フィールドセールス特化のキャリアパス完全ガイド|転職先別の志望動機例文と職務経歴書テンプレート付き
本記事は、フィールドセールスやSaaS業界からの転職を検討している方々を対象にしています。職務経歴書は、応募者の経験やスキルを効果的にアピールするための重要な書類です。 この記事では、職務経歴書の各セクションの作成方法とポイントを詳しく解説しています。フィールドセールスからよくあるキャリアパスや、各キャリアパスごとにアピールすべきポイントをご紹介しているため、職務経歴書作成の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.フィールドセールス向け職務経歴書の作成ガイド
- 1.1.職務要約
- 1.2.職務経歴
- 1.2.1.【定量的な実績】
- 1.2.2.【マネジメント経験の記載】
- 1.2.3.【アピールポイント】
- 1.3.活かせる経験・資格・知識・技術
- 1.4.自己PR
- 2.フィールドセールスのよくあるキャリアパス
- 2.1.業界・領域特化型セールス
- 2.2.エンタープライズセールス
- 2.3.【 マネジメント職への昇進】
- 2.4.マーケティング
- 2.5.カスタマーサクセス
- 2.6.事業開発
フィールドセールス向け職務経歴書の作成ガイド
職務要約
【職務要約】は、採用担当者が最初に目にする重要なセクションです。ここでは、あなたがどのような業務を経験し、どのような実績を上げてきたのかを端的かつ明確に示しましょう。
- 定量的な実績を強調: 数字を用いて具体的な成果を示します。例えば、「受注数で全社●●位を獲得」や、「チーム全体の受注率を8%から17%まで改善した」といった具体的な数値を記載しましょう。
職務経歴
【職務経歴】セクションでは、これまでの職務内容や実績を詳細に記載します。マネジメント経験がある場合は、業務内容・成果を切り分けて記載するようにしましょう。
- 定量的な業務量: 業務の規模感を示すため、具体的な行動量を記載します。例えば、「月間の商談件数は50件〜60件」といった数値が指標となります。
- 商材単価の記載: 扱っていた商材の価格帯を記載すると、採用担当者があなたの実績をより具体的にイメージしやすくなります(例:「SMB向け 約●●万〜●●万、エンタープライズ向け 約●●万円~●●万円」)。
- 担当領域の具体性: どのような業界や規模の企業(例:「従業員数1,000名未満のSMB企業」「1,000名前後のエンタープライズ企業」)に対して営業活動を行っていたのかを記載することで、経験の幅と深さを示すことができます。
【定量的な実績】
- 主要なKPIを明記する: フィールドセールスの主要なミッションである「受注件数」と、それに対する「達成率」を期間ごとに示すのが効果的です。職務経歴書では表形式で記載すると、成果が視覚的に伝わりやすくなります。
【マネジメント経験の記載】
- 業務の切り離し: チームリーダーなどの経験がある場合は、自身の業務とは切り離して記載しましょう。「商談の型化」や「育成体制の構築」といった施策と、それによるチームへの貢献(例:「8%だった受注率が5か月間で17%まで改善」)を定量的に示すことが重要です。
【アピールポイント】
- 施策内容の記載: 実績に至った背景を、課題・施策・結果のセットで具体的に記述します。「顧客の課題を特定し、解決策を提案する営業スタイルへ変更した結果、新規契約数が5件から11件に増加した」、「トップセールスの商談を言語化し、セールスブックを作成するなど、営業ノウハウの属人化解消に努めた」など、再現性のあるスキルとしてアピールしましょう。
活かせる経験・資格・知識・技術
このセクションでは、応募先企業で活かせる経験や資格、知識、技術を具体的に記載します。これにより、採用担当者にあなたの能力を効果的にアピールすることができます。
- 関連性のあるスキルを記載: 志望先企業が求めるスキルに関連する経験を優先しましょう。特に「TheMODEL型組織での営業経験」は、多くのSaaS企業で評価される重要な経験です。また、「Salesforce」などのCRM/SFAツールの使用経験も大きなアピールポイントになります。
自己PR
自己PRは、あなたの強みや仕事に対する姿勢をアピールする重要なセクションです。ここでは、具体的な業務の実績や経験を基に、自分自身を効果的に表現することが求められます。
- 仕事に対するこだわりや強み: 自分の仕事に対する姿勢や価値観を述べ、人柄を伝えます。例えば、「売り込みではなく、顧客にとってのメリットを常に考える『顧客志向の営業スタイル』を心掛けている」といった内容が考えられます。
- アピールできる経験: こだわりを証明する具体的なエピソードを交え、問題解決能力を示します。例えば、「顧客が抱える問題やニーズをヒアリングし、課題解決のために自社製品がいかに価値を発揮できるかを提案している。そのために競合製品の調査や自己研鑽を欠かさず行っている」といった経験は、あなたの成長意欲や顧客と向き合う真摯な姿勢を示すのに効果的です。
フィールドセールスのよくあるキャリアパス
顧客の課題解決のための提案を行うフィールドセールス。営業プロセスを分け、役割ごとのメリットを活かすThe MODEL型の営業組織が浸透し始めてから、フィールドセールスの市場価値も高まっています。企業によってフィールドセールスの業務の幅や定義は異なりますが、直接顧客と対面して営業活動を行い、製品・サービスの商談を進め、受注するまでのプロセスを担当する点は共通しています。
フィールドセールスのよくあるキャリアパスは多様で、セールスの枠にとどまらず、他の職種も選択肢として挙げられます。今回は以下の職種に関するアピールポイントをご紹介します。
【 営業職としてのスペシャリスト路線】
【 他部門へのキャリアチェンジ】
業界・領域特化型セールス
まず挙げられるのは、フィールドセールスでの経験を活かして、より業界や領域に特化したスペシャリストになるキャリアパスです。特定のニーズに応じたサービスを提供することで、サービスとしての競争力だけではなく、個人としてのスキルや専門性も高めることができます。
現職での経験を活かしつつ、業界・領域特化したスペシャリストとして挑戦したい場合は、以下の点をアピールするとよいでしょう。
- 定量・定性面実績
- 具体的な定量:1日の商談数、受注率、受注額
- 具体的な定性:商談の中での提案方法、事前の顧客調査や顧客ニーズの仮説立て
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- 顧客が属する市場動向の把握や顧客ごとのトレンドを捉え、それら情報をヒアリングや自社商材の提案とどのように結びつけるかを考えてきた経験
- データ分析能力
- SFA/CRMを活用した営業データを分析、戦略的な意思決定を行った経験
【例文】
自社製品の人事管理システムは既に市場が飽和状態のため、機能説明だけの商談では他社との違いを理解していただけず、受注に繋がらないという課題がありました。
これらの改善策を実施した結果、受注率は25%から45%へ向上しました。 |
エンタープライズセールス
次に挙げるのは、セールスの中でも大企業や公的機関に対して営業活動を行う「エンタープライズセールス」へのキャリアステップ。「エンタープライズ」の定義は企業によって異なりますが、エンタープライズセールスのKGI(最重要目標)は担当企業の売上を最大化すること、つまり「LTVを最大化する」ことです。エンタープライズ向けの営業は、圧倒的に受注単価が高いため、自社にとってもインパクトが大きく、会社貢献度の高い業務と言えます。
エンタープライズセールスを希望している場合は、現在の業務の中でも以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 定量・定性面実績
- 具体的な定量:1日の商談数、受注率、受注額
- 具体的な定性:決裁者に対してのアプローチ方法や提案方法・顧客の稟議や決裁プロセスに働きかけた経験の有無
- 目標達成に向けての業務改善プロセス
- 顧客が属する市場動向の把握や顧客ごとのトレンドを捉え、それら情報をヒアリングや自社商材の提案とどのように結びつけるかを考えてきた経験
- 顧客関係構築能力
- 提案力とカスタマイズ能力
- 顧客に個別化した提案をした経験
- プロセス管理と戦略的思考
- 商談の進行管理やプロセスの最適化を行ってきた経験
- データ分析能力
- SFA/CRMを活用した営業データを分析、戦略的な意思決定を行った経験
【例文】
フィールドセールスとしての経験を通じて、顧客のニーズに応じた提案を行う中で、いくつかの課題に直面しました。特に、商談プロセスの非効率性が顕著で、受注率が10%にとどまっていました。 |
☞エンタープライズセールスの仕事内容についてはこちら
エンタープライズ営業とは?特徴や必要なスキル、他の営業手法との違いまで詳しく解説!
【 マネジメント職への昇進】
続いて挙げられるのは、フィールドセールスでの経験を活かしてマネジメント職に上がる縦方向へのキャリア構築。マネジメント職になると、フィールドセールスの業務だけではなく、教育やチームマネジメントなど、担う業務の幅が広がります。さらに専門性を高めれば、部門の立ち上げ担当としてキャリアアップする道もあります。マネジメント職を希望している場合は、現在の業務の中でも以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 定量・定性面実績
- 具体的な定量:1日の商談数、受注率、受注額
- 具体的な定性:自身の営業活動を言語化する習慣・自身のKPIをどのように管理し、かつ改善をしてきたか
- 目標達成に向けての業務改善プロセス
- 顧客が属する市場動向の把握や顧客ごとのトレンドを捉え、それら情報をヒアリングや自社商材の提案とどのように結びつけるかを考えてきた経験
- チーム内でのリーダーシップ経験
- チームメンバーの指導、育成、業務マニュアルの作成、モチベーション管理
- データ分析能力
- SFA/CRMを活用した営業データを分析、戦略的な意思決定を行った経験
【例文】
フィールドセールスのチームリーダーとして、営業力の底上げとプロセス管理に注力し、受注率を15%から19%に改善しました。 |
マーケティング
フィールドセールスからのキャリアパスとしてマーケティング職も挙げられます。営業とマーケティングは、自社の売上の最大化を目的としている点は同じですが、対象や目的、施策の期間が異なります。マーケティングは市場全体を対象にして顧客のニーズを把握し、商品やサービスの認知度を高めるための広告やプロモーション活動を行います。商談で顧客の生の声を聞くフィールドセールスだからこそ、顧客のニーズに対する解像度は高く、キャリアチェンジにも挑戦しやすいです。
マーケティング職を希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- フィールドセールスのプロセスを定量で捉え、KPIの量と歩留まりを観測。それらの数字をもとに日々の活動を改善したエピソード
- リードナーチャリングの経験
- インサイドセールスと協業、もしくは自らリード育成やフォローアップの経験から顧客との関係構築に注力した経験
- ホットリードの特定や優先順位付けを行った具体的な事例
- マーケティング部門と連携した経験
- データ分析能力
- SFA/CRMを活用した営業データを分析、戦略的な意思決定を行った経験
- ターゲット企業のニーズや市場動向を分析した経験
- 顧客理解力
- 商談準備や商談内で顧客のニーズや課題を深く理解した経験
- 市場や競合の情報収集経験
- プロジェクト管理能力
- 複数の顧客や案件を同時に管理した経験
【例文】
私はフィールドセールスとしての経験を通じ、データ分析力とプロジェクトマネジメント力を活かして効率的な営業活動を実現してきました。 |
☞マーケティングの仕事内容についてはこちら
【営業からマーケティングへ転職】活かせる経験や考え方とは?キャリアチェンジの方法も徹底解説!
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、顧客がサービスや製品を最大限に活用するため、契約後にさまざまな支援をする営業職です。The MODEL型の組織内では、フィールドセールスが受注したのちのフェーズを担当し、顧客がサービスを効果的に活用し、成功を収められるよう積極的に支援するのがミッションです。商談のみを担当しているフィールドセールスを経験している方の中には、より顧客に入り込み、中長期的な課題解決に関わりたいという想いを抱え、カスタマーサクセスへのキャリアパスを希望するケースも少なくありません。また、カスタマーサクセスは、製品理解が求められる職種のため、顧客に対し商談で製品の提案を行っているフィールドセールスはカスタマーサクセスとの相性もよいです。
近年では、カスタマーサクセスのミッションに「アップセル・クロスセルの最大化」を組み込む企業も増えており、営業力のあるカスタマーサクセスのニーズは増加しているという点もポイントです。
カスタマーサクセスを希望している場合は、顧客課題をどのように特定していたかをアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 目標達成に向けた業務改善プロセス
- フィールドセールスのプロセスを定量で捉え、KPIの量と歩留まりを観測。それらの数字をもとに日々の活動を改善したエピソード
- リードナーチャリングの経験
- インサイドセールスと協業、もしくは自らリード育成やフォローアップの経験から顧客との関係構築に注力した経験
- ホットリードの特定や優先順位付けを行った具体的な事例
- 部門を超えて連携した経験
- 他部門との連携経験によって成果を上げた事例
- プロダクトの知識
- 商材やサービスに関する深い理解から、顧客に対して適切なソリューションを提供してきた経験
- (例)製品の導入や活用方法に関する知識
- 商材やサービスに関する深い理解から、顧客に対して適切なソリューションを提供してきた経験
【例文】
私はフィールドセールスとして、顧客管理能力や関係構築力、商品への適切なサービス提案を行うことで受注率を15%から19%に改善しました。 |
☞カスタマーサクセスの仕事内容についてはこちら
カスタマーサクセスとは?仕事の特徴や必要なスキルを解説!
事業開発
最後にご紹介するのは、事業開発へのキャリアパスです。新たなビジネス機会を創出し、企業の成長を促進するための戦略的な活動を行うのが事業開発であり、市場調査やパートナーシップの構築、新規事業の立ち上げなどを通じて、長期的な成長を目指します。フィールドセールスよりも、より広範な視点での戦略的思考や市場分析が求められ、短期的な成果よりも持続可能な成長に焦点を当てます。フィールドセールスが具体的な営業活動に特化しているのに対し、事業開発は企業全体の成長戦略を考える役割を担っています。
事業開発を希望している場合は、以下の部分をアピールすると再現性が高いと評価されるでしょう。
- 目標達成に向けての業務改善プロセス
- フィールドセールスのプロセスを定量で捉え、KPIの数値と歩留まりを観測。それらの数字をもとに日々の活動を改善したエピソード
- リードナーチャリングの経験
- インサイドセールスと協業、もしくは自らリード育成やフォローアップの経験から顧客との関係構築に注力した経験
- ホットリードの特定や優先順位付けを行った具体的な事例
- データ分析能力
- SFA/CRMを活用した営業データを分析、戦略的な意思決定を行った経験
- ターゲット企業のニーズや市場動向を分析した経験
- 市場調査の経験
- 市場や競合の情報収集経験
- プロジェクト管理能力
- 複数の顧客や案件を同時に管理した経験
- 顧客の真のニーズやペインを聞き出した経験
【例文】
私はフィールドセールスの営業活動の中で、広範な視点での戦略的思考や市場分析を行ってきました。 |
以上がフィールドセールスからよくあるキャリアパスとアピールポイントです。
自分のスキルの棚卸しが難しいと感じる場合や、各職種の詳しい仕事内容や求人情報が知りたい方はこちらからご相談ください。