営業職大全 -営業って●●種類もあるの?!-
一口に営業職といっても、実は非常に多くの種類や役割があるのをご存知でしょうか?近年、1件の受注を作るための役割分担やチームでの分業など、営業職の細分化が進んでいます。
あなたのイメージしている営業職は、もしかしたら営業職のほんの一部分に過ぎないかもしれません。
また本記事が、自分にマッチしそうな営業職を見つけるきっかけになれば幸いです。
目次[非表示]
- 1.営業職の細分化
- 2.営業職の種類
- 3.BtoBかBtoCか
- 4.直販か代理店営業か
- 5.アカウント営業かプロダクト営業か
- 5.1.インサイドセールス(IS)
- 5.1.1.▶プル型?プッシュ型?
- 5.2.フィールドセールス(FS)
- 5.3.カスタマーサクセス(CS)
- 6.終わりに
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営業職の細分化
月並みではありますが、インターネットやAIの発達、効率化した営業モデルの追求、そしてコロナを経て、この数年で営業スタイルも大きく変化しました。
また、SaaS(サース)に代表されるようなサブスクリプション型(一定期間利用できる権利に対して料金を支払うビジネスモデル)では、売って終わりではなく、新たな顧客との関わり方が求められるようになりました。
このような世の中の変化により、営業職もどんどんと細分化されてきています。
これはたとえ話ではありますが、”営業職”という括りは”陸上”くらいの非常に粗い粒度であり、”陸上”の中でも100m、走幅跳び、砲丸投げなど様々な種類があります。そしてもちろん必要なスキルや適正なども変わってきますが、それは”営業職”でも同じことが言えます。
このコラムでは、そういった様々な営業職の役割や求められるスキルなどを紹介していきます。
営業職の種類
この図で営業職の分類をしていきます。同じ色同士が比較対象となっており、それぞれ順番に解説していきます。
BtoBかBtoCか
まず、『誰に売るか』で大きな違いがあります。BtoB(Business to Business)は法人に対しての営業で、それに対してBtoC(Business to Consumer)は個人に対しての営業です。
営業スタイルとしての大きな違いは、成約までの関係者の数が一例として挙げられます。
BtoBでは1つの購買(モノを買うこと)に関して、6名前後が関わっていると言われています。つまり、商談の場で目の前の担当者に納得してもらうだけではなく、営業担当がお会いすることが難しいその他の社内関係者にも納得をしていただく必要があります。そのため提案のロジカルさや、導入メリットが明確になっているか、といった部分が重要視されます。
一方で、BtoCでは例えば不動産、保険、車など個人の買い物としては高額な商材がイメージしやすいかと思います。そこでの検討は顧客ひとり一人の判断や家族内で検討など、購買の意思決定に関わる人は多くても2名程度です。上記のBtoBと比べると営業担当自身の人柄や熱意といった部分が評価をされることが多くなり、もちろん提案の中身も大事ではありますが、「○○さんが頼りになるので決めました」という意思決定をされるケースも多々あります。
まずは、BtoBかBtoCだと、どちらが自分自身のスタイルや目指したい方向性に合っているか考えてみましょう。
ポイント💡
個人は人柄や熱意、法人は理論的な提案が重視される
直販か代理店営業か
法人営業では、自社のサービスを直接顧客に販売する以外にも代理店と呼ばれる方々に「自社のサービスを代わりに売ってもらうための活動」があります。
代理店営業は平たくいうと「自社のサービスを代わりに売ってくれたら、その分の報酬をお渡しします。」という合意や提携を進めていく活動です。例えば、自社がこれまで接点の持てていなかった企業群と既にお付き合いがある企業に対してアプローチをし、代理店となってもらうことで自社サービスの拡販を進めていくという手法です。
代理店営業は「代理店になってくれる企業の開拓」と「代理店になってくれた企業の活動のサポート」と大きく2つの役割があります。
この活動は直販の営業活動よりも登場人物が多く、自分でコントロールが難しい部分も多いため直販よりも「巻き込み力」が求められます。そのため営業未経験からいきなり代理店営業にチャレンジするのはハードルが高いと言えます。ただ、狙い通りに深耕や拡販が進められると、自分1人では実現が難しい取引数や取引金額などを生む可能性を秘めているため、戦略面でのやりがいを感じる役割でもあります。
アカウント営業かプロダクト営業か
どちらが偉いということはもちろんありませんが、営業スタイルに大きく関わるので求人を見るときは要チェックの箇所です。
アカウント営業は『誰に売るか』が決まっていて、売るサービスは決まっておらず、個社毎にカスタマイズした商材を提案します。例えば、広告や人材サービスなど、継続的なお取引が期待できるサービスの営業ではこのアカウント営業という役割を設けているケースが多いです。また、下記で紹介するプロダクト営業とチームが両方存在するが分かれており、大手企業だけは専任の担当を付けているというケースもあります。
アカウント営業では顧客理解はもちろん、顧客の顧客、顧客のライバルのことも知っておく必要があるため、担当企業のトレンドや情勢をしっかり把握することが重要視されます。加えて継続的なお付き合いのために人間関係の構築や接待が必要になることもあるため、営業パーソンとしての総合力が問われる役割でもあります。
▼アカウントセールスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください
一方で、プロダクト営業は『何を売るか』が決まっていて、誰に営業するかはタイミングや営業方針によって適宜変わっていきます。そして、さまざまある営業の役割の中でも、プロダクト営業に関わる営業パーソンが割合としては最も多いと言われています。
プロダクト営業では、自社プロダクトへの深い理解や役に立てるという自信が成果に繋がっていきます。つまり、これから転職を考えている方は『何を売るか』はもちろん関心があると思いますが、その上でプロダクトや顧客に対して興味関心が持てるか、「このサービスを広げていくことが自分のやりがいやモチベーションに繋がるか」という視点で一度考えてみることをオススメします。
また、プロダクト営業ではざっくり分けるとインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスと大きく3つの役割での分業体制をとっている企業が多いため、その中でも目標や求められるスキル、やりがいなどが大きく変わってきます。
インサイドセールス(IS)
インサイドセールスは見込み顧客に対して、電話やメール、Web会議ツールなどを活用しながら非対面で行う営業活動のことです。
アポイント獲得を主なミッションとすることが多いですが、数だけでなく「案件化率」といったアポイントの質を重視しているチームも多いです。マーケティングやフィールドセールスのチームと連携して、リードやアポイントの質や条件を調整する役割もあるため、営業全体の司令塔的な重要なポジションとして位置付けをされています。
一方で、ISは営業未経験者でも歓迎されることが多く、ISから営業キャリアをスタートとしたという方も最近では増えています。
※インサイドセールスがオンライン商談を担当する場合もあります。
▼インサイドセールスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
▶プル型?プッシュ型?
インサイドセールスは大きく2つに分けられます。
プッシュ型は、新規開拓、新規営業、BDR、アウトバウンド営業など呼び名が複数ありますが、今まで接点のなかった企業との取引を始めるために営業側からアプローチを行う活動を指します。手法は電話や問い合わせフォーム、手紙など様々組み合わせてキーパーソンとの接触を図ります。
プッシュ型では自社のサービスを知らない人へのアプローチが多くなるため、トーク力が必要とされるのはもちろんですが、それ以上に”探客=ターゲティング”が成果に影響があると言われています。つまり、「自社サービスに興味を持ってくれる確率の高い企業はどんな特徴があるか」という”当たりを付ける”ことで営業成果が大きく上がっていきます。
(また、プッシュ型では100件の電話からアポイントは1~3件ほどというのが相場と言われており、その分断られることも多いので切り替え力やマインドセットなど気持ちの部分も大事です。)
一方で、プル型はSDR、インバウンド営業、問い合わせ対応、などとも呼ばれ、問い合わせや資料ダウンロードなど相手からのアクションに対して営業活動を展開していきます。
もともと顧客が何かしらの興味を持っている状態から始まることが多いため、プッシュ型と比べてアポイント獲得率は高い傾向にあります。ですが、お問い合わせの背景や相手の検討度合いなど、状況がさまざまなため会話を通じて見極めていくヒアリング技術や相手への想像力といったスキルが必要です。加えて、流入があったリード(見込み顧客の担当者情報)についてマーケティングチームと協議をすることもあり、マーケティング知識も求められます。実際にプル型のインサイドセールスを経験の後、マーケティングに転身される方も一定数いらっしゃいます。
フィールドセールス(FS)
フィールドセールスは商談から受注までの一連のプロセスを担当することが多いです。営業としての総合力が問われる役割といっても差支えありません。そして、近年ではこのフィールドセールスの役割の難易度と重要性が高まっていると言われています。
その理由の1つは、顧客が自社の課題やその解決策に自分達でたどり着けるようになってきたためです。つまり、既に欲しいと思っている顧客であれば単にサービスの説明だけでいいかもしれませんが、まだ欲しいと思っていない顧客、導入メリットを感じていない顧客にはそうはいきません。
インサイトセールス、コンサルティングセールスなどと言われますが、顧客自身も気付いていなかった「潜在的な課題の特定」や「先見性のある提案」をすることで欲しいと思わせる(=態度変容)ことが商談では重要になります。ここがまさにFSの難しい部分であり、それゆえに成果の高いFSは、営業組織の中で花形として扱われることも多いです。
▼フィールドセールスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
カスタマーサクセス(CS)
カスタマーサクセスとは、フィールドセールスが受注した顧客が『自社サービスを使ってよかった』と効果を実感してもらえるように顧客に伴走していく役割です。
初期設定や社内周知など、使い始めるまでの準備をオンボーディングと呼びます。その後、当初の導入目的を達成するための本格的なアクションに移ります。顧客からの質問対応など受け身ではなく、CSは活用状況を確認しながら能動的なアクションを取るのが特徴です。
自社サービスを使って成果を上げる、より効果的な使い方を指導するといった側面からコンサルティング力を問われる役割でもあり、時には新機能の提案など営業的な要素もあります。そのため、カスタマーサクセスは営業未経験からいきなりの転職は難しく、ISやFS、カスタマーサポートからの転職が一般的には多いです。
▼カスタマーサクセスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
終わりに
営業職にも様々な種類や役割があることをご紹介いたしました。一言で営業と言っても求められるスキルややりがいが異なるということが伝わりましたでしょうか。
本コラムを通じて、営業職のイメージや解像度が少しでも上がったり、自分がやりたい営業について考える機会を提供できましたら幸いです。
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