SIer特化のキャリアパス完全ガイド|転職先別の志望動機例文と職務経歴書テンプレート付き

SIer特化のキャリアパス完全ガイド|転職先別の志望動機例文と職務経歴書テンプレート付き

本記事は、SIerの営業やIT業界からの転職を検討している方々を対象にしています。職務経歴書は、応募者の経験やスキルを効果的にアピールするための重要な書類です。 この記事では、職務経歴書の各セクションの作成方法とポイントを詳しく解説しています。SIerの営業からよくあるキャリアパスや、各キャリアパスごとにアピールすべきポイントをご紹介しているため、職務経歴書作成の参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.SIer営業向け職務経歴書の作成ガイド
    1. 1.1.職務要約
    2. 1.2.職務経歴
      1. 1.2.1.【定量的な実績】
      2. 1.2.2.【アピールポイント】
    3. 1.3.活かせる経験・資格・知識・技術
    4. 1.4.自己PR
  2. 2.SIerのよくあるキャリアパス
  3. 3.ITコンサルタント
    1. 3.1.フィールドセールス
    2. 3.2.カスタマーサクセス
  4. 4.プロダクトマネージャー(PdM)
  5. 5.プロジェクトマネージャー(PM)
  6. 6.プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)


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SIer営業向け職務経歴書の作成ガイド

職務要約

職歴書の解説(SIer)①

【職務要約】は、採用担当者が最初に目にする重要なセクションです。ここでは、あなたがどのような業務を経験し、どのような実績を上げてきたのかを端的かつ明確に示しましょう。

  • 定量的な実績を強調: 数字を用いて具体的な成果を示します。例えば、「受注額前年比130%を達成」や、「部門表彰を受けた」といった具体的な成果を記載すると、実績が客観的に伝わります。


職務経歴

職歴書の解説(SIer)②

【職務経歴】セクションでは、これまでの職務内容や実績を詳細に記載します。

  • 担当顧客数: 日々の行動量よりも、継続的に担当していた顧客数を記載するとよいでしょう(例:「製造・流通・小売を中心に、10〜15社を担当」)。
  • 商材単価の記載: 扱っていた案件の規模感を示すため、具体的な単価を記載すると採用担当者が実績をイメージしやすくなります(例:「商材単価:500万円〜5,000万円」)。
  • 業界の親和性: どのような業界の企業(例:「製造・流通・小売が中心」)のシステム開発に携わっていたのかを記載することで、経験の幅と専門性を示すことができます。

【定量的な実績】

  • 年間受注額や大規模案件を記載する: 達成率に加え、具体的な「年間受注額」や、「大手製造業向け大規模案件(4,800万円)を受注」といった特筆すべき成果を記載すると、高く評価されやすくなります。

【アピールポイント】

  • 施策内容の記載: 実績に至った背景を、課題・施策・結果のセットで具体的に記述します。「顧客の“次なる課題”を先回りして提示するスタイルを徹底し、3年連続で保守契約継続率90%超を維持した」など、顧客との関係構築力や提案力をアピールしましょう。


活かせる経験・資格・知識・技術

このセクションでは、応募先企業で活かせる経験や資格、知識、技術を具体的に記載します。これにより、採用担当者にあなたの能力を効果的にアピールすることができます。

  • 関連性のあるスキルを記載: 志望先企業が求めるスキルに関連する経験や資格を優先しましょう。「SIer営業としてのIT課題ヒアリング〜提案〜フォローの一貫対応力」や、「社内外の関係者を巻き込んだプロジェクト推進力」は重要なスキルです。また、「基本情報技術者」などのIT系資格も有効なアピール材料になります。


自己PR

職歴書の解説(SIer)③

自己PRは、あなたの強みや仕事に対する姿勢をアピールする重要なセクションです。ここでは、具体的な業務の実績や経験を基に、自分自身を効果的に表現することが求められます。

  • 仕事に対するこだわりや強み: 自分の仕事に対する姿勢や価値観を述べ、人柄を伝えます。例えば、「『案件が出てきたら動く』のではなく、『関係の中からニーズを掘り起こす』ことを重視してきた」といった内容が考えられます。
  • アピールできる経験: こだわりを証明する具体的なエピソードを交え、調整力や問題解決能力を示します。例えば、「SE側の都合と顧客の希望が合致しない場面で、粘り強く両者と対話を重ね、双方が納得できる着地案を見出す『社内外の橋渡し役』を担ってきた」といった経験は、あなたの調整能力や顧客と向き合う真摯な姿勢を示すのに効果的です。


職務経歴書バナー(SIer)


SIerのよくあるキャリアパス

SIerのよくあるキャリアパス

SIer(システムインテグレーター)の営業職は、顧客企業の課題に対して自社のITサービスやソリューションを提案・導入まで支援する役割を担い、顧客折衝力や課題解決力、ITに関する基礎知識が求められる職種です。その中で培った経験は、幅広いキャリアパスに活かすことができます。たとえば、ITコンサルタントやSaaS企業の営業職(フィールドセールス・カスタマーサクセス)、さらにはプロジェクトを推進するプロダクトマネージャー(PdM)やプロジェクトマネージャー(PM)、PMOなどが挙げられます。本記事では、SIer営業から目指せる代表的なキャリアパスを一つずつ紹介し、それぞれの仕事内容や活かせる経験、転職時にアピールすべきポイントについて解説していきます。


ITコンサルタント

アイキャッチ(Sler→ITコンサルタント)

企業に対してITを活用し、経営課題や業務効率化を支援するITコンサルタントは、SIerからのキャリアパスとして人気の職種の一つです。SIerがシステムの設計・開発・導入・運用を通じて企業の課題を解決するのに対し、ITコンサルタントは、ITに関する専門知識に加え、企業の経営戦略や業務プロセスを理解し、どの技術を導入すべきか、またその技術をどのように活用するかについて戦略的なアドバイスを行います。ITコンサルタントは顧客ごとに異なる課題や要望に応じた提案が求められるため、高い難易度を伴いますが、その分給与レンジも大幅に上がる魅力的な職種です。
ITコンサルタントを希望する場合は、SIerの業務の中でも以下の点をアピールすると、再現性が高いと評価されるでしょう。

  • プロジェクトマネジメント能力
    • プロジェクトの進捗管理や予算管理の経験
  • 目標達成に向けて業務改善プロセス
    • 各プロセスで生じる問題をいかに解消してきたか
  • ITに関する技術的知識とスキル
    • ITツールや技術に関する知識を積極的に学び、業務に活用してきた意欲と実績
  • ヒアリング能力・課題解決能力
    • 顧客の課題を解決するにあたって、ニーズを正確に把握し適切なソリューションを提供した経験
    • プロジェクトを進める上で、トラブルや課題に直面した際、どのように解決したか

【例文】

私の強みは、SIerでの経験を通じて培った課題解決能力と顧客ニーズの把握力です。
前職では、製造業のクライアントが業務プロセスの非効率に悩んでいました。具体的には、手作業によるデータ入力が多く、年間で約300時間の無駄な工数が発生。この課題に対し、私は業務フローの分析を行い、システムの自動化を提案しました。
商談時には、顧客の潜在的なニーズを引き出すために、SPIN話法を活用。まず、顧客の現状を把握するための質問を行い、次にその現状に潜む問題を明確にしました。顧客が抱える課題を顧客自身に気づいてもらい、その後の進め方に対して合意を得ることで、その後の商談をスムーズに進めました。
その結果、システム導入後はデータ入力の自動化により工数を80%削減し、年間240時間の業務効率化を実現。これにより、クライアントは約600万円のコスト削減を達成しました。


フィールドセールス

アイキャッチ(Sler→FS)

フィールドセールスとは、顧客に直接訪問、もしくはオンラインで商品やサービスの提案を行い、受注を創出する営業職を指します。SIerで企業に対し商談を行っていた経験は、フィールドセールスにおいても十分に活かすことが可能です。フィールドセールスを希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。

  • プロジェクトマネジメント能力
    • プロジェクトの進捗管理や予算管理の経験
  • 目標達成に向けて業務改善プロセス
    • 各プロセスで生じる問題をいかに解消してきたか
  • ITに関する技術的知識とスキル
    • ITツールや技術に関する知識を積極的に学び、業務に活用してきた意欲と実績
  • ヒアリング能力・課題解決能力
    • 顧客の課題を解決するにあたって、ニーズを正確に把握し適切なソリューションを提供した経験
    • プロジェクトを進める上で、トラブルや課題に直面した際、どのように解決したか

【例文】

システムインテグレーターの営業として、法人顧客の課題に対して業務ヒアリングから要件定義、ソリューション提案、受注までを一貫して対応してきました。特に課題の言語化と社内調整を通じて提案の実現性を高める点に注力し、エンジニア・外部ベンダーとの連携を重ねて対応力を高めました。
新規顧客開拓では、平均リードタイムが8ヵ月のところを初回訪問から6ヵ月に短縮して成約した実績や、年間受注額を前年比140%に伸ばした経験があります。顧客の潜在的なニーズを引き出し、価値を感じてもらえる提案設計に強みがあり、貴社でも即戦力として貢献できると考えています。

☞フィールドセールスの仕事内容についてはこちら
フィールドセールスとは?業務内容やインサイドセールスとの違い、キャリアパスを解説!


カスタマーサクセス

アイキャッチ(Sler→CS)

カスタマーサクセスは、顧客がサービスや製品を最大限に活用できるよう、契約後にさまざまな支援を行う営業職です。分業型の営業組織内では、フィールドセールスが受注したのちのフェーズを担当し、顧客がサービスを効果的に活用し、成功を収められるよう積極的に支援するのがミッションです。カスタマーサクセスは、自社製品の技術面を理解し、顧客の課題解決に対して適切なアドバイスをする必要があり、SIerで培ったITに関する知識や顧客の課題解決に向けて取り組んだ実績は大いに役立つでしょう。
カスタマーサクセスを希望している場合は、顧客課題をどのように特定していたか以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。

  • プロジェクトマネジメント能力
    • プロジェクトの進捗管理や予算管理の経験
  • 目標達成に向けて業務改善プロセス
    • 各プロセスで生じる問題をいかに解消してきたか
  • ITに関する技術的知識とスキル
    • ITツールや技術に関する知識を積極的に学び、業務に活用してきた意欲と実績
  • ヒアリング能力・課題解決能力
    • 顧客の課題を解決するにあたって、ニーズを正確に把握し適切なソリューションを提供した経験
    • プロジェクトを進める上で、トラブルや課題に直面した際、どのように解決したか

【例文】

SIerで法人向け業務システムの導入支援・運用サポートを担当し、プロジェクト開始から稼働後の定着・活用支援まで一貫して対応してきました。導入後の運用フェーズでは、日々の問い合わせ対応に加え、活用状況の分析をもとに利用促進の施策を企画・実行し、稼働率を30%改善した実績があります。
また、トラブル時のエスカレーション対応では、社内の技術部門と連携しながら早期解決に導き、顧客満足度の向上に貢献しました。関係性の継続を重視しながら成果を出すスタイルが強みであり、貴社でも顧客の活用促進と成功体験に伴走できると考えています。

☞カスタマーサクセスの仕事内容についてはこちら
​​​​​​​カスタマーサクセスとは?仕事の特徴や必要なスキルを解説!


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プロダクトマネージャー(PdM)

	アイキャッチ(Sler→PdM)

次にご紹介するのは、プロダクトマネージャー(PdM)へのキャリアパスです。プロダクトマネージャーとは、プロダクトやサービスの開発から運用、改善に至る全工程を統括する非常に重要な役割。市場調査や顧客データの分析を行い、プロダクトの戦略立案や仕様、設計の管理を担当します。特定の顧客にサービスを提供するSIerに対し、PdMは市場全体に向けてプロダクトを提供する点が異なります。
SIerとして顧客の要件定義を行い、プロジェクト全体の統括をした経験は、PdMとしてプロダクトの方向性を決定する際に大いに役立ちますが、PdMにはマーケティング、データ分析、ユーザー調査のスキルがより求められます。
プロダクトマネージャーを希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。

  • データ分析・顧客理解力
    • 顧客の利用状況やフィードバックを分析した経験
    • 市場や競合の情報収集経験
  • プロジェクト管理能力
    • プロジェクトの進捗管理や予算管理の経験
  • プロダクトやサービスの知識
    • 商材やサービス、ITに関する深い理解から、顧客に対して適切なソリューションを提供してきた経験
      • (例)製品の導入や活用方法に関する知識

【例文】

私の強みは、SIerで培った課題解決力とプロジェクト管理能力です。
前職では、クライアントのシステム導入プロジェクトにおいて、納期遅延の課題に直面しました。具体的には、プロジェクトの進捗が当初の計画から20%遅れており、クライアントからの信頼を失う危機にありました。
そこで、私はチームメンバーと共に原因分析を行い、リソースの再配分とタスクの優先順位付けを実施。さらに、週次の進捗報告を導入し、透明性を高めることで、クライアントとのコミュニケーションを強化しました。その結果、プロジェクトは最終的に予定よりも2週間早く完了し、クライアントからの評価も向上。クライアント満足度が80%から95%に改善され、次回のプロジェクト受注にも繋がりました。
今後は、より多角的な視点でプロダクト開発に貢献し、チームを成功に導くことを目指します。


プロジェクトマネージャー(PM)

アイキャッチ(Sler→PM)

次にご紹介するのは、プロジェクトマネージャー(PM)へのキャリアパスです。プロジェクトマネージャーは、特定のプロジェクトの計画、実行、進捗管理、完了までの全工程を管理する職種です。プロジェクト成功に向けて、リソースを効果的に配分し、スケジュールや予算の管理も行います。顧客から依頼を受けたプロジェクトのマネジメント経験が大いに役立ちます。
プロジェクトマネージャー(PM)を希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。

  • 計画の策定
    • プロジェクトの目標・スケジュールの設定、必要なリソースを考えた経験
  • プロジェクトマネジメント能力
    • プロジェクトの進捗管理や予算管理の経験
    • プロジェクトに応じてチーム編成を行った経験
  • 課題解決能力
    • 各プロセスで生じたトラブル問題を、どのように解決したか

【例文】

私はSIerとしての経験を通じて、プロジェクトマネジメントに必要な課題解決能力やチームの士気を高めるリーダーシップスキルを磨いてきました。
特に、あるプロジェクトで顧客の要望に応じたシステム開発を行った際、納期遅延という課題に直面。チームのコミュニケーション不足が原因で、進捗が思うように進んでいませんでした。
そこで、私は定期的な進捗会議を設け、各メンバーの役割と責任を明確化。また、タスク管理ツールを導入し、可視化することで、問題点を早期に発見できる体制を整えました。その結果、プロジェクトの進捗率は30%向上し、納期を守ることに成功。最終的には、顧客から高い評価をいただき、リピート案件も獲得しました。


プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)

	アイキャッチ(Sler→PMO)

最後にご紹介するのは、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)へのキャリアパスです。PMOは、組織内でプロジェクトに関する基準を定義し、管理や実施状況を監視する部門です。PMが特定のプロジェクトの管理、計画、実行、完了まで行うのに対し、PMOは組織内のプロジェクト全体を横断的に支援する部門になります。そのため、実際のプロジェクト実行には関与せず、サポートや管理業務を担当するのがPMOの役割です。
PMのようなプロジェクトマネジメント力に加えて、各PMと連携を取るために、コミュニケーション力や調整力、自ら情報を取りに行く積極的な姿勢が求められます。
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。

  • 計画の策定
    • プロジェクトの目標・スケジュールの設定、必要なリソースを考えた経験
  • プロジェクトマネジメント能力
    • プロジェクトの進捗管理や予算管理の経験
    • プロジェクトに応じてチーム編成を行った経験
  • 課題解決能力
    • 各プロセスで生じたトラブル問題を、どのように解決したか
  • 折衝経験・コミュニケーション力
    • 顧客や社内メンバーとどのようにコミュニケーションを図っていたか
  • チームワーク・リーダーシップ
    • SIerでのチーム管理やリーダーシップを発揮した経験

【例文】

私の強みは、プロジェクト管理と課題解決能力です。
SIerでの5年間、私は大規模なシステム開発プロジェクトに携わり、特にリスク管理と進捗管理に注力してきました。あるプロジェクトでは、納期遅延のリスクが高まっていることを早期に察知し、チーム内でのコミュニケーションを強化するための定期ミーティングを提案。この取り組みにより、情報共有が円滑になり、問題の早期発見が可能となりました。
その結果、プロジェクトの納期を3週間短縮し、クライアントからの信頼を得ることができました。
上記のような改善を繰り返し、担当するプロジェクトでは、納期遵守率が全体で80%から95%に向上し、クライアントの満足度も大幅に改善しました。

以上がSIerのキャリアパスとアピールポイントです。
自分のスキルの棚卸しが難しいと感じる場合や、各職種の詳しい仕事内容や求人情報が知りたい方はこちらからご相談ください。

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監修/武 拓矢
監修/武 拓矢
関西大学文学部総合人文学科 卒業。 大学卒業後、商社にて法人営業を経験し、大手人材紹介会社へ転職。 RA/CA業務、マネジメント、新規事業立上げを経験し、株式会社セレブリックスへ転職。 営業特化の転職エージェント「SQiL Career Agent」の事業立上げにマネージャーとして入社。

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