技術営業とはどんな仕事?業務内容や向いている人の特徴、「やめとけ」と言われる理由まで詳しく解説!
「技術営業の仕事内容が知りたい」
「技術営業に向いている人の特徴が知りたい」
「技術営業の将来性について知っておきたい」
上記のように技術営業に興味はあるものの、転職まで踏み出せていない人は多いでしょう。
本記事では、技術営業の仕事内容を始め、向いている人の特徴や必要なスキルについて解説します。
技術営業は、顧客が抱える課題をヒアリングし、自社製品を用いて解決する仕事です。一方で自社製品を理解する深い知識、顧客に説明する高いコミュニケーション能力が求められます。
技術営業に必要な知識とスキルを理解しておくことで、転職を有利に進められるでしょう。技術営業への転職を考えている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
なお、以下の職種は業界や会社によって呼び名や業務範囲が異なります。どのような業務内容なのかは求人票や面接でしっかり確認するようにしましょう。
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目次[非表示]
- 1.技術営業とはどんな仕事?
- 1.1.技術営業とは?
- 1.2.技術営業の具体的な仕事内容
- 1.3.技術営業と一般営業の違い
- 1.4.技術営業の需要が高い業界
- 2.技術営業の年収事情
- 3.技術営業に向いている人の特徴
- 3.1.コミュニケーション能力が高い
- 3.2.技術や自社サービスへの強い関心
- 3.3.自己学習能力がある
- 3.4.プレッシャーに強い人
- 3.5.問題解決能力が高い
- 4.技術営業は「やめとけ」と言われる理由
- 4.1.技術面での責任
- 4.2.成果主義のプレッシャー
- 4.3.他社競合が多く競争力の高い市場である
- 4.4.常に最新情報をアップデートする必要がある
- 4.5.顧客対応でのトラブルもある
- 5.技術営業のやりがいや魅力
- 5.1.自社製品の魅力を直接顧客に提案できる
- 5.2.幅広いスキルを習得できる
- 5.3.最前線で顧客のニーズを直接キャッチアップできる
- 6.技術営業に必要なスキル
- 6.1.理系や工学関連の専門知識
- 6.2.顧客への提案力やコミュニケーション力
- 6.3.語学力が必要な場合もある
- 7.技術営業の需要と将来性
- 8.技術営業の経験を活かしたキャリアパス
- 9.まとめ
技術営業とはどんな仕事?
本章では技術営業がどういった仕事なのかについて解説します。
一般的な営業職と重なる部分と異なる部分があります。技術営業の特徴を理解しておくことは転職に欠かせません。
本章では以下の4つに分けて技術営業について解説します。
本章を読むことで、技術営業が身近な職業の1つになるでしょう。また、技術営業に興味関心がある人は参考にしてみてください。
技術営業とは?
技術営業とは、専門的な知識と技術を活かして、顧客の課題を解決する仕事です。技術営業以外にもFAEと呼ばれることがあります。
FAEは、Field Application Engineer(フィールドアプリケーションエンジニア)の略称です。エンジニアのように自社製品に対する知識と営業スキルの両方を兼ね備えた人材を指します。
顧客に自社製品を説明する際、技術営業者は営業担当者をサポートする形で商談に同席します。
技術営業の具体的な仕事内容
技術営業の具体的な仕事内容は以下の3つです。
- 課題のヒアリング
- 解決策の提案
- 技術面でのフォロー
まずは、顧客の悩みや課題が何かをヒアリングし、明らかにします。次に、明確になった課題を解決するために必要な製品を顧客に提案します。
最後は、専門知識を活かしたフォローです。顧客の中には専門知識がない人もいます。技術営業には、製品を導入するにあたっての不安を解消する役割があります。
技術営業の流れは、一般的な営業職と大きく変わらないことを理解しておきましょう。
技術営業と一般営業の違い
続いて、技術営業と一般営業の違いを解説します。
それぞれの違いを理解しておくことで、志望動機の作成やキャリアプランを作成する際の材料になるでしょう。以下に表を用意したので参考にしてください。
技術営業 |
一般的な営業職(一例) |
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主な役割 |
顧客の課題解決に貢献する技術の提案 |
製品・サービスの販売促進 |
仕事内容 |
顧客ごとにカスタマイズした製品の説明 |
製品・サービスの機能や価格、メリットの説明 |
必要な知識・スキル |
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技術営業と一般的な営業職は似ているようで、細分化すると違いがあります。技術面に関して、高い専門性が求められるため、技術営業を志望している場合はその点を留意しましょう。
技術営業の需要が高い業界
技術営業の需要が高い業界は製造業界です。
日本の製造業界は高い技術を持っていますが、顧客に製品説明するのが困難な場合があります。そのため技術営業の需要が高まっています。
製造業界は化学や半導体、自動車部品などさまざまな分野に分かれます。分野ごとに深い知識と技術が必要になるため、技術営業は顧客との商談に欠かせない存在です。
また、AIやIoTといった最新技術を活用した製品が数多く登場しています。最先端技術に詳しい技術営業者は、ますます需要が高まるでしょう。
その他、医療機器業界や自動車業界、エネルギー業界など、技術的な専門知識を持つ営業職が求められる業界は複数あります。技術が進歩している中、顧客のニーズも多様化しているため、技術営業は各業界で必要とされています。
技術営業の年収事情
dodaによると、技術営業の平均年収は555.9万円です。
当社調べでは、技術営業の年収は400〜600万円程度の求人が多いようです。
専門知識が求められる分、年収に反映されていることが予想されます。技術営業に転職を考えている人は参考にしてみてください。
参照:doda 「技術営業(FAE)の年収」
💡営業職全体との比較がしたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください
営業職の平均年収は?世代や業界ごとの営業職の年収についても解説
技術営業に向いている人の特徴
技術営業に向いている人の特徴は以下の5つです。
技術営業は専門知識が求められる職種です。一方で顧客と直接会って会話するため営業スキルも欠かせません。
技術営業を志望するにあたって、ご自身の価値観に合う職種なのかどうかを確かめる材料にしてください。納得したうえで転職することで、満足いく結果になるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
技術営業に向いている特徴1つ目は、コミュニケーション能力が高い人です。
技術営業は、他の営業職と同様に顧客の課題をヒアリングします。ほかにも、顧客に自社製品の良さを詳しく説明する必要があります。
そのため、コミュニケーション能力が欠かせません。たとえば、具体例を用いて説明したり、専門用語を使わずに説明したりして、製品の魅力を顧客に伝えます。
顧客の知識レベルや興味に合わせて対応を変えるには、高いコミュニケーション能力が必要です。
技術や自社サービスへの強い関心
技術営業に向いている特徴2つ目は、技術や自社サービスへの強い関心です。
技術営業は、誰よりも自社製品について知識を持っておく必要があります。自社製品の良さや機能を説明できない営業担当者から、顧客は契約しようとは思わないでしょう。
そのため、自社製品の機能や特徴、競合製品との違いなどを深く理解しておく必要があります。そこで原動力となるのが、技術や自社サービスへの興味関心や愛着です。
技術や自社サービスへの関心があることで、最新情報のキャッチアップも自ら進んで行うことができます。
自己学習能力がある
技術営業に向いている特徴3つ目は自己学習能力がある人です。
技術は日々進化し、顧客のニーズも変化するためです。技術営業は、常に勉強する必要がある職種になります。
そのため、主体的に行動することが大切です。たとえば「通勤中に最新情報を集める」「休日に書籍で製品の知識を深める」などが挙げられます。
もちろん、誰かに強制されてやる行為ではありません。しかし、自分から学習しようといった気持ちがある人は、技術営業で活躍できるでしょう。
プレッシャーに強い人
技術営業に向いている特徴4つ目はプレッシャーに強い人です。
営業職であるため、企業によっては技術営業もノルマや目標を課されることもあります。さらに、顧客から大きな期待を寄せられ、緊張することもあるでしょう。
プレッシャーに対して耐性を持つことで、技術営業として活躍できます。プレッシャーに強い人材になりたい人は、以下の行動を意識してください。
- 成功をイメージする
- 不安の正体を明確にする
- 信頼できる人に相談する
プレッシャーはピンチであると同時に、成果を出すチャンスでもあります。技術営業を目指す方は、プレッシャーと上手く付き合っていくことが大切です。
問題解決能力が高い
技術営業に向いている特徴5つ目は問題解決能力が高い人です。
技術営業は顧客の課題をさまざまな角度から分析し、提案する必要があります。過去に、顧客の問題を解決した経験のある人は、ノウハウが活かせるでしょう。
技術営業は専門知識が必要です。一方で問題の本質を見極めたり、論理的に説明したりと別の要素も重要になります。
また、状況によっては今までに前例のない対応が必要になるかもしれません。そこで、問題解決能力が必要になります。
前職もしくは、現職で営業経験のある人は、技術営業でも活躍できるチャンスがあるでしょう。
技術営業は「やめとけ」と言われる理由
技術営業は「やめとけ」と言われる理由は以下の5つです。
技術営業は年収が高くなる反面、技術面で求められることが多くなります。
本章では技術営業が注意するべき箇所とその理由を解説します。転職はあらかじめ良い面、悪い面の両方を理解しておくことが重要です。
仕事への理解を深めるためにも、本章を読んで把握しておきましょう。
技術面での責任
技術営業は、技術面での責任が大きいため「やめとけ」と言われることがあります。
技術営業は、企業を代表して商談に参加します。当然顧客は、技術営業が提案する解決策に大きな信頼を抱きます。
課題が解決できないと顧客は不信感を抱いてしまう可能性があります。技術営業は自分の提案に責任を持たなければなりません。
また、中には技術面に関して知識を持ち合わせていない顧客もいるでしょう。その際に頼りになるのは技術営業です。製品や技術面に関して回答できるのは技術営業のみのため、責任も生じます。
責任が生じるのは他の営業職も変わりありませんが、技術面という専門的な分野においても頼りにされるため、やりがいと同時に、プレッシャーを感じる人もいるかもしれません。
成果主義のプレッシャー
続いて、成果主義のプレッシャーがあることも原因の1つです。
他の営業職と比較して、成果のみを求められることは少ない企業が多いですが、中には技術営業も数字を基準に判断する企業もあります。その場合、顧客を満足させることは大前提として、成果を出さなければなりません。
その結果、数字に対する緊張感が生まれ、プレッシャーを感じる人が多くなります。成果に応じた評価を行う企業であれば、結果が良ければ、待遇や給与に反映されるでしょう。
成果主義は表裏一体の存在です。人によっては大きなモチベーションになります。その反面、メンタルに悪影響をおよぼす人もいるでしょう。
他社競合が多く競争力の高い市場である
そして、他社競合が多く競争力の高い市場であることも理由に挙げられます。
技術営業が取り扱う製品の多くは、競合他社も販売しているからです。自社でしか購入できない製品やサービスがあれば競争する必要はありません。
しかし、周囲の企業も似た製品やサービスを揃えています。その結果、他社との差別化が困難な中でも、自社にしかない強みを顧客に説明しなければなりません。
技術営業は、業界の特徴として常に競争に巻き込まれていることを理解しておきましょう。
常に最新情報をアップデートする必要がある
技術営業は、常に最新情報をアップデートする必要があります。
知識を増やしていかないと流行に乗り遅れるからです。
技術営業者が取り扱う製品やサービスは常に研究・開発されています。自分が入社した時の知識が来年も通用するとは限りません。
空き時間を見つけては、最新情報を集める必要があります。技術営業を継続する限り、情報収集に終わりはありません。
日々の勉強が欠かせないため、技術営業をマイナスに捉える人も中にはいます。自分が技術営業に配属されたと仮定し、常に最新情報を追いかけられるか検討しておきましょう。
顧客対応でのトラブルもある
最後は、顧客対応でのトラブルもあるからです。
技術営業の仕事は常に顧客が相手になります。自分では渾身の改善案を提案しても、顧客に伝わらない場合もあります。
その結果、認識違いが原因で顧客を満足させられない時もあるでしょう。。
技術営業は専門知識が必要な職業です。しかし、顧客の知識レベルによっては、専門用語を使わずに説明しなければなりません。
ほかにも、自社では対応できないことを、強引に依頼してくることもあるでしょう。丁重に断ってもクレームにつながる可能性があります。
顧客を相手にする仕事だからこそ、理不尽な要求や丁寧な対応が求められることを理解しておきましょう。
技術営業のやりがいや魅力
技術営業のやりがいや魅力は以下の3つです。
技術営業は、ほかの職種では経験できない魅力が多く存在します。また、仕事のやりがいを知っておくことで、志望動機の作成に役立つでしょう。
さらに、仕事に求める要素が技術営業に含まれているか検討できます。本章を読み、自分が想像する内容とマッチしているか確認してください。
自社製品の魅力を直接顧客に提案できる
技術営業は自社製品の魅力を直接顧客に提案できます。
技術営業は自社製品を顧客に説明し、購入を促すのが仕事です。課題を解決できた際、顧客と近い位置にいるため、やりがいを感じられます。
ほかにも「あなたのおかげで助かったよ」「あなたに依頼して良かった」など、感謝の言葉を直接頂戴できるのも技術営業の魅力です。
顧客と二人三脚で課題を解決したい人にとっては、仕事にやりがいを感じる職種になるでしょう。
幅広いスキルを習得できる
幅広いスキルを習得できるのも魅力の1つです。
技術営業は最新技術や情報を、常に仕入れる必要があります。さらに、得た知識を披露する場があるため、仕事にやりがいを感じます。
ほかにも「最新情報を顧客に伝えた結果、感謝された」「自分の知識が課題解決に役立った」などの経験が得られます。
誰かの役に立てることは、やりがいを感じる瞬間の1つです。社会貢献や課題解決することに魅力を感じる人は、価値観がマッチするでしょう。
最前線で顧客のニーズを直接キャッチアップできる
最後の魅力は、最前線で顧客のニーズを直接キャッチアップできる点です。
技術営業は、顧客と会話しながら仕事します。顧客の何気ない一言からニーズを得られるでしょう。
営業職において、顧客のニーズ把握は非常に重要です。課題解決の方向性が明確になるからです。
また、ニーズに合った提案ができることで顧客満足度につながります。成果を出すためのヒントが近くにあることはチャンスです。
技術営業に必要なスキル
技術営業に必要なスキルは以下の3点です。
技術営業は、営業スキル以外に製品に関する専門知識が求められます。技術営業に必要とされるスキルを把握しておくことで、転職が有利に進められます。
志望企業が求める人物像に、自分がマッチしていることをアピールできるからです。技術営業への転職を考えている方は参考にしてください。
理系や工学関連の専門知識
技術営業に必要なスキルの1つ目は理系や工学関連の専門知識です。
技術営業は他の営業職とは異なり、自社製品の技術面をより詳しく説明する必要があるからです。
そのため、理系分野の知識が必要です。ただし、必要な知識は扱う製品によって大きく異なります。
募集要項を読んだり、企業説明会に参加したりして、事前に確認しておきましょう。
また、自社製品に関する知識をすでに持っていることは、転職で有利に働きます。面接では効果的にアピールして選考を突破しましょう。
顧客への提案力やコミュニケーション力
次は、顧客への提案力やコミュニケーション力です。
技術営業は、顧客に自社製品を利用するメリットを伝えます。自社製品に関する知識があっても、顧客に説明できなければ契約は困難です。
専門知識を専門用語なしで説明するには、提案力やコミュニケーション力が欠かせません。
たとえば、顧客の認識に合わせた提案や具体例を用いたプレゼンが効果的です。技術営業は、専門知識以外にも必要なスキルがあることを覚えておきましょう。
語学力が必要な場合もある
志望企業によっては語学力が必要な場合もあります。
海外進出を狙っている企業や海外と取引している企業では、日本語以外を使用するからです。専門知識に加えて、語学力がなければ自社製品の魅力をうまく伝えるのは難しいでしょう。
現在はAIが発達しているため外国語を訳すことが簡単になりました。しかし、語学力を身につけておいて損することはありません。
さらに、AIを介さずにやり取りできれば、商談がスムーズに進むでしょう。
技術営業の需要と将来性
技術営業の需要は今後、増していくでしょう。
技術は常に進歩し、製品やサービスが複雑化しているからです。製品が便利になることで顧客の課題を解決する可能性は高まります。
しかし、専門知識のない顧客が製品の仕組みを理解するのは困難です。そのため、技術営業が代わりに説明する必要があります。その結果、技術営業の需要は高まるでしょう。
また、AIの登場により仕事が無くなる可能性のある職種がありますが、技術営業は引き続き需要のある職種だといえるでしょう。AIだけでは対応が難しいとされる「気持ちの読み取り」「臨機応変な対応」などが技術営業には欠かせないからです。
💡AIの台頭により今後の営業職がどうなっていくのか知りたい方はこちらの記事もあわせてチェック AIの登場!?営業職の未来はどうなるの?
技術営業の経験を活かしたキャリアパス
技術営業の経験を活かしたキャリアパスとして以下の2つが挙げられます。
- 専門知識を活かす
- 営業経験を活かす
技術営業は専門知識を学ぶ機会が豊富にあります。製品に対する知識や技術を深めたい人は、スペシャリストとしてキャリア形成が可能です。
常に自分のスキルを磨きながら仕事ができるでしょう。
一方で営業経験を活かしたい人は、営業チームのリーダーやプロジェクトマネージャーなどのポジションが考えられます。
営業のノウハウをチームで共有することで、より多くの人が成果を出せるようになるでしょう。その結果、自分の評価を高めることにつながります。
本記事で紹介するキャリアはあくまで一例です。自分の価値観や将来の生活を想像したうえで選択しましょう。
まとめ
本記事では、技術営業の仕事内容や向いている人の特徴について解説してきました。技術営業は顧客に自社製品を提案し、課題を解決する職種です。
課題解決に貢献できれば、大きなやりがいを感じるでしょう。一方で、仕事のプレッシャーが大きい職種でもあります。
良い面、悪い面の両方を理解したうえで、技術営業に転職するか決断しましょう。曖昧に決めてしまうと後悔する原因になります。
自分が納得した状態で転職先を決めるようにしましょう。
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