SES営業特化のキャリアパス完全ガイド|転職先別の志望動機例文と職務経歴書テンプレート付き
本記事は、SES営業からの転職を検討している方々を対象にしています。職務経歴書は、応募者の経験やスキルを効果的にアピールするための重要な書類です。 この記事では、職務経歴書の各セクションの作成方法とポイントを詳しく解説しています。SES営業からよくあるキャリアパスや、各キャリアパスごとにアピールすべきポイントをご紹介しているため、職務経歴書作成の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.SES営業向け職務経歴書の作成ガイド
- 1.1.職務要約
- 1.2.職務経歴
- 1.2.1.【定量的な実績】
- 1.2.2.【マネジメント経験の記載】
- 1.2.3.【アピールポイント】
- 1.3.活かせる経験・資格・知識・技術
- 1.4.自己PR
- 2.SES営業のよくあるキャリアパス
- 2.1.インサイドセールス
- 2.2.フィールドセールス
- 2.3.【 マネジメント職への昇進】
- 2.4.ITコンサルタント
- 2.5.IT特化(エンジニア)のRA/CA
- 2.6.エンジニア人事や採用担当
SES営業向け職務経歴書の作成ガイド
職務要約
【職務要約】は、採用担当者が最初に目にする重要なセクションです。ここでは、あなたがどのような業務を経験し、どのような実績を上げてきたのかを端的かつ明確に示しましょう。
- 定量的な実績を強調: 数字を用いて具体的な成果を示します。例えば、「新規契約数・売上ともに目標に対して達成率100%を維持」や、チームリーダーとして「異動前の売上を約●●倍へ増加させた」といった具体的な数値を記載しましょう 。
職務経歴
【職務経歴】セクションでは、これまでの職務内容や実績を詳細に記載します。マネジメント経験がある場合は、業務内容・成果を切り分けて記載するようにしましょう。
- 定量的な業務量: 業務の規模感を示すため、具体的な行動量を記載します。例えば、「新規企業開拓営業としてテレアポ架電数 15件/日」といった数値が指標となります 。
- 取引実績: SES営業では成約単価を示すことが難しい場合が多いため、代わりに「取引顧客数:25社」のように取引規模を示すとよいでしょう 。
- 業界の親和性: どのような業界の企業(例:「エネルギー会社、医療機器メーカー」)に人的リソースの支援をしていたのかを記載することで、経験の幅と専門性を示すことができます 。
【定量的な実績】
- 順位や売上規模を記載する: 達成率に加え、具体的な売上金額や社内での順位(例:「売上全社4位/40名中(達成率130%/8,800万円)」)を記載すると、実績の客観性が増し、高く評価されやすくなります 。
【マネジメント経験の記載】
- 業務の切り離し: チームリーダーなどの経験がある場合は、自身の業務とは切り離して記載しましょう。「メンバーの育成」や「営業戦略・戦術の策定」といった役割を明確にすることが重要です 。
【アピールポイント】
- 施策内容の記載: 実績に至った背景を、課題・施策・結果のセットで具体的に記述します。「エンジニアの条件改善のため商流の浅い案件へ注力した結果、新規受注件数が前年比150%UPした」、「クライアントとの接点を週次へ増やし、稼働人数を3名から8名まで増加させた」など、課題解決能力をアピールしましょう 。
活かせる経験・資格・知識・技術
このセクションでは、応募先企業で活かせる経験や資格、知識、技術を具体的に記載します。これにより、採用担当者にあなたの能力を効果的にアピールすることができます。
- 関連性のあるスキルを記載: 志望先企業が求めるスキルに関連する経験や資格を優先しましょう。SES営業はIT知識が求められるため、「ITパスポート」などの資格は有効なアピール材料になります 。
自己PR
自己PRは、あなたの強みや仕事に対する姿勢をアピールする重要なセクションです。ここでは、具体的な業務の実績や経験を基に、自分自身を効果的に表現することが求められます。
- 仕事に対するこだわりや強み: 自分の仕事に対する姿勢や価値観を述べ、人柄を伝えます。例えば、「売り込みではなく、顧客にとってのメリットを常に考える『顧客志向の営業スタイル』を心掛けている」といった内容が考えられます 。
- アピールできる経験: こだわりを証明する具体的なエピソードを交え、問題解決能力を示します。例えば、「顧客が抱える問題やニーズをヒアリングし、自社がいかに人的リソース支援で価値を発揮できるかを提案している。そのために上司や同僚と積極的にロープレを行い、常に提案をブラッシュアップしている」といった経験は、あなたの成長意欲や顧客と向き合う真摯な姿勢を示すのに効果的です
SES営業のよくあるキャリアパス
IT関連の開発・運営を行っている企業やクライアントに対して優秀なエンジニアを提案・提供し、そのエンジニアの労働力に対して対価を得るSES営業。SES営業の経験を活かして、営業職以外にも多様なキャリアパスを描くことができます。今回は以下の職種に関する、アピールポイントをご紹介します。
【 営業職としてのキャリアパス】
【 他職種へのキャリアチェンジ】
インサイドセールス
まずご紹介するのは、インサイドセールスです。インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、電話やメール、Web会議ツールなどを活用しながら非対面で行う営業職を指します。
インサイドセールスを希望する場合は、SES営業の業務の中でも以下の部分をアピールすると、再現性が高いと評価されるでしょう。
- 新規開拓営業における定量・定性面実績
- 具体的な定量:1日の架電数、アポ率、商談化率
- 具体的な定性:アポ取り時のヒアリング手法や、顧客への提案方法
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- SES営業のプロセスを定量で捉え、KPIの数値や歩留まりを観測。そのデータを基に日々の活動を改善したエピソード
- 案件数や単価を考慮した売上最大化の取り組み
【例文】
私はSES営業において新規顧客開拓を担当し、1日30件の架電を実施しながら、コールアポ率を1%から3%に改善することに成功しました。 |
☞インサイドセールスの仕事内容についてはこちら
インサイドセールスとは? 特徴や必要なスキル、どんな人が向いているのかを解説!
フィールドセールス
フィールドセールスとは、顧客に直接訪問、もしくはオンラインで商品やサービスの提案を行い、受注を創出する営業職を指します。SES営業で企業に対し商談を行っていた経験は、フィールドセールスにおいても十分に活かすことが可能です。フィールドセールスを希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- SES営業のプロセスを定量で捉え、KPIの数値や歩留まりを観測。そのデータを基に日々の活動を改善したエピソード
- ヒアリング力
- 顧客が語る表面的な悩み・課題に囚われず、どのように真の悩み・課題を引き出していたか
- 案件管理力
- SFAなどのツールを用いて既存/新規顧客の管理をどのように行っていたのか
- その他売上の最大化を図ったエピソード
- 継続受注率をいかに高く維持してきたか
【例文】
私はSES営業として、企業の課題解決に向けた支援を行い、目標達成率105%を達成しました。 企業との商談では、プロジェクトの概要や進捗状況を詳しく擦り合わせることで、単なる人的リソース支援に留まらず、プロジェクトを成功に導くパートナーとしての役割を果たしました。 また、既存顧客に対しては、受注後のフォローが不足し他社にリプレイスされる事例が散見されていたため、週次で電話やWebMTGを実施。定期的にフォローや新たな要件の確認を行いました。この取り組みにより、既存顧客からの案件成約率を20%から30%へ向上させ、稼働スタッフの増員にもつなげることができました。 さらに、月間目標売上7,000千円に対し、当初は達成率が80%にとどまっていましたが、企業のニーズを当事者以上に深く理解し、理想を共に定義するプロセスを徹底。その結果、最適な提案を行えるようになり、最終的には目標を105%達成することができました。 |
☞フィールドセールスの仕事内容についてはこちら
フィールドセールスとは?業務内容やインサイドセールスとの違い、キャリアパスを解説!
【 マネジメント職への昇進】
続いて挙げられるのは、SES営業での経験を活かしてマネジメント職に上がる縦方向へのキャリア構築。マネジメント職になると、通常の業務に加え、教育やチームマネジメントなど、担う業務の幅が広がります。さらに専門性を高めれば、部門の立ち上げ担当としてキャリアアップする道も開かれます。マネジメント職を希望している場合は、現在の業務の中でも以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 定量・定性面実績
- 具体的な定量:1日の商談数、成約率、売上金額
- 具体的な定性:自身の営業活動を言語化する習慣・自身のKPIをどのように管理し、かつ改善をしてきたか
- 目標達成に向けての業務改善プロセス
- 顧客が属する市場動向の把握や顧客ごとのトレンドを捉え、それら情報をヒアリングや自社サービスの提案とどのように結びつけるかを考えてきた経験
- チーム内でリーダーシップを発揮した経験
- チームメンバーの指導、育成、業務マニュアルの作成、モチベーション管理
- データ分析能力
- SFA/CRMを活用した営業データを分析、戦略的な意思決定を行った経験
【例文】
私はチームリーダーとして、組織の営業力の底上げとプロセス管理に注力し、成約率を17%から25%に改善しました。 その結果、チーム全体の受注率を17%から25%へ向上させることに成功しました。さらに、業務効率向上を目的として、業務マニュアルやトークスクリプトを作成し、メンバー全体の成果向上に貢献しました。これらの経験を通じ、チーム全体の目標達成を支えるリーダーシップを発揮し、マネジメントスキルを磨いてきました。 |
ITコンサルタント
ITコンサルタントを希望している場合は、SES営業の業務の中でも以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 定量/定性目標と実績
- 定量
- 求職者:成約金額、稼働人数
- 企業開拓:アポ数、商談数
- 定性
- 求職者:案件成約率、離職率
- 企業開拓:アポ率
- 定量
- 目標達成に向けて業務改善プロセス
- 各プロセスで生じる問題をいかに解消してきたか
- プロジェクト管理能力
- 複数の顧客や案件を同時に管理した経験
- ITおよびデジタルマーケティングの知識
- ITツールや技術に関する知識を積極的に学び、業務に活用してきた意欲と実績。
【例文】
私は顧客とのコミュニケーションを通じてニーズを正確に把握し、最適なエンジニアを提案することに注力しました。 当初、顧客の要望する採用要件と私の提案の間にミスマッチが生じ、成約率が約20%に留まっていました。この状況を改善するため、顧客とのヒアリングを徹底し、求められるスキルセットやプロジェクトの背景について深く理解することに努めました。 その結果、顧客に対する提案の精度が向上し、ミスマッチのないソリューションを提示できるようになりました。契約率は約40%に向上し、顧客満足度も大幅に改善。特に、エンジニアのスキルとプロジェクトの要件が適切にマッチしたことで、顧客からの信頼を得ることができ、リピート案件の増加にもつながりました。 |
IT特化(エンジニア)のRA/CA
次にご紹介するのは、SES営業で培った知識や経験を活かし、IT特化型のRA(リクルーティングアドバイザー)やCA(キャリアアドバイザー)を目指す場合です。人材紹介業は業界別、職種別、属性別など多様な領域に特化したサービスがありますが、特にエンジニアに対する深い理解(解像度)は、IT特化型の人材紹介領域において大きな強みとなります。SES営業で培った知識や経験を活用しながら、キャリア支援を通じて個人としてのスキルや専門性をさらに高めることができるでしょう。RAやCAを希望する場合、SES営業の業務における以下のポイントをアピールすることで、再現性の高さを評価されます。
- 支援対象領域(企業またはエンジニア)
- 業界(IT業界・金融業界・製造業界など)
- エンジニアに関する知識
- プログラミング言語、開発フレームワーク、システムアーキテクチャなど、エンジニアリング分野における専門知識
- 定量実績
- 1日の商談数や架電数
- 成約金額、稼働人数
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- SES営業のプロセスを定量で捉え、KPIの数値や歩留まりを観測。そのデータを基に日々の活動を改善したエピソード
- 既存クライアントへの売上最大化の取り組み
【例文】
私は、エンジニアと企業双方の支援を行い、売上目標105%達成しました。 新規案件の成約においては、採用要件や組織課題の擦り合わせを行い、課題を共に解決するパートナーとしての役割を果たしました。定期的な要件の確認を行うことで、案件成約率が20%→30%に向上し、稼働数UPに貢献。 また、エンジニアの単価向上を目指し、商流の浅い案件の獲得に注力しました。具体的には、契約時に商流構造を明確化し、仲介業者の種類や数を把握することで透明性を確保。さらに、業界内の商流が浅い案件を増やす取り組みを行っているネットワークに積極的に参画し、案件情報を収集。その結果、商流の浅い案件を獲得し、エンジニアの単価アップを実現しました。 これらの取り組みにより、売上目標105%を達成。チームの売上に貢献しました。 |
エンジニア人事や採用担当
SES営業からのキャリアパスとして、人事職の中でも「採用担当」へのキャリアもあります。エンジニア採用における連絡窓口は、現場の責任者だけでなく、企業によっては採用担当者と直接やり取りを行うケースも少なくありません。また、現場の責任者の場合も採用進捗や事業・組織の状況をヒアリングを行い、最適な採用ペルソナをともに検討することもあるでしょう。SES営業は他の営業と比較して企業の「採用」に関する解像度が高いため、この経験を活かし、企業の採用活動に貢献したいと考える方が多いです。
人事採用担当を希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 伴走型支援
- エンジニアや企業担当に対して、一時的な対応ではなく、継続的な支援をどのように行ってきたか
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- 人材評価スキル
- エンジニアのスキル面だけではなく、定性面(コミュニケーション能力や適性など)も含めた総合的な評価を行った経験
- 商談時のヒアリングについて
- 担当者との商談において、採用状況や事業・組織の課題をどの程度深くヒアリングし、具体的な提案につなげたか
【例文】
私はSES営業として、企業の採用および組織課題を解決するパートナーとして活動してきました。 |
以上がSES営業からよくあるキャリアパスとアピールポイントです。
自分のスキルの棚卸しが難しいと感じる場合や、各職種の詳しい仕事内容や求人情報が知りたい方はこちらからご相談ください。