インサイドセールスが辛いと言われる理由と実態、身につくスキルとは
「インサイドセールスって、毎日ひたすら電話を掛け、断られてばかりの営業でしょ・・」
インサイドセールスにそんなネガティブなイメージをお持ちの方が、いまだに多いと感じます。
しかし実際には、電話をすることは目標達成の手段の1つでしかありません。
顧客に価値を感じてもらうための方法は、他にもたくさんあるのです。
今回の記事では、インサイドセールスがどのような役割を担っていて、顧客に価値を訴求する手段はどんなものがあるのかをご紹介していきます。
インサイドセールスは、本来高い思考レベルや実行力が求められる面白い仕事です。
そんな面白さを複数社でインサイドセールスを経験してきた私の実体験をもとにお伝えできれば幸いです。
過去記事もご覧ください。
👇本記事を読んで欲しい方
- 「インサイドセールスって面白くなさそう」と思っている方
- 「電話が苦手だから自分にはインサイドセールスが向いてないだろう」と思っている方
- インサイドセールスって具体的にどんな業務をするのか知りたい方
目次[非表示]
インサイドセールスとは
まずはインサイドセールスとは何か?を簡単に振り返っておきます。
インサイドセールスとは、「見込み顧客(リード)に対して、主に電話やメールを駆使し、非対面で行う営業活動のこと」を指します。
※見込み顧客 = 商品・サービスを購入してくれる見込みがある企業や人
営業職の中でも、インサイドセールスは最も顧客接触回数が多くなるポジションと言われており、目標達成の手段も幅広く、多くの部署と関わることからビジネスサイドの中でも重要なポジションと言われています。
インサイドセールスは、大きくSDR(Sales Development Representative)と、BDR(Business Development Representative)の2つに分けられます。
SDRは、「インバウンド型のインサイドセールス」を指します。
マーケティング部門が獲得した見込み顧客(リード)にアプローチします。資料ダウンロードや問い合わせなど、顧客の能動的な行動をきっかけとして接触を試みる営業活動です。
BDRは、「アウトバウンド型のインサイドセールス」を指します。
自社が顧客にしたいターゲットに新規でアプローチしていきます。ターゲット企業側が、自社の製品やサービスを認知していない状態、かつそもそもニーズがあるかも全くわからない状態でアプローチすることになるため、アポイント設定のハードル、またその後の商談の難易度も SDR に比べて高くなります。
ターゲットを絞り込み過ぎず、架電などを多くするいわゆる”テレアポ”的なアプローチの場合もあれば、ターゲットを狭く絞り込み、ターゲット毎に最適な接触方法やコンテンツを用意する”ABM(Account Based Marketing)”と呼ばれるアプローチの場合もあります。
▼詳しくはこちらの記事もご覧ください。
インサイドセールスの介在価値と得られるスキル
電話だけじゃない。インサイドセールスの仕事や役割。
インサイドセールスでは、顧客と電話で話す際の話し方や声色、イントネーション、話法などが話題になることが多いです。
しかし、大前提として「インサイドセールスという仕事や役割の目的」はなんでしょうか?
インサイドセールスは、その名の通り「セールス」。
インサイドセールスの主な業務範囲は企業によって異なりますが、仮にその業務範囲をわかりやすく「商談獲得」と考えた場合、そのための手段はどんなものが思いつくでしょうか。
基本は電話やメールになるかもしれませんが、それだけではないことは容易に想像がつくと思います。
インサイドセールスが成果を創出するための手段はさまざまであり、実は自由度が高く、奥の深い仕事なのです。
電話以外の手段は、何があるのか?
インサイドセールスとして顧客に価値を訴求したり関係性を構築するための手段は、具体的に以下のようなものがあります。
電話・メール
電話やメールは先述した通りで、最も基本的な手段であり、インサイドセールス未経験の方でもイメージがしやすいかと思います。
しかし、ただ連絡するだけではありません。
電話をした際に
「何にお困りなのか?」
「顧客が考える理想の状態とは?」
「問題解決のために今どんなことに着手しているのか?」
「いつまでに問題を解決したいのか?」
など、ヒアリングすべきことは無数にあり、また顧客によっても異なります。
顧客の課題解決のために必要な情報を、適切なタイミングで届けるために、インサイドセールスは頭を使いながら、情報を集め蓄積していくのです。
セミナー
セミナーはオンライン、オフラインとどちらのパターンもありますが、時代的にはZoomなどを利用したオンラインでの開催が手軽で始めやすいです。
このセミナーの開催をマーケティング部門だけではなく、インサイドセールスが担当している会社も多くあります。
顧客が知りたい情報、興味を持ちそうな情報をセミナー形式で発信することで、顧客から問合せをしてきてくれたり、セミナー後にお電話をした際に会話が弾み、商談機会をつくりやすくなったりする効果があります。
メルマガ
メールアドレスを自社で取得できている顧客には、定期的にメルマガを送り続けるのも手段の1つです。
メルマガの中で顧客が興味を持ちそうな情報やコンテンツ、上記したセミナーの案内などをご紹介することで、顧客の頭の片隅に自社の存在が残り続けるという効果があります。
顧客のニーズが顕在化したタイミングや、問題解決のためにサービスを検討しようと考えたその瞬間に「そういえば、いつもメルマガを送ってくるあの会社から話を聞いてみよう」と思い出してくれるわけです。
こういった顧客に接点を持ち続けることを「キープインタッチ」と言い、このキープインタッチもISの重要な役割だったりします。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、顧客が抱えているであろう問題を解決するための方法や、顧客が興味を持ちそうな情報についてまとめている資料のことを指します。
このホワイトペーパーをダウンロードする際に、電話番号やメールアドレス、会社名などの入力を必須にすることで、企業は顧客情報を取得するのです。
本来このホワイトペーパーの作成は、マーケティング部門の業務である場合が多いですが、インサイドセールスも作成に関与することがあります。
インサイドセールスは、顧客接点が最も多い営業職であるため、顧客が興味を持ちそうな資料作りに貢献できます。
オンライン商談
顧客の購買意欲の向上のために、インサイドセールスがオンライン商談をすることもあります。
オンライン商談の中で、詳細なヒアリングや簡単な商材紹介くらいまでしておけると、フィールドセールスに受注見込みの高い商談を繋ぐことができます。
このようにインサイドセールスが成果を出すためには、多くの手段が存在します。
上記はあくまで一例であり、他にもまだまだあります。
複数ある手段の中から顧客特性やタイミング、その時々の状況に合わせて、最適なものを選んでいくことがインサイドセールスの醍醐味とも言えそうです。
身につくスキル
マーケティング思考
インサイドセールスはセールスでありながら、マーケティング的な思考が求めれられる場面が多くあります。
先述したセミナーやメルマガ、ホワイトペーパーの作成などは、まさにマーケティング施策の一貫でもあるためです。
余談ですが、日本でインサイドセールスと呼ばれる役割は、海外ではマーケティングチームが担っていることが多いです。
論理的思考
インサイドセールスとして成果を出すためには、何から解決すれば一番成果が大きくなるのか、何から実行するのかまでを考え抜く必要があります。
ここまでさんざん記載をしてきたように、成果を出すための手段がたくさんあるからこそ、どの手段を選ぶかを論理的に導き出せるかが勝負です。
ただ電話を多くすれば良い、ただメルマガを送れば良いといった思考停止で行動量を追うだけのインサイドセールスは成果が出ない、もしくは成果が安定しないことが多いのです。
実行力
いわずもがなですが、マーケティング的思考、論理的思考を用いて戦略・先述を描いても最後までやり切らないと成果には繋がりません。
立てた戦略・戦術を最後までやり抜く実行力をぜひインサイドセールスで身に付けましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただき「インサイドセールスって電話ばかりで面白くなさそう」とイメージや先入観で避けていた方々の考えが変わり、1人でもインサイドセールスに従事される方が増えれば幸いです。