動・工夫 → 結果】


【NG例:結果しか書いていない】

お客様対応満足度、部署内1位を獲得。

これでは、なぜ1位になれたのか、その背景にあるあなたのスキルが全く伝わりません。


【OK例:プロセスが具体的に書かれている】

【課題】 お客様からいただく問い合わせの中に、同様の質問が繰り返し発生し、対応工数の増大を招いていた。
 【行動・工夫】 問い合わせ内容を全てデータ化・分析し、特に多い質問トップ5を特定。その回答を分かりやすくまとめたFAQページを自ら企画・作成し、Webサイトへの掲載を実行した。
【結果】 FAQページ公開後、同様の問い合わせ件数が前月比で40%減少し、チーム全体の業務効率化に貢献した。

このように具体的なプロセスを記述することで、たとえ営業経験がなくても、あなたの「課題発見能力」や「主体性」といったポータブルスキルに説得力が生まれ、採用担当者はあなたが入社後に活躍する姿を、明確にイメージできるようになります。


Step 3: 面接対策|「なぜフィールドセールスか」を明確に語る

応募書類を通過した後の最終関門、面接。ここで、未経験者が最も深く問われるのが「なぜ、未経験からフィールドセールスに挑戦したいのですか?」という質問です。

この質問に説得力を持って答えるためには、あなたの過去・現在・未来を繋ぐ、一貫したストーリーで語る準備が不可欠です。

回答を構成する3つの要素

1.  過去(きっかけ):なぜ興味を持ったのか?
あなたの原体験を語ります。前職のどのような経験を通じて、フィールドセールスという仕事に興味を持ったのか、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。「インサイドセールスとして顧客の課題の入り口に触れる中で、『この課題の解決までを、最後まで自分が責任を持って担当したい』と強く思うようになった」など、あなた自身の言葉で語ることが重要です。

2.  現在(魅力):フィールドセールスの何に魅力を感じるか?
数ある職種の中で、なぜフィールドセールスなのか、その仕事のどこに魅力を感じているのかを伝えます。「顧客の最終的な意思決定に立ち会い、契約という形で直接企業の売上に貢献できる点に、大きなやりがいを感じる」など、仕事の本質的な部分への理解を示しましょう。

3.  未来(貢献):どう貢献し、成長したいか?
フィールドセールスとして、あなたがどのように企業に貢献できるのか、そしてどう成長していきたいのかを語ります。「前職で培った〇〇のスキルを活かし、将来的には△△の分野でトップセールスを目指したい」など、入社後の活躍イメージとキャリアプランを具体的に示すことで、あなたの本気度が伝わります。

この3つの要素を一本の線で繋げて語ることで、「なんとなく」ではない、あなただけの、熱意あるストーリーが完成します。もし言葉に詰まるようであれば、もう一度Step1の自己分析に戻り、考えを深めてみましょう。


Step 4: 転職エージェントを有効活用する

未経験からの転職活動は、いわば「地図のない航海」のようなもの。どの方向に進めば良いのか、自分の現在地はどこなのか、不安になることも多いでしょう。

そんな時に、あなたの航海を成功に導く「羅針盤」や「航海士」となってくれるのが、転職エージェントです。

未経験者にこそ、エージェント活用が不可欠な理由

  • キャリアプランの壁打ち相手になる
    「本当に自分はフィールドセールスに向いているのか?」という自己分析の段階から、プロの視点で客観的なアドバイスを提供し、あなたキャリア軸固めをサポートします。
  • 「ポテンシャル」を証明する応募書類へと昇華させる
    あなた一人では気づけないポータブルスキルを一緒に発掘し、「なるほど、この経験はこうアピールできるのか」という発見と共に、採用担当者に響く職務経歴書の作成をお手伝いします。
  • 未経験者歓迎の「非公開求人」と出会える
    企業によっては、「ポテンシャルの高い未経験者を採用したいが、応募の殺到は避けたい」と考え、採用のプロであるエージェントにだけ求人を託すケースがあります。こうした求人は、あなたの挑戦を後押ししてくれる、またとないチャンスです。
  • 企業ごとの面接対策と、条件交渉の代行
    「未経験者には、どんな質問が来るのか」「どんな点を評価するのか」といった、企業ごとの選考のポイントを熟知しています。また、言い出しにくい年収などの条件交渉も、あなたに代わって行います。

転職エージェントの利用は、求職者にとっては無料です。あなたのキャリアの可能性を広げるための、最も確実で、リスクのない自己投資と言えるでしょう。一人で悩み続ける前に、まずは一度、プロの視点からアドバイスを受けてみませんか。

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未経験者が知っておくべきフィールドセールスの厳しさとやりがい

フィールドセールスのやりがいと大変なこと

フィールドセールスという仕事には、プロフェッショナルとしての厳しい側面と、それを乗り越えた者だけが味わえる大きなやりがいがあります。どちらか一方だけでなく、両方を正しく理解することが、後悔のないキャリア選択の第一歩です。


厳しさ:数字へのプレッシャーと継続的な学習

フィールドセールスの仕事は、その成果が「受注額」や「目標達成率」といった明確な数字として現れます。自身の貢献度が可視化される分かりやすさがある一方、目標達成に対する責任を常に求められる、厳しい世界でもあります

また、顧客の信頼できるパートナーであるためには、自社製品や業界動向、顧客のビジネスについて、常に知識をアップデートし続ける継続的な学習姿勢が不可欠です。市場の変化に取り残されれば、顧客の課題を解決することはできません。


やりがい:顧客からの直接の感謝と大きな達成感

厳しい環境だからこそ、得られるやりがいは格別です。

一つは、顧客のビジネスに深く貢献できる喜びです。自身の提案によって、「ツールを導入したことで、業務効率が上がったよ」といった感謝の言葉を顧客から直接いただけた時の達成感は、何物にも代えがたいものがあります。

もう一つは、自身の市場価値が飛躍的に向上することです。数字への責任と、継続的な学習を乗り越える過程で、あなたは高度な課題解決能力や交渉力を自然と身につけることができます。この経験は、あなたをどこへ行っても通用する、価値の高いビジネスパーソンへと成長させてくれるでしょう。


まとめ

この記事では、未経験からフィールドセールスという挑戦的なキャリアを成功させるための、具体的なロードマップを解説しました。

大切なのは、あなたがこれまでの経験で培ってきたポータブルスキルを、自信を持って「翻訳」し、アピールすることです。インサイドセールス、異業種の営業、販売・接客業——。どんな経験の中にも、フィールドセールスで輝く原石は必ず眠っています。

もちろん、決して楽な道ではありません。しかし、この記事で解説した「厳しさ」を乗り越える覚悟と、その先にある「やりがい」への強い思いがあれば、あなたの挑戦はきっと成功するはずです。

「未経験」は、不利なことではありません。それは、新しい知識を素直に吸収し、大きく成長できる最大の「ポテンシャル」です。

あなたのそのポテンシャルを、私たちが最大限に引き出します。キャリアの新たな一歩を、まずは相談することから始めてみませんか。

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監修/武 拓矢
監修/武 拓矢
関西大学文学部総合人文学科 卒業。 大学卒業後、商社にて法人営業を経験し、大手人材紹介会社へ転職。 RA/CA業務、マネジメント、新規事業立上げを経験し、株式会社セレブリックスへ転職。 営業特化の転職エージェント「SQiL Career Agent」の事業立上げにマネージャーとして入社。

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