SaaS営業のリアルな市場価値は?職種別に将来性やキャリアパスを解説

「SaaS営業へ転職すると、市場価値は高まる?」
「一般的な営業と何が違って、そんなに年収や将来性が高いの?」
このようにSaaS営業に興味は湧くものの、リアルな市場価値が気になるところでしょう。
SaaS営業の市場価値が高いのは、採用ニーズが続いていることに加え、数字をもとにした営業改善や課題解決など、他社でも評価される経験を積みやすいためです。
しかし、一口にSaaS営業と言っても活躍できるポジションは多岐にわたり、あなたの強みを活かせる役割を選ぶことで市場価値をさらに高めていくことができます。
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この記事では、法人営業13年、キャリアアドバイザー歴10年、累計4,000名以上のキャリア支援実績を持つSQiL Career Agent事業責任者の武の知見を交え、SaaS市場の将来性や職種別の年収目安、市場価値が高い理由を解説します。
あわせて、SaaS営業の4つのキャリアパスも紹介するため、今後のキャリアを考える参考にしてください。
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SaaS市場規模は2029年度には約3.4兆円へ拡大
国内の企業向けSaaS/PaaS市場は、今後も拡大すると予測されています。
富士キメラ総研によると、2025年度の市場規模は2兆2,859億円となる見込みです。2029年度には3兆3,975億円まで拡大すると予測されています。
※2025年度の2兆2,859億円が2024年度比116.4%とされていることから算出した概算値です。
参考:富士キメラ総研
市場が拡大していることは、SaaS営業のキャリアを考えるうえで一つの材料になります。しかし、本当の市場価値を左右するのは、SaaS企業に在籍したことそのものではなく、そこでどのような営業経験を積んだかです。
市場の拡大というチャンスを活かし、「誰に、何を、どう売って成果を出したか」というどこでも通用する再現性の高い営業スキルを身につけることが大切です。
SaaS営業人材の市場価値が高い3つの理由
SaaS営業の経験が市場価値につながる主な理由は、次の3つです。
- 数字をもとに営業活動を改善できる
- 顧客の経営課題を解決する高い提案力がある
- THE MODEL型の分業組織でも成果を出せる
重要なのは、SaaS企業で働いた経歴そのものではありません。上記のようなスキルや考え方を身につけることが市場価値につながります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
数字をもとに営業活動を改善できる
SaaS営業では、すべての営業プロセスが数値化されるため、「なぜ売れたのか」「どこでつまずいているのか」をデータから冷静に分析する力が身につきます。
たとえば、インサイドセールスで架電数は足りているのに商談数が伸びていない場合、商談化率や顧客ごとの反応を確認し、アプローチする企業や訴求内容を見直します。このように行動量を増やすだけでなく、数字を手がかりに営業のやり方を変えていける点が、SaaS営業で身につく力の一つです。
成果が出ない原因を自分で特定し、売る仕組みを作れる人は、新しい職場でも自分で考えて成果を出せるため、多くの企業から必要とされる存在になれます。
顧客の経営課題を解決する高い提案力がある
もう一つは、特定の商品に依存しない高い課題解決力や提案力が身につくことです。
SaaS営業では、形のないサービスを扱うため、機能やスペックを説明するだけでは契約につながりません。顧客の業務や組織が抱える課題を深く掘り下げ、「このシステムを導入すると何が変わるのか」を具体的に伝えるスキルが求められます。
たとえば、顧客が「日々の業務に時間がかかっている」と悩んでいるとします。ここで単に作業時間を短縮する機能を紹介するだけでは不十分です。人手不足の解消や生産性の向上、さらには売上への影響まで視野に入れ、経営上の課題をどう解決できるのかを提案します。
単に便利な機能を説明するだけでは、顧客にとって「あれば便利」という程度の認識にとどまります。顧客自身も気づいていない本質的な課題をとらえ、「なぜ今このシステムを導入すべきなのか」を伝えられるようになれば、多くの業界で必要とされる高い提案力が自然と身につきます。
THE MODEL型の分業組織でも成果を出せる
SaaSの営業では、1人の営業マンが最初から最後まで全てを抱え込むのではなく、それぞれの役割をチームで分担する仕組み(THE MODEL型)が主流です。
THE MODEL型では、ただ仕事を細かく分けるだけでなく、以下のようにそれぞれの専門チームが独自の強みを活かして顧客の課題を解決していきます。
THE MODEL型の環境では、自分さえ売れれば良いというわけではありません。前の担当者から引き継いだ顧客の情報を次の担当者へ引き継ぎ、チーム全体で契約やサポートへとつなげていきます。
「自分1人で売ってきた」という営業スタイルとは違い、周りの部署を巻き込みながら、チームで成果を出す力が自然と身につきます。チームを動かして組織全体の成果を高めた経験は、将来どの会社に行っても重宝される大きな強みです。
【職種別】SaaS営業の評価されるスキルと年収目安
先述の通り、SaaS営業は、営業プロセスの中で担う役割が職種によって異なり、市場で評価される経験やスキルも職種ごとに変わります。
それぞれの職種で何が評価されるのか、市場価値について詳しく見ていきましょう。
なお、SaaS営業全体の平均年収や仕事内容まで詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
インサイドセールスの場合:400万~700万円
インサイドセールスは、電話やメールを通じて顧客と対話し、商談のきっかけを作る仕事です。
やみくもに連絡の数を増やすのではなく、これまでのやり取りや企業のデータから相手の悩みをあらかじめ予想し、今本当にアプローチすべき相手を冷静に見極める視点が求められます。
限られた短いやり取りのなかで相手の状況を正しくつかみ、次の担当者(フィールドセールス)へ正確に情報を引き継ぐことで、受注につながる質の高い商談が生まれます。
インサイドセールスで身につくスキル
- 相手の本音を丁寧に聴き出す「ヒアリング力」
- 事前のデータから相手の困りごとを予測する「仮説を立てる力」
- 数字をもとに自分の営業活動を工夫する「データ改善力」
これらのスキルは、フィールドセールスや営業企画へキャリアを広げる場合も大きな武器になります。
なお、SQiL Career Agentに相談し、営業未経験からセレブリックスへ転職した後、入社後にSaaS企業のインサイドセールスを担当した方の事例もあります。現在はフィールドセールスにも業務を広げています。
インサイドセールスの将来性や、その後に目指せるキャリアパスまで詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
フィールドセールスの場合:400万〜1,000万円
フィールドセールスは、インサイドセールスから引き継いだ情報をもとに、顧客との商談を進めていく仕事です。
ただし、事前に得た情報だけで提案を決めるわけではありません。実際の商談のなかで顧客の悩みを深く掘り下げ、自社のサービスでどう解決できるかを一緒に見つけていく姿勢が重要になります。
市場で高く評価されるのは、単なる商品説明にとどまらず、相手の経営や業務の根本的な困りごとにまで踏み込んで提案できる人です。この経験を積むことで、自力で成果を出せるスキルが自然と身につきます。
フィールドセールスで身につくスキル
- 相手の深い悩みを引き出す「課題の整理力」
- 社内の関係者が安心して進められる「合意形成の力」
単に「契約を取れる営業」ではなく、相手の課題を正しく捉えて提案を組み立て、周りを動かせる人として評価される点が、フィールドセールスの大きな市場価値になります。
なお、フィールドセールスの具体的な仕事内容やインサイドセールスとの違い、その後のキャリアパスまで確認したい方はこちらの記事もご覧ください。
カスタマーサクセスの場合:400~800万円
カスタマーサクセスは、契約後の問い合わせに対応するだけでなく、顧客がプロダクトを活用して業務改善や売上拡大を実現できるように、先回りして支援する仕事です。
近年では、アップセルやクロスセルによって契約単価の向上を狙うケースも増えており、カスタマーセールスとしての側面も強まっています。
カスタマーサクセスで身につくスキル
- 顧客のデータから課題を特定する「分析力」
- 継続利用と単価アップを支える「提案力・関係構築力」
カスタマーサクセスで培った経験は、アカウント営業や既存営業、営業企画などにも応用できます。
カスタマーサクセスの将来のキャリアや、身につくスキルについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
SaaS営業の将来のキャリアパス
SaaS営業で身につけたスキルは、営業として専門性を高めるだけでなく、次のようなマネジメントや他職種へのキャリアにも活かせます。
- エンタープライズ営業として大型案件を担当する
- セールスマネージャーとして営業組織を率いる
- 営業企画やマーケティングなどへ職種を広げる
- 外資系SaaS企業や他業界の法人営業へ転職する
なお、SaaS営業からどのようなキャリアを目指せるのか、職種ごとの選択肢をさらに詳しく確認したい方はこちらの記事もご覧ください。
エンタープライズ営業として大型案件を担当する
営業としてさらにステップアップしたい方は、大手企業を中心に担当する「エンタープライズ営業」を目指す選択肢があります。
通常の中小企業向け営業と比べて、商談の規模が大きく、意思決定に関わる人も多いため、複数の関係者を巻き込みながら大型案件を進める経験を積めます。
【通常の営業】
現場の担当者1人と向き合い、商品の機能や良さを説明して契約を結ぶ
【エンタープライズ営業】
現場から管理職、経営層まで、立場の異なる多くの関係者と意見をすり合わせる
大規模な案件を自力で動かせる人材は、SaaS業界だけでなく、IT営業やコンサルティング営業などでも評価されるでしょう。
特に、これまで中小企業向けの営業を経験してきた方にとっては、営業としての専門性を高めていけるキャリアです。
SQiL Career Agentでは、建設業向けSaaSのフィールドセールスとしてSMB領域を担当していた方が、経験の棚卸しを通してエンタープライズ営業への挑戦をキャリアの軸に定めた事例もあります。SaaS営業から経験の幅をどのように広げたのか知りたい方は、こちらもご覧ください。
また、エンタープライズ営業の具体的な仕事内容や必要なスキルを詳しく確認したい方はこちらの記事もご覧ください。
セールスマネージャーとして営業組織を率いる
個人で営業成果を出してきた方は、セールスマネージャーへ進む選択肢もあります。
セールスマネージャーでは、自分の売上だけでなく、チーム全体の目標達成に責任を持ちます。プレイヤーとして培った営業力を、組織全体の成果へ広げていける点が、セールスマネージャーの大きな魅力です。
【通常の営業】
自分の商談データをもとに、売れない原因を見つけて工夫し、成果を出す
【セールスマネージャー】
メンバーごとの成果の違いを数値から客観的に分析し、売れる仕組み(型)を共有する
将来的に営業責任者や事業責任者を目指したい方にとっても、有力なキャリアパスです。
営業として成果を出すことに加え、「チームでより大きな成果を作りたい」と感じる方は、セールスマネージャーへのキャリアも検討してみてください。
営業企画やマーケティングなどへ職種を広げる
営業現場で得た顧客理解を活かし、営業企画やマーケティングへ職種を広げる選択肢もあります。
多くの顧客と直接対話を重ねるなかで、「どの顧客層に、どのような課題が多いのか」といった傾向をデータと実体験から掴めるようになるため、個人の営業に留まらないステップアップが可能です。
【通常の営業】
多くの顧客と対話し、「どのような悩みがあり、どの提案に響くか」の傾向を掴む
【営業企画・マーケティング】
現場の知見を活かし、新しい集客施策を考えたり、営業活動全体の仕組みや戦略を組み立てる
「顧客へ直接提案する仕事が好き」という方はもちろん、「営業経験を活かして、より広い視点で事業成長に関わりたい」という方にも選択肢となるキャリアです。
外資系SaaS企業や他業界の法人営業へ転職する
SaaS営業で培ったスキルを活かし、外資系SaaS企業や他業界の法人営業へ転職する選択肢もあります。
顧客の課題を聞き出して提案する力や、数字をもとに営業活動を改善した経験は、業界が変わっても評価されやすく、転職先の選択肢を広げられます。
【通常の営業】
顧客の課題を捉え、数字を見ながら営業活動を改善し、成果を出す
【外資系SaaS企業・他業界の法人営業】
SaaS営業で培った提案力や改善経験を活かし、異なる商材や顧客に対して営業する
これまでの経験を軸に、より大きな顧客を担当したい方は外資系企業へ、専門知識を深めたい方は特定業界向けのIT営業へと、次のキャリアの選択肢を考えられます。
ここまで将来のキャリアについて解説してきましたが、「自分の経験がどの企業で評価されるのかわからない」「次のキャリアで何を目指せばよいか迷う」という方もいるでしょう。
SQiL Career Agentでは、平均10.6回の面談を通して、これまでの営業経験や転職軸を振り返りながら、あなたに合ったキャリアを一緒に考えます。SaaS営業として今後の市場価値を高めたい方や、自分の経験を活かせる企業を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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SaaS営業として市場価値を高めていく4つのステップ
SaaS営業として経験を積むなら、ただ年数を重ねるのではなく、どんな顧客を担当し、どのように成果を出してきたかを増やしていくことが大切です。
市場価値を高めるために、次の4つを意識して経験を積んでいきましょう。
- まずはSaaSビジネス特有の指標や営業モデルを理解する
- 担当する顧客の業界や業務に関する専門知識を深める
- 営業実績を数値で残して成果を出すまでの過程を言語化する
- 大型案件の獲得やマネジメントに挑んで経験の幅を広げる
1.まずはSaaSビジネス特有の指標や営業モデルを理解する
SaaSでは、見込み顧客へのアプローチから商談、契約後の支援まで、役割を分けて営業活動を進める場合があります。
たとえば、THE MODEL型の組織では、以下のように他部門と顧客情報や営業データを共有しながら、商談化率や受注率、継続率を高めていきます。
この流れを理解すると、自分の担当するKPIだけではなく、その数字が最終的な売上や継続利用へどう影響するのかまで見られるようになります。
SaaS特有の営業モデルを理解する目的は、用語や仕組みを覚えることではありません。自分が営業プロセスのどこを担い、前後の部門とどのようにつながっているのかを理解することです。そのうえで、自分の行動がどの数字へ影響するのかまで考えられる営業を目指しましょう。
2.担当する顧客の業界や業務に関する専門知識を深める
営業モデルを理解した後は、担当する顧客の業界や業務について知識を深めましょう。
SaaS営業では、自社プロダクトの機能を詳しく説明できるだけでは十分ではありません。顧客がどのような業務をおこない、どこに課題を抱えているのかを理解したうえで、自社プロダクトとの接点を見つける必要があります。
たとえば、建設業向けのSaaSを扱っているとします。顧客から「現場管理を効率化したい」と相談されても、その言葉だけでは具体的な課題まではわかりません。工程表を紙やExcelで管理しているのか、現場と事務所で情報共有に時間がかかっているのかによって、必要な提案は変わります。
顧客理解は、次のように業務の実態まで掘り下げていきます。
表面的な要望だけを聞いて商品を紹介する営業と、顧客の業務まで理解して提案する営業では、提案の深さが変わります。担当する業界や業務について学び、顧客の課題に合わせて提案を組み立てられるようになることが、市場価値の向上につながります。
特に、医療や建設など特定の業界に特化した「バーティカルSaaS」では、業界特有の業務や課題への理解が営業にも必要です。以下の記事では、バーティカルSaaSについて詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
3.営業実績を数値で残して成果を出すまでの過程を言語化する
SaaS営業で実績を積んだ後は、転職時に経験を正しく評価してもらえるよう、数字だけでなく、どのような工夫や行動によって成果につなげたのかまで説明できるようにしておきましょう。
「目標を達成した」「商談を獲得した」という結果だけでは、なぜ成果を出せたのかまでは伝わりません。実績を振り返る際は、KGIとKPIの構造を使いながら、当時の状況・課題・施策・結果までつなげると、自分の営業力を説明できます。
たとえば、建設業向けSaaSのインサイドセールスの場合、商談数を伸ばした経験を、次のように振り返ってみましょう。
このように、KGIやKPIを追うだけではなく、「数字から何が問題だと考えたのか」「どの仮説をもとに行動を変えたのか」まで残しておくことが重要です。
なお、SQiL Career Agentでは、SaaS企業でインサイドセールスを経験した方が、これまでの営業経験や成果が出た要因を言語化し、面接で自信を持って伝えられるようになったことで、SmartHRへの転職を実現した事例もあります。
「自分の実績を面接でどう伝えればよいのか」「どの経験が次の転職で評価されるのか」と悩む方は、SQiL Career Agentへご相談ください。
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4.大型案件の獲得やマネジメントに挑んで経験の幅を広げる
営業として一定の経験を積んだ後は、大型案件やマネジメントへ挑戦し、担当できる仕事の幅を広げましょう。
エンタープライズ営業では、担当者一人への提案だけでは商談が進まないことも珍しくありません。現場担当者だけでなく、部門責任者や経営層、情報システム、法務など複数の関係者と話を進め、社内のフィールドセールスやカスタマーサクセス、開発部門とも連携しながら受注を目指します。
一方、セールスマネージャーを目指す場合は、自分が売るだけではなく、メンバーの成果を高める役割が加わります。商談数や受注率などの数字を見ながら課題を見つけ、商談レビューや1on1を通じて改善を促したり、自分が成果を出してきた営業方法をチームへ共有したりする経験が求められます。
こうした大型案件を経験すると、複数の関係者と合意を取りながら長期の商談を進める力を身につけられます。
転職時に評価されるのは、大型案件を担当した事実や役職名だけではありません。どのような顧客やチームを任され、そこで何をして成果につなげたのかまで話せることが重要です。
市場価値を高められるSaaS企業を選ぶポイント
SaaS営業として市場価値を高めたい場合は、企業名や年収だけで転職先を選ばないことが大切です。入社後にどのような営業経験を積めるのかまで確認しましょう。
特に確認しておきたいポイントは、次の5つです。
- 営業プロセスの分業体制が整っているか
- 企業の成長段階に合わせて幅広い業務を経験できるか
- プロダクトに競争力があり事業の成長性が見込めるか
- 明確な評価制度や理想のキャリアパスが用意されているか
- どのような顧客層や商談規模を経験できるか
「SaaS企業だから市場価値が上がる」と考えるのではなく、自分が次に身につけたいスキルから逆算して考えましょう。
営業プロセスの分業体制が整っているか
企業選びでは、営業活動がどのような役割に分かれているか確認しましょう。THE MODEL型の分業組織のように、役割が明確な環境では、自分の担当領域に集中して経験を積めます。
ただし、「分業されている企業のほうがよい」というわけではありません。企業によって分業の細かさが異なり、インサイドセールスから受注まで担当する企業もあれば、商談化までに役割を限定する企業もあります。
求人票や面接では、担う役割の業務範囲を確認し、自分がどのような営業経験を積めるのかを確認しておきましょう。
たとえば、インサイドセールスとして専門性を高めたい方であれば、商談化率の改善や顧客の選定まで任される環境かを確認します。一方、営業全体を経験したい方には、商談や受注まで幅広く担当できる組織のほうが合う場合もあります。
企業の成長段階に合わせて幅広い業務を経験できるか
SaaS企業では、事業が立ち上がったばかりの時期と、営業組織が大きくなって役割分担が進んだ時期では、営業に任される仕事が変わります。幅広い仕事に関わりたいのか、一つの領域を深めたいのかによって、選ぶ企業も変わってきます。
【立ち上げ期】
経験できること
・顧客開拓だけでなく、提案方法や営業フローづくりにも関わる
・マーケティングやCSなど、担当外の仕事にも関わる
【拡大期】
経験できること
・IS・FSなど担当領域で成果を出しながら、KPI改善にも関わる
・新しい顧客層への営業や、新しい施策を任される
【成熟期】
経験できること
・IS・FSなど一つの領域で専門性を高める
・大手顧客や複雑な案件、マネジメントなど次の役割へ進む
企業選びでは、どちらが優れているかではなく、自分が何を経験したいかで判断することが大切です。企業の成長性だけを見るのではなく、その成長段階で自分がどの役割を担えるのかまで確認しましょう。
SQiL Career Agentでは、営業経験やスキルを細かく振り返って新たな強みを見つけた方や、企業の規模・事業フェーズまで見ながら転職先を選んだ方の事例があります。企業選びの考え方を具体的に知りたい方はこちらも参考にしてください。
関連記事:「とにかく顧客に向き合い続ける」経験とスキルを棚卸し、価値観・実現したいキャリアから逆算した、2人のキャリア選択。
プロダクトに競争力があり事業の成長性が見込めるか
SaaS企業を選ぶ際は、営業組織だけでなくプロダクトにも目を向けましょう。
営業担当者の努力だけで成果が決まるわけではありません。顧客の課題を解決できるプロダクトでなければ、どれほど提案方法を工夫しても成果につなげることは困難です。
一方で、顧客から必要とされるプロダクトであれば、さまざまな商談を経験する機会が増え、より難易度の高い顧客や案件を任される可能性も広がるでしょう。
企業研究では、「サービスが便利そう」という印象だけで判断せず、次のような点を確認します。
プロダクト研究は、売りやすい商品を探すだけの作業ではありません。そのプロダクトを扱うことで、自分がどのような営業経験を積めるのかまで考えることが重要です。
明確な評価制度や理想のキャリアパスが用意されているか
入社後にどのような成果や行動が評価されるのかも確認しましょう。
評価制度を見ることで、その企業が営業担当者に何を期待しているのかもわかります。たとえば、「受注額だけを評価する企業」と「チームへの貢献まで評価する企業」では、積める経験も異なります。
あわせて、希望するキャリアへ進める環境が用意されているかも重要です。
たとえば、将来的にエンタープライズ営業を目指したい場合でも、大型案件を担当できる機会がなければ必要な経験を積めません。マネジメントを目指す場合も、組織を率いる役割へ進める環境かを確認する必要があります。
社内で実際にどのようなキャリアを歩んでいる人がいるのかも参考になります。インサイドセールスからフィールドセールスへ進んだ実績や、プレイヤーからマネージャーへ昇格した事例があれば、入社後のキャリアを具体的に描けるでしょう。
「年収が上がりそうだから」「SaaS企業だから」といった理由だけで転職先を決めず、次のキャリアにつながる経験を積めるかまで確認することが重要です。
SQiL Career Agentでは、これまでの営業経験や今後実現したいキャリアを振り返りながら、自分に合った企業選びをサポートしています。「市場価値を高めるには、次にどのようなSaaS企業を選べばよいかわからない」という方は、ぜひご相談ください。
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どのような顧客層や商談規模を経験できるか
SaaS企業を選ぶ際は、入社後にどのような企業を担当し、どのくらいの規模の商談を経験できるのかも見ておきましょう。
同じSaaS営業でも、中小・中堅企業を数多く担当する営業と、大手企業を相手に長期間かけて商談を進める営業では、経験する仕事が大きく異なります。
どちらが優れているということではなく、将来どのような営業を目指すかによって選び方は変わります。エンタープライズ営業を目指すなら大手企業との商談経験、提案の機会を多く持ちたいなら中小・中堅企業を数多く担当できる環境が向いています。
なお、求人票では「法人営業」としか書かれていない場合もあるため、面接では顧客の企業規模や商談期間、1人あたりの担当社数なども確認しておきましょう。
SaaS営業へ転職する前に知っておきたい注意点
SaaS営業への転職を考えるうえで、確認しておきたい注意点があります。
- 売上や商談数などの数値目標が明確に設定される
- プロダクトや顧客業界の知識を学び続ける必要がある
- 受注後も継続率や顧客の成果に向き合う必要がある
SaaS営業には市場価値を高められる魅力がありますが、誰にでも合う仕事とは限りません。転職後のギャップを防ぐためにも、実際の営業スタイルを知ったうえで、自分が前向きに取り組めそうか考えてみましょう。
売上や商談数などの数値目標が明確に設定される
SaaS営業では、自分の営業活動を数字で確認しながら改善する姿勢が求められます。
売上だけでなく、担当する役割に応じて商談数や契約に至った割合などが記録されます。そのため、「今月は頑張った」「顧客の反応はよかった」といった感覚だけで営業活動を振り返るのは十分ではありません。
たとえば、インサイドセールスでは商談数や商談化率、フィールドセールスでは受注率など、ポジションごとに追う数字があります。数字が目標に届かなかった場合は、どの数字に課題があるのかを細かく確認し、アクションを変える必要があります。
もちろん、ネガティブな側面ばかりではありません。数字をもとに改善する営業スタイルは、成果や課題が明確になる点に面白さがあります。
「成果を数字で追うことに抵抗がないか」「数字をもとに試行錯誤する仕事を楽しめそうか」は、転職前に考えておきたいポイントです。
プロダクトや顧客業界の知識を学び続ける必要がある
SaaS営業では、自社プロダクトだけでなく、顧客の業界や業務について学び続ける必要があります。
プロダクトの機能を理解していても、顧客がどの業務で困っているのかわからなければ、課題に合った提案はできません。自社サービスの情報に加えて、担当する業界や顧客の業務への理解を深め続ける姿勢が求められます。
また、SaaSは機能追加やアップデートがおこなわれるため、一度プロダクトを覚えれば終わりという仕事でもありません。サービスの変化に合わせて、新しい機能や提案方法をキャッチアップする必要があります。
SaaS営業への転職を考える際は、「商品知識を覚えればよい仕事」ではなく、新しい情報を取り入れながら顧客理解を更新していく仕事だと理解しておきましょう。
受注後も継続率や顧客の成果に向き合う必要がある
SaaS営業では、契約を獲得した時点で顧客との関係が終わるわけではありません。月額や年額でサービスを継続利用してもらう仕組みであるため、受注後の活用状況や顧客の成果にも向き合う必要があります。
特にカスタマーサクセスでは、顧客がプロダクトを活用できているかを確認し、継続利用につなげる役割を担います。アップセルやクロスセルによる追加提案まで求められる場合もあるでしょう。
フィールドセールスでは、受注後にカスタマーサクセスへ顧客の課題や導入目的を引き継ぎます。契約を取ることだけではなく、その後の顧客成果まで見据えて提案する視点が必要です。
そのため、売り切り型の営業とは、顧客との関わり方が異なる点を理解しておいてください。たとえば、契約後に顧客が十分にプロダクトを使えていなければ、導入しただけで目的を達成したとはいえません。
顧客の業務に継続して入り込み、利用定着や成果まで支えることにやりがいを感じられるかも、SaaS営業を選ぶうえで大切です。
SaaS営業への転職ならSQiL Career Agent
SaaS営業へ転職する際は、これまでの営業経験をどのポジションで活かせるのか、入社後にどのような経験を積めるのかまで考えることが重要です。
SQiL Career Agentは、営業職に特化した転職エージェントです。営業経験やスキルの棚卸しから、キャリアに合った求人提案、選考対策まで支援しています。
たとえば、同じ法人営業の経験でも、新規開拓で培った仮説思考がインサイドセールスで活かせる方もいれば、複数の関係者との調整経験がフィールドセールスで評価される方もいます。自分では当たり前だと思っている経験が、SaaS企業では強みになるケースもあります。
とはいえ、「誰に、何を、どう売って成果を出したか」を振り返っても、自分だけでは強みを言語化できない方もいるでしょう。
SQiL Career Agentでは、平均10.6回の面談を通して、これまでの営業経験を一つずつ掘り下げながら、次のキャリアで活かせる強みを一緒に見つけます。求人提案だけでなく、応募企業に合わせた面接対策から入社後のフォロー・キャリア面談まで一貫してサポートしています。
「SaaS営業に向いているのか知りたい」「自分ならどのポジションから挑戦できるのか相談したい」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
SaaS営業の市場価値は、SaaS企業で働いた経歴だけで決まるものではありません。
市場で評価されるのは、「誰に、どのような課題に対して、どのような提案を行い、どう成果につなげたのか」という営業経験です。さらに、数字をもとに課題を捉えて改善した経験や、周囲と連携して成果を出した経験があれば、別の企業でも再現できる営業力として評価されます。
同じSaaS営業でも、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスのどこを担うか、どのような顧客や商談を経験するかによって、次の転職で評価される強みは変わります。そのため、転職先は年収だけでなく、営業体制やプロダクト、担当する顧客、今後積める経験まで確認することが大切です。
「自分の営業経験がSaaS企業でどう評価されるかわからない」「市場価値を高められる企業をどう選べばよいかわからない」という方は、SQiL Career Agentへご相談ください。
SQiL Career Agentでは、これまでの営業経験を業界・顧客・役割・営業手法などから捉え、今の強みをどの仕事で活かせるのか、今後どの職種や企業を目指すとキャリアの可能性が広がるのかをアドバイザーと一緒に考えます。
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